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〜ボールに力を加える〜

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powerkoil18

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トレーニング初級編(3)〜ボールに力を加える〜


目次



ボールに力を加える


コンペのすすめ


ある程度投げられるようになれば定期的にコンペに参加するようにしましょう。
練習でできていることが実践でもできるとは限りません。

ボウリングの技量はメンタルが多くの部分を占めます。
上級ボウラーの多くがベテランであるのはボウリングにはレーンの読みなど
キャリアによってしか身に付かない部分が多いという理由もありますが、
場慣れによって精神的に安定してくるためスコアも安定するということもあるのです。

コンペに参加するなどして実践のキャリアを積まなければ、
ボウリングに本当に必要なものはなにかということが感じられませんから、
いつまでも真の意味での上達はできません。
早めにホームのセンターを決めて最低でも週に一回は投げにいきましょう。

キミもうまくなりながら、強くなりたいのだったら、
もっともっと、試合に出るべきなのだ。
もう一度言う、ただ試合に出るだけじゃダメで、
試合を通じてメンタリティを磨くのだ。
調子が悪くてすぐ不機嫌になるやついるけど、
そういうの絶対に勝てないもんね。
コンディション、それもボウリングの場合、
精神的コンディションをうまく調整できるようにならなければいけない。
そして何事も失敗から学ぶんだよ。
「ステップアップボウリング」すみ光保/ボウリングマガジン1985年6月号
http://blog.livedoor.jp/cardinal_300/archives/2007-10.html#20071012

しかし雰囲気が合わないところで無理に投げる必要はありません。
あちこちをのぞいてみて自分に合うセンターを探しましょう。
目安としてはプロの発言力が強く、よく管理されているセンターがよいです。
センターにいったときにそこでのプロボウラーの存在感が
大きいかどうかに注意してみましょう。

プロがまったく口を出さずトップアマが場を仕切っている状態のところは
おおむね派閥のようなものがあり、そこにとけ込むのはなかなか大変です。
しかしプロの力が強いところはアマチュアが大きな顔をできませんから
初心者でも入りやすい雰囲気になっています。
またドリルの相談やプロレッスンなどでプロとなじみになってから
コンペの雰囲気やマナーを教わって参加するのもいいでしょう。

ただ競技ボウラーやプロテスト生は外の大会が本番ですから
コンペで投げるときはスコアやアベレージはあまり気にせずに
難しいレーンでも頭を使ってラインをとって投げるようにしましょう。
レーンが難しいからといって考えるのをやめてパワーでポケットに持っていけば
たとえスコアはまとまっても実質的にはなにも得るものはありません。

それは悪い点数を出しても平気でいるということではありません。
真剣に投げて悪い点数であれば、なにか要因があるはずです。
レーンの読みが甘い、球速の不足、リリースのぶれなどいろいろとあるでしょう。
それらを検討することが今後の練習課題を自分に与えます。
パワーで封じて200を打ってしまえば自分の欠点に気付けません。
レーンが難しくてもラインが出そうになくても逃げずに
「本気でローゲームを打つ」必要があるのです。

困難なことほどやりとげたときの喜びは大きいものさ。
難しいレーンコンディションで練習で身に付けたテクニックを
駆使して勝てた時ほどエキサイティングな瞬間はないね。
ガターを超えるようなディーブインサイドを攻めると
観客のみんなにも楽しんでもらえるしね。
ところでみんなは僕と同じくボウラーでもある。
僕がなぜあんな投げにくいラインを投げるのか、
その理由がわからなければあんなラインは思いつかないよね。
だからいろいろなオイルのパターンを経験して
自分なりに攻略方法を考えて練習することが大事なんだ。

助走を付けて投げる


助走を付けて投げます。
4歩でも5歩助走でもかまいません。
助走は「助走」ですからワンステップ投球の動作の
補助としてステップを追加するイメージで投げます。

まずは助走は短めにして投げます。
ファールラインに近い方のスタンス・ドットか
リターンラックの前付近に立って、
その位置からゆっくりと小さく歩き
ワンステップ投球で投げる時の距離に合うように歩幅を合わせます。

はじめはスピードなどを意識する必要はありません。
重心移動の<位置/タイミング>を意識して投げましょう。
ワンステップ投球のときのリズムが狂わないように
蹴り足、軸足の「効き」を感じるようにします。

助走によってワンステップ投球のときの蹴りや踏み込みの効果、
加速と急ブレーキを損なうことなく、
さらにその効果を増幅させるためには
特に歩幅に注意する必要があります。

助走のはじめから大きな歩幅では動きが淡白になり
加速できず最終ステップが効いてきません。
現時点ではまだ意識する必要はありませんが、
後により鋭いステップワークによってローダウンのリリースをおこなうためにも
歩幅やアプローチのメリハリには神経を使わなければいけません。

助走はまず小さく踏み出して、
前傾によってじわじわと重心が前に移るのを感じながら
そのベクトルを最終ステップでの加速と急ブレーキに
最大限に効かせられるように動作を工夫するようにしましょう。
そうして<位置/タイミング>がつかめるに従って
徐々に歩幅を大きくしていきましょう。
「××なので今より歩幅を大きくした方がよい」と
自分の中ではっきりとした意味付けと感覚的な確信がもてるまでは、
小さな歩幅のまま投げなければいけません。

十分にアプローチで加速でき投球動作のタイミングが取れ、
なおかつボールに回転と球速が与えられているならば助走は必要ありません。
アプローチの距離を長く使いすぎて一歩一歩の歩幅が大きくなり
助走にメリハリがなくなっているならばむしろその助走はマイナスです。

どうすれば、よりよいボウリングになるか、という観点のみで観察する事。
常に基本的でないということのみでフォームを変えないこと。
たとえ基本からはずれていても、それをプラスに転化する個性が重要
「ステップアップボウリング」すみ光保/ボウリングマガジン1984年8月号
http://blog.livedoor.jp/cardinal_300/archives/2007-08.html#20070831

「なぜ助走をするのか」「この動作はプラスに働いているのか」
そのように上級者の見かけのフォームをまねるだけでなく
一つ一つの体の使い方が本当に効果的であるかどうかを
常に自分の「体/感覚」に問いかけながら練習をするようにしましょう。

前傾姿勢と重心移動


投球では前傾姿勢をとることによって重心移動をおこない、
リリース時には前傾姿勢を戻し姿勢を安定させ重心移動によって得られた
パワーを効率よくボールに伝える必要があります。

重心移動をおこなうためには良い前傾姿勢をとれなければいけません。
前傾姿勢は重心が少し前にある状態、
つまり「すぐに踏み出せるように待機している状態」です。
5歩助走の場合は1歩目から4歩目にかけて徐々に前傾していき、
下半身にエネルギーをため、
4歩目のワンステップ投球開始の姿勢に達したときに
踏み込みと蹴り足の効果が最大に出せるようにします。

このように真下にかがんでいては踏み出せず勢いがつきません。
ここまでかがむとこれ以上腰をさげることはできず勢いがつきません。
良い前傾姿勢をとるというのは以外に難しいのです。

重心が前にある「不安定な状態」を安定させてステップするためには
体のどこに力を加えるべきかが問題になります。

たとえばうさぎ跳びは「膝を傷めやすい」という理由で行われなくなっています。
これは太ももの表側の筋肉を使うことにより膝に負担がかかるためです。

注意点は、太もも(大腿四頭筋)の筋肉を利用した
「膝を伸ばす」動作を行ってはならないということです。
うさぎ跳びがケガをする運動である、と言われる理由と同じで、
膝周辺の障害を発生させてしまいます。
本校でも「膝を抜く」といっていますが、
膝を地面にぶつけることで身体を前へ進めます。
決して太ももの筋肉で前へ進めないよう注意します。

重い荷物を持つときにも膝をのばすこと、
つまり太ももの筋を使って持ち上げると関節に負担がかかります。
しかし尻の筋肉を縮める、骨盤を前にやるようにすると
比較的に楽に持ち上がることは経験的にわかるでしょう。
そのように投球時の下半身の動作も太ももでなく
背中側の筋肉を使うイメージによって膝の負担は和らげられます。

前傾姿勢をとるさいにも膝を曲げるのではなく胸を張り尻を後ろに出すように意識します。
そのように尻の筋肉「大臀筋」と太腿の裏の筋肉群「ハムストリングス」を
意識した動作を行うようにしましょう。
足ではなく腰を中心として動くイメージを持つようにします。
体幹に近いところの筋力が重要なのです。
下半身では大臀筋、ハムストリングス、内転筋群が重要です。

ワンステップ投球のフォームと人間がジャンプする動作を比較します。
下半身の使い方や前傾姿勢など動作の仕組みは同じであることがわかります。
前傾し姿勢を低くしエネルギーをためていること、
下半身を柔らかく使い着地の衝撃を吸収しているところに注意してください。

もし膝だけを使っていたら高く飛ぶことはできませんし、
衝撃がすべて足の関節にかかってすぐに痛めてしまうでしょう。
人間の体は肘より手首、手首より指と末端にいくほど細く弱いのです。
体の中心に近いところの大きな筋肉で体を支えなくてはいけません。
太ももの裏、尻、背筋、腹筋などすべての部位をうまく使うことで
しなやかな動きになり爆発的なパワーを発揮することができるのです。

前傾姿勢や下半身の使い方をイメージするために
スピードスケートのフォームを見てみましょう。
http://multimedia.olympic.org/pic/skating_speed_gal_l_02.jpg
野球の投球でも骨盤を前に移動させている様子が見て取れます。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9e/Greg_Maddux.JPG
骨盤の上に体重をのせて蹴り足で体を前に運んでいるのです。

前傾した状態から骨盤の中心、いわゆる「へその下三寸(臍下丹田)」が
前に引っぱられるようなイメージで蹴り足を使います。
このときにボールは腕で振りおろさずに
体とボールが一緒に斜め下に落ちていくようなイメージを持ちましょう。
その体重移動に耐えられる尻や股関節まわりの筋力が必要です。

ちなみにボールに力を加えるのは軸足が静止し始めてからです。
蹴り足によって体、腰の位置が前にいくことで
ボールが体の移動に遅れているので落下している形になりますが、
実際にはここではまだボールに振りおろすような力は加えていません。

練習として蹴り足でジャンプし軸足で着地する
ワンステップ投球を行ってください。
蹴る角度が斜め上であるか水平であるかの違いだけで
実際の投球でもやっていることは同じです。
この動作ができなければ下半身が弱すぎるか
ステップとスイングが合っていません。
実際の投球でも体重移動ができていないということです。
バランスが狂わないように確実に体重移動をおこなってください。

【参考リンク】

練習のときには動きやすい服装で投げよう。
特にボトムスはゆったりした形やサイズがいいね。
きつめのジーンズで走ったり自転車をこいだりすると
いつもより足が疲れると思わないかい。
それは服に圧迫されて知らないうちに余計な力を使っているからさ。
つまりテーピングをしているのと同じことになるんだ。
それではしっかり体を動かせないしパワーが無駄になってしまう。
キミのパワーを一番いかせる服を選ぼう。

スイングによる球速と回転への影響


リフティングとは引っ掻き上げて回転をかける動作です。
下にある物を引き上げるということはボールの重さの分だけ力を使います。
それにスイング動作を加えてみます。
力を加えずにスイングするとその振り子運動以上の球速は出ません。
だからといってスイングを加速しようとすると大きな力が必要になります。
腕にかかる力が大きいほど回転をかける余地がなくなります。
むしろボールを落とさないためにリリースポイントに近づくほどに
スイング速度を無意識に落としてしまうでしょう。
この問題は筋力トレーニングでは解決しません。
振り子のスイングでは振る力が強くなれば
比例して手にかかる重さも大きくなるからです。
スイングでパワーを使おうとするほどパワーが活かせないという状態になります。

すなわちバックスイングの高さによって得られる球速には上限があるのです。

スイングイメージの転換


オールドスタイルでは球速を得るためにスイングしています。
スイングというのは振り子の原理で「ボールを振る」ことです。
振り子の原理ではボールを「重り」として手でぶら下げて、
「腕の長さを変えず」に前後に動かしている状態です。
ただしぶら下げて振れば手に「遠心力=下向きの力」が働くことは不可避です。
球速を得るためにスイングを高くすれば
それにつれて「遠心力=下向きの力」も大きくなり腕の力が必要です。

球速というのは「前方の速度」ですから欲しいのは「前向きの力」です。
重力や遠心力のような「下に引っぱられる力」にあらがう
「上向きの力」は余分な力です。
余分な力を使わずにすむならそれにこしたことはありません。

「振る」ことによってボールの重さを感じてしまわないように
ボールを「重り」にせずに前方に動かす方法を考えます。

「ぶら下げて振る」のではなく単にボールを前方に動かします。
これならば「振っていない」ので振り子の原理ははたらかず
重力によるボールの重さしか感じません。

さらに上記の動作に腕をボールの落下に合わせて下げる要素を加え
斜め下にボールを動かすようにします。
そうすれば重力もかからず「前向きの力」だけになり、
一切ぶら下げるための「上向きの力」は使いません。

必要なのは「腕を伸ばす力」だけになります。

そのように「ぶら下げて振る」ことをやめると
振り子の原理による球速は得られませんが
腕を伸ばすことによる「前向きの力」で球速はあげられます。
実際にできれば振るよりも球速が出ることがわかります。
「ぶら下げて振る」のではなく「体で持ち運ぶ」感覚になってきます。

一旦バックスイングを小さくし「指でぶら下げて振り落とす」イメージをやめ
ボールを「持って体で運んで前に送り出す」というイメージに変えましょう。
そのイメージを掴んでから再びスイングを大きくします。

練習としてボールを投げるのではなくアプローチなどに置くようにします。

完全に転がるのを止めるのは無理でしょうが、
ボールがあまり転がらないようにワンステップ投球で置いてください。
タイミングのとれないうちはゆっくりした動作からはじめ、
徐々に自然な流れでできるようにしてください。
あまり素早い動作でおこなう必要はありません。

「ボールを持って運ぶ」という<動作イメージ>が確信できるまでは
小さいバックスイングで投げましょう。
ボールを「ぶら下げている」状態ではリストが勝たせられません。

体の中心を通す。


重いものを持つときにはなるべく体の近くにあるほうが楽です。
体から離れるほどに重さに振り回されることになります。

ですからスイングラインは体の近くを通るほどに
横に振られたりすることが無くなります。
またリリース時に力を伝えやすくなります。
ボディーブローを打つような感じで脇を閉めて投げます。

ボールを真上に投げる


ボールを上に投げて受け止めます。
できるならばその際に回転を与えてください。
(とはいえあまり回すと受けるときに手が痛いですからほどほどに)
棒立ちではなく下半身も使い、ワンステップ投球のような感じに
スイング動作と組み合わせるとより効果的です。
リンク先にあるような動作が当たり前にできるようになればOKです。
マイケル・フェーガン、リリース練習?

安全のために床の上にマットを敷くなりしておこないましょう。
ボールを足の上に落とさないように注意してください。
くれぐれも近くに人がいるときにはおこなわないでください。



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