あ―ひま。
昼下がりのカフェテリアはいい感じに閑散としてる。寂しくない程度に人はいても、各々の世界を保ってる。
みんな、自分用のシャボン玉に入ってる。
私のシャボン玉はお日さま色。
このあとの授業で出す課題は昨日やっちゃったし、あと40分もどうやって潰そう。
部室行こうかな。
と思いつつ動かない。
よくある流れ。
温かいお茶を飲みながら、ぼんやりと携帯のストラップをいじる。
友達からもらった白うさぎ。
高校の卒業式でもらった。
ちょー可愛い。
きゅんきゅんする。
頬が緩む。
イヤホンからはお気に入りの曲が流れる。
音量はいつもよりちいさめで。シャボン玉は音に弱い。
この5人組最高。
皆カッコいいし可愛いし。
逢いたいとは思わないけど。
日溜まりは睡魔を誘う。
睡魔はあたしを誘う。
睡魔ってイケメンなのかな。
ワイルド系?
するすると伏せる。
寝る体勢。
我ながらネコみたい。
ずっとここにいたい……。
昼下がりのカフェテリアはいい感じに閑散としてる。寂しくない程度に人はいても、各々の世界を保ってる。
みんな、自分用のシャボン玉に入ってる。
私のシャボン玉はお日さま色。
このあとの授業で出す課題は昨日やっちゃったし、あと40分もどうやって潰そう。
部室行こうかな。
と思いつつ動かない。
よくある流れ。
温かいお茶を飲みながら、ぼんやりと携帯のストラップをいじる。
友達からもらった白うさぎ。
高校の卒業式でもらった。
ちょー可愛い。
きゅんきゅんする。
頬が緩む。
イヤホンからはお気に入りの曲が流れる。
音量はいつもよりちいさめで。シャボン玉は音に弱い。
この5人組最高。
皆カッコいいし可愛いし。
逢いたいとは思わないけど。
日溜まりは睡魔を誘う。
睡魔はあたしを誘う。
睡魔ってイケメンなのかな。
ワイルド系?
するすると伏せる。
寝る体勢。
我ながらネコみたい。
ずっとここにいたい……。
うとうとした時に限って、邪魔が入る。
「邪魔」と「睡魔」って親戚?違うか。
いやきっと、邪魔はうとうとしてなくても入る。
でもそれは邪魔じゃない。だから「限って」は相応しくないな。
ん、うとうとしてるから「邪魔」なのか?
邪魔が入らないうとうとって存在する?
…するなぁ。
それはやがて、「ぐっすり」に変わるよね。
「紘華さん!」
ぐっすりにも、邪魔は入るのかな。
「お疲れ―」
「お疲れ様です紘華さん。課題やった?暇なら時間分けてよ」
我が学科、小国の友人だ。
これは邪魔じゃない、コミュニケーションだ。
大して疲れてもいないのに交わす挨拶はどうもさらっと出来ない。端からみればそんなことないんだろうけど。
「もちろん。時間くらいタダで譲るから持って行ってよ」
彼女は笑いながらさりげなく隣に座り、課題を広げた。
大学で、あたしはさん付けで呼ばれない。
「明日の飲み会、白系の服と黒系の服とどっちがいいかな。あの先輩も来るんだ
って!」
彼女はよく聞く先輩の名前を挙げた。しかし、顔が浮かばない。
たぶん、かわいくないんだ。
「宇宙の終わりってどうなってると思う?」
「なに急に」
「太陽系、銀河系ってあるじゃん。どんなに大きい集団でも、同時に何かの一要
素でしかないと思うんだよね」
「だから?」
「それ考えたら白い服でも黒い服でも大して変わんないって」
「確かに。じゃあ、たかが数十分で書いたレポートも大したことないね」
彼女は素早く課題を片付けてしまった。
「やりかけでも提出しなよ。前回の授業の出欠がわりだってよ」
「まじか。じゃあ紘華さんの参考にしたいなあ」
最初からそのつもりで隣に座ったんじゃないの?
誰の為の課題よ。
「私これからお昼買ってくるから」
「お腹空いたなあ。ご飯食べたし、デザート欲しいなあ」
「進呈させて下さい紘華さん」
課題どの辺にしまったっけな。鞄からファイルを出そうとしたら、お茶を倒してしまった。
プラスチックの軽い容器はカランと音をたてた。
割と響いた。
程よい距離を保っていた周囲の人がこちらを向く。
皆さんのシャボン玉を割ってしまった。
慌ててお茶を拭く。
携帯に少しかかった。
うさぎは無事。
「ちょっと大丈夫?気をつけて」
今、彼女は何を心配したのだろう。
あたしか、自分か。
うさぎか。
「ああいうブーツ欲しい」
目の前を、理想のフォルムが歩いていた。
「え?あぁ、紘華なら似合うよ」
「ほんとに?ありがとう」
お世辞でも受け取りはする。
何がほんとか、あたしには区別出来ない。
区別したい、時もある。
「邪魔」と「睡魔」って親戚?違うか。
いやきっと、邪魔はうとうとしてなくても入る。
でもそれは邪魔じゃない。だから「限って」は相応しくないな。
ん、うとうとしてるから「邪魔」なのか?
邪魔が入らないうとうとって存在する?
…するなぁ。
それはやがて、「ぐっすり」に変わるよね。
「紘華さん!」
ぐっすりにも、邪魔は入るのかな。
「お疲れ―」
「お疲れ様です紘華さん。課題やった?暇なら時間分けてよ」
我が学科、小国の友人だ。
これは邪魔じゃない、コミュニケーションだ。
大して疲れてもいないのに交わす挨拶はどうもさらっと出来ない。端からみればそんなことないんだろうけど。
「もちろん。時間くらいタダで譲るから持って行ってよ」
彼女は笑いながらさりげなく隣に座り、課題を広げた。
大学で、あたしはさん付けで呼ばれない。
「明日の飲み会、白系の服と黒系の服とどっちがいいかな。あの先輩も来るんだ
って!」
彼女はよく聞く先輩の名前を挙げた。しかし、顔が浮かばない。
たぶん、かわいくないんだ。
「宇宙の終わりってどうなってると思う?」
「なに急に」
「太陽系、銀河系ってあるじゃん。どんなに大きい集団でも、同時に何かの一要
素でしかないと思うんだよね」
「だから?」
「それ考えたら白い服でも黒い服でも大して変わんないって」
「確かに。じゃあ、たかが数十分で書いたレポートも大したことないね」
彼女は素早く課題を片付けてしまった。
「やりかけでも提出しなよ。前回の授業の出欠がわりだってよ」
「まじか。じゃあ紘華さんの参考にしたいなあ」
最初からそのつもりで隣に座ったんじゃないの?
誰の為の課題よ。
「私これからお昼買ってくるから」
「お腹空いたなあ。ご飯食べたし、デザート欲しいなあ」
「進呈させて下さい紘華さん」
課題どの辺にしまったっけな。鞄からファイルを出そうとしたら、お茶を倒してしまった。
プラスチックの軽い容器はカランと音をたてた。
割と響いた。
程よい距離を保っていた周囲の人がこちらを向く。
皆さんのシャボン玉を割ってしまった。
慌ててお茶を拭く。
携帯に少しかかった。
うさぎは無事。
「ちょっと大丈夫?気をつけて」
今、彼女は何を心配したのだろう。
あたしか、自分か。
うさぎか。
「ああいうブーツ欲しい」
目の前を、理想のフォルムが歩いていた。
「え?あぁ、紘華なら似合うよ」
「ほんとに?ありがとう」
お世辞でも受け取りはする。
何がほんとか、あたしには区別出来ない。
区別したい、時もある。
今はケーキ待ち状態。
あーひまだ。
あーひまだ。