前回のあらすじ
ヤマグチ:か、勘違いしないでよ!こんな事するのはあくまで契約のためなんだから!
ヤマケン:デス・レックス!
ヤマグチ:ギャー
ヤマグチ:か、勘違いしないでよ!こんな事するのはあくまで契約のためなんだから!
ヤマケン:デス・レックス!
ヤマグチ:ギャー
獰猛な笑みを浮かべながら胸からズルリと出てきた巨大な口でヤマグチを咀嚼する山賢。
一噛み毎に傷は癒え、わずかに見える肌には張りとツヤが戻っていく。
ヤマグチを完全に喰い切った山賢が全身をグルグル捲きにしていた包帯を自ら引き剥がすと、
つい先程まで全身に満遍なく残っていた大小様々な傷がきれいさっぱり無くなっていた。
山賢の「相手を喰うと相手の能力吸収と同時に体力回復も出来る」能力のお陰である。
一噛み毎に傷は癒え、わずかに見える肌には張りとツヤが戻っていく。
ヤマグチを完全に喰い切った山賢が全身をグルグル捲きにしていた包帯を自ら引き剥がすと、
つい先程まで全身に満遍なく残っていた大小様々な傷がきれいさっぱり無くなっていた。
山賢の「相手を喰うと相手の能力吸収と同時に体力回復も出来る」能力のお陰である。
引き剥がした包帯を部屋の脇のゴミ箱に片付けながら山賢はこれからの事を考える。
あのロリの話によるとここはアライブとかいう学園物を手掛ける漫画家の多い場所で、
集英社&小学館のクソ野郎共とも、講談社のカス共とも、秋田の腰抜け連中とも少し距離を
置いた勢力らしい。なら上手くやればあの鬱陶しい小学館の追撃から一時的にでも身を隠せる。
前に俺をコケにした小学館の虎皮ビキニの偉そうなデカ乳年増女を苺って嬲って殺って犯って
喰ってやるのが遅れるのは気に入らないが今は体力回復を優先すべきか…
あのロリの話によるとここはアライブとかいう学園物を手掛ける漫画家の多い場所で、
集英社&小学館のクソ野郎共とも、講談社のカス共とも、秋田の腰抜け連中とも少し距離を
置いた勢力らしい。なら上手くやればあの鬱陶しい小学館の追撃から一時的にでも身を隠せる。
前に俺をコケにした小学館の虎皮ビキニの偉そうなデカ乳年増女を苺って嬲って殺って犯って
喰ってやるのが遅れるのは気に入らないが今は体力回復を優先すべきか…
そんな事をつらつら考えていると部屋の外からカレーのいい匂いが漂ってきた。
この匂いは各種スパイスを効かせつつもお腹に優しい本格的なキーマカレーだ。
「カレーの王子様」の異名も持つ山賢、思わず部屋を出て匂いを辿り台所へ向かっていった。
この匂いは各種スパイスを効かせつつもお腹に優しい本格的なキーマカレーだ。
「カレーの王子様」の異名も持つ山賢、思わず部屋を出て匂いを辿り台所へ向かっていった。
少し歩いた所でばったりと漫画家らしき女と出くわした時も(主にカレーの為に)事を荒立てまいと
山賢にしては珍しく、比較的にこやかに挨拶を交わす。
山賢にしては珍しく、比較的にこやかに挨拶を交わす。
「イヤ─────────ッッッ!!変態!!」
そりゃ目付きの悪いフルチン野郎(山賢)がいきなり目の前に現れたらそうなるか。
つづく
つづく
前回のあらすじ
カレーの匂いに釣られて山賢がうっかり廊下に出たら偶然通りかかった女に裸を見られた。
カレーの匂いに釣られて山賢がうっかり廊下に出たら偶然通りかかった女に裸を見られた。
「バカ!バカ!変態!」
女が激しく頭の大きな白リボンとデカ乳を揺らしながら木刀で思いっ切り引っ叩いてくる。
何らかの武術の覚えがあるらしく、一撃一撃がかなり鋭くて重い。ってかマジ痛い。
そりゃ昼間っから木刀携帯している女なら大体そんなキャラだな。袴も穿いてるし。
女が激しく頭の大きな白リボンとデカ乳を揺らしながら木刀で思いっ切り引っ叩いてくる。
何らかの武術の覚えがあるらしく、一撃一撃がかなり鋭くて重い。ってかマジ痛い。
そりゃ昼間っから木刀携帯している女なら大体そんなキャラだな。袴も穿いてるし。
って余計な事を考えている場合じゃない。まずあの木刀をどうにかしないと
こちらが本気でKOされかねない。振り下ろしてくる木刀にタイミングを合わせて…
こちらが本気でKOされかねない。振り下ろしてくる木刀にタイミングを合わせて…
ム ニ ュ
「…………………………あ。」
「………どこ触ってるんですか。」
「………えー、その、これはその(ry」
「………どこ触ってるんですか。」
「………えー、その、これはその(ry」
「 こ の 変 態 ───────ッッッ!!」
その瞬間、山賢は女の横薙ぎの強烈な一撃で思いっ切り意識ごと吹っ飛ばされていた。
何だコレこんな馬鹿一なんざ今時あのサンデーのラブコメ漫画でも有り得ねェよド畜生犯すぞオイ
ってかラブコメは嫌いなんだよ俺は全くあ痛の小学館の虎皮ビキニ年増デカ乳痛ェぞオイ
と戦った時もよく考え痛ェんな展開でいきなりボコられた痛んじゃねェか許せねェあの年増
今度戦る時痛速攻で犯痛殺し痛た犯痛ェ──────!
ってかラブコメは嫌いなんだよ俺は全くあ痛の小学館の虎皮ビキニ年増デカ乳痛ェぞオイ
と戦った時もよく考え痛ェんな展開でいきなりボコられた痛んじゃねェか許せねェあの年増
今度戦る時痛速攻で犯痛殺し痛た犯痛ェ──────!
壁に叩きつけられた衝撃で山賢が我に帰った。何かもう二人とも全身を震わせ、顔を真っ赤にして怒っている。
「もう我慢なりません!この変態!あなたのような変態は秋田書店月刊チャンピオン恋愛部門担当にして
現アライブ恋愛部門臨時担当のこの私!みなもと悠が浮羽神風流の奥義で直々に性根を叩き直します!」
「うるせぇ!俺を誰だと思ってる!俺は秋田書店の山本賢治だ!」
「もう我慢なりません!この変態!あなたのような変態は秋田書店月刊チャンピオン恋愛部門担当にして
現アライブ恋愛部門臨時担当のこの私!みなもと悠が浮羽神風流の奥義で直々に性根を叩き直します!」
「うるせぇ!俺を誰だと思ってる!俺は秋田書店の山本賢治だ!」
「「…秋田書店!?」」 つづく
登場人数 | 1 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 41/60 |
死後第2節 | 本編ログ(一部) | 跪いて足をお嘗め |
死後第2節 | 山本賢治 | 明日の山賢 その2 |
初登場 | みなもと悠 | 明日の山賢 その2 |
講談社ビルの地下に一般人の知らない不可思議な一角がある。全体的に暗く、燭台が朧げに照らす中、台が一つあるだけの部屋だ。
その上には、一人の男が微動だせず横たわっている。当然だ。彼は既に息絶えているのだから。
そこに誰かが入ってきた。金の長い髪をした、黒いドレスを身に纏った女性だ。
彼女は台の近くに着くと、おもむろに指先の皮膚を静かに噛み切る。傷からは真っ赤な鮮血が滴り始めた。
「私の血で、蘇るがよい」
そう言いながら台に横たわる男--安西信行の口元に血を垂らすのだった。
その上には、一人の男が微動だせず横たわっている。当然だ。彼は既に息絶えているのだから。
そこに誰かが入ってきた。金の長い髪をした、黒いドレスを身に纏った女性だ。
彼女は台の近くに着くと、おもむろに指先の皮膚を静かに噛み切る。傷からは真っ赤な鮮血が滴り始めた。
「私の血で、蘇るがよい」
そう言いながら台に横たわる男--安西信行の口元に血を垂らすのだった。
部屋から出た女性に、執事姿の男が近づく。
男は手に持った救急セットの中から包帯を取り出し、女性の手の噛み切られた部分に巻き付けた。
「今回は、他に死体はないのだな?」
「はい。姫様、テラスで玲奈様がお待ちしております」
女性の問いに、男は恭しく応える。
「そうか。ご苦労だったな、畑」
女性--光永康則は執事服の畑健二郎に礼を言いながらテラスへと続くエスカレーターに向かう。
男は手に持った救急セットの中から包帯を取り出し、女性の手の噛み切られた部分に巻き付けた。
「今回は、他に死体はないのだな?」
「はい。姫様、テラスで玲奈様がお待ちしております」
女性の問いに、男は恭しく応える。
「そうか。ご苦労だったな、畑」
女性--光永康則は執事服の畑健二郎に礼を言いながらテラスへと続くエスカレーターに向かう。
登場人数 | 3 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 44/60 |
ゼロの山賢②/明日の山賢 その1 | 本編ログ(一部) | 無題 |
初登場 | 光永康則 | 無題 |
初登場 | 畑健二郎 | 無題 |
初登場 | 安西信行 | 無題 |
「あつっ…!はぐぅうぅ~~~ッ!」
熱いコーヒーをこぼした青山が素っ頓狂な声を上げる。
熱いコーヒーをこぼした青山が素っ頓狂な声を上げる。
ここは秋田書店の一角。板垣と車田の集英社襲撃から続く一連の事件の為に
「バード」青山と「極上」山根の二人が長い事缶詰になっている狭い部屋である。
ここまでの長丁場になるとは二人とも思っていなかったので洋服の替えを
あまり備えておらずそろそろマズイなと思ってた矢先に青山がやってしまったのだ。
「バード」青山と「極上」山根の二人が長い事缶詰になっている狭い部屋である。
ここまでの長丁場になるとは二人とも思っていなかったので洋服の替えを
あまり備えておらずそろそろマズイなと思ってた矢先に青山がやってしまったのだ。
「……………」
「……?」
「青山先生……」
「……何やクソガキ」
「脱ごう。作業続行だ!」
「言われんでも脱ぐわこのボケ!」
「……?」
「青山先生……」
「……何やクソガキ」
「脱ごう。作業続行だ!」
「言われんでも脱ぐわこのボケ!」
コーヒーの染み付いたズボンを青山が脱ぎ捨てる。キュートなヒップがまぶしい。
プリプリと腹を立てながら青山が着替えを探すと、果たしてズボンの替えがない。
仕方なくパンツ一丁にYシャツをラフに羽織ったセクシーな姿で彼は机に戻った。
プリプリと腹を立てながら青山が着替えを探すと、果たしてズボンの替えがない。
仕方なくパンツ一丁にYシャツをラフに羽織ったセクシーな姿で彼は机に戻った。
「…で、板垣の事はどうする先生。交戦中のルチャ男と先程情報があった甲冑男の二人を相手にして
万が一の事態が起こるリスクを考えると、そろそろ誰か救援を送ってもいい頃だとは思うが。」
それまでのどこか飄々とした雰囲気から一転した凛とした様子で、山根が青山に話しかける。
万が一の事態が起こるリスクを考えると、そろそろ誰か救援を送ってもいい頃だとは思うが。」
それまでのどこか飄々とした雰囲気から一転した凛とした様子で、山根が青山に話しかける。
「あのアホはそない二人程度に殺られるようなタマや無い。」
「なら?」
「だが、救援を送るってのは悪くない案や。」
「なら?」
「だが、救援を送るってのは悪くない案や。」
「何故だ?」
首を傾げながら山根が尋ねる。
「そらな、あのアホと二人を殺った後に来る連中との相性が最悪やからだ。」
首を傾げながら山根が尋ねる。
「そらな、あのアホと二人を殺った後に来る連中との相性が最悪やからだ。」
「連中?」
「鳥山、冨樫、和月の3人や。いくら何でも2人相手に大暴れしていれば気づかれるやろ。」
「鳥山、冨樫、和月の3人や。いくら何でも2人相手に大暴れしていれば気づかれるやろ。」
「成程。で、最悪というと?」
「考えてもみぃ。板垣のアホは根っからの近接格闘タイプで、普通にブン殴りあえる相手なら
余程の事がない限り簡単に殺られる事は無い。資料によるとルチャ男も甲冑男も基本的に
近接戦闘タイプや。実力は中々あるようやけど、アイツの暴力なら普通に纏めて殺せる。
やけどそれを察知して速攻で駆けつけるだろう鳥山、冨樫、和月の3人はかなりマズイ。
3人とも本質は近接戦闘だけやなく、空中戦闘や遠距離攻撃も可能な万能型や。」
「考えてもみぃ。板垣のアホは根っからの近接格闘タイプで、普通にブン殴りあえる相手なら
余程の事がない限り簡単に殺られる事は無い。資料によるとルチャ男も甲冑男も基本的に
近接戦闘タイプや。実力は中々あるようやけど、アイツの暴力なら普通に纏めて殺せる。
やけどそれを察知して速攻で駆けつけるだろう鳥山、冨樫、和月の3人はかなりマズイ。
3人とも本質は近接戦闘だけやなく、空中戦闘や遠距離攻撃も可能な万能型や。」
「万能型…」
「遠距離から超広範囲に攻撃可能な鳥山、高威力の設置型トラップを仕掛けられる和月も厄介やけど
一番マズイのは冨樫や。あの変態は相手の斜め上を行きながら最も有効で確実な戦略を立てよる。
猪突猛進の格闘バカの相手なんぞ、お手の物やろうな。教科書通りに何らかの手段で動きを止めて
あいつの射程外、恐らく上空から体力を削って、トドメに3人の一点集中の全力攻撃で一巻の終わりや。」
「遠距離から超広範囲に攻撃可能な鳥山、高威力の設置型トラップを仕掛けられる和月も厄介やけど
一番マズイのは冨樫や。あの変態は相手の斜め上を行きながら最も有効で確実な戦略を立てよる。
猪突猛進の格闘バカの相手なんぞ、お手の物やろうな。教科書通りに何らかの手段で動きを止めて
あいつの射程外、恐らく上空から体力を削って、トドメに3人の一点集中の全力攻撃で一巻の終わりや。」
「…………」
「まあ、一番問題なのはこのまんまだと板垣がルチャ男と甲冑男を縊り殺した上であっさり3人に殺されて、
集英社の連中にまた秋田に攻め込ませる口実を無駄に与えてしまう事なんやけどな。」
「そうか。つまり誰かが板垣が2人を縊り殺して完全に逃亡するまで鳥山、冨樫、和月の3人を足止めするか
若しくは板垣達が大暴れして、鳥山、冨樫、和月に気づかれる前に間に入って板垣を逃がせばいいのか。
…前者は?」
「まあ、一番問題なのはこのまんまだと板垣がルチャ男と甲冑男を縊り殺した上であっさり3人に殺されて、
集英社の連中にまた秋田に攻め込ませる口実を無駄に与えてしまう事なんやけどな。」
「そうか。つまり誰かが板垣が2人を縊り殺して完全に逃亡するまで鳥山、冨樫、和月の3人を足止めするか
若しくは板垣達が大暴れして、鳥山、冨樫、和月に気づかれる前に間に入って板垣を逃がせばいいのか。
…前者は?」
「無理や。力押しで時間稼ぎ出来る連中やない。かといってあの冨樫相手に口先で時間稼ぎするのも
今は無理や。施川や倉島がいれば何とかなったかもしれんがな。今、可能性があるのは後者だけやな。」
「…後者も中々難しいぞ。板垣と正面から板垣と殴り合える相手との戦いに割り込んで止めるんだからな。
まさか先生や僕が今出て行く訳にも行かないだろう?」
今は無理や。施川や倉島がいれば何とかなったかもしれんがな。今、可能性があるのは後者だけやな。」
「…後者も中々難しいぞ。板垣と正面から板垣と殴り合える相手との戦いに割り込んで止めるんだからな。
まさか先生や僕が今出て行く訳にも行かないだろう?」
2人共考え込んでしまう。現状の打開策が思いつかないまま、部屋の空気が煮詰まっていく。
ここは秋田書店の一角。重苦しい空気に耐えかねて、山根がふとPCの画面へ視線を移すと
そこでは板垣とルチャ男、いや柴田ヨクサルの激しい戦いが依然として続いていた。
そこでは板垣とルチャ男、いや柴田ヨクサルの激しい戦いが依然として続いていた。
妙だ。机上の資料によると数年前にヨクサルは板垣に立ち会いを申し込むも一撃で敗れている。
それが今は既に10分、いや12分程度は板垣相手に渡り合っている。いくら路地裏が空中殺法を
主力とするヨクサルにとって最も得意な環境とはいえ俄かには信じ難い状況である。
それが今は既に10分、いや12分程度は板垣相手に渡り合っている。いくら路地裏が空中殺法を
主力とするヨクサルにとって最も得意な環境とはいえ俄かには信じ難い状況である。
「…前言撤回やクソガキ。いくら板垣でも今のあのルチャ男はそう簡単には殺せん。」
青山がポツリと漏らす。どうやら彼も資料を遥かに上回る、ヨクサルの今の実力を認識したらしい。
「血の小便を流し尽くしてきた感じだな。確か集英社のどこぞへ移籍したらしいが?」
「ヤングジャンプさ。」
青山がポツリと漏らす。どうやら彼も資料を遥かに上回る、ヨクサルの今の実力を認識したらしい。
「血の小便を流し尽くしてきた感じだな。確か集英社のどこぞへ移籍したらしいが?」
「ヤングジャンプさ。」
「ヤンジャン…」
山根の返事を聞いて青山が顔をしかめる。
「…ケッ!奴等も生きとったかッ!」
(…奴等?生きていた?)
「まあええ、それなら作戦変更や。」
山根の返事を聞いて青山が顔をしかめる。
「…ケッ!奴等も生きとったかッ!」
(…奴等?生きていた?)
「まあええ、それなら作戦変更や。」
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 44/60 |
跪いて足をお嘗め | 本編ログ(一部) | 明日の山賢 その2 |
まとめ おまけの続き① | 青山広美 | 山根と青山と新キャラ |
まとめ おまけの続き① | 山根和俊 | 山根と青山と新キャラ |
まとめ おまけの続き① | 柴田ヨクサル | ヨクサルの事すっかり忘れてた。 |
まとめ おまけの続き① | 板垣恵介 | ヨクサルの事すっかり忘れてた。 |
前回のあらすじ ラブコメ展開
両者の口から出た「秋田書店」という言葉に山賢&みなもと悠の二人が少し落ち着きを取り戻す。
とはいえ同じ秋田在籍の漫画家でも週刊&REDの山賢と月刊のみなもとの間に面識もない上に、
先程まで木刀でブッ叩いていた人間と叩かれていた変態じゃ間に流れる空気が少し気まずい。
とはいえ同じ秋田在籍の漫画家でも週刊&REDの山賢と月刊のみなもとの間に面識もない上に、
先程まで木刀でブッ叩いていた人間と叩かれていた変態じゃ間に流れる空気が少し気まずい。
「……………………」
「……………………」
「……あの、山本さん?」
「あぁ?」
みなもとの問いかけに山賢が無愛想に答える。
「あの、その、まず何か着てくれませんか?そのままだとその、何と言うか目のやり場に…。」
言われてようやく山賢は自分が全裸だった事を思い出した。
といってもここに来るまで着ていた服は既に拷問と獣の襲撃のせいでボロボロになっている為、
仕方なくみなもとのチョイスで何か着る物を持って来てもらう事にした。
「……………………」
「……あの、山本さん?」
「あぁ?」
みなもとの問いかけに山賢が無愛想に答える。
「あの、その、まず何か着てくれませんか?そのままだとその、何と言うか目のやり場に…。」
言われてようやく山賢は自分が全裸だった事を思い出した。
といってもここに来るまで着ていた服は既に拷問と獣の襲撃のせいでボロボロになっている為、
仕方なくみなもとのチョイスで何か着る物を持って来てもらう事にした。
みなもとが服を持ってくるまでの間、山賢は脳内でこれまでの状況を整理する。
●小学館に拷問を受ける→山で獣に喰われる→いきなりここに連れて来られる→ミニスカ幼女ツンデレ
→ついミニスカ幼女を喰う→カレーの匂いに釣られて全裸でま部屋を出たらみなもと悠に殴られる
…何なんだこの経過。どこから突っ込めばいいのか分からねぇ。どうすりゃいいんだこの状況。
●小学館に拷問を受ける→山で獣に喰われる→いきなりここに連れて来られる→ミニスカ幼女ツンデレ
→ついミニスカ幼女を喰う→カレーの匂いに釣られて全裸でま部屋を出たらみなもと悠に殴られる
…何なんだこの経過。どこから突っ込めばいいのか分からねぇ。どうすりゃいいんだこの状況。
そんな事をつらつら考えているとみなもとが戻ってきた。とりあえず彼女が持ってきたマントとカーゴパンツを
山賢が身に付ける。地肌にカーゴパンツは股間が地味に痛いがそこは我慢せざるを得ないところか。
山賢が身に付ける。地肌にカーゴパンツは股間が地味に痛いがそこは我慢せざるを得ないところか。
そんなある意味ほのぼのした光景を光原、吉富、高橋葉介、サトケンの4人組が生と死の間で眺めていた。
ハンカチを噛み締めながら何かもう涙目なメイド服姿のサトケンを尻目に三人はじっとその光景を見据える。
と、その時彼らの背後に三人と同じ雰囲気の黒ずくめの人達がちらほら現れ始めた。
ハンカチを噛み締めながら何かもう涙目なメイド服姿のサトケンを尻目に三人はじっとその光景を見据える。
と、その時彼らの背後に三人と同じ雰囲気の黒ずくめの人達がちらほら現れ始めた。
「もうすぐね。」
光原が物憂げそうに呟いた。
つづく
光原が物憂げそうに呟いた。
つづく
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 44/60 |
無題 | 本編ログ(一部) | 二人の奇妙な着陸方法 |
明日の山賢 その1 | 山本賢治 | 明日の山賢 その3 |
明日の山賢 その1 | みなもと悠 | 明日の山賢 その3 |
死後第2節 | 佐藤健悦 | 熟女は文庫版オマケっぽいノリで |
死後第2節 | 高橋葉介 | 熟女は文庫版オマケっぽいノリで |
死後第2節 | 光原伸 | 久々の光原伸。あと哲也の2人。 |
死後第2節 | 吉富昭仁 | 熟女は文庫版オマケっぽいノリで |
由利聡が2分の1を越えた現在も、えなりには己の中に渦巻く感情の正体がいまいち解らない。
気を紛らわせようと隣の福本に話しかける。
「もう半分越えちゃいましたよ。本当に此処まで辿り着いたらどうするんですか?」
「ククッ、まだ終わるまで解らんさ」
このまま続きそうにない。雑談は諦め、彼は空を見上げることにした。
「あれっ、何だろあのヘリ?」
えなりは、青空の中をデパートに向かってくるヘリコプターを見つけた。
気を紛らわせようと隣の福本に話しかける。
「もう半分越えちゃいましたよ。本当に此処まで辿り着いたらどうするんですか?」
「ククッ、まだ終わるまで解らんさ」
このまま続きそうにない。雑談は諦め、彼は空を見上げることにした。
「あれっ、何だろあのヘリ?」
えなりは、青空の中をデパートに向かってくるヘリコプターを見つけた。
「見えてきた。あれが例のデパートッスね」
福地は意気揚揚と目的地を確認している。対して東は、あまり乗り気ではないようだ。
「何で私まで付いてこなきゃならないのよ。そりゃ、さっきクビになったけどさ」
「えなり君はかつての戦いで活躍してるし、予言にも彼が必要だって出てるッスよ。
それに東さんも彼と一緒に戦えば、力も最大限まで使えるはずッスよ」
「そうかもしれないけど……」
東はそう言いながら、帽子をずらして自らの額に手をのばす。そこには、普通なら存在しない
筈のものがあった。
――孔雀石の輝き――
彼女は人間ではない。他人と同契(リアクト)することで武器に変身する種族エディルレイドだ。
鉄を切る剣にも、仲間を護る盾にもなれる。
だが今迄は同契しようにも、矢吹を含め周りの漫画家達は自分の力だけで充分という雰囲気だった
ので活躍の場がなかった。更に同契は一度した相手以外とは絶対にできないため
慎重に選ぶ必要があったのだ。
福地は意気揚揚と目的地を確認している。対して東は、あまり乗り気ではないようだ。
「何で私まで付いてこなきゃならないのよ。そりゃ、さっきクビになったけどさ」
「えなり君はかつての戦いで活躍してるし、予言にも彼が必要だって出てるッスよ。
それに東さんも彼と一緒に戦えば、力も最大限まで使えるはずッスよ」
「そうかもしれないけど……」
東はそう言いながら、帽子をずらして自らの額に手をのばす。そこには、普通なら存在しない
筈のものがあった。
――孔雀石の輝き――
彼女は人間ではない。他人と同契(リアクト)することで武器に変身する種族エディルレイドだ。
鉄を切る剣にも、仲間を護る盾にもなれる。
だが今迄は同契しようにも、矢吹を含め周りの漫画家達は自分の力だけで充分という雰囲気だった
ので活躍の場がなかった。更に同契は一度した相手以外とは絶対にできないため
慎重に選ぶ必要があったのだ。
突然、福地がヘリの進路を変えた。拍子に東は倒れそうになる。
「何で急に上昇すんのよ! 私に怪我させる気!」
「誰かが建物間で綱渡りしてたんスよ。このまま着陸すれば、風圧で確実に落としちゃうッス。
こうなりゃ、緊急時用の着陸方法をとるしかないッス」
そう言いながら、おもむろにマントをはおり、掌からモップを取り出す。
「一体、何を……」
その次の瞬間を、彼女は一生忘れないかもしれない。なにせ、
「何で急に上昇すんのよ! 私に怪我させる気!」
「誰かが建物間で綱渡りしてたんスよ。このまま着陸すれば、風圧で確実に落としちゃうッス。
こうなりゃ、緊急時用の着陸方法をとるしかないッス」
そう言いながら、おもむろにマントをはおり、掌からモップを取り出す。
「一体、何を……」
その次の瞬間を、彼女は一生忘れないかもしれない。なにせ、
「ヒャアァァァァァァァァァァッ!!」
ヘリが突然消失するなどまずないだろうから。
「“マント”を“翼”に変える能力&“モップ”に“?(ガチ)”を加える能力!!」
あわや地面に真っ逆さまだった東をモップで捉えながら福地は飛行する。
そして二人は、えなりと福本の後方に着陸するのだった。
あわや地面に真っ逆さまだった東をモップで捉えながら福地は飛行する。
そして二人は、えなりと福本の後方に着陸するのだった。
to be continued
登場人数 | 0 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 44/60 |
明日の山賢 その2 | 本編ログ(一部) | 角川編プロローグ |
無題 | えなり | えなりの初陣 |
無題 | 福本伸行 | えなりの初陣 |
無題 | 由利聡 | えなりの初陣 |
何故に | 福地翼 | えなりの初陣 |
何故に | 東まゆみ | えなりの初陣 |
地球を遥か離れた宇宙の彼方、「神」を名乗る異形と人類の熾烈な戦いが、
まもなく、人類の完全敗北で幕を下ろそうとしていた。
まもなく、人類の完全敗北で幕を下ろそうとしていた。
漆黒の宇宙が遥か彼方まで黒く見えない程に集結した異形の集団を前に人類側の残存戦力は
旗艦の「木馬」以下ごく僅か。その状況下で今なお鉄仮面の男が部下に激しく指示を出している。
旗艦の「木馬」以下ごく僅か。その状況下で今なお鉄仮面の男が部下に激しく指示を出している。
「被害報告!」
「報告!敵艦隊の攻撃の第4波でエクセリヲン級戦艦の40%及びアークグレン艦隊の60%が大破しました!」
「本艦『木馬』の出力55%まで低下!高度持ちません!」「第28ナデシコ艦隊が襲撃の第3波を受け消失!」
「補修活動急がせろ!弾幕!これ以上敵を近づけるな!ATフィールドも展開しろ!」
「報告!敵艦隊の攻撃の第4波でエクセリヲン級戦艦の40%及びアークグレン艦隊の60%が大破しました!」
「本艦『木馬』の出力55%まで低下!高度持ちません!」「第28ナデシコ艦隊が襲撃の第3波を受け消失!」
「補修活動急がせろ!弾幕!これ以上敵を近づけるな!ATフィールドも展開しろ!」
「白兵戦部隊はどうなっている!」
「モビルスーツ部隊及びガンメン部隊、エヴァンゲリオン部隊押されています!大和田ザク小隊及び
長谷川クロスボーン小隊・島本シャッフル同盟の奮戦により何とか食い止めていますが、このままでは!」
「∀部隊を送り込め!月光蝶の発動も承認する!」
「モビルスーツ部隊及びガンメン部隊、エヴァンゲリオン部隊押されています!大和田ザク小隊及び
長谷川クロスボーン小隊・島本シャッフル同盟の奮戦により何とか食い止めていますが、このままでは!」
「∀部隊を送り込め!月光蝶の発動も承認する!」
「時空改変システム!どうなってんの!」
「システム『タニガワ』及びシステム『ノイジ』、共に激しい干渉を受けています!時空改変システム作動しません!
現在展開中の閉鎖空間、局地的非侵食性融合異時空間、共に敵艦隊からの放射線に侵食されていきます!」
「システム『タニガワ』及びシステム『ノイジ』、共に激しい干渉を受けています!時空改変システム作動しません!
現在展開中の閉鎖空間、局地的非侵食性融合異時空間、共に敵艦隊からの放射線に侵食されていきます!」
これで何回目だろうか。人類を集結させ「神」に戦いを挑み、傷一つ付けられずに敗北するのは。
眼前に見えるは、惑星よりも遥かに巨大な異形の戦艦3隻を中心とした「神」の尖兵たる異形の艦隊。
眼前に見えるは、惑星よりも遥かに巨大な異形の戦艦3隻を中心とした「神」の尖兵たる異形の艦隊。
今までの情報分析で分かった事は敵中心に陣取る3隻の異形の超巨大戦艦には強力なバリアが展開されており
惑星破壊レベルの攻撃では傷一つ付けられないという事と、何の原理か知らないがその3隻が悠久の時を経て
合体すると、ビックバン級の超エネルギーが発生して宇宙が滅ぶ事ぐらいである。
惑星破壊レベルの攻撃では傷一つ付けられないという事と、何の原理か知らないがその3隻が悠久の時を経て
合体すると、ビックバン級の超エネルギーが発生して宇宙が滅ぶ事ぐらいである。
「もういいでしょう、先生。」
ふと背後から黒いサングラスに顎鬚の男が話し掛けて来た。
ふと背後から黒いサングラスに顎鬚の男が話し掛けて来た。
二人の奇妙な着陸方法 | 本編ログ(一部) | 角川編プロローグ |
初回 | 角川編プロローグ | 角川編プロローグ |
「貞元君…。」
「現戦力ではあの3隻に傷を付ける事すら出来ません。トップレス部隊が失われ、
システム『タニガワ』『ノイジ』の時空改変能力に高屋先生の『次元連結システム』、
麻宮先生の『相転移システム』、そして貴方が富野先生から受け継いだ『巨神』が
敵艦隊から発せられる未知の放射線により出力20%以下に押さえ込まれている状況では
万に一つの可能性もありません。正に『抵抗は無意味』です。」
「………」
「今回の世界も間も無くあの異形の為に燃え尽きます。恐らく次の世界も、その次の世界も
同じ結果に終わるでしょう。それでも『神』を相手に戦い続ける道を選ぶのですか、先生。」
「現戦力ではあの3隻に傷を付ける事すら出来ません。トップレス部隊が失われ、
システム『タニガワ』『ノイジ』の時空改変能力に高屋先生の『次元連結システム』、
麻宮先生の『相転移システム』、そして貴方が富野先生から受け継いだ『巨神』が
敵艦隊から発せられる未知の放射線により出力20%以下に押さえ込まれている状況では
万に一つの可能性もありません。正に『抵抗は無意味』です。」
「………」
「今回の世界も間も無くあの異形の為に燃え尽きます。恐らく次の世界も、その次の世界も
同じ結果に終わるでしょう。それでも『神』を相手に戦い続ける道を選ぶのですか、先生。」
「…ああ。」
長く、重苦しい沈黙の後に鉄仮面が答える。
「先生。」
「貞本君。私は人の心の力を信じている。あの時『アクシズ』で感じた暖かな光を信じているんだ。
あの光を覚えている限り、いかなる理由があろうと無慈悲に人間を滅ぼす『神』に屈する訳にはいかん。」
長く、重苦しい沈黙の後に鉄仮面が答える。
「先生。」
「貞本君。私は人の心の力を信じている。あの時『アクシズ』で感じた暖かな光を信じているんだ。
あの光を覚えている限り、いかなる理由があろうと無慈悲に人間を滅ぼす『神』に屈する訳にはいかん。」
「…分かりました先生。それでは艦隊主力の残存勢力を召集し、再び時空転移を実行します。」
意を決した貞元が各艦隊へ指示を出す。終わりなき戦いにまた次の世界も巻き込む事への罪悪感と
『神』を相手に絶望的な戦いを再び挑む事への恐怖を押し殺しつつ時空転移の為の準備を進めていく。
意を決した貞元が各艦隊へ指示を出す。終わりなき戦いにまた次の世界も巻き込む事への罪悪感と
『神』を相手に絶望的な戦いを再び挑む事への恐怖を押し殺しつつ時空転移の為の準備を進めていく。
角川編プロローグ | 本編ログ(一部) | 無題 |
角川編プロローグ | 角川編プロローグ | 角川編プロローグ |
講談社の長い通路を3人――久保帯人、星野桂、河下水希が大きな袋を引きずって進む。
彼らは集英社の裏切り者だ。車田が襲撃する数日前には、既にCLAMPの仲間になっていた。それも自らの意思で。
向こう側から誰かが歩いてきたが、彼らは誰なのかもう知っている。その名は真島ヒロ。
パクリ四天王の1人に数えられる男。戦闘時ではないのに、禍々しいオーラが渦巻いている。
「命令通り、“アイツ”を連れてきたな?」
真島の言葉に、3人は袋の口を開けると、中には1人の男が眠らされていた。
驚くべきことに、彼こそは世界を牛耳ろうとし、えなりが戦った矢吹健太朗だったのだ。
と、環境の変化に矢吹は目を覚ました。
「なっ、何だ此処は!?」
「よう、久し振りだな矢吹」
驚いている矢吹に真島は邪悪な笑みを向ける。
「お前は、真島ヒロ!」
「なんだよその体たらくは。えなりに負けて毒が抜けちまったか?」
「すぐに集英社に戻してくれ! 原稿が描き終わってないんだ!」
矢吹の状態はかつてのパクリ四天王の1人ではなく、普通の漫画家になっていた。それを見た真島ヒロは
3人に命令する。
「こいつを久米田の所まで連れて行ってくれ。洗脳装置で根性を叩き直すんだ」
「「「了解(しました」」」
「嫌だ!! それは止めてくれ!!」
嫌がる矢吹は3人に引きずられていった。
彼らは集英社の裏切り者だ。車田が襲撃する数日前には、既にCLAMPの仲間になっていた。それも自らの意思で。
向こう側から誰かが歩いてきたが、彼らは誰なのかもう知っている。その名は真島ヒロ。
パクリ四天王の1人に数えられる男。戦闘時ではないのに、禍々しいオーラが渦巻いている。
「命令通り、“アイツ”を連れてきたな?」
真島の言葉に、3人は袋の口を開けると、中には1人の男が眠らされていた。
驚くべきことに、彼こそは世界を牛耳ろうとし、えなりが戦った矢吹健太朗だったのだ。
と、環境の変化に矢吹は目を覚ました。
「なっ、何だ此処は!?」
「よう、久し振りだな矢吹」
驚いている矢吹に真島は邪悪な笑みを向ける。
「お前は、真島ヒロ!」
「なんだよその体たらくは。えなりに負けて毒が抜けちまったか?」
「すぐに集英社に戻してくれ! 原稿が描き終わってないんだ!」
矢吹の状態はかつてのパクリ四天王の1人ではなく、普通の漫画家になっていた。それを見た真島ヒロは
3人に命令する。
「こいつを久米田の所まで連れて行ってくれ。洗脳装置で根性を叩き直すんだ」
「「「了解(しました」」」
「嫌だ!! それは止めてくれ!!」
嫌がる矢吹は3人に引きずられていった。
唯1人になった真島は、矢吹の現状を見て呆れていたが、後ろから誰かが来たのを感じた。
「誰だ?」
「私ですよ、真島さん」
「その声は赤松か。何の用だ?」
「そろそろ“彼”の蘇生が完了するとのことです」
「遂にか。これで俺たち全員が揃うわけか」
その報告に、真島は楽しそうに歩を進める。その先には地下直行のエレベーター。
「待ってろよ、安西。また楽しくなるんだからな」
「誰だ?」
「私ですよ、真島さん」
「その声は赤松か。何の用だ?」
「そろそろ“彼”の蘇生が完了するとのことです」
「遂にか。これで俺たち全員が揃うわけか」
その報告に、真島は楽しそうに歩を進める。その先には地下直行のエレベーター。
「待ってろよ、安西。また楽しくなるんだからな」
暗闇の中、安西信行は覚醒――否、蘇生した。
(アレッ、何処だココ?)
なんだか今までの記憶が確かではない。彼はこれまでの事を整理してみた。
(確か、秋田書店のゲリラ連中に囲まれたんだよな。で、対抗しようとしたけどリンチにされて……)
その先を思い出そうとした時、部屋に誰かが入ってきた。安西にはすぐに誰かわかった。
・・・・
少なくとも、彼の顔見知りではあったから。
「もう起きてたのか、安西」
「お前は真島!? それに赤松!?」
「御久し振りですね、安西君」
「すまんが率直に言うぜ、安西。お前は死んだ」
一瞬なにを言われたのか理解できなかった。いや、理解したくなかったのかもしれない。
「貴方は光永さんの血によって蘇生したんです。ですからここは地獄ではありません」
「しかも今のお前は半不死だ。出血多量でも、斬首でも死にゃしねえ」
安西は理解した。あぁ、自分はあの時に――死んだのだと。
では自分はどうしてここに居るのかは、それは分らなかった。真島の次の言葉を聞くまで。
「話変わるけどよ、お前小学館に復讐したくねえか?」
何を言い出すんだと思いたかったのに、安西には反論ができなかった。
「お前サンデーやめたんだってな。聞いたぜ、自分の居場所がないってな」
「ほっといてくれ」
「いいや、ほっとけねえな。4人で仲良くやらねえか? また昔みたいによ」
「黙ってくれよ」
安西には真島の言葉が無視できない。耳も塞げない。
「小学館の奴らが憎かねえか? 俺らと組めば、仕返しなんて幾らだって」
「もう黙ってくれよ!」
彼は嫌だった。また悪魔のような自分になるのが。自分は新人として一からやり直したいだけなのに。
だが次の言葉で、彼の心が、決意が揺らぐ。
(アレッ、何処だココ?)
なんだか今までの記憶が確かではない。彼はこれまでの事を整理してみた。
(確か、秋田書店のゲリラ連中に囲まれたんだよな。で、対抗しようとしたけどリンチにされて……)
その先を思い出そうとした時、部屋に誰かが入ってきた。安西にはすぐに誰かわかった。
・・・・
少なくとも、彼の顔見知りではあったから。
「もう起きてたのか、安西」
「お前は真島!? それに赤松!?」
「御久し振りですね、安西君」
「すまんが率直に言うぜ、安西。お前は死んだ」
一瞬なにを言われたのか理解できなかった。いや、理解したくなかったのかもしれない。
「貴方は光永さんの血によって蘇生したんです。ですからここは地獄ではありません」
「しかも今のお前は半不死だ。出血多量でも、斬首でも死にゃしねえ」
安西は理解した。あぁ、自分はあの時に――死んだのだと。
では自分はどうしてここに居るのかは、それは分らなかった。真島の次の言葉を聞くまで。
「話変わるけどよ、お前小学館に復讐したくねえか?」
何を言い出すんだと思いたかったのに、安西には反論ができなかった。
「お前サンデーやめたんだってな。聞いたぜ、自分の居場所がないってな」
「ほっといてくれ」
「いいや、ほっとけねえな。4人で仲良くやらねえか? また昔みたいによ」
「黙ってくれよ」
安西には真島の言葉が無視できない。耳も塞げない。
「小学館の奴らが憎かねえか? 俺らと組めば、仕返しなんて幾らだって」
「もう黙ってくれよ!」
彼は嫌だった。また悪魔のような自分になるのが。自分は新人として一からやり直したいだけなのに。
だが次の言葉で、彼の心が、決意が揺らぐ。
「ここにはな、お前の師匠もいるんだぜ?」
「えっ?」
「ちょっと前にな、CLAMPに攻撃してきたんだ。今は洗脳を受けて俺たち講談社の仲間だがな。
師弟水入らずで復讐ってのも、悪かねえだろ?」
安西の心はもはや決まっていた。小学館への復讐心に。
「えっ?」
「ちょっと前にな、CLAMPに攻撃してきたんだ。今は洗脳を受けて俺たち講談社の仲間だがな。
師弟水入らずで復讐ってのも、悪かねえだろ?」
安西の心はもはや決まっていた。小学館への復讐心に。
登場人数 | 4 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 48/60 |
角川編 | 本編ログ(一部) | 角川編 |
跪いて足をお嘗め | 安西信行 | - |
何故に | 赤松健 | 講談社 |
初登場 | 真島ヒロ | あまり動きのない連中を少し動かしてみる |
初登場 | 久保帯人 | 争乱への突入 |
初登場 | 星野桂 | 争乱への突入 |
初登場 | 河下水希 | あまり動きのない連中を少し動かしてみる |
初登場 | 矢吹健太朗 | 河下100%中の100% |
各部隊への通達から60分経過、多くの犠牲を払いながらも何とか時空転移の準備が完了した。
エクセリヲン艦隊、ナデシコ艦隊、アークグレン艦隊、ネェルアーガマ艦隊他主力艦隊も集結した。
全てこれまで幾度と繰り返してきた対「神」時空転移シミュレーション通りだ。
エクセリヲン艦隊、ナデシコ艦隊、アークグレン艦隊、ネェルアーガマ艦隊他主力艦隊も集結した。
全てこれまで幾度と繰り返してきた対「神」時空転移シミュレーション通りだ。
これで我々はまた1つの世界を見捨て、もう1つの世界を神の創り出す地獄に巻き込む事になる。
この神と人間の終わり無き闘争の輪舞で、我々はどれ程の血を流し続けるのだろう。
あと何度それぞれの剣を持ち神に抗う自由の代償として運命の業火に砕かれた世界を見るのだろう。
やめよう。今はこうした事を考えている時じゃない。
この神と人間の終わり無き闘争の輪舞で、我々はどれ程の血を流し続けるのだろう。
あと何度それぞれの剣を持ち神に抗う自由の代償として運命の業火に砕かれた世界を見るのだろう。
やめよう。今はこうした事を考えている時じゃない。
「先生、時空転移の準備が完了しました。」
貞元が鉄仮面に報告する。後は転移開始の指令を出せば時空転移が実行される。
しかし鉄仮面は黙したまま動かない。
「…先生?」
「悪いなぁ、そうホイホイ逃げられっぱなしってのも何なんで、ちょいと細工させて貰ったぜぇ。」
「!?」
貞元が鉄仮面に報告する。後は転移開始の指令を出せば時空転移が実行される。
しかし鉄仮面は黙したまま動かない。
「…先生?」
「悪いなぁ、そうホイホイ逃げられっぱなしってのも何なんで、ちょいと細工させて貰ったぜぇ。」
「!?」
鉄仮面の急な態度の変化にたじろぐ貞元を尻目に鉄仮面が右手をひょいと動かした。
その刹那、各モニターから悲鳴にも似た各戦艦からの異常報告が響き渡る。
「あばよ。」
「貴様、まさか!?」
その刹那、各モニターから悲鳴にも似た各戦艦からの異常報告が響き渡る。
「あばよ。」
「貴様、まさか!?」
その瞬間、貞元以下艦橋の全員が銃に手を伸ばすも彼らが銃を取り出すより前に鉄仮面の
ワルサーP38が火を吹き、艦橋の全員が成す術も無く胴を打ち抜かれた。致命傷であった。
激痛と流血の為に薄れていく意識の中で、貞元は赤いジャケットの粋な男が
「木馬」の何らかのコードを入力するのを見たような気がした。
ワルサーP38が火を吹き、艦橋の全員が成す術も無く胴を打ち抜かれた。致命傷であった。
激痛と流血の為に薄れていく意識の中で、貞元は赤いジャケットの粋な男が
「木馬」の何らかのコードを入力するのを見たような気がした。
それからしばらくして、月面のとあるクレーターの底に大量のMSの残骸と共に押し込められていた
本物の鉄仮面が轟音に目を覚ました。天も砕ける程の轟音の正体を確かめるべく月面に出ると
…眼前でエクセリヲン艦隊、ナデシコ艦隊、アークグレン艦隊、ネェルアーガマ艦隊、そして木馬が
自爆していた。全ての希望が打ち砕かれていくその光景を前に、鉄仮面は独り咆哮を上げた。
本物の鉄仮面が轟音に目を覚ました。天も砕ける程の轟音の正体を確かめるべく月面に出ると
…眼前でエクセリヲン艦隊、ナデシコ艦隊、アークグレン艦隊、ネェルアーガマ艦隊、そして木馬が
自爆していた。全ての希望が打ち砕かれていくその光景を前に、鉄仮面は独り咆哮を上げた。
それから先は地獄だった。神を打倒すべく集結した同士達の絶望と死は
ニュータイプ能力を持つ鉄仮面の中に流れ込み、彼の心を激しく蹂躙した。
ニュータイプ能力を持つ鉄仮面の中に流れ込み、彼の心を激しく蹂躙した。
しばらくすると完全な静寂が訪れた。全てが死に絶えたような静寂だった
どれ程の時間が経過したかも分からぬまま彼は漆黒の宇宙を見上げていた。
どれ程の時間が経過したかも分からぬまま彼は漆黒の宇宙を見上げていた。
「ぐ…うおぉ…!何故…何故だ…何故殺す…!」
何者も居ない宇宙を見上げ、うわ言の様に鉄仮面が呟く。
その瞬間、数十体のロボットが轟音を上げて彼の傍に次々と舞い降りた。
赤い翼を背負った悪魔、いや魔神を想起させる鉄(くろがね)の機体を中心に
獣を思わせる異形達が武器を構え彼を完全に包囲している。逃げ場は無い。
何者も居ない宇宙を見上げ、うわ言の様に鉄仮面が呟く。
その瞬間、数十体のロボットが轟音を上げて彼の傍に次々と舞い降りた。
赤い翼を背負った悪魔、いや魔神を想起させる鉄(くろがね)の機体を中心に
獣を思わせる異形達が武器を構え彼を完全に包囲している。逃げ場は無い。
次回 角川編プロローグ最終話 「宇宙を駆ける」(嘘)
無題 | 本編ログ(一部) | 角川 |
角川編プロローグ | 角川編プロローグ | 角川 |
虚ろな目でぼんやりと宇宙を見上げたままピクリとも動かない鉄仮面に止めを刺さんと
魔神と鋼鉄の獣達が腕を振り上げる。その刹那、一筋の旋風が異形を巻き込み彼の前を駆け抜けた。
旋風の駆け抜けた方角を見ると、果たして漆黒の機体が鋼鉄の異形集団を一掃していた。
超高速移動と瞬間移動を駆使して相手を翻弄し、重力フィールドを展開した強烈な体当たりで
目標を各個撃破していく、この特殊な攻撃パターンに彼は覚えがあった。
魔神と鋼鉄の獣達が腕を振り上げる。その刹那、一筋の旋風が異形を巻き込み彼の前を駆け抜けた。
旋風の駆け抜けた方角を見ると、果たして漆黒の機体が鋼鉄の異形集団を一掃していた。
超高速移動と瞬間移動を駆使して相手を翻弄し、重力フィールドを展開した強烈な体当たりで
目標を各個撃破していく、この特殊な攻撃パターンに彼は覚えがあった。
成程、彼ならば戦艦が不意に自爆しても脱出は可能か。
「……安彦先生!」
生きていたんだな、麻宮君。だがもう無駄だ。恐らく奴らは予め少しの誤差を計算に入れた上で
この魔神まで送り込んでいるのだろう。私はもういい。君だけでも早くここから離脱するんだ。
「……安彦先生!」
高機動スラスターをパージして魔神に叩き付けたか。短期決戦でけりを付けるべく早々に切り札を切った訳だな。
だがそれでもあの怪物を撃破するにはまだまだ足りまい。もういい。君だけでも早くここから離脱するんだ。
「……安彦先生!」
ああ、あれはルストハリケーンだな。奴め、確実に殺す為にまず機動力と装甲を削りに来たか。
もういい。麻宮君。もういいんだ。
「……!」
無理だ。もういい。もういい。頼む。頼むからやめてくれ。
「……安彦先生!」
生きていたんだな、麻宮君。だがもう無駄だ。恐らく奴らは予め少しの誤差を計算に入れた上で
この魔神まで送り込んでいるのだろう。私はもういい。君だけでも早くここから離脱するんだ。
「……安彦先生!」
高機動スラスターをパージして魔神に叩き付けたか。短期決戦でけりを付けるべく早々に切り札を切った訳だな。
だがそれでもあの怪物を撃破するにはまだまだ足りまい。もういい。君だけでも早くここから離脱するんだ。
「……安彦先生!」
ああ、あれはルストハリケーンだな。奴め、確実に殺す為にまず機動力と装甲を削りに来たか。
もういい。麻宮君。もういいんだ。
「……!」
無理だ。もういい。もういい。頼む。頼むからやめてくれ。
その時、ミサイルで動きを止められた麻宮の機体に魔神のロケットパンチが二発叩き込まれた。
拳は重力フィールドを貫通し、外装を粉砕し、本体の赤い機体の左腕部に右脚部を吹き飛ばした。
麻宮の死を予感した安彦は思わず目を伏せる。だが麻宮はこの瞬間を見逃さなかった。
拳は重力フィールドを貫通し、外装を粉砕し、本体の赤い機体の左腕部に右脚部を吹き飛ばした。
麻宮の死を予感した安彦は思わず目を伏せる。だが麻宮はこの瞬間を見逃さなかった。
「勝負だ……!」
重力フィールドと特殊な外装の為に先程の攻撃でもまだ機動力は完全には死んでない。
加えて奴が両腕を外した今は胴がガラ空きだ。なら奴は胸部からの熱線攻撃でトドメを刺しに来るか、
両腕を戻すか、いずれにせよその前に一撃を叩き込める。甘く見たな、永井。これで終わらせる!
重力フィールドと特殊な外装の為に先程の攻撃でもまだ機動力は完全には死んでない。
加えて奴が両腕を外した今は胴がガラ空きだ。なら奴は胸部からの熱線攻撃でトドメを刺しに来るか、
両腕を戻すか、いずれにせよその前に一撃を叩き込める。甘く見たな、永井。これで終わらせる!
金属が金属を砕く爆音の後に再び静寂が訪れた。ふと安彦が頭を上げて前方を見やると
麻宮の赤い機体がその右拳で魔神の胴を打ち抜いたまま静止していた。
麻宮の赤い機体の瞳からは血涙の様にオイルが静かに流れていた。
麻宮の赤い機体がその右拳で魔神の胴を打ち抜いたまま静止していた。
麻宮の赤い機体の瞳からは血涙の様にオイルが静かに流れていた。
その機体から麻宮がゆっくりと転がり落ちた。魔神との戦いに勝利を収めたとはいえ
心身ともに消耗が激しく、一国の猶予も許さぬ状況にある。しかし、
「……俺のことは…いい……。それより……早く……空間転…移を……安彦先生…!」
息も絶え絶えに麻宮は安彦に空間転移を促した。
心身ともに消耗が激しく、一国の猶予も許さぬ状況にある。しかし、
「……俺のことは…いい……。それより……早く……空間転…移を……安彦先生…!」
息も絶え絶えに麻宮は安彦に空間転移を促した。
「何故だ?何故そこまで?」
「……先生が…一番…近くで……触れた…から…。あの…アクシズの……光…に……。」
「!」
「……あれが…人間の…持つ……世界を変える…力…なんだろう……?」
「……先生が…一番…近くで……触れた…から…。あの…アクシズの……光…に……。」
「!」
「……あれが…人間の…持つ……世界を変える…力…なんだろう……?」
そう言うと麻宮は胸元から水晶を取り出して、安彦に手渡した。
「……チューリップ…クリスタル……。これが…あれば……生体…時空…転移……出来……。」
「出来ると思ったか?」
「……チューリップ…クリスタル……。これが…あれば……生体…時空…転移……出来……。」
「出来ると思ったか?」
その獰猛な声に振り向くと、鉈の様に大振りなナイフを持った獣のような大男がそこにいた。
鋭い牙をむき出しにして、燃えるような瞳で二人を見据える男は間違いなく、あの男であった。
鋭い牙をむき出しにして、燃えるような瞳で二人を見据える男は間違いなく、あの男であった。
「久しぶりだな、安彦?」
「……馬鹿…な……貴様は……俺が…さっき……倒……」
「邪魔だ!」
麻宮が全てを言い終わる前に男のナイフが肩口にざっくりと突き刺さった。
そのナイフはバターでも切るようにあっさりと麻宮の右腕を斬って落とした。
「……馬鹿…な……貴様は……俺が…さっき……倒……」
「邪魔だ!」
麻宮が全てを言い終わる前に男のナイフが肩口にざっくりと突き刺さった。
そのナイフはバターでも切るようにあっさりと麻宮の右腕を斬って落とした。
角川編プロローグ | 本編ログ(一部) | 無題 |
角川編プロローグ | 角川編 | 角川プロローグ おわり |
ここは講談社ビル6階にあるテラス。昨日の雨が嘘のように、陽光が暖かく照らす。
けれど、そこに佇む女性の心は晴れやかではない。その美しい顔が暗いのは、
彼女が囚われの身だからだけではない。
彼女の名は怜奈。ジャーナリストであり、えなり2世の実の姉である。だが、
えなりがPEACH-PITと共にこの戦いに巻き込まれた事は知る由もない。
(一般人じゃ無理だったのかしら。武内先生拉致の犯人が講談社って事までは分かったのに)
その目的を探るために侵入を試みたところ、今の状態になってしまったのである。
しばらくすると、光永と畑の2人が到着した。
けれど、そこに佇む女性の心は晴れやかではない。その美しい顔が暗いのは、
彼女が囚われの身だからだけではない。
彼女の名は怜奈。ジャーナリストであり、えなり2世の実の姉である。だが、
えなりがPEACH-PITと共にこの戦いに巻き込まれた事は知る由もない。
(一般人じゃ無理だったのかしら。武内先生拉致の犯人が講談社って事までは分かったのに)
その目的を探るために侵入を試みたところ、今の状態になってしまったのである。
しばらくすると、光永と畑の2人が到着した。
「で、要件とは何だ? 怜奈」
「決まってるじゃない。講談社の企みを全部話してもらうわ。その為にここに来たんだから」
「その事か。実はCLAMPからも話すよう指示があってな」
「CLAMPが?」
「怜奈、そなたは知るべきなのだそうだ。私が出来る限り話すとしよう。それと」
「それと、何?」
「日差しがあるとは言え、話が長くなれば冷えるだろう。研究室へ行きながら話そう。見せたい物もあるからな」
「決まってるじゃない。講談社の企みを全部話してもらうわ。その為にここに来たんだから」
「その事か。実はCLAMPからも話すよう指示があってな」
「CLAMPが?」
「怜奈、そなたは知るべきなのだそうだ。私が出来る限り話すとしよう。それと」
「それと、何?」
「日差しがあるとは言え、話が長くなれば冷えるだろう。研究室へ行きながら話そう。見せたい物もあるからな」
安西がいた階の更に下、地下3階へ向かうエレベーターの中で、光永の説明は続く。
「率直に言えば、CLAMPの計画とは即ち『神の審判代行』なのだそうだ」
「随分と大胆な思想ね。今時中学生でも考えたりしないわよ」
「CLAMPに言わせれば、人類の未来は絶望的なのだそうだ。環境破壊、政治腐敗、紛争、嘆かわしい事が多すぎるとな」
「旧約聖書の『ノアの洪水』を起こす気なのかしら」
「かもしれん。もっともその『洪水』は気象によるものではないがな」
「随分と大胆な思想ね。今時中学生でも考えたりしないわよ」
「CLAMPに言わせれば、人類の未来は絶望的なのだそうだ。環境破壊、政治腐敗、紛争、嘆かわしい事が多すぎるとな」
「旧約聖書の『ノアの洪水』を起こす気なのかしら」
「かもしれん。もっともその『洪水』は気象によるものではないがな」
そして一行は目的の階に到着した。そこはまさにSF映画に出てくるような、清潔感溢れる真っ白な通路だった。
「そして我々が引き起こす予定の『洪水』は、現在久米田が開発している」
「それは一体どんなものなの?」
「それは開発者本人に説明してもらおう。ここだ」
「康則様と怜奈様をお連れしました」
「それは一体どんなものなの?」
「それは開発者本人に説明してもらおう。ここだ」
「康則様と怜奈様をお連れしました」
畑の声でドアが開く。そこでは、白衣を着た久米田が器具類に囲まれながらコンピューターで作業していた。
「御二人を御連れしました」
「御苦労さま、畑くん」
「それで久米田さん、『洪水』について説明して下さりませんか」
「そうでした。『洪水』とは我々が現在開発中の洗脳装置です。映像で説明しましょう」
「御苦労さま、畑くん」
「それで久米田さん、『洪水』について説明して下さりませんか」
「そうでした。『洪水』とは我々が現在開発中の洗脳装置です。映像で説明しましょう」
そう言いながら久米田はモニターを展開した。
「銀水晶のパワーを利用して、特殊なプログラムを含んだ催眠波を地球全体に照射するのです。
そのプログラムは人々の深層心理に浸透し、気付かぬまま従ってしまうという訳です」
「洗脳……恐ろしい計画ですね」
(けれど、これを誰かに知らせられれば阻止できるかもしれない)
そのプログラムは人々の深層心理に浸透し、気付かぬまま従ってしまうという訳です」
「洗脳……恐ろしい計画ですね」
(けれど、これを誰かに知らせられれば阻止できるかもしれない)
登場人数 | 2 |
退場人数 | 0 |
現在の人数 | 50/60 |
角川編プロローグ | 本編ログ(一部) | Fry higher (than the stars) |
跪いて足をお嘗め | 畑健次郎 | 講談社 |
跪いて足をお嘗め | 光永康則 | 講談社 |
初登場 | 怜奈 | 講談社 |
初登場 | 久米田康治 | 講談社 |