目次
福本「ククク、いきなり仕掛けてくるとはな…」
親のダブル役萬、ツモ上がりの為点数は32000all。
開始点は25000なので…
えなり「星野さん以外、いきなり全員0点…」
ハコ点と言う。
これにて一回戦、終了である。
親のダブル役萬、ツモ上がりの為点数は32000all。
開始点は25000なので…
えなり「星野さん以外、いきなり全員0点…」
ハコ点と言う。
これにて一回戦、終了である。
星野「いやあ、ラッキーでした」
いけしゃあしゃあと言う。
福本(クク…あからさまに積み込んどいてよく言う…)
しかし気がつかなければイカサマではないのだ。
それに自動雀卓を使わない事は福本もOKしている、
それで積み込みに気づけなかったのならこちらが油断したということだ。
いけしゃあしゃあと言う。
福本(クク…あからさまに積み込んどいてよく言う…)
しかし気がつかなければイカサマではないのだ。
それに自動雀卓を使わない事は福本もOKしている、
それで積み込みに気づけなかったのならこちらが油断したということだ。
えなり「あの福本さん、今何が起こったのか説明してほしいんですけど…」
福本「ん? ああ」
煙草を口にくわえて火をつけ、解説を始めた。
福本「ん? ああ」
煙草を口にくわえて火をつけ、解説を始めた。
福本「天和って言ってな、親が最初の一発目でいきなり上がることで、特例として役萬として扱われるんだ。
役萬くらいは分かるな? 麻雀で一番高い点数をもらえる牌の集め方だ。
国士無双ってのもその役萬の一つで、
役萬くらいは分かるな? 麻雀で一番高い点数をもらえる牌の集め方だ。
国士無双ってのもその役萬の一つで、
『萬子(マンズ)』(萬の字が入った数字牌のこと)
それと『筒子(ピンズ)』(サイコロの目のような丸い点の入った数字牌)
あと、『索子(ソウズ)』(緑色の棒線の数字牌、1ソウだけは鳥の絵になってる)
それと『筒子(ピンズ)』(サイコロの目のような丸い点の入った数字牌)
あと、『索子(ソウズ)』(緑色の棒線の数字牌、1ソウだけは鳥の絵になってる)
その三種の中のヤオ九牌、1と9の牌だな、これを全種一つずつ揃え、
最後に字牌全種、
風牌の『東(トン)、南(ナン)、西(シャ)、北(ペー)』、
三元牌の白(ハク、真っ白なの)、發(ハツ、発の字)、中(チュン)
これら7種も一枚ずつ揃えたのが国士無双という役だ。
風牌の『東(トン)、南(ナン)、西(シャ)、北(ペー)』、
三元牌の白(ハク、真っ白なの)、發(ハツ、発の字)、中(チュン)
これら7種も一枚ずつ揃えたのが国士無双という役だ。
で、親は子よりも点数が多くもらえるワケだが…役萬は子の場合32000点もらえるところ、親は48000点になる。
その役萬を二つ同時に出したので更に+48000点。
その役萬を二つ同時に出したので更に+48000点。
ツモ上がり、要するに引いた牌で上がった場合は、他の3人が均等に点数を割って支払う。
(親が子に上がられた場合はちょっと違い、親が勝った時にもらえるのと同等の点数を子に支払う)
(親が子に上がられた場合はちょっと違い、親が勝った時にもらえるのと同等の点数を子に支払う)
今回は96000点を三人で割って32000、開始の点数が25000だから、
全員いきなりハコ点になって終了、というわけだ」
全員いきなりハコ点になって終了、というわけだ」
えなり「はあ……」
よくわからないままただ頷いた。
しかしある疑問を抱き、再び口を開く。
えなり「あの…そんなことってそうそうあるものなんですかね?」
福本「…ククク。一度でもあれば、一生他人に自慢できるだろうな」
その言葉にえなりも気づいた。
えなり「てことはこれは…」
福本「ああ…連中、サマをやってる」
よくわからないままただ頷いた。
しかしある疑問を抱き、再び口を開く。
えなり「あの…そんなことってそうそうあるものなんですかね?」
福本「…ククク。一度でもあれば、一生他人に自慢できるだろうな」
その言葉にえなりも気づいた。
えなり「てことはこれは…」
福本「ああ…連中、サマをやってる」
えなり「分かってるなら言わないんですか?」
福本「イカサマはその場で言わないと意味はない。
それに不覚だが、気づかなかったしな」
えなり「そんな…それじゃあまたやられたら…」
福本「どうしようもないだろうな」
その場に座り込んで頭を抱えるえなり。
福本は笑いながらその肩に手を置き、
福本「まあそう心配するな」
そう言って星野達の方へ視線を移した。
福本「同じ手を二度くらうほど、間抜けじゃないさ」
えなり「でも対処法が分からなきゃ…」
そこで言葉を区切った。福本から鋭い威圧感のような物を感じたのだ。
福本「まあ、なんとかしてみせるさ」
福本「イカサマはその場で言わないと意味はない。
それに不覚だが、気づかなかったしな」
えなり「そんな…それじゃあまたやられたら…」
福本「どうしようもないだろうな」
その場に座り込んで頭を抱えるえなり。
福本は笑いながらその肩に手を置き、
福本「まあそう心配するな」
そう言って星野達の方へ視線を移した。
福本「同じ手を二度くらうほど、間抜けじゃないさ」
えなり「でも対処法が分からなきゃ…」
そこで言葉を区切った。福本から鋭い威圧感のような物を感じたのだ。
福本「まあ、なんとかしてみせるさ」
えなりの耳に、「ざわ…ざわ…」という音が聞こえた気がした。
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 16/60 |
Majestic Fire | 本編ログ(一部) | 無題 |
無題 | えなり | 無題 |
無題 | 福本伸行 | 無題 |
無題 | 星野泰視 | 無題 |
無題 | さいふうめい | 無題 |
麻雀2回戦。
親決めのサイコロを振るのは1回戦トップだった星野。
出た目は2、3の5。親は再び星野へ。
えなり(なんでこう都合良くサイコロの目が出るんだろう…)
疑問に思うのも無理はない。
彼はサイの持ち方と投げる時の力加減で出る目を操作しているのだ。
最近の麻雀ではこれができないように、雀卓の中央に自動でサイコロを振れる装置がついているのだが、
今回は自動雀卓を使わないという約束で開始されている為、サイコロも人の手から直接振る事になっている。
星野(機械の入る余地がなければ、そこは完全に牌人の領域。
こちらを甘く見て普通の雀卓でいいと言ったんだろうが…後悔させてやる!)
親決めのサイコロを振るのは1回戦トップだった星野。
出た目は2、3の5。親は再び星野へ。
えなり(なんでこう都合良くサイコロの目が出るんだろう…)
疑問に思うのも無理はない。
彼はサイの持ち方と投げる時の力加減で出る目を操作しているのだ。
最近の麻雀ではこれができないように、雀卓の中央に自動でサイコロを振れる装置がついているのだが、
今回は自動雀卓を使わないという約束で開始されている為、サイコロも人の手から直接振る事になっている。
星野(機械の入る余地がなければ、そこは完全に牌人の領域。
こちらを甘く見て普通の雀卓でいいと言ったんだろうが…後悔させてやる!)
親が決まった所で洗牌へ。
全ての牌を裏返して、全員で牌を混ぜ合わせる。
そのとき、星野とさいふうめいはある事に気がついた。
全ての牌を裏返して、全員で牌を混ぜ合わせる。
そのとき、星野とさいふうめいはある事に気がついた。
「中」がない。
理由はすぐに分かった。えなりだ、
えなりが牌を4つ、露骨に抱え込んでいた。
えなりが牌を4つ、露骨に抱え込んでいた。
2回戦が始まる前、えなりは福本にある作戦を託されていた。
福本「えなり君、2回戦の頭、洗牌の時になんとか「中」を4枚分かる位置に確保してくれないか?」
無論えなりはそんなこと無理だと言ったのだが、それが勝つ為の唯一の方法だと言われ、しかたなく実行したのだが…
福本「えなり君、2回戦の頭、洗牌の時になんとか「中」を4枚分かる位置に確保してくれないか?」
無論えなりはそんなこと無理だと言ったのだが、それが勝つ為の唯一の方法だと言われ、しかたなく実行したのだが…
えなり(自然に…自然に…)
本人は必死に気づかれないように4枚の牌を確保しようとしているが、
周りから見ればその意図はバレバレであった。
本人は必死に気づかれないように4枚の牌を確保しようとしているが、
周りから見ればその意図はバレバレであった。
星野(こんな素人に…舐めたマネを…)
さい(ちょっと露骨すぎるぜ、坊……星野。作戦かもしれねえ)
星野(この挙動はどう見たって素人ですよ。やってやりましょう)
テレパシーのように「通し」(仕草で会話)で話し合う二人。
二人の作戦が決まったところで、牌山を作る「砌牌」(チーパイ)に移った。
さい(ちょっと露骨すぎるぜ、坊……星野。作戦かもしれねえ)
星野(この挙動はどう見たって素人ですよ。やってやりましょう)
テレパシーのように「通し」(仕草で会話)で話し合う二人。
二人の作戦が決まったところで、牌山を作る「砌牌」(チーパイ)に移った。
えなり(よし、このまま「中」を僕の山に…)
そう思って手を伸ばした瞬間、他からのびて来た手が、えなりの確保していた牌を奪って行った。
えなり(あ!)
思った時には遅く、牌はあっという間に南家の山に詰まれてしまう。
えなり(しまった…すいません、福本さん。でもこれが僕の限界です)
すまなそうに福本の方を見るえなり。
えなりの視界に映る福本に、特にこれといった反応はなかった。
そう思って手を伸ばした瞬間、他からのびて来た手が、えなりの確保していた牌を奪って行った。
えなり(あ!)
思った時には遅く、牌はあっという間に南家の山に詰まれてしまう。
えなり(しまった…すいません、福本さん。でもこれが僕の限界です)
すまなそうに福本の方を見るえなり。
えなりの視界に映る福本に、特にこれといった反応はなかった。
再び星野の振ったサイコロの目は1、1の2。また南家の牌山から配牌だ。
えなり(終わった…)
星野とさいふうめいの二人が好きなように詰んだ山は、また天和を起こすだろう。
どう考えたって勝ち目はない。
その場のほぼ全員がそう思った、
えなり(終わった…)
星野とさいふうめいの二人が好きなように詰んだ山は、また天和を起こすだろう。
どう考えたって勝ち目はない。
その場のほぼ全員がそう思った、
が――
星野(「中」がない!)
「中」がなく、代わりに「四萬」が配牌の中に混じっていた。
星野(一体どうして…まさか!)
星野(一体どうして…まさか!)
福本(ククク…素人が、狙った4牌を抱えるなんて出来るかよ。
裏返って混ざり合う牌を、たとえ4つだけとしても素人が覚えられるわけがないだろ…
まして同じ牌を4枚なんてな。なんとか挑戦しても、全然違う牌を抱える事になるのさ。
で、俺がそれをカモフラージュにして本当の「中」を抱え込む。
あんたらは見える方の4牌に惑わされたってわけだ。
それに――)
裏返って混ざり合う牌を、たとえ4つだけとしても素人が覚えられるわけがないだろ…
まして同じ牌を4枚なんてな。なんとか挑戦しても、全然違う牌を抱える事になるのさ。
で、俺がそれをカモフラージュにして本当の「中」を抱え込む。
あんたらは見える方の4牌に惑わされたってわけだ。
それに――)
福本「ククククク…あんたら、国士無双狙い過ぎなんじゃないのか?」
2回戦東一局。
天和、ならず――
天和、ならず――
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 16/60 |
初心者(俺含む)の為の麻雀講座 | 本編ログ(一部) | 無題 |
初心者(俺含む)の為の麻雀講座 | えなり | 無題 |
初心者(俺含む)の為の麻雀講座 | 福本伸行 | 無題 |
初心者(俺含む)の為の麻雀講座 | 星野泰視 | 無題 |
初心者(俺含む)の為の麻雀講座 | さいふうめい | 無題 |
2回戦、東一局、第一巡目。
親の星野、「白」をツモ、手出しで四萬を切ればテンパイだが―
親の星野、「白」をツモ、手出しで四萬を切ればテンパイだが―
星野(…「中」がなければこの国士無双は絶対に成らない)
その「中」は福本の手によって押さえられてしまった。
星野(手を崩すか…目指すのならチャンタだが―どう考えても時間がかかる。
もしくはいっそ、竹内さん(*1)に上がってもらう方が早いか?)
さい(いや待ちな、坊。まだその役萬、消えた訳じゃないぜ)
星野(え…?)
さい(福本の旦那は牌を詰む時に「中」を確保したわけだ。
だったら、旦那の山までツモを回せば―)
星野(「中」を引く確率がある、というわけですか?
しかしそれまでに相手に上がられたら終わりですし。
そもそも王牌((引かない牌山。今回の場合、南家(さいふうめい)の牌山の右二列と、
西家(福本)の牌山の左から5列))に「中」4牌全て詰まれていたら、どうしようもないですよ!)
もしくはいっそ、竹内さん(*1)に上がってもらう方が早いか?)
さい(いや待ちな、坊。まだその役萬、消えた訳じゃないぜ)
星野(え…?)
さい(福本の旦那は牌を詰む時に「中」を確保したわけだ。
だったら、旦那の山までツモを回せば―)
星野(「中」を引く確率がある、というわけですか?
しかしそれまでに相手に上がられたら終わりですし。
そもそも王牌((引かない牌山。今回の場合、南家(さいふうめい)の牌山の右二列と、
西家(福本)の牌山の左から5列))に「中」4牌全て詰まれていたら、どうしようもないですよ!)
東(星野) 22222221000000000
南(さい) 000000000000000[22
西(福本) 22222]222222222222
北(えなり) 22222222222222222
南(さい) 000000000000000[22
西(福本) 22222]222222222222
北(えなり) 22222222222222222
こういう状況、[]内が王牌。
さい(その可能性もあるさ。
だが、よく考えても見ろ、「中」を4牌も確保してるんだぞ。
隠すのも手の一つだが、もう一つ別の使い道があるだろう)
星野(…自分で使う)
さい(そうだ、三元牌の暗刻が確定ともなれば用途は多い。
最悪「中」のみでもいいからな。使わない手はあるまい)
星野(しかし…誰かが鳴けばツモ順が変わって自分では引けなくなります。
自分たちが引けば役萬が確定するわけですし、
そんな危険を冒してまで、「中」をつんだりするでしょうか?)
だが、よく考えても見ろ、「中」を4牌も確保してるんだぞ。
隠すのも手の一つだが、もう一つ別の使い道があるだろう)
星野(…自分で使う)
さい(そうだ、三元牌の暗刻が確定ともなれば用途は多い。
最悪「中」のみでもいいからな。使わない手はあるまい)
星野(しかし…誰かが鳴けばツモ順が変わって自分では引けなくなります。
自分たちが引けば役萬が確定するわけですし、
そんな危険を冒してまで、「中」をつんだりするでしょうか?)
さい(その考えは分かるが…そういう危険を承知で実行をしてくるのが、この男なんだ)
結局、星野は手出しで4萬を切る。
彼らの意見は国士無双を狙って行く事に決まった。
彼らの意見は国士無双を狙って行く事に決まった。
さいふうめいたちの思惑の通り「中」が牌山につまれていた場合、問題となるのは鳴くか否かである。
ポンでもチーでも、鳴けばツモ順が変わり、引く牌がずれる。
その為、想定していた物と別の場所の牌を引く事になり、積み込みが不発に終わることになる。
しかし逆に、こうなることを想定して牌を積んでいれば、鳴くことで相手の罠にかかることになってしまう。
鳴くか否か、鳴くとすれば何度鳴くかで、先の展開が決定されることになる。
ポンでもチーでも、鳴けばツモ順が変わり、引く牌がずれる。
その為、想定していた物と別の場所の牌を引く事になり、積み込みが不発に終わることになる。
しかし逆に、こうなることを想定して牌を積んでいれば、鳴くことで相手の罠にかかることになってしまう。
鳴くか否か、鳴くとすれば何度鳴くかで、先の展開が決定されることになる。
さい「チー」
6巡目、さいふうめいは、一鳴きで牌をずらすことにした。
さい「チー」
10巡目で2鳴き。これでツモ順は大きくずれることになる。
さい(さあどう来る、福本の旦那)
しかし福本は動かない。ただ淡々と手を進めて行く。
さい(さあどう来る、福本の旦那)
しかし福本は動かない。ただ淡々と手を進めて行く。
そうこうしているうちに13巡目、えなりのツモの時に―
えなり(あ…)
最初に「中」を引いたのは、北家のえなりであった。
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 16/60 |
無題 | 本編ログ(一部) | “跳んだ”時 |
無題 | えなり | 無題 |
無題 | 福本伸行 | 無題 |
無題 | 星野泰視 | 無題 |
無題 | さいふうめい | 無題 |
まさに異形。今の皆川を表すにはその言葉が一番だった。俗世を捨てたとはいえ、その存在感は四人の精神を凌駕していた。
「このままでは、間違いなく負けるわね」
「どしたらえぇんや、大川さん」
このままでは訪れるだろう絶対なる死---そう誰もが思っていた。しかし、
「ちぃ」
「どうしたのですか、もこなさん? えっ、アレ を使えばいいって?」
「そうね、今こそアレ を使うべきね」
もこなの突然の申し出。それを大川は、懐から何かを取り出しながら承諾する。
それは銃弾だった。一見すると、やや長細いだけの普通の銃弾だ。それを大川は、あろうことか皆川に直接投げ付けた。
金属音をしながら、弾は皆川に当たった。
『小娘どもが、何をするかと思えば弾をそのまま投げるなど……ぬぅ!?』
突如として皆川の周りに異変が起こる。空間が歪み、黒い渦が覆った。
「それでは皆川先生、しばしのお別れを」
彼は悟った。このままでは四人を逃してしまうと。
『ふざけるなよォーッ! 小娘どもォーッ!』
罵声を言うも周りの黒い渦は収縮していく。完全に収縮したとき、
「このままでは、間違いなく負けるわね」
「どしたらえぇんや、大川さん」
このままでは訪れるだろう絶対なる死---そう誰もが思っていた。しかし、
「ちぃ」
「どうしたのですか、もこなさん? えっ、
「そうね、今こそ
もこなの突然の申し出。それを大川は、懐から何かを取り出しながら承諾する。
それは銃弾だった。一見すると、やや長細いだけの普通の銃弾だ。それを大川は、あろうことか皆川に直接投げ付けた。
金属音をしながら、弾は皆川に当たった。
『小娘どもが、何をするかと思えば弾をそのまま投げるなど……ぬぅ!?』
突如として皆川の周りに異変が起こる。空間が歪み、黒い渦が覆った。
「それでは皆川先生、しばしのお別れを」
彼は悟った。このままでは四人を逃してしまうと。
『ふざけるなよォーッ! 小娘どもォーッ!』
罵声を言うも周りの黒い渦は収縮していく。完全に収縮したとき、
皆 川 の 姿 も 無 く な っ て い た 。
--火花、煙、爆発音。それらと共に先程消えた筈の皆川が姿を現す。どうやら異形のままだ。
『何だったんだ、さっきの銃弾は……あの小娘どもは!?』
辺りを見渡してもCLAMPの姿はない。唯静かな空間が広がっている。
『何が……一体何が起こったというのだ!?』
「どうしたんだい、皆川くん。CLAMPの四人は何処へいったんだい?」
『!?』
皆川が振り向くと、そこには遅れて出発した筈の荒木飛呂彦がいた。
『荒木、何時の間に!?』
「何時の間にって……雨粒の上を歩いて来たからなぁ、一時間弱かかってしまったんだかなぁ」
皆川は荒木の言った事実に驚き、壁の時計を見ると、明らかに時間が30分以上進んでいた。
一体何が、何が起きたというのだろう。訳がわからない。
怒りや憎しみより驚きが勝っていき、次第に皆川は普通の姿に戻った。
「何故、こんなに時間が経ったんだ!? 一体何が、どうやって!?」
普通の慌て振りじゃない。荒木にはそう見えた。
「君に何が起きたのか、ちょっと調べてみるとしよう。その前に……」
そう言うと荒木は、皆川に指を指しながら叫んだ。
「予めスタンドが見えるようにしておこう。皆川くん、準備はいいかい?」
「洗脳とかは好きじゃないが、この際だ。頼む」
「よし、ならば……ヘヴンズ・ドアー!」
天国の扉(ヘヴンズ・ドアー)、それは荒木が持つ能力--スタンドの一つだ。皆川の事を本に変えると、即座に書き込んだ。
「『スタンドが見える』っと。これで君にもスタンドが見えるようになったから、検証を行うとしよう。『ムーディー・ブルース』! 皆川亮二を再生しろ!」
『ムーディー・ブルース』の額に付いたデジタル時計巻き戻され、ある程度の所で再生が始まった。
「俺が猫井と戦っている所だな。20分近くはやっていた筈だ」
「ならばこの辺りは早送りしよう」
暫くするとスタンドが横遣りを喰らった所、そして異形になった所を再現しだした。だがここで二人は予想外の事実を知ることとなった。
「何でスタンドの再生を止めちまうんだ? 動かなくなったぞ」
「そうじゃない、この先が何らかの理由で再生出来ないんだ」
「再生出来ない? 一体何故?」
『何だったんだ、さっきの銃弾は……あの小娘どもは!?』
辺りを見渡してもCLAMPの姿はない。唯静かな空間が広がっている。
『何が……一体何が起こったというのだ!?』
「どうしたんだい、皆川くん。CLAMPの四人は何処へいったんだい?」
『!?』
皆川が振り向くと、そこには遅れて出発した筈の荒木飛呂彦がいた。
『荒木、何時の間に!?』
「何時の間にって……雨粒の上を歩いて来たからなぁ、一時間弱かかってしまったんだかなぁ」
皆川は荒木の言った事実に驚き、壁の時計を見ると、明らかに時間が30分以上進んでいた。
一体何が、何が起きたというのだろう。訳がわからない。
怒りや憎しみより驚きが勝っていき、次第に皆川は普通の姿に戻った。
「何故、こんなに時間が経ったんだ!? 一体何が、どうやって!?」
普通の慌て振りじゃない。荒木にはそう見えた。
「君に何が起きたのか、ちょっと調べてみるとしよう。その前に……」
そう言うと荒木は、皆川に指を指しながら叫んだ。
「予めスタンドが見えるようにしておこう。皆川くん、準備はいいかい?」
「洗脳とかは好きじゃないが、この際だ。頼む」
「よし、ならば……ヘヴンズ・ドアー!」
天国の扉(ヘヴンズ・ドアー)、それは荒木が持つ能力--スタンドの一つだ。皆川の事を本に変えると、即座に書き込んだ。
「『スタンドが見える』っと。これで君にもスタンドが見えるようになったから、検証を行うとしよう。『ムーディー・ブルース』! 皆川亮二を再生しろ!」
『ムーディー・ブルース』の額に付いたデジタル時計巻き戻され、ある程度の所で再生が始まった。
「俺が猫井と戦っている所だな。20分近くはやっていた筈だ」
「ならばこの辺りは早送りしよう」
暫くするとスタンドが横遣りを喰らった所、そして異形になった所を再現しだした。だがここで二人は予想外の事実を知ることとなった。
「何でスタンドの再生を止めちまうんだ? 動かなくなったぞ」
「そうじゃない、この先が何らかの理由で再生出来ないんだ」
「再生出来ない? 一体何故?」
「おそらく、瞬間移動の類いで何処かに飛ばされたんだ。だが、それでは皆川くんが此処にいた理由が分からない……まさか」
荒木はおもむろに携帯電話を取り出すと電話をかけ始めた。
「大暮くんかい? 済まないがマガジンについて聞きたい事があるんだが……」
一通り聞くと、荒木は一礼しながら電話を切った。
「大暮に何を聞いたんだ?」
「取りあえず謎は解けた。だが、この戦いはかなり苦戦する事になるかもしれない」
荒木が大暮に聞いた、空白の時間の正体。それは、
荒木はおもむろに携帯電話を取り出すと電話をかけ始めた。
「大暮くんかい? 済まないがマガジンについて聞きたい事があるんだが……」
一通り聞くと、荒木は一礼しながら電話を切った。
「大暮に何を聞いたんだ?」
「取りあえず謎は解けた。だが、この戦いはかなり苦戦する事になるかもしれない」
荒木が大暮に聞いた、空白の時間の正体。それは、
「B・C・T・L--強制時間跳躍弾という相手を未来へ送り飛ばす弾丸だ」
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 16/60 |
無題 | 本編ログ(一部) | 無題 |
Majestic Fire | 大川緋芭 | セカンドステージ |
Majestic Fire | 猫井椿 | セカンドステージ |
Majestic Fire | もこな | セカンドステージ |
Majestic Fire | いがらし寒月 | セカンドステージ |
Majestic Fire | 武内直子 | セカンドステージ |
Majestic Fire | 皆川亮二 | セカンドステージ |
Over The Night | 荒木飛呂彦 | セカンドステージ |
えなり(「中」をツモっちゃったけど、どうしたらいいのかなこれ)
えなりはすでに事態を飲み込めずに混乱の極地にいた。
自分が「中」4枚の確保に失敗したのに天和にならず普通に局が進み、
そして今自分の手に違う山からツモった「中」が一枚。
えなり(一体どうなってんだよ…)
訳が分からない。訳が分からないが…
手としては、この「中」は切りたいところだった。
えなりはすでに事態を飲み込めずに混乱の極地にいた。
自分が「中」4枚の確保に失敗したのに天和にならず普通に局が進み、
そして今自分の手に違う山からツモった「中」が一枚。
えなり(一体どうなってんだよ…)
訳が分からない。訳が分からないが…
手としては、この「中」は切りたいところだった。
えなり手牌
___________________________ __
│四│四│五│五│六│六│五│六│七│四│八│ │ │| |
│索│索│索│索│索│索│筒│筒│筒│萬│萬│北│北│|中|
___________________________ __
│四│四│五│五│六│六│五│六│七│四│八│ │ │| |
│索│索│索│索│索│索│筒│筒│筒│萬│萬│北│北│|中|
テンパイまであと一歩のイーシャンテン
あと一つの順子(数字の並び)か、暗子(同じ数字3つ)が揃えば上がりである。
理想は三萬か五萬を引いての両面待ちだ。
あと一つの順子(数字の並び)か、暗子(同じ数字3つ)が揃えば上がりである。
理想は三萬か五萬を引いての両面待ちだ。
同じ順子が2つで、一盃口
1と9の数字を使っていないので、断ヤオ九、略してタンヤオ
えなりが福本から教えてもらった、数少ない役だ。
ド素人のえなりがここまで手を進められたのはそれ自体が奇跡と言える。
1と9の数字を使っていないので、断ヤオ九、略してタンヤオ
えなりが福本から教えてもらった、数少ない役だ。
ド素人のえなりがここまで手を進められたのはそれ自体が奇跡と言える。
えなり(「中」は確保しといた方がいいのかな…?
けど入れる意味がないし…変えるとすれば八萬だけど…)
けど入れる意味がないし…変えるとすれば八萬だけど…)
だけど、自分の思惑外に事が進んでいる今、最初の指示を引きずる意味はなさそうに感じたえなりは、
「中」をそのまま捨てることにした。
「中」をそのまま捨てることにした。
えなり、打「中」
そして、それはもちろん―
そして、それはもちろん―
星野「ロン」
えなり(あ!?)
しまった、と表情に浮かべるえなり。
星野の役は、もちろん先ほどと同じく、「国士無双」
えなり(あ!?)
しまった、と表情に浮かべるえなり。
星野の役は、もちろん先ほどと同じく、「国士無双」
星野「48000点、そして一人飛んで2回戦も終了だな」
勝ち誇る星野。安堵を浮かべるさいふうめい。
勝ち誇る星野。安堵を浮かべるさいふうめい。
しかし―
福本「ククククク…」
福本は笑っていた。その表情は毛ほども揺れていない。
星野「何がおかしい?」
福本「ククク…勝ち誇るには、まだ早いってことさ」
自分の牌を晒して、宣言する。
福本は笑っていた。その表情は毛ほども揺れていない。
星野「何がおかしい?」
福本「ククク…勝ち誇るには、まだ早いってことさ」
自分の牌を晒して、宣言する。
福本「ロン、頭ハネだ」
頭ハネは、捨て牌で二人以上が同時に和がった時、
捨てた人から見て上家の人間の方が優先されるというシステムだ。
つまり今回和がれるのは、えなりの上家の福本だけである。
捨てた人から見て上家の人間の方が優先されるというシステムだ。
つまり今回和がれるのは、えなりの上家の福本だけである。
星野「福本さん、あんた…!」
福本「中、三色同順。3900」
えなりから3900点受け取り、福本28900点でトップに。
福本「中、三色同順。3900」
えなりから3900点受け取り、福本28900点でトップに。
さい(今のは狙っていたな…こっちがツモ順を変えると事前に予想して、
「中」を左手芸(自分の山の端に積んでいた2牌と手牌の2牌を入れ替える技)で自分の手牌に加えて、
もう一牌の「中」はこちらの鳴き数を1回か2回と予想して積み込んでおき、
自分でツモるか、えなりという男からの頭ハネで上がるかの2択として用意していた、というわけか…)
「中」を左手芸(自分の山の端に積んでいた2牌と手牌の2牌を入れ替える技)で自分の手牌に加えて、
もう一牌の「中」はこちらの鳴き数を1回か2回と予想して積み込んでおき、
自分でツモるか、えなりという男からの頭ハネで上がるかの2択として用意していた、というわけか…)
さい「やってくれるな、福本さんよ」
福本「ククク、運が良かっただけですよ」
星野(ち、言ってくれるぜ)
福本「ククク、運が良かっただけですよ」
星野(ち、言ってくれるぜ)
三人の間に火花が飛び散る中、蚊屋の外のえなりは一人ごちた。
えなり(帰りたいなぁ)
えなり(帰りたいなぁ)
なにはともあれ、2回戦東1局終了。
戦線は東2局へと移り変わる。
戦線は東2局へと移り変わる。
一方その頃、遠くはなれた集英社で異変がおきていた。
尾田「ぐああああああああ!」
吹っ飛び、倒れふしたのは現在の集英社筆頭格の尾田栄一郎。
よほど強力な攻撃を受けたのか、体全体に大火傷のような傷を負っている。
彼だけではなかった、大勢の集英社の漫画家達が、同じような状態でその場に倒れている。
尾田「ぐああああああああ!」
吹っ飛び、倒れふしたのは現在の集英社筆頭格の尾田栄一郎。
よほど強力な攻撃を受けたのか、体全体に大火傷のような傷を負っている。
彼だけではなかった、大勢の集英社の漫画家達が、同じような状態でその場に倒れている。
岸本「一体なんのつもりですか!」
啖呵を切ったのは、集英社出世頭の岸本斉史。
目の前の男を、必死の形相で睨みつける。
岸本「なんであんたがこんな事をするんですか!」
啖呵を切ったのは、集英社出世頭の岸本斉史。
目の前の男を、必死の形相で睨みつける。
岸本「なんであんたがこんな事をするんですか!」
男は答えない。左手をかざして、岸本の方へと向ける。
岸本は防御の態勢を取りながら、それでも言葉を紡ぎ続けた。
岸本「どうして答えないんです!? なんとか言ってください!!」
男の腕に寒気を感じるほどの力がみなぎっていた。
岸本の体全体から冷や汗が吹き出てくる。
しかし彼は問わずにはいられなかった。
岸本は防御の態勢を取りながら、それでも言葉を紡ぎ続けた。
岸本「どうして答えないんです!? なんとか言ってください!!」
男の腕に寒気を感じるほどの力がみなぎっていた。
岸本の体全体から冷や汗が吹き出てくる。
しかし彼は問わずにはいられなかった。
岸本「どうしてなんですか、車田正美先生!?」
左手から放たれたオーラは、岸本の体を覆い、その姿をかき消してしまった。
登場人数 | 3 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 19/60 |
“跳んだ”時 | 本編ログ(一部) | セカンドステージ |
無題 | えなり | 無題 |
無題 | 福本伸行 | 無題 |
無題 | 星野泰視 | 無題 |
無題 | さいふうめい | 無題 |
初登場 | 車田正美 | 無題 |
初登場 | 岸本斉史 | - |
初登場 | 尾田栄一郎 | - |
どこかの地下室に、四人の魔女と一人の姫がいた。
地下室――と書いたが、床は板張り、三方は障子、おまけに明かりは電気でなく木製の燭台に立てられた蝋燭。
窓の無いことを除けば、高位の貴族か或いは皇族の館の一室であると言っても疑う者はいないだろう。
そしてその部屋に光と音を与えているのは、CLAMPと武内直子。
未だ魔の眠りに捕らわれている武内、無数のコードに囲まれて何かを探しているもこな、
そして何かが起きるのを石と化したかのように身じろぎもせず待つ三人――大川、猫井、いがらし。
地下室――と書いたが、床は板張り、三方は障子、おまけに明かりは電気でなく木製の燭台に立てられた蝋燭。
窓の無いことを除けば、高位の貴族か或いは皇族の館の一室であると言っても疑う者はいないだろう。
そしてその部屋に光と音を与えているのは、CLAMPと武内直子。
未だ魔の眠りに捕らわれている武内、無数のコードに囲まれて何かを探しているもこな、
そして何かが起きるのを石と化したかのように身じろぎもせず待つ三人――大川、猫井、いがらし。
彼女らがこの部屋に現れてからそろそろ一時間も経とうかとする頃……
遂に、もこなが動いた。
言葉でない何かの情報が部屋に満ち、CLAMPの残り三人が立ち上がった。
彼女らが得た情報に眼を邪悪に輝かせながら部屋を出ると、再び地下室を静寂が支配する。
武内はただ昏々と眠り続ける。王子の訪れを待つ茨姫のように。
もこなももう動かない。働いているのか休んでいるのか、いや外から眺めただけでは生きているのか死んでいるのかすらわからない。
遂に、もこなが動いた。
言葉でない何かの情報が部屋に満ち、CLAMPの残り三人が立ち上がった。
彼女らが得た情報に眼を邪悪に輝かせながら部屋を出ると、再び地下室を静寂が支配する。
武内はただ昏々と眠り続ける。王子の訪れを待つ茨姫のように。
もこなももう動かない。働いているのか休んでいるのか、いや外から眺めただけでは生きているのか死んでいるのかすらわからない。
大川、猫井、いがらしの三人は、部屋を出てこちらはやや和洋折衷といった風情の廊下を渡り、そしてエレベーターへ乗り込んだ。
しばらくは沈黙を保っていたが、長いエレベーターの退屈な時間に耐えかねたのか誰ともなく口を開く。
「散々手こずらせてくれたけど、どうやらこれでお終いのようね。」
「そうね。えなり二世……つまりPEACH-PITの居場所は………」
「雀荘『天』。どうして麻雀なんかやってるのかは知らないけれど、もこなが間違えたことはないわ。」
「どうせ隠れ麻雀狂だったとかでしょ。どうでもいいわよ、そんなこと。」
大川が物憂げに答える。その言葉は自分達の力に対する自信の表れだろう。
えなりになど興味はない、声がそう言っている。
しばらくは沈黙を保っていたが、長いエレベーターの退屈な時間に耐えかねたのか誰ともなく口を開く。
「散々手こずらせてくれたけど、どうやらこれでお終いのようね。」
「そうね。えなり二世……つまりPEACH-PITの居場所は………」
「雀荘『天』。どうして麻雀なんかやってるのかは知らないけれど、もこなが間違えたことはないわ。」
「どうせ隠れ麻雀狂だったとかでしょ。どうでもいいわよ、そんなこと。」
大川が物憂げに答える。その言葉は自分達の力に対する自信の表れだろう。
えなりになど興味はない、声がそう言っている。
「そうだね。それよりも問題は、どうやら戦いは避けられそうに無いってことだよ。
風の噂じゃあ、そのえなりって人は3年前の戦いにも関わってて、結構大物ともやりあって生き延びてるそうだし。」
猫井の声には僅かに未知のものに対する恐れがあったが、すぐにいがらしの言葉にかき消された。
「大丈夫よ、そんな心配しなくても。それとも、自分の力に自信がないの?」
「そうだね。私達だって押しも押されぬ大御所だ。それに……。」
「そう、あの武内直子と銀水晶が私達の手にある限り、負けることなんてないわ。」
「そうそう、えなりとやらがどれほどのものか知らないけど、ちゃっちゃと片付けちゃいましょ。
……お、着いた。」
風の噂じゃあ、そのえなりって人は3年前の戦いにも関わってて、結構大物ともやりあって生き延びてるそうだし。」
猫井の声には僅かに未知のものに対する恐れがあったが、すぐにいがらしの言葉にかき消された。
「大丈夫よ、そんな心配しなくても。それとも、自分の力に自信がないの?」
「そうだね。私達だって押しも押されぬ大御所だ。それに……。」
「そう、あの武内直子と銀水晶が私達の手にある限り、負けることなんてないわ。」
「そうそう、えなりとやらがどれほどのものか知らないけど、ちゃっちゃと片付けちゃいましょ。
……お、着いた。」
ようやくエレベーターが目的の階に着いたようだ。チャイムが鳴り、扉が開く。
そして三人が降り立ったのは――国会議事堂一階。
「ふう、やっぱりあの部屋地下深くすぎない?」
「いいのよ、その方がすごそうだから。」
「だからってねえ……」
「まあまあ二人とも、そういう話はあとにして、今はやらないといけないことがあるでしょ。」
「そうね。」
そして三人が降り立ったのは――国会議事堂一階。
「ふう、やっぱりあの部屋地下深くすぎない?」
「いいのよ、その方がすごそうだから。」
「だからってねえ……」
「まあまあ二人とも、そういう話はあとにして、今はやらないといけないことがあるでしょ。」
「そうね。」
他愛の無い会話をしながら議事堂を出た彼女らを、二つの影が出迎えた。
降り続く雨の中、ゆっくりと口を開く。
降り続く雨の中、ゆっくりと口を開く。
「ほらね、僕の言ったとおりだろう?」
「ああ……。しかし、よくこんなとこに隠れ家を持ってるってわかったな。」
影は二人とも男らしい。そしてその両方とも、大川、猫井、いがらしの誰もが知っている声だった。
「ああ……。しかし、よくこんなとこに隠れ家を持ってるってわかったな。」
影は二人とも男らしい。そしてその両方とも、大川、猫井、いがらしの誰もが知っている声だった。
「なに、以前彼女らをランチパーティーに招待したことがあったり、
そのほかにもいろいろ縁があったから、成り行きで漫画のほうも結構読んでたんだ。」
何年も前から知っている声。
「なるほど、で、俺があいつらは『退却』したみたいだって言ったから、一旦ここに戻ってきたんじゃないかって考えたわけだな。」
そしてつい先ほどまで聞いていた声。
「そういうことさ。東京都庁かここかは少し迷ったけど、君の言っていた服装…つまりキャラならこっちだと踏んだ。そして……」
「大当たりだったってわけだ。」
そのほかにもいろいろ縁があったから、成り行きで漫画のほうも結構読んでたんだ。」
何年も前から知っている声。
「なるほど、で、俺があいつらは『退却』したみたいだって言ったから、一旦ここに戻ってきたんじゃないかって考えたわけだな。」
そしてつい先ほどまで聞いていた声。
「そういうことさ。東京都庁かここかは少し迷ったけど、君の言っていた服装…つまりキャラならこっちだと踏んだ。そして……」
「大当たりだったってわけだ。」
「なんてこと……!!!皆川亮二、それに……」
「……荒木飛呂彦……先生…」
「『恐ろしい何か』が…まさかあなただったとはね……」
さすがのCLAMPも動揺を隠せない。いや、CLAMPだからこそかもしれない。
彼女らは四人全員がジョジョ、そして荒木のファン。かつてはジョジョの同人誌を出していたという伝説すらあるほどだ。
その荒木が目の前にいる。しかも、恐らくは敵である皆川と一緒に。
「でも、どうして荒木先生が皆川と!?」
「……荒木飛呂彦……先生…」
「『恐ろしい何か』が…まさかあなただったとはね……」
さすがのCLAMPも動揺を隠せない。いや、CLAMPだからこそかもしれない。
彼女らは四人全員がジョジョ、そして荒木のファン。かつてはジョジョの同人誌を出していたという伝説すらあるほどだ。
その荒木が目の前にいる。しかも、恐らくは敵である皆川と一緒に。
「でも、どうして荒木先生が皆川と!?」
「………思い出した。だいたい、サンデーがPEACH-PITに用があるはずがないと思っていたわ。
皆川亮二……あなたもあそこに行ったのだったわね。」
大川が訊く。
「そういうことさ。今の俺はウルトラジャンプの漫画家、皆川"ピースメーカー"亮二だ。
ってわけで、個人的にてめえらのやりかたが気に食わないのに加えて、上の方針でもあるらしいんだな、PEACH-PITの保護は。」
皆川が答える。
「そう……。だったらどうするの?ここを見つけたのはすごいけれど、その次は?」
「決まってるだろ…。言ったはずだぜ、てめえらのやりかたが気にいらねえってな。」
空気が帯電し、殺気を帯びた風が吹き始める。
だがしかし、その直後に出されたのは拳でも魔法でもなく、声だった。
皆川亮二……あなたもあそこに行ったのだったわね。」
大川が訊く。
「そういうことさ。今の俺はウルトラジャンプの漫画家、皆川"ピースメーカー"亮二だ。
ってわけで、個人的にてめえらのやりかたが気に食わないのに加えて、上の方針でもあるらしいんだな、PEACH-PITの保護は。」
皆川が答える。
「そう……。だったらどうするの?ここを見つけたのはすごいけれど、その次は?」
「決まってるだろ…。言ったはずだぜ、てめえらのやりかたが気にいらねえってな。」
空気が帯電し、殺気を帯びた風が吹き始める。
だがしかし、その直後に出されたのは拳でも魔法でもなく、声だった。
「待って大川さん………皆川は私にやらせて。」
声の主は猫井椿。数刻前まで皆川と戦っていた猫井だ。
「椿……あなたが?」
「そうよ。やっぱり、きちんと決着をつけておきたいしね。
それに……。」
猫井が振り向いた先にいたのは、大川と皆川の口論の間中沈黙を守っていた荒木。
そしてその荒木と向き合い、こちらは尋常ならざる緊張からだろう、同じく一言も発さぬいがらし。
「そうね。私はあちらに行くわ。」
そう言うと大川は音もなくいがらしと荒木のほうへと移動し、猫井と皆川だけが残された。
声の主は猫井椿。数刻前まで皆川と戦っていた猫井だ。
「椿……あなたが?」
「そうよ。やっぱり、きちんと決着をつけておきたいしね。
それに……。」
猫井が振り向いた先にいたのは、大川と皆川の口論の間中沈黙を守っていた荒木。
そしてその荒木と向き合い、こちらは尋常ならざる緊張からだろう、同じく一言も発さぬいがらし。
「そうね。私はあちらに行くわ。」
そう言うと大川は音もなくいがらしと荒木のほうへと移動し、猫井と皆川だけが残された。
「決着をつけたい、か。同感だな。まあ、勝つのは俺だけどよ。」
「あら、私の間違いでしょう?」
再び東京タワーの上でそうしたようににらみ合う二人。
だが、今度はどちらにも撤退の手はない。
どちらかが倒れるまで戦いは終わらないだろう。
「あら、私の間違いでしょう?」
再び東京タワーの上でそうしたようににらみ合う二人。
だが、今度はどちらにも撤退の手はない。
どちらかが倒れるまで戦いは終わらないだろう。
そして大川がいがらしに囁く。
「あちらの邪魔をしては悪いわね。移動しましょう。」
「そ、そうね……。大川、あなたも手伝ってくれる?」
「ええ。あの荒木飛呂彦が相手ですもの……。
できれば戦いたくはないけれど、でも今の私達なら……」
「あちらの邪魔をしては悪いわね。移動しましょう。」
「そ、そうね……。大川、あなたも手伝ってくれる?」
「ええ。あの荒木飛呂彦が相手ですもの……。
できれば戦いたくはないけれど、でも今の私達なら……」
議事堂の屋根の上。異能の者達の戦いの場所としては、恐らく最上級の舞台効果を持つであろう場所。
大川、いがらしと共にそこに立つ荒木が言う。
「一応言っておこう。
君達がなにをしようとしているのか、僕は知らない。
僕が知っているのは、君達がPEACH-PITの家を襲い、そして今も彼女らを狙っているということだけだ。
僕の基準で言えば今持っている情報から判断する限り、君達は『悪』だ。
自分のために他人を傷つけようとする……な。
何か、今のうちに言っておくことはあるかい?」
「いいえ。ありません。……いや、一つだけありましたね。
私達の邪魔をするつもりなら……荒木先生、例えあなたでも容赦はしません!!!」
大川の登場にようやく立ち直ったいがらしが言い放つ。
大川も後ろで肯定するようにうなずいている。
大川、いがらしと共にそこに立つ荒木が言う。
「一応言っておこう。
君達がなにをしようとしているのか、僕は知らない。
僕が知っているのは、君達がPEACH-PITの家を襲い、そして今も彼女らを狙っているということだけだ。
僕の基準で言えば今持っている情報から判断する限り、君達は『悪』だ。
自分のために他人を傷つけようとする……な。
何か、今のうちに言っておくことはあるかい?」
「いいえ。ありません。……いや、一つだけありましたね。
私達の邪魔をするつもりなら……荒木先生、例えあなたでも容赦はしません!!!」
大川の登場にようやく立ち直ったいがらしが言い放つ。
大川も後ろで肯定するようにうなずいている。
「そうか…じゃあ仕方がない。
ここで君達を止めさせてもらおう。」
荒木と大川、いがらしもまた、戦いの構えを取る。
雨はますます強く、五人の上に降り注ぐ。
ここで君達を止めさせてもらおう。」
荒木と大川、いがらしもまた、戦いの構えを取る。
雨はますます強く、五人の上に降り注ぐ。
To Be Continued...
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 19/60 |
無題 | 本編ログ(一部) | 無題 |
“跳んだ”時 | 大川緋芭 | Fry higher (than the stars) |
“跳んだ”時 | 猫井椿 | (fly higher than) the stars |
“跳んだ”時 | もこな | - |
“跳んだ”時 | いがらし寒月 | Fry higher (than the stars) |
“跳んだ”時 | 武内直子 | - |
“跳んだ”時 | 皆川亮二 | (fly higher than) the stars |
“跳んだ”時 | 荒木飛呂彦 | (fly higher than) the stars |
星野「ロン、平和のみ。1000点」
2回戦東二局は思いがけず静かに終わった。
さいふうめいが星野に振り込んで1000点上がり。
早くも東二局が終わり、東三局へ、親は西の福本。
さいふうめいが星野に振り込んで1000点上がり。
早くも東二局が終わり、東三局へ、親は西の福本。
さい(ここがヤマだぜ。ここと次のえなり坊主の親を蹴って、
南一局、星野が再び親になった時が勝負よ。
次はもうあんな技にはかからねぇぜ)
星野とさいふうめいは早上がりを目指して手を進めてくる。
しかも左手芸も使って配牌時に有効牌を確実に手にしている。
よほど配牌とツモが良くない限り、手のスピードで勝つ事は出来ないだろう。
福本(ククク…まあそうくるか。
だが、それだけじゃあうまく行かないのが麻雀…)
福本の配牌は驚くべき物だった。
2索、4索、發の対子に、5萬の暗子が一つ、最もポピュラーな役萬の四暗刻も狙える手だ。
当然狙っていくだろう、そう思われたが…
福本、打、發。
いきなり対子を崩す暴挙。しかしその場にそれを気づく者は一人もいなかった。
その暴挙に反して、ツモは好調であった。
しかも9萬の2連続と、続いて2索、4索と有効牌4連続ツモ。
4巡にして対子が一つに暗子が3つ。こうなるとつくづく發切りが悔やまれるところだが…
南一局、星野が再び親になった時が勝負よ。
次はもうあんな技にはかからねぇぜ)
星野とさいふうめいは早上がりを目指して手を進めてくる。
しかも左手芸も使って配牌時に有効牌を確実に手にしている。
よほど配牌とツモが良くない限り、手のスピードで勝つ事は出来ないだろう。
福本(ククク…まあそうくるか。
だが、それだけじゃあうまく行かないのが麻雀…)
福本の配牌は驚くべき物だった。
2索、4索、發の対子に、5萬の暗子が一つ、最もポピュラーな役萬の四暗刻も狙える手だ。
当然狙っていくだろう、そう思われたが…
福本、打、發。
いきなり対子を崩す暴挙。しかしその場にそれを気づく者は一人もいなかった。
その暴挙に反して、ツモは好調であった。
しかも9萬の2連続と、続いて2索、4索と有効牌4連続ツモ。
4巡にして対子が一つに暗子が3つ。こうなるとつくづく發切りが悔やまれるところだが…
7巡目、なんと9萬を引いて暗子が4つ揃った。四暗刻テンパイ。単騎待ち。
宣言はないが、星野とさいふうめいの二人はその雰囲気になんとなく気づく。
星野(張った…か?)
さい(まあ流石、ってところか)
気づく二人に対してえなりは―
えなり(揃わないなぁ…)
バラバラの手牌に四苦八苦して雰囲気に全然気づいていなかった。
宣言はないが、星野とさいふうめいの二人はその雰囲気になんとなく気づく。
星野(張った…か?)
さい(まあ流石、ってところか)
気づく二人に対してえなりは―
えなり(揃わないなぁ…)
バラバラの手牌に四苦八苦して雰囲気に全然気づいていなかった。
10巡目、星野テンパイ。しかしリーチはかけない。
星野(下手にリーチすれば福本の当たり牌を無防備に出しかねんからな…)
そして11巡目、不要牌をツモる。
星野(流れが悪いな…)
福本の捨て牌を確認して、その牌が安全かどうか確認する。
星野(…大丈夫…だろう)
ツモ切り。が―
星野(下手にリーチすれば福本の当たり牌を無防備に出しかねんからな…)
そして11巡目、不要牌をツモる。
星野(流れが悪いな…)
福本の捨て牌を確認して、その牌が安全かどうか確認する。
星野(…大丈夫…だろう)
ツモ切り。が―
福本「ロン」
星野「!」
四暗刻、成立。
待ちは――なんと、發。
星野「一巡目の發で待ち…クソ、こんな簡単な罠に―」
さい「やられたな、こちらの焦りをきっちり見抜かれてる」
興奮して台を叩く星野、それをたしなめるさいふうめい。
さい「落ち着けよ坊、そんな調子だと、次も取って食われるぜ」
星野「…はい」
星野「!」
四暗刻、成立。
待ちは――なんと、發。
星野「一巡目の發で待ち…クソ、こんな簡単な罠に―」
さい「やられたな、こちらの焦りをきっちり見抜かれてる」
興奮して台を叩く星野、それをたしなめるさいふうめい。
さい「落ち着けよ坊、そんな調子だと、次も取って食われるぜ」
星野「…はい」
えなり「福本さん!」
えなりが驚きと喜びを表情に浮かべる。
福本「ククク…これで一回戦の借りは返した、って所かな」
えなりが驚きと喜びを表情に浮かべる。
福本「ククク…これで一回戦の借りは返した、って所かな」
二回戦、星野が飛んで終了。
戦績は1勝1負。
決着は次の局に持ち越されることとなった。
戦績は1勝1負。
決着は次の局に持ち越されることとなった。
- 備考:フリテンであるとの指摘があり、後半が↓のように修正された。
福本の配牌が
2萬暗子、3萬が対子。
一巡目にさいふうめいが打った4萬をえなりがチーして234の面子に、
そしてえなり打1萬。
福本がすかさずチー宣言するが、スジ食い換えは無しと星野陣営から注意が入る。
えなりが素人という店も考慮してチョンボはなしに。
(福本の手牌が見れた点も優位になれると踏んだ)
結局えなりは鳴かずに手を進める事に。
2萬暗子、3萬が対子。
一巡目にさいふうめいが打った4萬をえなりがチーして234の面子に、
そしてえなり打1萬。
福本がすかさずチー宣言するが、スジ食い換えは無しと星野陣営から注意が入る。
えなりが素人という店も考慮してチョンボはなしに。
(福本の手牌が見れた点も優位になれると踏んだ)
結局えなりは鳴かずに手を進める事に。
数巡後、3萬を引いた星野が、
さっきの福本の鳴きを思い出し、さらにその辺の牌を捨てていないことから大丈夫と踏んで打3萬。
そこをすかさずロン。
四暗刻で2回戦終了。
さっきの福本の鳴きを思い出し、さらにその辺の牌を捨てていないことから大丈夫と踏んで打3萬。
そこをすかさずロン。
四暗刻で2回戦終了。
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 19/60 |
セカンドステージ | 本編ログ(一部) | 無題 |
無題 | えなり | 無題 |
無題 | 福本伸行 | 無題 |
無題 | 星野泰視 | 無題 |
無題 | さいふうめい | 無題 |
集英社入り口前。
破壊活動を終えた車田正美が、出入り口から悠々と歩いて来る。
多少の傷を負っているものの、そのほとんどがかすり傷程度のようだった。
その彼に、拍手を送る影が一つ。
車田「フ、あんたか」
車田を出迎えたのは、秋田書店の筆頭格、板垣恵介であった。
板垣「さすが、ってところかな」
車田「フン」
不機嫌そうな車田に対し、板垣は常に皮肉げな笑みを浮かべている。
板垣「やっぱりあんたが強いのか、それともジャンプの作家が弱いだけなのかね?」
車田「さあな。それよりも、これで約束は果たしたぞ」
板垣「そうだったな」
再び手を叩きながら、板垣は車田に告げた。
板垣「おめでとう、秋田書店への忠誠の証をしっかり見せてもらった。
これであんたも立派な秋田書店の人間だ」
いちいち皮肉っぽい板垣の言葉に苛立ちを覚えながらも、車田は何も口にはしなかった。
破壊活動を終えた車田正美が、出入り口から悠々と歩いて来る。
多少の傷を負っているものの、そのほとんどがかすり傷程度のようだった。
その彼に、拍手を送る影が一つ。
車田「フ、あんたか」
車田を出迎えたのは、秋田書店の筆頭格、板垣恵介であった。
板垣「さすが、ってところかな」
車田「フン」
不機嫌そうな車田に対し、板垣は常に皮肉げな笑みを浮かべている。
板垣「やっぱりあんたが強いのか、それともジャンプの作家が弱いだけなのかね?」
車田「さあな。それよりも、これで約束は果たしたぞ」
板垣「そうだったな」
再び手を叩きながら、板垣は車田に告げた。
板垣「おめでとう、秋田書店への忠誠の証をしっかり見せてもらった。
これであんたも立派な秋田書店の人間だ」
いちいち皮肉っぽい板垣の言葉に苛立ちを覚えながらも、車田は何も口にはしなかった。
板垣「それじゃあ、新人君にさっそく仕事だ」
車田「なに?」
板垣が一枚の紙を手渡してきた。一応内容を確認する。
車田「福本伸行? 講談社の人間か…」
板垣「ああそうだ。そいつをやってきてもらおうか」
車田「こんな仕事、下っ端にやらせればいいだろう」
板垣「だから、やらせてるんじゃねえか」
車田「なんだと…?」
さすがに車田の表情が変わった。怒りを隠そうともせず板垣を睨みつける。
車田「貴様、口には気をつけろ」
板垣「ククク…悪い悪い」
車田の放つコスモの威圧感を、華麗に受け流す板垣。
板垣「だがな、あんたが新人であることには変わりねえんだ。
少しでも信用してほしければ、多くの仕事をこなすんだな」
車田「…ち」
不満を抱きながらも、車田は反論しなかった。
分かった、とだけ答えて、テレポーテーションでその場を去る。
板垣「まあ頑張ってくれや」
いなくなった者に口だけの激励を送って、その場を去ろうとしたその時。
板垣「あっと。見かけによらず策士だから気をつけろって言うのを忘れちまったが…
まあいいか」
車田「なに?」
板垣が一枚の紙を手渡してきた。一応内容を確認する。
車田「福本伸行? 講談社の人間か…」
板垣「ああそうだ。そいつをやってきてもらおうか」
車田「こんな仕事、下っ端にやらせればいいだろう」
板垣「だから、やらせてるんじゃねえか」
車田「なんだと…?」
さすがに車田の表情が変わった。怒りを隠そうともせず板垣を睨みつける。
車田「貴様、口には気をつけろ」
板垣「ククク…悪い悪い」
車田の放つコスモの威圧感を、華麗に受け流す板垣。
板垣「だがな、あんたが新人であることには変わりねえんだ。
少しでも信用してほしければ、多くの仕事をこなすんだな」
車田「…ち」
不満を抱きながらも、車田は反論しなかった。
分かった、とだけ答えて、テレポーテーションでその場を去る。
板垣「まあ頑張ってくれや」
いなくなった者に口だけの激励を送って、その場を去ろうとしたその時。
板垣「あっと。見かけによらず策士だから気をつけろって言うのを忘れちまったが…
まあいいか」
所変わって雀荘。
休憩も終わり、運命の三回戦が始まろうとしていた。
えなり「勝てますかね?」
福本「クク…どうかな」
えなり「そんないい加減な…」
福本「勝算がまったくないわけじゃないから、そう心配するな」
相棒を適当になだめて、椅子に座った。
四人とも準備が整い、二回戦トップだった福本がサイコロを振ろうとした。
その時であった―
休憩も終わり、運命の三回戦が始まろうとしていた。
えなり「勝てますかね?」
福本「クク…どうかな」
えなり「そんないい加減な…」
福本「勝算がまったくないわけじゃないから、そう心配するな」
相棒を適当になだめて、椅子に座った。
四人とも準備が整い、二回戦トップだった福本がサイコロを振ろうとした。
その時であった―
えなり(ん?)
違和感のようなものを感じたえなりが、部屋の隅に視線を移した。
そこに見慣れない一人の男がこちらを見据えていた。
えなり「誰?」
彼の言葉に気づいた他の3人が、えなりと同じ方向に顔を向ける。
この場にいる人間の知り合いではなさそうだった、誰一人として声をかけようとしない。
男は視線が集まることなど気にも留めずに、値踏みをするように雀卓に座る四人を見回している。
違和感のようなものを感じたえなりが、部屋の隅に視線を移した。
そこに見慣れない一人の男がこちらを見据えていた。
えなり「誰?」
彼の言葉に気づいた他の3人が、えなりと同じ方向に顔を向ける。
この場にいる人間の知り合いではなさそうだった、誰一人として声をかけようとしない。
男は視線が集まることなど気にも留めずに、値踏みをするように雀卓に座る四人を見回している。
福本はその場に立ち上がると、星野達にこう告げた。
福本「悪いな星野さん、勝負の続きはまた今度だ」
星野「なんだと? なにを勝手に…」
福本「クク…金どころか命に関わる事でね。
あんた達もどっかに行かないと、巻き添えを食らうぞ」
やばい雰囲気は感じていたようで、星野達は意外とあっさり引いた。
星野「分かった…だが必ず決着を付けるぞ」
福本「ああ」
星野達がその場を去っていく。男は二人に興味がないようで、すんなりと彼らを見逃した。
ついでにえなりも去ろうとし―
福本「君はダメだ」
えなり「ええええええ、何でですかぁ!」
福本「ククク…ここで君に帰られちゃあ、呼んだ意味がないんでね」
福本「悪いな星野さん、勝負の続きはまた今度だ」
星野「なんだと? なにを勝手に…」
福本「クク…金どころか命に関わる事でね。
あんた達もどっかに行かないと、巻き添えを食らうぞ」
やばい雰囲気は感じていたようで、星野達は意外とあっさり引いた。
星野「分かった…だが必ず決着を付けるぞ」
福本「ああ」
星野達がその場を去っていく。男は二人に興味がないようで、すんなりと彼らを見逃した。
ついでにえなりも去ろうとし―
福本「君はダメだ」
えなり「ええええええ、何でですかぁ!」
福本「ククク…ここで君に帰られちゃあ、呼んだ意味がないんでね」
??「福本伸行だな?」
福本「ククク…人違いじゃないか?」
??「戯れ言はいい」
男は拳を構えると、福本に宣言した。
車田「貴様の命を頂戴する」
男―車田正美が拳から放ったコスモが、えなり達に襲いかかった。
福本「ククク…人違いじゃないか?」
??「戯れ言はいい」
男は拳を構えると、福本に宣言した。
車田「貴様の命を頂戴する」
男―車田正美が拳から放ったコスモが、えなり達に襲いかかった。
登場人数 | 1 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 20/60 |
無題 | 本編ログ(一部) | 短編 |
無題 | えなり | 薔薇乙女と聖闘士 |
無題 | 福本伸行 | 薔薇乙女と聖闘士 |
無題 | 星野泰視 | 忘れられてたあの2人 |
無題 | さいふうめい | 忘れられてたあの2人 |
無題 | 車田正美 | 薔薇乙女と聖闘士 |
初登場 | 板垣恵介 | - |