14スレ目の74(ななよん)の妄想集@ウィキ

第1回パロロワ用急場原作置き場>神谷カザネの場合


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=B-3(X:4Y:1);森;1日目AM7:00=
「・・・ううん。・・ひゃっ!?」
私の頬に突然走った冷たい衝撃に、思わず飛び起きた。
私が居たのは薄暗い、お伽話ならば悪い魔女でも住んでいそうな雰囲気が漂っている場所だった。
「(・・カザネ!?大丈夫!?カザネぇ!!)」
今にも泣きそうなぐらい必死な大声が私の心に響く。
「(アリアちゃん、落ち着いて!・・私は大丈夫だよ。)」
「(カザネ!?・・・よかった!貴女の身に何かあったら私・・!私・・!)」
最後まで言い切れず、彼女はわんわんと泣き出してしまった。
彼女に姿があったら、きっと私は息ができなくなるぐらいきつく抱きしめられていたに違いない。

彼女はショット=アリア。色々とあって私の心の中に居る宇宙人。
突然、声がしてきた時は流石に驚いたけど、今ではかけがえのない友達。
宇宙人が皆、彼女みたいな良い人だったら私や彼女は戦わずに済んだかもしれない。
「(ありがとう、アリアちゃん。・・心配させちゃってごめんね。)」
嗚咽を繰り返しながら泣く彼女の声は枯れている。
恐らく私が目を覚ます前からずっと、私に向かって叫び続けていたのだろう。
「(ぐずっ・・・カザネは悪くないよ。私こそごめんね、もっとしっかりしないといけないのに。)」
一頻り泣いた彼女はようやく落ち着きを取り戻し始めたらしい。
(まぁ、既にあまり大丈夫じゃない事になってる気がするけどね・・。)
残念ながら、ここは私の見知った笠原町ではない。
しかし、今の彼女にとってこの宣告はあまりに酷過ぎる仕打ちだろう。
それに、彼女ならば既にそれぐらいの事は知っているはずだ。態々指摘する事は彼女を追い詰める事になるだけだ。
私は彼女が完全に落ち着くまでの間、これまでの事を少し思い出してみる事にした。

ーーーー
~スタート前の全員集合の場所、参加者は其々個室に入れられてるという設定~

「うーん・・。・・はっ!」
目が覚めると私は、見慣れぬ場所に居た。
暗くて、気味が悪くて、オバケでも出てきそうな気がする。そんな場所だった。
オバケ屋敷に入って気を失ったのかとも思ったが、いくら思い出そうとしても思い出せない。
そして、そもそも私は一人でオバケ屋敷には絶対に入らない。
(だって、怖いんだもん・・。)
誰に対しての言い訳か分からないが、そんな言い訳をしつつ周りを見渡す。
目が慣れてくると、そこはますますオバケ屋敷内の一室のような薄気味悪さで満たされていた。
灯りがないので色はよく分からないが暗い色使いなのは確かな壁に、一箇所だけぽっかりと真っ黒な穴が開いたかのような場所がある。
「(アリアちゃん。)」
私は心細くなって私の心の中にいる友人に話しかけた。
「(・・・アリアちゃん?)」
反応がない。普段の彼女ならありえない事だ。
(私、彼女を怒らせるような事したかな?)
そう思って必死に思い出そうとしているが、心当たりがない。
「(・・んん。アレ?ここ・・何処?)」
暫しの沈黙のあと、間の抜けた声が聞こえてきた。
「(アリアちゃん!良かった・・。)」
私は彼女の声が聞けて安心した。
心細かったのも確かだが、それ以上に彼女に嫌われたワケではない事が分かったのが大きかった。
「(カザネ~、ここ何処ぉ?若しかしてここが有名な’オバケ屋敷’ってやつぅ?)」
「(あはっ、アリアちゃんったら、まるで寝起きみたい。)」
「(へっ!?『寝起きみたい』って!?ウソ!?私が!?)」
どういうわけか彼女はひどく驚いている。私は流石に疑問に思って聞いてみた。
「(どうしたの?そんなに慌てて。さっきまで、寝てたんじゃないの?)」
「(寝てた!?私が!?)」
「(うん、だって私が呼びかけてもちっとも返事してくれなかったじゃない。)」
そうだ、先の無反応は彼女が寝ていたからだと考えるのが自然だ。
「(そんな!?・・・なんて事なの。私は、また・・。)」
よく分からないが、彼女が酷く落ち込んでいる。
姿は見えないが泣きそうなぐらい弱々しい声がそれを物語っている。
「(アリアちゃん、どうしたの?私、怒ってないよ?)」
「(違うのカザネ!・・・聞いて。私、また貴女を大変な事に巻き込んじゃったみたい。)」
ここまで真剣な彼女の声を聞いたのは、ダイアークとの戦いに巻き込んだ事を謝る時以来だ。
私は固唾を飲んで彼女の言葉を待った。
「(私達が今居るのは、地球じゃないよ。)」
「(へ?じゃあ別の惑星【ほし】に・・)」
「(それも違うの。私達の居た地球があった次元とは違う場所よ。)」
「(・・うーんと、簡単に言うと地球の作り話によくある別の世界に飛ばされてしまうアレと同じ状況よ。)」
「(へぇー・・アレね・・。)・・・エェーッ!?」
『地球の作り話によくある別の世界に飛ばされてしまうアレ』。それと同じと言う事はつまり、異世界に居ると言う事だ。
私は驚きの余りに真っ白になった。できる事ならウソだと言って欲しい。
「(ごめんね。私がもっとしっかりしていれば、こんな事には・・。)」
「ううん・・・アリアちゃんは・・・悪くないよ。」
あまりに荒唐無稽すぎる現実に打ちひしがれていた私は、辛うじてそれだけを口にする事ができた。

~ルール説明とか見せしめシーンとか、ゲーム開始で転移させられるまでの経緯~

ーーーー
今にして思えば、彼女がここまで慌てふためくのは当然だった。
「(・・カザネ、私ならもう大丈夫。)」
彼女はだいぶ落ち着きを取り戻したみたいだ。声も普段の明るさを取り戻している。
「(良かったー。何時までもしくしく泣かれてたら五月蝿くて敵わないもんね。)」
「(悪かったねー五月蝿くて!もう、知らないっ!)」
「(アハハッ♪やっぱり、アリアちゃんは元気なのが一番だよ。)」
「(・・・もう。カザネのいぢわる。)」
友人の調子が元に戻った事が分かって一安心した私は、ふと髪型に違和感を感じる。
「あ・・あれ?」
「(ん?どうしたの?)」
何だか、やけに広がっているような・・。
「私、髪型こうだったっけ・・?」
「(!?)」
彼女も気が付いたらしい。できれば、気付きたくは無かった。
(私の髪留めがない。)
私の命の次に大事な物。私のロングヘアを束ねるための物で、私の変身に必要な物。
「(くっ!私がもっとしっかりしていれば・・)」
「違うよ、きっと・・どっかで落としたんだよ。」
彼女の言わんとしている事は何となく想像がつく。だが、短時間で色々と衝撃的な出来事が起きすぎている。
そのドサクサで本当にただ何処かに落としただけの可能性も高いし、そう思いたい。
「(・・・そう、ね。)」
彼女は私の気持ちを察したのか、歯切れが悪いものの同意した。

「(これから、どうしよう。)」
私は話題を変えるため、友人に相談を持ちかけた。
「(そうね・・先ずは目の前のいかにも’拾っていけ’というオーラが出てるバッグを見てみようか?)」
「バッグ?・・ああ、アレね。」
私の目の前にはバッグが1つ落ちていた。確かに、’拾っていけ’というオーラが出ている。
私はそれを拾い上げ、手近な所に腰掛けて中身を見てみた。
まず、水とパンが出てきた。私はパンより米派だけどこの際仕方ない。多分2日分ぐらいはあるだろう。
次に懐中電灯。スイッチを一回入れてみた所かなり明るい。電池は暫く大丈夫そうだ。
それから地図にコンパス、私は自慢じゃないが地図を見るのが苦手だ。
アリアちゃん曰く『まずは目印を見つけないといけない。』そうだからしまっておく事にする。
そして時計。できれば午前と午後が分かれていて欲しかったが仕方ない。右手の内側に巻く事にした。
”参加者名簿”なるラベルの貼られた名簿も出てきた。
「(そういえば、他にもこの世界に飛ばされてきた人も居るんだったっけ?)」
「(アイツの言うとおりならばそうなるね。まさか・・)」
「(・・私も、まさかと思いたいよ。)」
私は祈りながら恐る恐る名簿を確認してみた。しかし、私の祈りは届かなかったらしい。見つけたくない物を見つけてしまった。
「そんなっ!エリナさんにシノブちゃんまで・・。」
2人の事だから、当然アイツの狂った”ゲーム”にはノってないだろう。
そして、2人とも変身しなくても私より強い。すぐに誰かの毒牙に掛かって・・なんて事はないはずだ。
「(・・・ダメ、”声”が届かない。)」
「(そんな!・・もしかして、アイツの言っていた?)」
「(多分そうよ。大体、50メートルぐらいしか届かなくなってる。)」
本来、”声”、テレパスは一度相手が同じ空間に居る事が分かれば、何処に居ようとも届くはずだ。
意識体になった際には少しだけ波長にズレが生じた事があるが、今回はその兆候はないらしい。
つまり、アイツの手によって”声”の届く距離が制限されていると考える方が自然だ。
「(歩いて探すしかないみたいだね。)」
「(うん、多分2人もそうしていると思う。)」
思いついた通りに行動するシノブちゃんはともかく、エリナさんなら十分にありえる事だ。
多分今頃私やシノブちゃんを探して歩いているに違いない。
そう考えると下手に動かない方がいいような気もしてきたが、ここは何だか薄気味悪い。
「(アリアちゃん、皆で一緒に帰ろうね!)」
「(うん!絶対一緒に帰ろう!)」
私は心強い友人と帰還を誓い合って、バッグの残りを調べる事にした。