目次
硬いものがぶつかる音、空気が震える音、そしてときの声が響く。
猫井と皆川が互いの全力を挙げて戦っているのだ。
猫井の蹴りが皆川を捕らえたかと見えたら、次の瞬間には皆川の拳が猫井の脳天を狙っている。
しかしそれも一瞬のこと、気付けば限界まで距離を詰め、互いに急所を狙う。
両者の力量はほぼ互角。決着がつくにはかなりの時間がかかるだろう。
猫井と皆川が互いの全力を挙げて戦っているのだ。
猫井の蹴りが皆川を捕らえたかと見えたら、次の瞬間には皆川の拳が猫井の脳天を狙っている。
しかしそれも一瞬のこと、気付けば限界まで距離を詰め、互いに急所を狙う。
両者の力量はほぼ互角。決着がつくにはかなりの時間がかかるだろう。
しかし、どうにも奇妙なことに、皆川の動きにいつもの切れがない。
達人が目を凝らしても見えぬほど微小な違いだが、今回の猫井のような実力伯仲の相手には致命傷となりかねない。
皆川の動きを鈍らせるものは何か?痛みではない。戦う意味などというものでももちろんない。
荒木である。荒木が大川、いがらしの二人に勝てるかが不安なのだ。
達人が目を凝らしても見えぬほど微小な違いだが、今回の猫井のような実力伯仲の相手には致命傷となりかねない。
皆川の動きを鈍らせるものは何か?痛みではない。戦う意味などというものでももちろんない。
荒木である。荒木が大川、いがらしの二人に勝てるかが不安なのだ。
無論、荒木とて相当の使い手だ。尋常の相手ならば苦もなく倒してしまえるだろう。
だが、あの二人は漫画界でも知られた強豪、CLAMPの一員。しかも二対一の形だ。
その上、議事堂に来る前の荒木の言葉が不安を煽る。
だが、あの二人は漫画界でも知られた強豪、CLAMPの一員。しかも二対一の形だ。
その上、議事堂に来る前の荒木の言葉が不安を煽る。
『さすがに、あんたはすげえな。そのスタンドを自在に切り替えられるわけだ。向かうところ敵なし、なんじゃないか?』
『いや、そううまくはいかなくてね。スタンドの切り替えには、ひどく時間がかかる。だいたい一分ぐらいはたっぷりね。』
『一分…か。確かに、戦闘中、状況に合わせて切り替えるには長い時間だ。』
『ああ。だから今回はこいつ(キャッチ・ザ・レインボー)でやるしかないね。』
『? 何でだ?今のうちにやつらと戦う時に有利なスタンドに変えときゃいいじゃねえか。』
『……皆川君、君ならわかってくれるだろう?そんな野暮なことをいうもんじゃないよ。』
『野暮…か。確かに、それもそうだな。』
『いや、そううまくはいかなくてね。スタンドの切り替えには、ひどく時間がかかる。だいたい一分ぐらいはたっぷりね。』
『一分…か。確かに、戦闘中、状況に合わせて切り替えるには長い時間だ。』
『ああ。だから今回はこいつ(キャッチ・ザ・レインボー)でやるしかないね。』
『? 何でだ?今のうちにやつらと戦う時に有利なスタンドに変えときゃいいじゃねえか。』
『……皆川君、君ならわかってくれるだろう?そんな野暮なことをいうもんじゃないよ。』
『野暮…か。確かに、それもそうだな。』
あの時は荒木の雰囲気に飲まれて納得してしまったが、今考えると狂気の沙汰としか思えない。
如何に鬼才、荒木飛呂彦といえど、あのようなひどく効果が限定されたスタンドでCLAMPを二人も相手にできるのだろうか?
荒木が大川といがらしに勝つのは、御神苗優がロードス島の青銅巨人と正面から殴り合って勝つのと同程度に難しく思える。
そこまで考えたとき、皆川はようやく自分が鈍い痛みとともに空中にいることに気付いた。
直後、壁に叩きつけられる。無意識のうちに受身を取っていたものの、やはりダメージは大きい。
そこに至ってようやく、自分に何が起こったのか皆川にも理解できた。
猫井の蹴りをまともに受け、議事堂の入り口近くまで吹き飛んだのだ。
如何に鬼才、荒木飛呂彦といえど、あのようなひどく効果が限定されたスタンドでCLAMPを二人も相手にできるのだろうか?
荒木が大川といがらしに勝つのは、御神苗優がロードス島の青銅巨人と正面から殴り合って勝つのと同程度に難しく思える。
そこまで考えたとき、皆川はようやく自分が鈍い痛みとともに空中にいることに気付いた。
直後、壁に叩きつけられる。無意識のうちに受身を取っていたものの、やはりダメージは大きい。
そこに至ってようやく、自分に何が起こったのか皆川にも理解できた。
猫井の蹴りをまともに受け、議事堂の入り口近くまで吹き飛んだのだ。
「ちっ……俺としたことが、らしくねえな。」
そう呟きながら立ち上がった皆川の目から、ようやくかすかな濁りが消えた。
欠けたピースを嵌め込んだか、或いはバグフィクスが終了したのだ。
「人の心配をする前に、まずは自分のほうを何とかしないと……いけねえよな!!!」
叫び、上着を脱ぎ捨てる。
「まず、AMスーツに頼ってんのがそもそもの間違いだ!!」
放り投げたスーツがずしりと鈍い音を立てて地面にめり込んだ。
そう呟きながら立ち上がった皆川の目から、ようやくかすかな濁りが消えた。
欠けたピースを嵌め込んだか、或いはバグフィクスが終了したのだ。
「人の心配をする前に、まずは自分のほうを何とかしないと……いけねえよな!!!」
叫び、上着を脱ぎ捨てる。
「まず、AMスーツに頼ってんのがそもそもの間違いだ!!」
放り投げたスーツがずしりと鈍い音を立てて地面にめり込んだ。
「確かに、その重そうな強化服を捨てて身軽になったみたいだけど……」
いつの間にやら皆川から1メートルと離れていないところまで近付いていた猫井が呟く。
「ああ……わりいな、待たせちまって。
もういいぜ。…で、『だけど』なんだ?」
「だけど、それは同時に攻撃力も、そして防御力も落ちたということじゃない?
もう一回さっきみたいなのを喰らったら、それで終わり。違うかしら?」
まさにその通り。実際、あの蹴りを受けて皆川が立ち上がり、今また戦おうとできるのもAMスーツの力によるところが大きい。
だが、
「あんたらは確かにすげえ。よく考えるもんだと感心するよ。背景世界、魔法だのなんだのの原理、それに漫画の売りかたまでな。
でも……そんなあんたらにゃあ、俺は理解できねえだろうよ。」
皆川の根底にあるのは、人間賛歌、そして希望と可能性への惜しみない賛美。
悲劇と耽美を縦糸、読者受けを横糸として物語を織り上げるCLAMPにとって、
最もとは言わないまでも、相当に理解しがたい感覚だろう。
いつの間にやら皆川から1メートルと離れていないところまで近付いていた猫井が呟く。
「ああ……わりいな、待たせちまって。
もういいぜ。…で、『だけど』なんだ?」
「だけど、それは同時に攻撃力も、そして防御力も落ちたということじゃない?
もう一回さっきみたいなのを喰らったら、それで終わり。違うかしら?」
まさにその通り。実際、あの蹴りを受けて皆川が立ち上がり、今また戦おうとできるのもAMスーツの力によるところが大きい。
だが、
「あんたらは確かにすげえ。よく考えるもんだと感心するよ。背景世界、魔法だのなんだのの原理、それに漫画の売りかたまでな。
でも……そんなあんたらにゃあ、俺は理解できねえだろうよ。」
皆川の根底にあるのは、人間賛歌、そして希望と可能性への惜しみない賛美。
悲劇と耽美を縦糸、読者受けを横糸として物語を織り上げるCLAMPにとって、
最もとは言わないまでも、相当に理解しがたい感覚だろう。
「そう?それじゃあいいわ。わかるまで話を聞くより、あなたを立ち上がれなくするほうが話が早そうだし。」
猫井が再び構える。その姿を形容するならば、まさに獲物に飛びかかろうとするライオン、といったところだろうか。
「だな。……結局最後は殴りあう羽目になっちまう。いやなもんだ。
でもよ、その先に光が見える限り、俺は止まらねえ!!!」
皆川も構える。こちらはさしずめ、古代ローマの拳闘士といった風情か。
猫井が再び構える。その姿を形容するならば、まさに獲物に飛びかかろうとするライオン、といったところだろうか。
「だな。……結局最後は殴りあう羽目になっちまう。いやなもんだ。
でもよ、その先に光が見える限り、俺は止まらねえ!!!」
皆川も構える。こちらはさしずめ、古代ローマの拳闘士といった風情か。
雨は降り続く。人間達のちっぽけな戦いなど意に介さずに。
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 34/60 |
無題 | 本編ログ(一部) | 無題 |
セカンドステージ | 猫井椿 | 魂の打ち込み |
セカンドステージ | もこな | - |
セカンドステージ | 皆川亮二 | 魂の打ち込み |
セカンドステージ | 荒木飛呂彦 | Fry higher (than the stars) |
秋田書店の一角では青山広美と山根和俊が相変わらず小学館対策に頭を悩ましている。
自棄を起こしたくなる程すべてが上手く行かないその時、不意に青山の非常用直通電話が鳴った。
自棄を起こしたくなる程すべてが上手く行かないその時、不意に青山の非常用直通電話が鳴った。
「おう、ワイや。」
「大変だ青山先生!板垣恵介が集英社付近で謎のルチャドールと交戦開始したらしい!」
「な、なんやてええええええ~~~ッ!?」
「大変だ青山先生!板垣恵介が集英社付近で謎のルチャドールと交戦開始したらしい!」
「な、なんやてええええええ~~~ッ!?」
某ゴラク作品で主人公に一杯食わされた悪徳不動産屋のような面構えで青山が大声を上げる。
青ざめた下品な顔に脂汗を浮かべて青山が電話で報告を受けている傍らで山根は首を傾げていた。
(変だな。板垣と車田が集英社に襲撃をかけてからそれなりの時間は経過している。
あの二人ならばそれだけの時間があれば十分逃げられるはずなのだが…)
(変だな。板垣と車田が集英社に襲撃をかけてからそれなりの時間は経過している。
あの二人ならばそれだけの時間があれば十分逃げられるはずなのだが…)
その頃、板垣恵介は謎のルチャドールの蹴りをマトモに食らって宙を浮いていた。
全身のバネを利かせた好敵手の凄まじい蹴りの威力を反芻しながら獣のような笑みを浮かべていた。
全身のバネを利かせた好敵手の凄まじい蹴りの威力を反芻しながら獣のような笑みを浮かべていた。
「 ダ イ ブ 」
謎のルチャドールがボソリと呟いた。
「エエか!オドレは今から何とかして板垣とルチャ野郎の様子を逐一録画してコッチに送るんや!
せや!奴等には絶対に気取られるな!ほな一旦切るで!」
青山が電話を切り頭を抱える。ただでさえ小学館対策で大変なこの時期に余計なゴタゴタを
寄りによって元同僚に集英社付近で起こされた事が恨めしくてならなかった。
せや!奴等には絶対に気取られるな!ほな一旦切るで!」
青山が電話を切り頭を抱える。ただでさえ小学館対策で大変なこの時期に余計なゴタゴタを
寄りによって元同僚に集英社付近で起こされた事が恨めしくてならなかった。
「いくら板垣が何らかの理由で離脱にもたついたとはいえ、他社の増援が到達するにはまだ少し早い。
恐らくそのルチャ男は集英社の人間。しかもあの板垣に正面から格闘戦を挑むとなると相当の強物。
いくら板垣と言えども他社からの援軍が到達する前に短時間でそいつを片付けるのは至難の業だ。
あの暴力馬鹿と配下のゲリラ連中にもまだ使い道はある…秘密裏にでも誰か送った方が良くないか、青山先生?」
濃い目のコーヒーをさりげなく出しながら山根が尋ねる。
恐らくそのルチャ男は集英社の人間。しかもあの板垣に正面から格闘戦を挑むとなると相当の強物。
いくら板垣と言えども他社からの援軍が到達する前に短時間でそいつを片付けるのは至難の業だ。
あの暴力馬鹿と配下のゲリラ連中にもまだ使い道はある…秘密裏にでも誰か送った方が良くないか、青山先生?」
濃い目のコーヒーをさりげなく出しながら山根が尋ねる。
それに対して不味そうにコーヒーを一気に飲み干した青山が仏頂面で答える。
「オドレはまだあのアホの事をよく知らないからンな事言えるんや。離脱にもたつく?援軍?アホぬかせ!
いいかクソガキ!恐らくアイツが中途半端に離脱に遅れた理由ってのは…」
「オドレはまだあのアホの事をよく知らないからンな事言えるんや。離脱にもたつく?援軍?アホぬかせ!
いいかクソガキ!恐らくアイツが中途半端に離脱に遅れた理由ってのは…」
その時PCに動画が配信され始めた。薄ら暗い路地裏で獣臭を感じさせる男が一回り身体の小さいルチャドールの
淀みない蹴り技に一見サンドバックにされているように見える。ただ獣じみた男はその怒涛の攻撃に全く下がらない。
むしろ前に出ているくらいである。顔には野獣じみた笑みを浮かべ、時折人とは思えぬ咆哮を上げながら反撃を返す。
その姿は言わば群れから外れたカモシカを捕食しようとじりじりと追い詰める巨体の肉食獣といったところか。
淀みない蹴り技に一見サンドバックにされているように見える。ただ獣じみた男はその怒涛の攻撃に全く下がらない。
むしろ前に出ているくらいである。顔には野獣じみた笑みを浮かべ、時折人とは思えぬ咆哮を上げながら反撃を返す。
その姿は言わば群れから外れたカモシカを捕食しようとじりじりと追い詰める巨体の肉食獣といったところか。
「…まさか、行きがけの駄賃として集英社の誇る格闘漫画家と闘いたくなった、と言う事か?」
「と言うより喰いたくなりよったって所や。ワイが思うに集英社襲撃は車田がメインで板垣は後詰めの雑魚掃除や。
あいつの性格からすると喰い足りん退屈な仕事やったろうからな。エフッ!エフッ!…全くあのアホが!」
「と言うより喰いたくなりよったって所や。ワイが思うに集英社襲撃は車田がメインで板垣は後詰めの雑魚掃除や。
あいつの性格からすると喰い足りん退屈な仕事やったろうからな。エフッ!エフッ!…全くあのアホが!」
その頃、数ダースの蹴りを全力で叩き込まれても倒れる素振りも見せない板垣に対して
謎のルチャドールには少し疲労と焦燥の色が見え始めていた。
謎のルチャドールには少し疲労と焦燥の色が見え始めていた。
「 相 変 わ ら ず か 。 怪 物 め 」
謎のルチャドールがボソリと呟いた
登場人数 | 1 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 35/60 |
(fly higher than) the stars | 本編ログ(一部) | 集英社にて |
短編 | 青山広美 | 無題 |
短編 | 山根和俊 | 無題 |
短編 | 板垣恵介 | まとめ おまけの続き① |
初登場 | 柴田ヨクサル | まとめ おまけの続き① |
「くっ、遅かったか…」
襲撃された、集英社本社に3人の男がやって来た。
鳥山明、和月伸宏、富樫義弘。
いずれもジャンプの主力作家だ。
襲撃された、集英社本社に3人の男がやって来た。
鳥山明、和月伸宏、富樫義弘。
いずれもジャンプの主力作家だ。
「と…鳥山先生…」
瓦礫の中、負傷して横たわる尾田が呟いた。
瓦礫の中、負傷して横たわる尾田が呟いた。
「尾田か!!よかった、生きてたか…」
「大変です。車田の奴が…」
「車田だと…!?」
「大変です。車田の奴が…」
「車田だと…!?」
尾田はこれまでの経緯を鳥山に説明した。
「ふっ、それはおもしろいな」
トランプを弄びながら、富樫がニヤつく。
「やられた、やり返すしかねーよな!!」
和月は壁に向かって二重の極みを放つ。
トランプを弄びながら、富樫がニヤつく。
「やられた、やり返すしかねーよな!!」
和月は壁に向かって二重の極みを放つ。
それを見ながら、岸本がため息を漏らす。
「本当に大した奴ですよ。車田先生は… 本当に勝てるかどうか…」
岸本は、一人胸を撫で下ろした。
「本当に大した奴ですよ。車田先生は… 本当に勝てるかどうか…」
岸本は、一人胸を撫で下ろした。
登場人数 | 3 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 38/60 |
無題 | 本編ログ(一部) | 無題 |
短編 | 岸本斉史 | 回想 |
三人が乗る車 | 冨樫義博 | 小ネタ |
初登場 | 鳥山明 | 回想 |
初登場 | 和月伸宏 | あまり動きのない連中を少し動かしてみる |
ぎりぎりだった。
「大したモンだな」
岡田はそう言うと、手につかんだえばらを地面に叩き付けた。
「きゃ…がは!」
強い衝撃が肺を圧迫し、彼女は強く咳き込んだ。
衝撃は器官にもダメージを与えていたようで、地面に倒れたまま咳き込み続ける。
岡田はそう言うと、手につかんだえばらを地面に叩き付けた。
「きゃ…がは!」
強い衝撃が肺を圧迫し、彼女は強く咳き込んだ。
衝撃は器官にもダメージを与えていたようで、地面に倒れたまま咳き込み続ける。
しかしそれだけだった。
彼女の体に、他に傷らしい傷が見当たらない。
「あの状態で、あの攻撃を全て防ぐとは…」
岡田の盾にされて多数の羽の脅威に晒されたえばら。
しかしその羽は一枚たりとも彼女の所まで到達せず、全て地面に落ちていた。多数の薔薇の花弁と共に。
向かってくる多数の羽を、えばらは全て薔薇の花弁の防御壁で防いだのだ。
彼女の体に、他に傷らしい傷が見当たらない。
「あの状態で、あの攻撃を全て防ぐとは…」
岡田の盾にされて多数の羽の脅威に晒されたえばら。
しかしその羽は一枚たりとも彼女の所まで到達せず、全て地面に落ちていた。多数の薔薇の花弁と共に。
向かってくる多数の羽を、えばらは全て薔薇の花弁の防御壁で防いだのだ。
地面に倒れたまま必死に呼吸を整えようとしているえばら。岡田はその姿を冷ややかに見つめていた。そして、
「フン」
岡田は鼻を鳴らすと、目の前のえばらを思いっきり蹴り上げた。
「!!!?」
落ち着きを取り戻す前に更なる攻撃を受けたえばらは、吹っ飛んでいる自分を認識出来なかった。
目を白黒させながら、現状に身を任せる。
彼女がようやく自分を取り戻したのは、千道に受け止められて、自分の名を三度目に呼ばれた時だった。
「…ばら、大丈夫!?」
「ん…うん」
やっと落ち着きを取り戻したえばらは、ようやくけり飛ばされた横っ腹に痛みを感じ始めた。
脇を抱えてその場にうずくまる。
「フン」
岡田は鼻を鳴らすと、目の前のえばらを思いっきり蹴り上げた。
「!!!?」
落ち着きを取り戻す前に更なる攻撃を受けたえばらは、吹っ飛んでいる自分を認識出来なかった。
目を白黒させながら、現状に身を任せる。
彼女がようやく自分を取り戻したのは、千道に受け止められて、自分の名を三度目に呼ばれた時だった。
「…ばら、大丈夫!?」
「ん…うん」
やっと落ち着きを取り戻したえばらは、ようやくけり飛ばされた横っ腹に痛みを感じ始めた。
脇を抱えてその場にうずくまる。
「身動き取れない相手にこの仕打ち…ただの外道ね」
えばらを気遣いながら、岡田に言葉を吐き捨てる千道。
岡田は特に反論しない。めんどくさそうに聞き流している。
「それにしてもなんなの…あの強さ。あれじゃあまるで…」
「多分…あの聖衣が…けほ、原因…けほ」
「聖衣?」
聖衣――クロス。岡田や車田が着ていた黄金の鎧の事だ。
「近づいた時…あれ…けほ、あれから別の人間の…力を感じたのだわ」
「まさか…」
千道の言葉に、えばらはうなづいた。
「車田正美…岡田はあの聖衣から、車田の力を得ているのだわ」
えばらを気遣いながら、岡田に言葉を吐き捨てる千道。
岡田は特に反論しない。めんどくさそうに聞き流している。
「それにしてもなんなの…あの強さ。あれじゃあまるで…」
「多分…あの聖衣が…けほ、原因…けほ」
「聖衣?」
聖衣――クロス。岡田や車田が着ていた黄金の鎧の事だ。
「近づいた時…あれ…けほ、あれから別の人間の…力を感じたのだわ」
「まさか…」
千道の言葉に、えばらはうなづいた。
「車田正美…岡田はあの聖衣から、車田の力を得ているのだわ」
岡田や由利のような車田の部下は、車田から預かった物から力の恩赦を受けていた。
岡田は獅子の聖衣、そして由利は一本の木刀から。
その力に相まって元の力も加われば、並の漫画家では太刀打ち出来ない。
そうとな恩恵と言っても過言ではないのだが、
『風魔』、由利聡は、その力の恩恵が無意味な状態に置かれていた。
岡田は獅子の聖衣、そして由利は一本の木刀から。
その力に相まって元の力も加われば、並の漫画家では太刀打ち出来ない。
そうとな恩恵と言っても過言ではないのだが、
『風魔』、由利聡は、その力の恩恵が無意味な状態に置かれていた。
「…………!」
一歩、また一歩。すり足で細い柱の上を渡っていく。
四分の一ほど歩いただろうか。大分進んだはずなのだが、彼にはまったく進んでいないように感じられた。
(なんでこんなことをしているんだ俺は…!)
自問するが、答えは渡る前に出尽くしている。任務を全うするには、とにかく進むしかない。
自分を納得させて、また少し前進していく。
一歩、また一歩。すり足で細い柱の上を渡っていく。
四分の一ほど歩いただろうか。大分進んだはずなのだが、彼にはまったく進んでいないように感じられた。
(なんでこんなことをしているんだ俺は…!)
自問するが、答えは渡る前に出尽くしている。任務を全うするには、とにかく進むしかない。
自分を納得させて、また少し前進していく。
その一方対岸のえなりは、ハラハラしながらそれを見ていた。
「どうしたえなり君。冷や汗が出てるぞ」
「いやその…なんか見てるだけなのに緊張しちゃって」
「クク…楽しんでるみたいだな」
「楽しむなんてそんな…ヒヤヒヤするだけですよ」
「それを楽しむ、と言うのさ」
福本の言葉の意味がよくわからず、えなりはただ首を傾げるだけだった。
「どうしたえなり君。冷や汗が出てるぞ」
「いやその…なんか見てるだけなのに緊張しちゃって」
「クク…楽しんでるみたいだな」
「楽しむなんてそんな…ヒヤヒヤするだけですよ」
「それを楽しむ、と言うのさ」
福本の言葉の意味がよくわからず、えなりはただ首を傾げるだけだった。
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 38/60 |
集英社にて | 本編ログ(一部) | 何故に |
無題 | えなり | 二人の奇妙な着陸方法 |
無題 | 福本伸行 | 二人の奇妙な着陸方法 |
無題 | えばら渋子 | ローゼンとやらを知らずに書いてる誰かヘルプ |
無題 | 千道万里 | ローゼンとやらを知らずに書いてる誰かヘルプ |
無題 | 岡田芽武 | ローゼンとやらを知らずに書いてる誰かヘルプ |
無題 | 由利聡 | 二人の奇妙な着陸方法 |
スクエニまで少しの道程となった所で、福地は車の中で少々やさぐれていた。
「なにもさー、鳥山先生達からの連絡があったからっていきなり行かなくてもいいじゃないッスか。
そりゃ冨樫先生の性格は分かってたッスよ。己の快楽優先で他人は気にも懸けないし。
この前の戦闘だってやったの殆ど俺で、先生は後ろでカレー食べてたし……俺、先の戦争じゃ後方支援専門だったのに」
集英社に行ってくると言って、冨樫はGIのカードで文字通り飛んでいってしまったのだ。目的地までもうすぐと言えど、秋田書店の件もあり福地はかなり心細かった。
愚痴は幾ら挙げてもきりがない。そう思い始めていた時に、目の前にスクエニのビルが見えてきた。
「やっと着いた。長かったよ此処まで」
「結構苦労してたのね」
「判りますか。あの人と一緒だと精神的に疲れるッスよ」
「私も昔は矢吹様の秘書やってたのに、何処で人生狂っちゃったんだろ……」
アスファルトに昨夜の雨がつくった水溜まりが輝いている。二人は溜め息をつきながら車を降りた。
と、福地の脚に違和感が生じる。何かと見てみると、
「なにもさー、鳥山先生達からの連絡があったからっていきなり行かなくてもいいじゃないッスか。
そりゃ冨樫先生の性格は分かってたッスよ。己の快楽優先で他人は気にも懸けないし。
この前の戦闘だってやったの殆ど俺で、先生は後ろでカレー食べてたし……俺、先の戦争じゃ後方支援専門だったのに」
集英社に行ってくると言って、冨樫はGIのカードで文字通り飛んでいってしまったのだ。目的地までもうすぐと言えど、秋田書店の件もあり福地はかなり心細かった。
愚痴は幾ら挙げてもきりがない。そう思い始めていた時に、目の前にスクエニのビルが見えてきた。
「やっと着いた。長かったよ此処まで」
「結構苦労してたのね」
「判りますか。あの人と一緒だと精神的に疲れるッスよ」
「私も昔は矢吹様の秘書やってたのに、何処で人生狂っちゃったんだろ……」
アスファルトに昨夜の雨がつくった水溜まりが輝いている。二人は溜め息をつきながら車を降りた。
と、福地の脚に違和感が生じる。何かと見てみると、
影から出た腕が、彼の脚を掴んでいた。
不意を突かれ対応が遅れた間に、残りの部分が現れて来る。
その姿を見た彼は、驚愕の色しか表せなかった。
「あっあんたは……」
その人物はわざとらしく紳士のように礼をした。
「はじめまして、赤松という者です」
その姿を見た彼は、驚愕の色しか表せなかった。
「あっあんたは……」
その人物はわざとらしく紳士のように礼をした。
「はじめまして、赤松という者です」
「赤松……だって……」
マガジンの漫画家、赤松健。どう考えても敵にしかなりえない人物が目の前にいる。
福地は自分でも知らぬ間に“手ぬぐいを鉄に変える能力”によって作り上げたこん棒を握り締めていた。
だが、赤松は手で止めるよう示す。
「今回は戦いに来たのではありません。貴方にお話したい事があるのです」
「まさか捕虜を引き渡せとか言うんスか?」
「いいえ。上の決定で、東さんにはクビになっていただきました」
後ろの方で絶望の呟きとともに倒れこんだ気がしたが、今はそれどころではない。
「近くのデパートで、えなり少年とPEACH-PITが何者と戦っているみたいですよ」
「なっ、何故それを……」
福地は冨樫からその三人について少なからず聞いていた。もちろん彼らがこの闘いにおいて重要だということもわかっている。
だからこそ分からない。この男がそれを告げる意味が。
(引っ掛けか!? 向かおうとしたところを攻撃する気なのか!? せめて触れられればメールで確認できるが……)
「あんたがそんなことを言うのに、一体なんの意味があるんスか!」
「福地さん、貴方もこの争いに重要な一人なんですよ。CLAMP達の予言によればですがね」
そんな言葉を残して、赤松は消え去った。水を媒介にした転位魔法だ。
マガジンの漫画家、赤松健。どう考えても敵にしかなりえない人物が目の前にいる。
福地は自分でも知らぬ間に“手ぬぐいを鉄に変える能力”によって作り上げたこん棒を握り締めていた。
だが、赤松は手で止めるよう示す。
「今回は戦いに来たのではありません。貴方にお話したい事があるのです」
「まさか捕虜を引き渡せとか言うんスか?」
「いいえ。上の決定で、東さんにはクビになっていただきました」
後ろの方で絶望の呟きとともに倒れこんだ気がしたが、今はそれどころではない。
「近くのデパートで、えなり少年とPEACH-PITが何者と戦っているみたいですよ」
「なっ、何故それを……」
福地は冨樫からその三人について少なからず聞いていた。もちろん彼らがこの闘いにおいて重要だということもわかっている。
だからこそ分からない。この男がそれを告げる意味が。
(引っ掛けか!? 向かおうとしたところを攻撃する気なのか!? せめて触れられればメールで確認できるが……)
「あんたがそんなことを言うのに、一体なんの意味があるんスか!」
「福地さん、貴方もこの争いに重要な一人なんですよ。CLAMP達の予言によればですがね」
そんな言葉を残して、赤松は消え去った。水を媒介にした転位魔法だ。
その場に二人だけになるやいなや、福地は踵をかえして何処かへ行こうとする。
「……たしがクビ、私がクビ、私が、て何処行くの!?」
突然のリストラに意気消沈していた東が我に返って問い掛ける。
「予定変更ッス。今から助太刀に行くんスよ」
「今からって、いくら近いって言ったって、直ぐ行ける距離じゃないはずよ!?」
「だからこそ、こいつを使うんスよ。俺は後方支援専門だったんスよ。建設、保管、運搬は完璧ッス」
何処からともなく取り出したのはヘリコプターの玩具。福地はそれで遊ぶような動作をしたあと、能力の一つを発動した。
「“オブジェ(模型)”を“実物”に変える能力!!」
閃光と共に現れたのは本物のヘリコプターだった。見るとさっきまであった車が今度は模型に戻っていた。
二人はヘリで向かう。えなりとPEACH-PITを救う為に。
「……たしがクビ、私がクビ、私が、て何処行くの!?」
突然のリストラに意気消沈していた東が我に返って問い掛ける。
「予定変更ッス。今から助太刀に行くんスよ」
「今からって、いくら近いって言ったって、直ぐ行ける距離じゃないはずよ!?」
「だからこそ、こいつを使うんスよ。俺は後方支援専門だったんスよ。建設、保管、運搬は完璧ッス」
何処からともなく取り出したのはヘリコプターの玩具。福地はそれで遊ぶような動作をしたあと、能力の一つを発動した。
「“オブジェ(模型)”を“実物”に変える能力!!」
閃光と共に現れたのは本物のヘリコプターだった。見るとさっきまであった車が今度は模型に戻っていた。
二人はヘリで向かう。えなりとPEACH-PITを救う為に。
登場人数 | 1 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 39/60 |
無題 | 本編ログ(一部) | まとめ |
三人が乗る車 | 福地翼 | 二人の奇妙な着陸方法 |
三人が乗る車 | 東まゆみ | 二人の奇妙な着陸方法 |
初登場 | 赤松健 | - |
「状況報告。CLAMPと集英社の皆川、荒木が国会議事堂付近での交戦の形跡を確認した。」
「報告!報告!RED部隊『エピソードG』岡田がPEACH-PITと、『風魔』由利が福本、えなりと交戦開始!」
「大変だ!!小学館幹部の高橋留美子&椎名高志があの藤田和日郎と交戦開始との情報が入った!」
「こちら偵察部隊。赤松健の瞬間移動らしき形跡を発見。これより情報収集へ移行する。」
「報告!報告!RED部隊『エピソードG』岡田がPEACH-PITと、『風魔』由利が福本、えなりと交戦開始!」
「大変だ!!小学館幹部の高橋留美子&椎名高志があの藤田和日郎と交戦開始との情報が入った!」
「こちら偵察部隊。赤松健の瞬間移動らしき形跡を発見。これより情報収集へ移行する。」
ここは秋田書店の一角。先程から各地での状況報告の為に青山の非常用直通電話が鳴リ続けている。
「ケッ!どいつもこいつも顔付き合わせれば戦争おっ始めよって!」
不細工な顔をいよいよ不細工にして青山がボヤく。
秋田書店が大敗してから数年の間、寝る間も無く働いてやっと事態が落ち着いてきた所にこの事態である。
彼の有休取って金髪巨乳の極上ねーちゃん達を侍らせて夜通し馬鹿騒ぎな夢はまだ当分叶いそうにない。
「ケッ!どいつもこいつも顔付き合わせれば戦争おっ始めよって!」
不細工な顔をいよいよ不細工にして青山がボヤく。
秋田書店が大敗してから数年の間、寝る間も無く働いてやっと事態が落ち着いてきた所にこの事態である。
彼の有休取って金髪巨乳の極上ねーちゃん達を侍らせて夜通し馬鹿騒ぎな夢はまだ当分叶いそうにない。
そうこうしている内にまた電話が鳴る。
「報告!集英社前にて現ジャンプ軍団と鳥山明、和月伸宏、富樫義弘が合流!」
「報告!岡田、由利とPEACH-PIT、福本、えなりが交戦中のビルに謎のヘリが接近しているとの情報を入手!」
「報告!集英社前にて現ジャンプ軍団と鳥山明、和月伸宏、富樫義弘が合流!」
「報告!岡田、由利とPEACH-PIT、福本、えなりが交戦中のビルに謎のヘリが接近しているとの情報を入手!」
「だああ~!いい加減にせェよオドレら!…おい、クソガキ!」
「落ち着けよ青山先生。今までの情報は僕が纏めておいたよ。」
にこやかな笑みを浮かべながら山根が眠気覚ましのタブレットを添えて資料を差し出した。
「落ち着けよ青山先生。今までの情報は僕が纏めておいたよ。」
にこやかな笑みを浮かべながら山根が眠気覚ましのタブレットを添えて資料を差し出した。
「…そうか、それなら早く説明せぇ。」
資料を受け取った時の青山の頬が心なしか赤いような気がする。この胸をドキドキさせる魔法使いめ。
資料を受け取った時の青山の頬が心なしか赤いような気がする。この胸をドキドキさせる魔法使いめ。
「今までの状況をかいつまんで説明すると…」
- えなり 借金地獄。福本に唆されて勝負師伝説哲也の2人と麻雀打ってたら車田の襲撃を受ける。
間一髪福本と共に逃げるも由利の追撃を受けて現在交戦中。援軍らしきヘリが向かっている。
- 集英社 交渉相手のPEACH-PITをCLAMPに拉致されたのでUJ一味がCLAMPを急襲して交戦状態。
一方本社は車田に襲撃を受けて現ジャンプ軍団は重傷負うも鳥山、和月、富樫が合流。
- 講談社 何か凄い力を手に入れる為に武内直子とPEACH-PITを拉致したらUJ一味が攻めてきた。
福本と赤松が暗躍中。哲也の2人はここの所属かどうかは不明。
- 秋田書店 以前小学館との戦争で大敗。水島と浜岡封印。山賢や板垣等の一部勢力ゲリラ化。本社自体は存続。
小学館の襲撃で山賢&サトケン瀕死。板垣の指図で車田が集英社に襲撃後えなりを急襲する。
その事で小学館で近日尋問を受ける予定。現在岡田がPEACH-PITと、由利が福本、えなりと交戦中。
その事で小学館で近日尋問を受ける予定。現在岡田がPEACH-PITと、由利が福本、えなりと交戦中。
- 小学館 秋田書店のゲリラ化した一部勢力の掃討中。山賢&サトケンに暴行。
そして原因不明だが高橋留美子&椎名高志が藤田和日郎と交戦開始。
「…って所だ。」
「上出来や、クソガキ。」
青山の背後で何か好感度が上がるっぽいメロディがピロリラリン♪と鳴った気がするが今はキニシナイ。
「上出来や、クソガキ。」
青山の背後で何か好感度が上がるっぽいメロディがピロリラリン♪と鳴った気がするが今はキニシナイ。
「で、あのアホの状況はどうなっとる?」
「あの暴力馬鹿はまだルチャ男と戦っているが鳥山、和月、富樫が合流した地点と奴が今いる路地裏は
かなり離れている。少なくとも今即座に3人の襲撃を受ける心配はないよ。」
それを聞いた青山がほっと胸をなでおろす。
「あの暴力馬鹿はまだルチャ男と戦っているが鳥山、和月、富樫が合流した地点と奴が今いる路地裏は
かなり離れている。少なくとも今即座に3人の襲撃を受ける心配はないよ。」
それを聞いた青山がほっと胸をなでおろす。
その時再び電話が鳴った。
「ヤバい!ヤバいぞ!板垣とルチャ男の交戦地点に最短距離で何者かが疾風の如く向かっている!」
「外見は!」
「漆黒の甲冑を身に纏って何か馬鹿デカい物背負っているのに矢鱈と動きが早い!化け物か!」
「!?」
「剣?いや、剣にしてはあまりにも大きすぎる!これ程大きく、ぶ厚く、重く、大雑把すぎる剣など!
これはまるで…鉄塊!?こちら偵察部隊!もう少し距離を詰めて詳細を確認する!」
「外見は!」
「漆黒の甲冑を身に纏って何か馬鹿デカい物背負っているのに矢鱈と動きが早い!化け物か!」
「!?」
「剣?いや、剣にしてはあまりにも大きすぎる!これ程大きく、ぶ厚く、重く、大雑把すぎる剣など!
これはまるで…鉄塊!?こちら偵察部隊!もう少し距離を詰めて詳細を確認する!」
「待て!それ以上は!」
青山が叫ぶのとほぼ同時に巨大な何かが叩きつけられて全身の骨が砕ける音と
偵察者の断末魔が受話器から響いた。
「クソッ!」
青山が受話器を叩きつける。どうやら一難去ってまた一難、彼には胸をドキドキさせる暇もないらしい。
青山が叫ぶのとほぼ同時に巨大な何かが叩きつけられて全身の骨が砕ける音と
偵察者の断末魔が受話器から響いた。
「クソッ!」
青山が受話器を叩きつける。どうやら一難去ってまた一難、彼には胸をドキドキさせる暇もないらしい。
その頃、漆黒の甲冑男は板垣と謎のルチャ男が戦う路地裏を目指して常人の目にも留まらぬ速さで
何者かに導かれるように集英社近くの繁華街をひた走っていた。
「ヨクサル…!」
何者かに導かれるように集英社近くの繁華街をひた走っていた。
「ヨクサル…!」
青山 「ところで、他の出版社に目立った動きは無いんか?」
山根 「今はね。ただそろそろ角川辺りが動くと思うんだ。」
青山 「ほお、何か理由でもあるんか?」
山根 「今はね。ただそろそろ角川辺りが動くと思うんだ。」
青山 「ほお、何か理由でもあるんか?」
山根 「ああ、次は『真!機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R ~世界が燃え尽きる日~』の予定だからね。」
戸田 (聞いて無ェぞそんな話。)
戸田 (聞いて無ェぞそんな話。)
青山 「出来もせん事をホイホイ口に出すなや、このクソガキ。」
戸田 (そりゃそーか。)
戸田 (そりゃそーか。)
登場人数 | 1 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 40/60 |
無題 | 本編ログ(一部) | 回想 |
無題 | 青山広美 | まとめ おまけの続き① |
無題 | 山根和俊 | まとめ おまけの続き① |
初登場 | 三浦健太郎 | まとめ おまけの続き① |
鳥山達が、尾田、岸本と合流した時には、他の連載作家達は見当たらなかった。
(まさか、もう…)
鳥山は、そう思った。
(まさか、もう…)
鳥山は、そう思った。
「あのー、許斐先生は見ませんでしたか?」
ふいに、岸本が口を開いた。
「許斐… あー、あのテニスの王子様の…?」
「ええ、車田の襲撃を受けた時、一人だけ最後まで闘い抜いたんです…
だけど、チィ… 不運なことに…」
最も、岸本は、その時気を失っていたので、正確なことはよく覚えていなかった。
ふいに、岸本が口を開いた。
「許斐… あー、あのテニスの王子様の…?」
「ええ、車田の襲撃を受けた時、一人だけ最後まで闘い抜いたんです…
だけど、チィ… 不運なことに…」
最も、岸本は、その時気を失っていたので、正確なことはよく覚えていなかった。
刻は数時間前…
車田襲撃の時刻に遡る。
「ふははははは!!!!こんなものか!!!!」
車田は、岸本たちを見下しながら、笑い叫ぶ。
車田の一方的な攻撃に岸本達は追い詰められていた。
車田は、岸本たちを見下しながら、笑い叫ぶ。
車田の一方的な攻撃に岸本達は追い詰められていた。
―その時―
「まだまだだね」
一人だけ無傷のテニスプレイヤーがそこに立っていた。
許斐剛、ジャンプきってのCOOLなスポーツ漫画家だ。
「まだまだだね」
一人だけ無傷のテニスプレイヤーがそこに立っていた。
許斐剛、ジャンプきってのCOOLなスポーツ漫画家だ。
「ふん、まだ生き残りがいたか…だが所詮、ただのスポーツ漫画家。
この俺に盾突くなど、100年早いわ
喰らえェィィ!!! ペ ガ サ ス 流 星 拳!!!」
車田の光速の拳が許斐に襲い掛かる。
しかし…
この俺に盾突くなど、100年早いわ
喰らえェィィ!!! ペ ガ サ ス 流 星 拳!!!」
車田の光速の拳が許斐に襲い掛かる。
しかし…
「動 く こ と 雷 帝 の ご と し!!」
許斐は一瞬で車田の背後に現れる。
「何ィィーーーゴブっ!!!」
さらに、雷を纏ったテニスボールが車田の顔面に直撃した。
「ぐおぉぉぉッ!!!」
車田は陽光を背に遠くまで吹っ飛ばされる。
さらに、雷を纏ったテニスボールが車田の顔面に直撃した。
「ぐおぉぉぉッ!!!」
車田は陽光を背に遠くまで吹っ飛ばされる。
(ば、馬鹿な…俺と同じ光速の動きだと…これがスポーツ漫画家の力なのか…)
そして、トドメをさそうと、車田に近づく許斐。
勝負が決しようとしたその時…
勝負が決しようとしたその時…
ズドドォォーーン
突然、天井のシャンデリアが落下してきた。
!!
許斐はそれに反応しきれず、後頭部にシャンデリアが直撃した。
許斐はそれに反応しきれず、後頭部にシャンデリアが直撃した。
登場人数 | 1 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 41/60 |
まとめ | 本編ログ(一部) | まとめ おまけの続き① |
集英社にて | 鳥山明 | あまり動きのない連中を少し動かしてみる |
集英社にて | 岸本斉史 | - |
無題 | 車田正美 | テヨギ死亡 |
初登場 | 許斐剛 | テヨギ死亡 |
来るべき近未来ッ!人類は未曾有の戦乱の時代を迎えていた!!
その戦乱の中恐怖と畏敬の念を込めて語られる一体のロボットがあった。
その名は――――――
その戦乱の中恐怖と畏敬の念を込めて語られる一体のロボットがあった。
その名は――――――
「…って感じで始まるんじゃないかと思うんだがどうかな、先生。」
「黙れクソガキ。」
秋田書店の一角で青山と山根の2人がこんな感じの馬鹿話をしている間も板垣と謎のルチャ男、
いや元白泉社、現集英社所属の格闘漫画家、「エアマスター」柴田ヨクサルの戦いは続いていた。
「黙れクソガキ。」
秋田書店の一角で青山と山根の2人がこんな感じの馬鹿話をしている間も板垣と謎のルチャ男、
いや元白泉社、現集英社所属の格闘漫画家、「エアマスター」柴田ヨクサルの戦いは続いていた。
反撃の暇を与える事無く、ヨクサルの蹴りが立て続けに板垣に襲い掛かる。
頭部。
顔面。
胸。
腹。
背。
鎖骨。
肝臓。
そして心臓。
顔面。
胸。
腹。
背。
鎖骨。
肝臓。
そして心臓。
フェイントもコンビネーションも無い、一発一発に一撃必倒の気迫を篭めた蹴りである。
小手先の技術は不要。
もし一撃をガードするのならそのガードごと叩き潰せばいい。
もし一撃を避けられたなら次の一撃を全力で叩き込んで倒せば良い。
もし一撃をガードするのならそのガードごと叩き潰せばいい。
もし一撃を避けられたなら次の一撃を全力で叩き込んで倒せば良い。
我流の喧嘩から始まって空手、柔術、拳闘、レスリング、総合、合気道、忍術、中国武術ほか
様々な武術をマスターした格闘漫画家の彼があえて上記の原始的な格闘術に立ち返ったのは
数年前に板垣と闘い、にべもなく叩き伏せられた苦い経験の為であった。
様々な武術をマスターした格闘漫画家の彼があえて上記の原始的な格闘術に立ち返ったのは
数年前に板垣と闘い、にべもなく叩き伏せられた苦い経験の為であった。
数年前にヨクサルが初めて立ち会った時の板垣はまさに獣だった。
相手が間合いに入るや否や恐るべき豪腕で凄まじく速い打撃を繰り出し叩き潰す。
「オーガ」と称され恐れられる板垣の格闘術は、その実シンプルな打撃技。
「オーガ」と称され恐れられる板垣の格闘術は、その実シンプルな打撃技。
確かに打撃は恐ろしく速く強く、直撃すれば俺も只では済むまい。
だが速く強い、ただそれだけの獣の如く単純な打撃だ。
だが速く強い、ただそれだけの獣の如く単純な打撃だ。
フェイントも連携も無い単純な打撃など、格闘家に何発出そうが当たらない。
そしていかなる打撃も当たらなければ、どうという事は無い。
所詮は獣、俺の技量なら十分に御し得る―――――
そう自惚れていた。
そしていかなる打撃も当たらなければ、どうという事は無い。
所詮は獣、俺の技量なら十分に御し得る―――――
そう自惚れていた。
甘かった。
ヨクサルがいつもの様に軽くステップを踏み、跳ねる様に牽制の前蹴りを出そうとしたその瞬間に
既に板垣は倍以上大きく踏み込んでおり、蹴り足を伸ばす前に顔面を右拳で打ち抜かれていた。
その一撃でヨクサルの意識は完全に頭から弾き出されていた。
既に板垣は倍以上大きく踏み込んでおり、蹴り足を伸ばす前に顔面を右拳で打ち抜かれていた。
その一撃でヨクサルの意識は完全に頭から弾き出されていた。
三浦健太郎の咆哮で意識が戻る。どうやら板垣が完全に自分に背を向けて三浦と闘っているらしい。
俺が顔面を打ち抜かれた直後に真っ先にあいつが板垣に背後から突っかけたという事か。
俺が顔面を打ち抜かれた直後に真っ先にあいつが板垣に背後から突っかけたという事か。
待て、三浦。
奴の相手は俺だ。
奴との勝負はまだこれからなんだ。
待て、板垣。
板垣―――
奴の相手は俺だ。
奴との勝負はまだこれからなんだ。
待て、板垣。
板垣―――
板垣の一撃が完全に全身に効いていたヨクサルは身動きする事もできずに、三浦達と板垣の
引き起こす喧騒を耳にしながら、目にうっすらと涙を浮かべて独りただ空を見上げていた。
引き起こす喧騒を耳にしながら、目にうっすらと涙を浮かべて独りただ空を見上げていた。
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 41/60 |
回想 | 本編ログ(一部) | ローゼンとやらを知らずに書いてる誰かヘルプ |
集英社にて | 板垣恵介 | 無題 |
集英社にて | 柴田ヨクサル | 無題 |
まとめ | 三浦健太郎 | - |
まとめ | 青山広美 | 無題 |
まとめ | 山根和俊 | 無題 |
「他人の力であんな自信たっぷりなのね…あいつ」
千道が憎々しげにつぶやく。
「それに関してはあたし達も人の事言えないような気もするのだわ」
えばらがすかさずツッコミを入れるが、千道は棚に上げて答えた。
「あたし達はそういう能力なんだからしかたないでしょう?」
彼女達はミーディアムと呼ぶ人間から力を得ている。そして彼女達にとってのミーディアムは、言うまでもなくえなりである。
「そんなことよりも、今後の対策をしましょう。
あの鎧から力を得ていると言う事は、つまりあの鎧をなんとかすれば、あいつに勝てるっていうわけね」
「あんまり思い込まない方がいいのだわ…鎧から力の流れを受けているのは感じたけど、どこまでが本人の力なのかは…」
得ている力は微々たるもので、ほとんど全てが本人の力である可能性もあった。
「試せば、分かる事よ」
「それはそうだけど…それが出来たら苦労はしないのだわ」
「それはそうねぇ…」
本気で困った二人は、その場で考え込んでしまった。
しかしそんな時間があるはずもなく、
千道が憎々しげにつぶやく。
「それに関してはあたし達も人の事言えないような気もするのだわ」
えばらがすかさずツッコミを入れるが、千道は棚に上げて答えた。
「あたし達はそういう能力なんだからしかたないでしょう?」
彼女達はミーディアムと呼ぶ人間から力を得ている。そして彼女達にとってのミーディアムは、言うまでもなくえなりである。
「そんなことよりも、今後の対策をしましょう。
あの鎧から力を得ていると言う事は、つまりあの鎧をなんとかすれば、あいつに勝てるっていうわけね」
「あんまり思い込まない方がいいのだわ…鎧から力の流れを受けているのは感じたけど、どこまでが本人の力なのかは…」
得ている力は微々たるもので、ほとんど全てが本人の力である可能性もあった。
「試せば、分かる事よ」
「それはそうだけど…それが出来たら苦労はしないのだわ」
「それはそうねぇ…」
本気で困った二人は、その場で考え込んでしまった。
しかしそんな時間があるはずもなく、
「なにぶつくさ言ってやがンだ。来ないんなら、さっさと終わらせるぞ」
指の骨を鳴らしながら、岡田がゆっくりと近づいて来た。
あわてて警戒態勢をとる二人。しかし、攻も守も圧倒的に差がある現状では、警戒したところでどうしようもない。
(どうしたものかしらね…せめてあの二人もいればなんとかなったかしら)
しかしいない人間の事を考えても仕方がない。
(なんとかするしかないわね)
覚悟を決めて、彼女は打開の為の最初の一手を打って出た。
指の骨を鳴らしながら、岡田がゆっくりと近づいて来た。
あわてて警戒態勢をとる二人。しかし、攻も守も圧倒的に差がある現状では、警戒したところでどうしようもない。
(どうしたものかしらね…せめてあの二人もいればなんとかなったかしら)
しかしいない人間の事を考えても仕方がない。
(なんとかするしかないわね)
覚悟を決めて、彼女は打開の為の最初の一手を打って出た。
「?」
岡田が不思議そうに眉をひそめた。
千道が放った黒い羽が、彼にまで届かずに地面に突き刺さったのだ。それも一度だけでなく二度三度と。
えばらも薔薇の花弁を地面に向かって放っている。
その意図が見えない岡田の目には無駄な行動にしか映らない。
「なんのつも――」
言いかけて、とっさに理解出来た。とても単純な戦略。
しかしもう遅かった。
岡田が不思議そうに眉をひそめた。
千道が放った黒い羽が、彼にまで届かずに地面に突き刺さったのだ。それも一度だけでなく二度三度と。
えばらも薔薇の花弁を地面に向かって放っている。
その意図が見えない岡田の目には無駄な行動にしか映らない。
「なんのつも――」
言いかけて、とっさに理解出来た。とても単純な戦略。
しかしもう遅かった。
「!」
岡田の足下が崩れ去った。
足場の状態を悪くして相手を不利に導く。基本中の基本だ。
対処が間に合わなかった岡田はバランスを崩して下の階へと落ちていった。
「ち、こんな小細工!」
「まだ小細工は続くわよ」
千道が続けて攻撃を放った。今度は岡田本人へと向かって。
それを防ぐ為に岡田は落下したままとっさに光速拳を放つが、体勢が悪く、数発を為損じてしまった。
「ぐ…だがこんな程度……!」
数発程度ならなんら支障はない。
岡田の足下が崩れ去った。
足場の状態を悪くして相手を不利に導く。基本中の基本だ。
対処が間に合わなかった岡田はバランスを崩して下の階へと落ちていった。
「ち、こんな小細工!」
「まだ小細工は続くわよ」
千道が続けて攻撃を放った。今度は岡田本人へと向かって。
それを防ぐ為に岡田は落下したままとっさに光速拳を放つが、体勢が悪く、数発を為損じてしまった。
「ぐ…だがこんな程度……!」
数発程度ならなんら支障はない。
はずだったのだが
「なに!?」
岡田はすぐに気がついた。自分の動きが鈍くなっている事を。
光速拳もスピードが落ち、千道の攻撃を防げなくなりつつあった。
岡田を追って千道とえばらの二人も下の階へと降りて来た。
その二人を睨みながら岡田が問いを投げかけた。
「なにをしやがった…」
「フフフ、ご自慢の黄金聖衣を見てみたら?」
言われるままに自分の聖衣に視線を下ろす。
岡田はすぐに気がついた。自分の動きが鈍くなっている事を。
光速拳もスピードが落ち、千道の攻撃を防げなくなりつつあった。
岡田を追って千道とえばらの二人も下の階へと降りて来た。
その二人を睨みながら岡田が問いを投げかけた。
「なにをしやがった…」
「フフフ、ご自慢の黄金聖衣を見てみたら?」
言われるままに自分の聖衣に視線を下ろす。
思わず口から声が出た。
「……なんだこりゃ?」
黄金の聖衣に、何枚もの黒い羽が張り付いていた。
その纏わりついた黒い羽が岡田の動きを封じたのだ。
「フゥ、とっさにしては悪くない作戦ね」
えばらが安堵のため息をつきながら言った。
なんの合図もなかったが、彼女は千道の行動をすぐに理解してそれに続いたのだ。
「やろうと思えば、なんとかなるものね」
千道は地面に落ちた羽を一枚拾い上げて、その先を岡田へと向けた。
「さあ、今まで好き放題やってくれたお礼を、どうやって返してあげようかしら」
クスクスと怪しい微笑みを浮かべて、千道は楽しそうにつぶやいた。
「……なんだこりゃ?」
黄金の聖衣に、何枚もの黒い羽が張り付いていた。
その纏わりついた黒い羽が岡田の動きを封じたのだ。
「フゥ、とっさにしては悪くない作戦ね」
えばらが安堵のため息をつきながら言った。
なんの合図もなかったが、彼女は千道の行動をすぐに理解してそれに続いたのだ。
「やろうと思えば、なんとかなるものね」
千道は地面に落ちた羽を一枚拾い上げて、その先を岡田へと向けた。
「さあ、今まで好き放題やってくれたお礼を、どうやって返してあげようかしら」
クスクスと怪しい微笑みを浮かべて、千道は楽しそうにつぶやいた。
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 41/60 |
まとめ おまけの続き① | 本編ログ(一部) | 死後第2節 |
無題 | えばら渋子 | 致命的な激情 |
無題 | 千道万里 | 致命的な激情 |
無題 | 岡田芽武 | 致命的な激情 |
前回のあらすじ
犬に食われてたサトケンが目を覚ましたらそこはやたら電柱が立ち並ぶ生と死の間だった。
あとちょっと動くだけでパンチラ放題なメイド服姿になっていた。
犬に食われてたサトケンが目を覚ましたらそこはやたら電柱が立ち並ぶ生と死の間だった。
あとちょっと動くだけでパンチラ放題なメイド服姿になっていた。
光原(熟女)、吉富(少女)、ヨースケ先生(紳士)から話を聞いて分かった事は
- 生と死の世界は非可逆的でかつ完全に断絶しているらしい。
- ツレビトは生と死の間にいて死者が来たら手を引き死の世界の門へ連れて行く存在。
- ツレビトでいる間はここ、生と死の間に留まり生の世界を眺める事はできる。
- 死人が生と死の間に長い間留まっているとバケビトと呼ばれる自分が何者かも忘れた
生と死の間を彷徨うだけの存在になってしまう。
- もしツレビトになっても一定期間死者を連れて行かなければバケビトになってしまう。
どうしても生の世界に未練があるのならツレビトになれ、とヨースケ先生は言ってくれた。
…正直そのまま死んでもツレビトになっても碌な事にならないのは気のせいか。
…正直そのまま死んでもツレビトになっても碌な事にならないのは気のせいか。
と、その時また目の前の風景が大きく変化した。今回はごく普通の寄宿舎の一室らしい。
隅のベットの傍ではつるぺたロリでピンク色の長髪が特徴的な女の子が全身包帯グルグル巻きの
目付きがヤバいモミアゲ男にツンデレな台詞と何らかの呪文を口にしながら接吻しようとしている。
隅のベットの傍ではつるぺたロリでピンク色の長髪が特徴的な女の子が全身包帯グルグル巻きの
目付きがヤバいモミアゲ男にツンデレな台詞と何らかの呪文を口にしながら接吻しようとしている。
「これは‥‥」
「今からここで人が死ぬ‥‥大勢‥‥」
「‥‥っていうか逃げてそこの女の子!」
「今からここで人が死ぬ‥‥大勢‥‥」
「‥‥っていうか逃げてそこの女の子!」
遅かった。彼女の唇が男に触れる前に、男は彼女の細い体に手加減無しのボディーブローを叩き込む。
その勢いで床に倒れこみ激痛に悶える彼女を尻目に、男は仰々しい怪物が描かれたカードを差し出す。
「デス・レックス!」ヤバい目付きを更にヤバくして男が叫ぶと、カードから2本の骸骨の腕が伸びる。
その2本の骸骨の腕は男の胸に深々と突き刺さり、男の胸を出血も無く大きくムリムリと抉じ開ける。
その抉じ開けられた胸からは竜を思わせる程に大きな口が飛び出し、彼女を一息に喰らってしまった。
その勢いで床に倒れこみ激痛に悶える彼女を尻目に、男は仰々しい怪物が描かれたカードを差し出す。
「デス・レックス!」ヤバい目付きを更にヤバくして男が叫ぶと、カードから2本の骸骨の腕が伸びる。
その2本の骸骨の腕は男の胸に深々と突き刺さり、男の胸を出血も無く大きくムリムリと抉じ開ける。
その抉じ開けられた胸からは竜を思わせる程に大きな口が飛び出し、彼女を一息に喰らってしまった。
「やはり青い果実は丸ごとに限るな」
つづく
つづく
登場人数 | 0 |
退場人数 | 1 |
現在の人数 | 40/60 |
ローゼンとやらを知らずに書いてる誰かヘルプ | 本編ログ(一部) | ゼロの山賢②/明日の山賢 その1 |
ゼロの山賢 | 山本賢治 | ゼロの山賢② |
ゼロの山賢 | ヤマグチノボル | 退場 |
死後第一節 | 佐藤健悦 | 明日の山賢 その2 |
死後第一節 | 高橋葉介 | 明日の山賢 その2 |
死後第一節 | 光原伸 | 明日の山賢 その2 |
死後第一節 | 吉富昭仁 | 明日の山賢 その2 |