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山田コレクション
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c291
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名称
- 山田コレクション
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概要
- 福井県の資産家である山田勝三氏が2007年に自宅ゲストハウス(3階建て)を全面改装してオープンさせたカフェ。
- 「カフェ」とは名乗っているが、実際は「山田氏の秘蔵コレクションミュージアム」である。
(以上2007年6月以前の蟹)
- てなことを半年くらい前に言っていたら2007年末、気付けば「スポーツ・カフェ 山田コレクション」から「スポーツ・ミュージアム 山田コレクション」に変わっていた。今後の事も考えて、当サイトでは以後「山田コレクション」で統一する。
(以上蟹071230)
状況
- 福井県のメディチ家ともいえる山田勝三氏に特に異論反論はないのだが、それでは話が進まない。この施設で利益を出そうとは思ってなさそうだが、とりあえず入場者と収入を増やす方向で考えてみる。
- 新聞などで騒がれたSLやキティ関連グッズもあるが、メインは長嶋茂雄関連の品々や有名スポーツ選手関連グッズ。2年位前に福井県が由利公正の五箇条の御誓文の草稿を2000万円位で落札して、一般公開だのなんだのと騒いでたことがあったが、そんなことがバカバカしくなるくらい貴重かつ強烈な収蔵品の数々。
- 「入場料1000円の価値はあるか?」と聞かれれば「Yes!」だが、見てない人に分かってもらうのは難しい。
- 50年代~60年代を生きた人の長嶋茂雄に対する思いは俺には理解できないが、山田氏のミスターへの思いが本物であることは分かった。
- 松井には悪いが、展示品だけで比較すれば、松井秀喜・ベースボールミュージアムより上だ。
- スポーツに対する造詣も物に対する思い入れも大して深くない俺だが、それでもペレの使用ユニフォームやベイブ・ルースとジョー・ディマジオの使用バット(ン億円らしい…)が、特に目玉展示って風でもなくトイレの前の廊下や部屋の隅っこに飾られている事実にはちょっとビビル。
- 展示メインなのは分かるが、カフェを名乗りつつコーヒーが無いってのはどうでしょう。これでは「茶室・山田コレクション」だ。
(以上2007年6月以前の越)
問題点と解決案
- 展示の仕方はやはり素人づくり。どれも大事って気持ちは分かるが、詰め込みすぎの感がある。特に出版物の部屋は、玉石混合の度合いが強過ぎる。有名なSLやキティは良いにしても、有田焼とか鉋(カンナ)はいくら価値があるにせよ、スポーツカフェには不要。ディスプレイの専門家やコンサルに頼んで、全体的にもっと見せる展示にして欲しい。
- ミスターと小林繁に関するコレクションと、他の展示との感情の温度差が開き過ぎ。いっそミスターと小林繁の展示に絞った方がアピールしやすい。何とかミスターの名前を施設の名称に頂く許可を得て、ミスターのための記念館ってことにできないものか。
- 現在の施設をミスター記念館にすれば、サッカーや大リーグやその他のスポーツ関連グッズは不要になる訳だが、それらはAOSSA(アオッサ)のワンフロアを山田財閥で買い取って、そこをスポーツカフェにして大々的に展示する。そこで出すのは煎茶じゃなくてカフェ。
- ホームページがショボ過ぎる。長嶋ファンを中心に全国の人に来て見てもらうなら、ホームページの整備は必須。
- いくら豪華展示物に煎茶付きとはいえ、やはり1000円は庶民感覚としては気軽に入りにくい金額。総入場料収入の最大化という観点から考えても、学生300円という設定とのバランスを考慮しても、大人1人600~800円程度に設定すべきだと思う。
(以上2007年6月以前の越)
- 建物壁に打ち込まれた立体金文字の極太毛筆体はどう解釈しても威圧的で敷居を高くしているだけのような気がする。
- 現在の施設が「私邸を改造したもの」であるが為に、どうしても「公に開放したアミューズメント感」が足りない。「あの有名な山田邸に一度入ってみたい」と思う地元民にとっては一石二鳥となるのだろうが、そんな好奇心旺盛な車持ちの県民はこの保守県福井にはあまり居ないだろう。そうすると施設に一歩踏み入れるまでの「駐車場から歩道に出て高い塀の前を歩いてからおじゃましまーす」みたいなとっかかりが案外最大のハードルとなっているように思える。
- そもそも地元福井において山田勝三氏は極めてミステリアスな存在。みんなが「セブンイレブンの株で大儲けした投資家で高額キティちゃんグッズやSL模型で全国報道されたお金持ち」ってところまでは知っているのに、彼を直接知る人物は極めて少ない。これは多分、彼が「県内の金を集めた組織人」ではなく「県外の金を集めた個人」であるからで、元々福井県内の組織やネットワークに頼ったビジネスをしていないからであろうが、それ故に「よくわからない変人」的なベールに包まれ続けている事実もあったりする。結果、問題点として、彼を慕って気軽に訪れる地元民が極めて少ない現状を導いているのではないかと考えられる。ガチな長嶋ファンの層が2007年時点での50歳以上と考えると年齢的にもフットワークは重そうで、なおさら相性はよろしくない。
- 解決案については越とほぼ重なるのだが、私は「全コレクションをAOSSA(アオッサ)へ移設」が良いと思う。AOSSA(アオッサ)の1~3階を全面見直しし、3階の飲食ゾーンを1階に。2階は「山田コレクション(長嶋茂雄関連以外の全コレクション)」にして面白さと豪華さ重視で。そして3階に「長嶋茂雄記念館」をドーンとオープン。今後も山田氏には「すごいものの買い付け」を自身の資金で継続して頂く代わりに、2~3階の家賃は市と県が負担。入場料は2フロアまとめて現在のままで出入り自由の一日券。電博どちらかにちゃんとお金を払い、山田氏の個人的センスによる演出は一旦忘れて頂き、透明感の有るプロジェクトを大々的に展開。まずは地元の県民感情を誘導し、「なんだかんだ言っても勝三さんは凄い人だろう」が合言葉になるくらいまで持って行き、山田氏の功績を素直に認知させる。ある程度「勝三LOVEな県民」が増えて来た所で2階にオリジナルグッズ販売所を設置し、勝三ストラップをはじめとするベタなアイテムや長嶋茂雄サブレなどを中心にさりげなく福井の名産品も販売。
(以上2007年6月以前の蟹)
未来の山田コレクション
- ミスター記念館に生まれ変わった暁には、全国のミスターを慕う団塊世代が、退職後に芦原温泉宿泊旅行ついでに必ず訪問。煎茶をすすりつつV9時代を語り合う昭和の殿堂となる。一方、AOSSA(アオッサ)のワンフロアを占拠したサッカー&大リーグ関連グッズやキティギターとSLを見物に全国から若者が結集。駅前は活性化するわ、観光客は増えるわ、山田氏は儲かるわってことで、まさにwin-win戦略だ!
(以上2007年6月以前の越)
- 上手くいけば「福井の自慢と言えばコレ!」まで昇華する筈。大抵のものは全国から、物によっては全世界から観光客を福井に招き入れる事が可能なものも存在する。「そこでしか見れないもの」「そこでしか買えないもの」は絶えず民衆の心を惹きつけるわけだから、このコレクションにはそれだけの資格が有ると思われる。山田氏が「孤高の奇才」から「みんなの勝三さん」に変化すれば、将来的に地元におけるこのコレクションと氏の存在意義は一気に跳ね上がるだろう。
- 余談だが、坂川優市長も、自身の交渉能力の無さを棚に上げて「最後の一人の地権者が協力してくれなくてとっても困ってます。」などと特定人物への個人攻撃をTV放送でのたまっている暇があったら、今すぐ山田勝三氏邸の門を叩いてみてはいかがだろうか。ミラクルが起ころうにもそんな気配すら感じなかった福井市中心市街地活性化運動だったが、山田コレクションを見て意見は少し変わった。AOSSA(アオッサ)+山田コレクション。これで前向きに物事を進める準備は整うはずだ。
(以上2007年6月以前の蟹)