ハルヒと親父 @ wiki
ハルヒ先輩2
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haruhioyaji
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ハルヒ先輩から
「まあ、あんたは、鞭より飴が効くタイプだとは思ったけど、ここまでとはね」
「どっちかって言うと、ハルヒが事前にしてくれた家庭教師のおかげだと思う」
「それでもね。……あんた、平均で80点超えてるわ。これだと『愛の極上スペシャル・フルコース』になっちゃうけど、どうする?」
「……」
「そうよねえ。こういうのは、お互いの気持ちの高まり、とか、そういうのが大事なもんだし、賞罰のネタにするのはダメね。あたしが悪かったわ。代わりに、なんでもいいから、欲しいもの言いなさい。ちゃんとご褒美は用意するから」
「ハルヒ」
「なに?」
「子供扱いしてるだろ?」
「む。そんなこと、あるわけないじゃない。あんたは、たまたま年下だったけど、あんたが10才年上だろうが、逆に年下だろうが、キョンはキョンよ。あたしの気持ちに変わるところはないわ」
いや、さすがに10歳下はまずいだろ。
「じゃあ、なんで俺なんだよ。ハルヒなら、もっと……」
「もっと、何?」
「もっとイケメンとか、頭のいい奴とか、よりどりみどりだろ?」
ハルヒは、さもつまんないといった風に答えた。
「あんたがコンプレックスを持つのは勝手だけどね、キョン。あたし達の恋路にそんなもの混ぜこまないでちょうだい。あんたは恋をするのに、カタログのスペックを見比べて決めんの? 掃除機や冷蔵庫を買うんじゃあるまいし。アクセサリー用途の彼氏彼女が欲しいならそれでもいいわ。でも、あたしは、そんなくだらないことに時間を使う気はないの」
「……じゃあ、おれも欲しいもの言うぞ」
「どうぞ」
「これ。最初の約束とおりに」
「『愛の極上スペシャル・フルコース』!?」
「おれもハルヒでないと嫌だ。これって気持ちの高まりじゃないのか?」
「どっちかって言うと、ハルヒが事前にしてくれた家庭教師のおかげだと思う」
「それでもね。……あんた、平均で80点超えてるわ。これだと『愛の極上スペシャル・フルコース』になっちゃうけど、どうする?」
「……」
「そうよねえ。こういうのは、お互いの気持ちの高まり、とか、そういうのが大事なもんだし、賞罰のネタにするのはダメね。あたしが悪かったわ。代わりに、なんでもいいから、欲しいもの言いなさい。ちゃんとご褒美は用意するから」
「ハルヒ」
「なに?」
「子供扱いしてるだろ?」
「む。そんなこと、あるわけないじゃない。あんたは、たまたま年下だったけど、あんたが10才年上だろうが、逆に年下だろうが、キョンはキョンよ。あたしの気持ちに変わるところはないわ」
いや、さすがに10歳下はまずいだろ。
「じゃあ、なんで俺なんだよ。ハルヒなら、もっと……」
「もっと、何?」
「もっとイケメンとか、頭のいい奴とか、よりどりみどりだろ?」
ハルヒは、さもつまんないといった風に答えた。
「あんたがコンプレックスを持つのは勝手だけどね、キョン。あたし達の恋路にそんなもの混ぜこまないでちょうだい。あんたは恋をするのに、カタログのスペックを見比べて決めんの? 掃除機や冷蔵庫を買うんじゃあるまいし。アクセサリー用途の彼氏彼女が欲しいならそれでもいいわ。でも、あたしは、そんなくだらないことに時間を使う気はないの」
「……じゃあ、おれも欲しいもの言うぞ」
「どうぞ」
「これ。最初の約束とおりに」
「『愛の極上スペシャル・フルコース』!?」
「おれもハルヒでないと嫌だ。これって気持ちの高まりじゃないのか?」
● ● ●
「あんたには、負けたわ。あ、でも、この借りは必ず返すからね!」
これって貸し借りなのか? どこまで負けず嫌いなんだ? っていうか、だいたい『負け』なのか?
「うっさい。今回はあんたの真剣さに免じて譲るって言ってんの。……あたしだって、はじめてなんだからね。気合いというか勢いが必要というか。とにかく、あんた以外は全然考えられないけど、そのあんたが相手でも、ちょっと、こう、緊張すんの!」
「あ、ごめん。そこまで考えられなかった」
「いいのよ。あたしも、あんたがそこまで真剣に受け止めてくれるなんて思わなかった。だから、うれしいよ、キョン」
「うん」
「で、あんたが脱がす? それともあたしが脱ごうか? 高校時代のあたしの脱ぎっぷりと来たら、ある種の伝説に……」
「ハルヒ」
「なによ?」
「いつも通りでいいと思う。話して、冗談言って、ふざけあって、キスして、抱き合って……ってやつ」
「あ、うん。そうね。そうよね」
「ただし、途中でごまかしたり、なかったことにするするのは、無しな」
「ぶー。わかってるわよ。恥ずかしいのよ、あたしだって」
「うん。でも、今日は、『恥ずかしい』の先に行きたい。ハルヒと」
「キョン……。ああ、だめ。あんた、なんていう着火材?」
これって貸し借りなのか? どこまで負けず嫌いなんだ? っていうか、だいたい『負け』なのか?
「うっさい。今回はあんたの真剣さに免じて譲るって言ってんの。……あたしだって、はじめてなんだからね。気合いというか勢いが必要というか。とにかく、あんた以外は全然考えられないけど、そのあんたが相手でも、ちょっと、こう、緊張すんの!」
「あ、ごめん。そこまで考えられなかった」
「いいのよ。あたしも、あんたがそこまで真剣に受け止めてくれるなんて思わなかった。だから、うれしいよ、キョン」
「うん」
「で、あんたが脱がす? それともあたしが脱ごうか? 高校時代のあたしの脱ぎっぷりと来たら、ある種の伝説に……」
「ハルヒ」
「なによ?」
「いつも通りでいいと思う。話して、冗談言って、ふざけあって、キスして、抱き合って……ってやつ」
「あ、うん。そうね。そうよね」
「ただし、途中でごまかしたり、なかったことにするするのは、無しな」
「ぶー。わかってるわよ。恥ずかしいのよ、あたしだって」
「うん。でも、今日は、『恥ずかしい』の先に行きたい。ハルヒと」
「キョン……。ああ、だめ。あんた、なんていう着火材?」
わっふる、わっふる、わっふる
ハルヒはゆっくりと、有無を言わさぬオーラを発しながら、体をよせ、腕を回し、唇を重ねてきた。
最初は軽いキス。それがすぐに、頭の芯から麻痺させるような奴になる。半開きの唇から、熱い舌が入り込んでくる。口の中だけじゃなく、頭の中を直接、かき回されているような動き。
「んんん……」
自分の体温が急上昇するのが分かる。それ以上にハルヒの体が熱い。
顔が一度離れる。艶やかに濡れたハルヒの口元に目が行ってしまう。
「キョン、今日はふざけてる余裕がないわ」
ハルヒの指先が、俺の胸を軽く引っ掻く。思わず声が漏れる。なにかといえば、すぐに抱きついてきて、あちこち触っていたな。今日みたいな日のため?
「敏感ね、キョン」
「ハ、ハルヒがそうしたんだろ」
精一杯の抵抗。
「そうよ。あたしにも同じようにしてみて」
促されて、俺の指がハルヒの胸の先に触れる。とろけるような声、そして体中にひろがっていく波紋。
「か、感じてるのか?」
「感じてるわ。触れられるだけで、かるくイっちゃいそうなくらい」
ハルヒが艶かしく笑う。
「いっぱい抱き合ったから、あんたの体も、あたしのことをよおく知ってるのよ」
二人が手を伸ばし合い、互いの体を探り合った。
漏れる声よりも、鼓動の方がうるさいくらいに耳の中で、頭の中で響く。
だが、相手の声が聞こえなくても、相手が何を感じているのか、それこそ手に取るように分かる。
何をすればいいかは、確かに、体の方が知っているらしい。
心は、それに駆り立てられて、後に続くだけ。それでも満たすだけでは終わらないほどの何かが溢れ出る。
「何でもしてあげるって言いたいけど、何にもできなくなりそう」