ハルヒと親父 @ wiki

涼宮ハルヒのリフォーム その6アナザー

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haruhioyaji

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「やれやれ、見覚えのある顔だぞ。今日は、執事のコスプレは? 忘れてきたのか?」
「あまり感心しませんな。住居侵入に対して、少々やりすぎでは?」
「わるいな、臆病なんでな。長い間、空家で忍び込み放題だったこの家に、昨日の今日ってタイミングで、真夜中の住居侵入だ。どう考えたって、どれかの意味で、関係者だろ?」
「なるほど。しかし地縛霊の類も考えられますな」
「実家は神職もやっててな、お祓いは門前の小僧だ」
「長い間、戦争を生業にしてきましたが、エトランジェ(フランス外人部隊)に入って、アルジェリアに着いた途端、『人殺しは嫌いだから一抜けた』と言った方は、後にも先にもあなただけでしたな」
「反省してる。旅費を浮かそうとせこい思いつきだったんだが、悪いことをしたな。誰だって好きでやってる訳じゃねえのに。若気の至りだ」
「その後、私の記憶が確かなら、『ああ、無茶なことを言ってるのはわかってる。そこでだ、ここにはグリーン・ベレーみたいに決闘で決着付けるって風習はないのか?』とおっしゃいました」
「対戦相手に同じイエロー(黄色人種)のあんたが選ばれたんだったな。これまた、悪いことをした」
「いやいや、私も若気の至り。それ以上後ろに下がれぬよう、後ろ足のかかとにナイフの刃をあてて、殴りあいでしたな」
「あんなの、マンガでしか見たことないぞ。後にも先にも」
「自分の命もかかっていましたから、なぶり殺すつもりで闘ったのですが。おかしなことを言う奴だと思ったのでしょう。少々あなたを甘く見ていました。自業自得です」
「ふん、俺の口上が気に入ったんで、勝ちを譲ってくれたんだと思ってたんだがな」
「さて、どうでしたか。しかし、新兵も猛者どももあなたの勝ちに納得していました」
「俺のギャグのセンスは、受け手が限定されるんだ」
「あの時『負け』を知ったおかげで、どうにか今日まで生き残ってこれました。あなたには感謝すべきでしょうな」
「提案がある。俺の方はあんたをまんまと逃がしたバカ親父になる用意があるが。こっちの交換条件は、一人娘の健やかな成長だ。ばれない方がいいんだろ?」
「そういうことだろうと踏んで、こちらに降りてきました。その話に乗るしかないでしょうな」
「やれやれ、バカ娘だ。早過ぎるぞ」
「では、目を閉じててください」

「親父、あいつは? 今の何?」
「勝って油断した。今の閃光だ。逃げられたみたいだな」
「動きが速くてよく分からなかったけど、どっかで見たような気がするのよね」
「他人の空似だろ、多分。おれも昔、ミック・ジャガーに間違われたことがある」
「いつ、どこでの話よ!」
「ケロロ軍曹にも間違われたこともあるが」
「いつ、だれによ?」


「新川、派手にやったな」
「少々派手過ぎましたかな?」
「自覚あったのか。ひょっとして、そういうのが好きなのかと思ったぞ」
「嫌いではないようです」
「涼宮ハルヒの父親は大丈夫なのか?」
「社会規範はともかく、個人の約束と信頼は守る男です」
「今、闘っても勝てないのか?」
「さて、どうでしょう?。私の方も経験を積みましたが、今の彼には《守るべきもの》がありますから。そして、我々の正体を涼宮ハルヒに教えないことも、彼の《守るべきもの》には含まれているようですな」
「彼と同じ、ということか……帰るぞ」































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