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競技マナー

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powerkoil18

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競技マナー


目次



はじめに


競技会では一般にはあまり知られていないようなマナーがあります。
これらはルールではないので強制はされませんが、
自分も他の参加者も気持ちよく投球し、
ゲームの進行に支障を来さないためにも覚えておきましょう。

またマナーというのは作法であり、風習であり、しきたりです。
ですから理屈に合わない部分や文章化できない部分も多くあります。
その場で教えられなければわからないこともあります。
現場での動き方というのは参加することで少しずつ身に付くものです。
普段から競技会に出てその経験によって場面に応じた
自分なりの対処法というのを考えださなければいけないのです。
ボウリングはメンタルが非常に重要ですから
ゲーム慣れしていないとスコアにも大きく影響します。
いつも仲のいい知人と練習するばかりでは
たまに競技会に出てもその雰囲気に合わせられないので打てません。
その意味でもなるべく多くゲームに参加するようにしましょう。

このようなマナーがあるということを読んで
「場違いなことや失礼なことをしていたらどうしよう」と考えて
競技会に出ることに気が引けてしまう人がいるかもしれませんが、
まわりからはゲーム慣れしていないボウラーかどうかは
すぐにわかりますのでそれほど神経質になることはありません。
気を使ってくれる相手には自分も気を使うようにするものですし、
常識のあるボウラーは初心者は歓迎して親切にするものです。

そもそも「まわりに迷惑をかけそうなので競技会に出たくない」と
考えるような人は迷惑なボウラーになりようがありません。
なぜなら長年投げているのにも関わらず
以下に示すようなマナーを守らない迷惑なボウラーというのは
「自分が迷惑を被るのは嫌だけども、相手に迷惑がかかることは気にしない」
という基本的に自分の都合しか考えない<特殊な人物>だからです。
初心者がやらかした失敗とは違います。

ボウリングはキャリアスポーツです。
いろいろなレーンコンディション、違うセンター、朝一番のゲーム、
知らないメンバーとの投球などを経験することによって上達します。
どんどん競技会に参加しましょう。



ワンボックス牽制


近くのボックスで投げている他のボウラーと
自分の投球のタイミングが一致すると
相手の動きにつられてしまい非常に投げにくいものです。

このような同時投球が起こらないように
両サイドのボックスと投球順序が重ならないようにした仕組みを
ワンボックス牽制と呼びます。

自分の両サイドのボックスのボウラーが投げているときには
アプローチにあがったり投球しないようにします。
両隣のボックスと互い違いになるように投球してください。

両サイドのボウラーがアドレスから助走に入り
そのボウラーの視界に入らなくなるタイミングで
アプローチにあがるようにしてください。
完全に投げ終わって戻ってくるまで待つと
今度はゲームの進行が遅れますから、
アプローチに立つのが遅すぎるのもいけません。
隣のボウラーがリリースして振り返るぐらいのときには
もうアドレスに入っているぐらいがいいでしょう。

両サイドのボウラーが投げる様子がない時は
自分のボックス内で順次投球してかまいません。
周囲のボックスの投球テンポに合わせる必要はありません。

また競技会では右側優先というのは気にしなくてかまいません。
問題になるのは同時投球だからです。
右側優先はハウスボウラーに同時投球を
起こさせないためのものです。
自分が左の割付であった場合に同じボックスの
右側のボウラーが準備に手間取ったりして
投げられないようであれば待たずに投げてください。

なお1レーン牽制の競技会や組織も存在します。

先にボールを持った方が投げる


ボールを手に持ってアプローチの前に立てば
「いまから投球に入る」合図とみなされます。

投球順がぶつかってお見合いになったとき
相手のボウラーの方が後からボールを持ったことが
わかっているのに先に投球をさせることは失礼です。
すべてのボウラーが自分のペースで投げたいのです。
自分が先にボールを持ったのなら自分が先に投げましょう。
どうしても気持ちのテンポが合わなかったとき以外は
むやみに投球順を譲るのは避けてください。
譲られた相手もテンポを乱されるのは嫌なのです。

また上記のワンボックス牽制のために
ボールを手に持ってアプローチの前に立っていると
「投げるのかな」と思って両サイドのボックスの
ボウラーが投げられません。
そうなると周囲のゲームの進行が遅れていきます。
投球するつもりがないのなら
「ボールを手に持たない」ようにしましょう。

どうしてもボールを持っていたいなら
「ボックスの後ろまで下がる」「ベンチに座る」などして、
投球に入るつもりがないことをアピールしましょう。

また隣のボックスに「先にボールを持ったのに
隣のボウラーが投げるまでアプローチの前で待っている」
「自分が落ち着いて投げたいので当然のように先に行かせようとする」
そのようなボウラーがいる場合は、
自分のリズムを狂わされないためにも
ボックスの中からそのボウラーと投球順が
重ならないようにタイミングをはかって投げるようにしましょう。

アドレスに時間をかけすぎない


アドレスに時間をかけすぎると投球順序が狂います。
アドレス中にラインの微調整や
フォームのあれこれを長々と考えるのはやめましょう。

ゲームはワンボックス牽制で進行しているので、
一つのボックスが遅いとその隣のボックスは投げられませんから、
その間にさらに向こう隣のボックスが次の投球に入るので
待たされているボックスはどんどん進行が遅れることになります。

ラインやフォームの気になる部分などは
ボックス内でしっかりイメージしておき、
アドレスの時はあくまでそのイメージを
思い出すだけにしましょう。

また投球後は速やかにボックスに戻るようにしましょう。
いつまでもアプローチにあがっていると次の投球者が投げられません。

声かけ


競技中に「ナイストライ!」「ドンマイ」などの声かけをおこなうボウラーがいますが、
本来は声かけはリーグ戦で自分のチームのボウラーに対しておこなうものです。
それを誰かが真似ていつのまにか通常の個人戦の競技会でも
おこなわれるようになったのだと推測されます。

自分のチームのメンバーを応援する意味で
スプリットをカバーにしにいって「Nice try!(よく頑張ったぞ)」
スペアカバーに失敗して「Don't mind!(気にするなよ)」
などというのはとても自然な光景です。

しかし、個人戦のコンペで他のボウラーのミスに
「気にするなよ」はちょっとおかしいのではないでしょうか?
リーグ戦ならばチームの勝敗がかかっていますから
たしかに自分のミスは「気になる」でしょう。
そこでチームのメンバーが「気にするなよ」というのは筋が通ります。
ですがコンペの場合に個々のボウラーはスペアをミスして
一体誰に責任を感じるのでしょう?

それともスペアを外してがっかりしているだろうから慰めているのでしょうか?
それならばそのボウラーはたかがスペアミス程度で
落ち込む程の小心者だとみなされているということです。

またスプリットでメイクできずに「ナイストライ」という場合、
そのボウラーはスプリットをとりにいってるのでしょうか?
スプリットをメイクしにいった場合と、
メイクしにいっていない場合では軌道がまったく違います。
取りにもいっていないスプリットをメイクしなかったときに
「ナイストライ」と声をかけるのはそのボウラーは余程のノーコンで
なおかつレーンの読めないボウラーだとみなされているということです。

そのようにそれほど親しくもない相手に無闇に声かけをすると
皮肉と受け取られる可能性があります。
スペアカバーで「ナイス!ナイスカバー!」とはやし立てたりすれば
頑張らないとスペアも取れないボウラーと思っているのかと
「小馬鹿にされている」ような印象を与えてしまうでしょう。

そもそも声かけのような振る舞いは
自分と同格か格下の相手でないとできないことです。
たとえばセンターのプロと同じボックスで投げているときに
プロのミスに「Don't mind(気にするなよ)」といえるでしょうか?
もしもプロには言えないのに他のボウラーには言えるのなら
自分は周囲のボウラーに格付けをして行動しているということです。
たとえ自分に悪意はなく、それが無意識であったとしても
声かけなどの相手のプレイに対してパフォーマンスをしている時は
その相手を自分と同等か格下だと見ている可能性があるのです。
ですから相手によっては「こいつは俺を格下に見ているな」と
受け取られる恐れが十分にあるということです。
まわりがやっているからといって安易に真似しない方が賢明です。

さらにボウリングで他のボウラーの力量を判断するには
かなりの能力がなければできません。
打っていないから下手だと考えるのは早計です。
競技会では単に趣味で投げている人、アマチュア団体のメンバー、
ジュニアボウラー、学連、プロテスト生など様々な立場の人がいます。
全員がスコアを楽しむために投げているとは限りません。

もちろん気心の知れた相手なら冗談になりますからかまいません。
ただ通常の競技会でリーグ戦で使うような声かけはほどほどにすべきです。
何事もされる相手の立場になって考えましょう。

ハンドタッチ


ボウリングの競技中にはストライクなどのいいプレイが出ると
ハンドタッチなどをおこなう習慣がありますが、
本来はリーグ戦でチームのメンバー間でおこなっていたものです。
それを誰かが真似ていつのまにか通常の個人戦の競技会でも
おこなわれるようになったのだと推測されます。

同じチームのメンバーのプレイにハンドタッチなどをおこなうのは
士気を高めたり結束を強める意味でとても自然なことです。
野球でのホームランやサッカーのゴールシーンでも
メンバーとハイタッチしたり抱き合ったりする光景は見られます。

しかし、個人戦であるコンペにおいては他のボウラーは
全員が対戦相手ですからそのプレイにハンドタッチをするのは
よく考えてみると意味が分かりません。
なぜ敵の優勢を喜ばなければならないのでしょう。

タッチに「運をもらう」という意味を持たせている説明もありますが
おそらくその理由は後付けのものであると思われます。
とくに深い意味はなく習慣化していったものでしょう。

最近では競技前にハンドタッチをしないように
アナウンスすることも増えてきています。

そのようにハンドタッチは元の意味からすればナンセンスですが、
毎晩おこなわれるセンターのコンペというのは
常連のボウラーが仲良くボウリングを楽しむというおもむきが強いので
場が盛り上がるならどのような習慣があろうともかまわないでしょう。

しかしホームのセンターの習慣がどこでも通じるわけではありません。

たとえば外の試合に出たときに自分はよく打っていて、
一方で同じボックスに入った面識のないボウラーは
ラインが出ずにタップが続いている場面を考えます。

自分は打っているのでウキウキで楽しく投げていますが、
おそらく打っていないボウラーはイライラしています。

そのイライラしているボウラーに単発でストライクが来たときに
打っている自分が「ナーイス!」と大きなハンドタッチをすれば、
「こいつ俺が打っていないからなめてやがる」と思われる可能性があります。
実際には悪意はなくても相手がそう思うことは防ぎようがありません。

そのようにそれほど親しくもない相手にやたらと派手なアクションの
ハンドタッチなどをおこなうと異なる意図に受け取られる可能性があります。

たかがスペアカバーで「ナイス!ナイスカバー!」とはやし立てると
「馬鹿にされている」ような印象を与えかねません。

実際にそういう皮肉の意味を持たせてハンドタッチをするボウラーや、
打っているボウラーに頭に血を上らせて打たせないようにするために
意図的に小馬鹿にしたようなアクションをとるボウラーも存在します。

自分がそういった<特殊な人物>であると思われないためにも
ホームのセンター以外での大会では

  • 無闇に大きなハンドタッチなどをおこなわない
  • ハンドタッチはするときはソフトにおこない、叩かない
  • ハンドタッチはもらうときは手を出して動かさすに待ち、突き上げない
  • 自分のセンターでの習慣をそのまま外に持ち出さない
  • ハンドタッチや声かけなどを嫌うボウラーもいることを頭に置く

上記のようなことに注意するようにしましょう。

リターンラックでボールを拭かない


ボールを拭くときにリターンラックにおいたままであったり、
アプローチにあがったり、足をかけたりしてボールを拭くと
投球中のボウラーの視界に入って邪魔になります。

ボールは手に取ってアプローチの前ではなく
すこしボックスの方に下がったところで拭きましょう。

手に持って拭くことができない場合でも
  • ラックの手前側にボールを移動させて自分の体をアプローチに入れない
  • ボールを拭くタイミングと他のボウラーの投球をずらせる
そういった配慮をしましょう。

ボールに付着したオイルはフッキングにはほとんど影響しませんから、
実際にはオイルはまったく拭かずに投球しても問題はありません。

無断でアプローチの状態を変更しない


アプローチが軽すぎてすべる、逆に重すぎて転倒しそうになる、
そのような場合でも他のボウラーに相談せずに、
勝手にアプローチの状態を変更してはいけません。

断りもなくアプローチパウダーを使用したり、
クリーナーで拭くなどしないようにしましょう。

シューズはなるべくパーツの張り替え可能なものを用意する、
またはシューズにスライドシールなどを貼るなどし、
自分がアプローチの状態に合わせて対応するようにします。

投球ができないほどひどい状態の時はボックス内の他のボウラーと相談し
過半数がアプローチの状態を改善するべきであると同意した場合は
センタースタッフにお願いしてアプローチをメンテしてもらいましょう。

使用しないボールはリターンラックにおかない


ボックス内の人数が多い試合では無闇にボールをおくと
リターンラックにボールがあふれて戻ってきたボールが詰まるなどし、
ゲームの進行に支障をきたします。
使わないボールはリターンラックにおかないようにしましょう。

ラックに置くのは一投目用ボールとカバー用ボールの二個までと考えましょう。
交換して使わなくなったボールはそのままにせず片付けます。

左右のレーンで使用ボールが異なる場合は
それら一投目用のボールをラックに置き、
毎フレーム使用するわけではないカバーボールは
ボールベースなどを用意してそこに置く。
3人打ちなどラックに十分余裕がある場合は直す必要はありません。

ゲーム中の喫煙、飲食、携帯電話の使用は控える


ゲーム中にボックス内で携帯電話を使用すると
周囲のボウラーに迷惑になります。
ゲーム中、携帯電話はマナーモードに切り替えておき、
緊急の用件など応答しなければいけないときはボックスの外で受けましょう。

またボックス内での飲食や喫煙は控えましょう。
受動喫煙による不快感は非喫煙者のボウラーの集中力を妨げます。
食べこぼしなどによるシューズの汚れは転倒の原因になり危険です。

マナーは周囲への心配り


競技マナーはゲームの進行をスムーズにするための配慮です。
守ること自体が目的のものではありません。

ボックス内で自分以外全員ハンドタッチなどをしないのであれば
きっとその人達はハンドタッチをやりたくないのでしょう。

また自分のセンターではスペアには「ナイスカバー」と声をかけるのが
マナーと言われていても他のセンターでは違うのかもしれません。

マナーは周囲への心配り、配慮です。
自分も他の参加者も気持ちよく投球し、
ゲームの進行をスムーズにするためのものです。

自分の当たり前が他の人の当たり前と同じとは限りません。
マナーは作法であってルールではないので正解はありません。
その場での多数派が優先されます。
自分だけ違うことをやっていたら自分がおかしいと思いましょう。

「上手い人みたいで格好いい」からやっている、
「なんだかプロみたいだから」やっているとか、
自分はいつもそうしているし、いつものようにやりたいからやるというのは
逆に自分勝手でマナーが悪いボウラーです。

もしハンドタッチが原因でボックスの雰囲気が悪くなっては、
周囲に迷惑ですし、自分自身の投球にもさしつかえます。
そもそも「いいプレイへの賞賛」という本来の意味すら失われます。
ですから周囲の様子や状況、雰囲気に合わせて
ボックスでの行動は変えるようにすべきです。

しかし自分が苦痛に感じるほどまで周囲に合わせたり
過剰なほどに気を使ったりする必要はありません。
自分にも他の人達と同様にゲームを楽しむ権利はあるのです。
マナーに気を使って自分が窮屈に感じてしまう、
逆に気にしなさすぎて周囲を不快にさせる、どちらも問題です。

自分を含めて誰にとっても居心地のいいような「距離感」、
他のボウラーと一緒に自分もゲームを楽しめる、
そのようなボックスでの振る舞い方が「ちょうどいい具合のマナー」です。

もちろんそれは「理想」であって完璧なマナーはありえないのですが、
「そのようにあろう」とすることはできます。
模索していれば「このぐらいがいいかな」というのが見えてくるでしょう。
それは実際の経験の中でしか見つかりません。
競技会に参加する中でそれを探すようにしましょう。



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