ハルヒと親父 @ wiki

なれそめ

最終更新:

haruhioyaji

- view
管理者のみ編集可
男「どこかでお会いしましたか?」
女「いいえ」
男「では、記憶違いかな」
女「間違いなく」
男「自信たっぷりですね」
女「お気を悪くなさらないでください。ただ、一度お会いした方は忘れたことがありませんので」
男「それはすごい。どんなにくだらない人物でも?」
女「お話したくない方は会ったことも忘れます」
男「くしゅん! あ、失礼」
女「お風邪ですか?」
男「いや、ご婦人の前では、よく笑うのに失敗するんです」
女「たしかに笑うべきところでしたね」
男「誰にも話す訳じゃないんです」
女「え?」
男「いや、『どこかでお会いしましたか?』とか、笑うのを失敗する話とか」
女「ああ。でも、それを証明するのは難しいですね」
男「よく言われます」
女「よく言われてちゃ駄目ですね」
男「くしゅん。くしゅん」
女「笑っていただいても構いませんのに」
男「お気になさらず。それと『笑わない』のでなく『笑うことができない』んです。あー、大阪と京都だと『笑えない』の解釈が反対になっていてケンカになるんですが」
女「どっちがどっちですか?」
男「忘れました。『笑えない』をどちらかが『(あえて/故意に)笑わない』、もう一方が『笑うことができない』と解釈するんです」
女「それは聞かなくてもわかります」
男「くしゅん。そうですね」
女「たとえば『(笑)』と書いた旗でもお持ちになって、その時は上げたりしたらどうかしら?」
男「症状の置き換えですか。くしゅん。名案です。くしゅん」
女「あまりお気に召さないご様子ですね」
男「私は感服しましたが、くしゃみの方がどうも。くしゅん」
女「くしゃみのご都合もお聞きになるんですね」
男「大抵の症状は、向こうの『言い分』を聞いてやると治まるんです。くしゅん」
女「くしゃみは、その限りにあらず」
男「普通だと今は、くしゅん、笑い過ぎて、くしゅん、むせてる状態です、くしゅん」
女「どうぞ、お大事に。失礼します」
男「お話できて楽しかった。あ、最後に、くしゅん、ひとつだけ」
女「はい?」
男「私、涼宮といいます」
女「ふふ。では、涼宮さん、ごきげんよう」
男「あれ。返報性といって、名乗ると普通、思わず名乗り返すものなんですが」
女「ええ。ただ、割とみなさんお使いになるので」
男「あー、なるほど。そうか」
女「下の名前はおっしゃらないの?」
男「姓と名、ふたつきりなんです。それまで言ってしまうと、次に、あなたの名前を聞く機会を失います」
女「へえ。……追い込まれてからが強いタイプ?」
男「ケンカで泣かされた後は無敵でしたね」
女「……次は、笑わせます」
男「じゃあ、握手は左手ですね」


ハルヒ「なんなのよ、その話は」
親 父「何って、父さんと母さんのなれそめだろ。おまえから聞いてきたくせに」
ハルヒ「アヒル口はやめて。もう、母さんも笑ってないで、何とか言ってよ」
 母 「うーん、でもほとんどノンフィクションだし、ね」
親 父「うん」
ハルヒ「って、これ、どこの舞踏会なのよ?鹿鳴館?武道館?」
親 父「ま、『されど会議は踊る』って奴だ」
ハルヒ「ウィーン会議か!!」
親 父「その時、母さんはオーストリアの、なんて言ったか、古い貴族のところに嫁いでてな」
ハルヒ「人妻!?」
親 父「ま、だから、名前聞いても、長すぎて覚えきれなかっただろうな」
ハルヒ「そういう問題か!」
 母 「お父さん、ハルはいちずに一人の人と添い遂げるタイプだもの」
親 父「おれだって母さんが初恋だったんだぞ」
ハルヒ「いや、そういう話でもないし。……だいたいそんなところに何で親父が入れるのよ?」
親 父「父さんは当時、絶賛売出し中の怪盗で……」
ハルヒ「ルパン・ダイブのつもりかもしれないけど、エア平泳ぎは不気味だからやめて」
親 父「そのあと地下の偽札工場を発見して……」
ハルヒ「いいかげんにしなさい!」
親 父「なんだ、いい加減でいいのか」
ハルヒ「親父、退場!! ……もう、だ・か・ら、母さんに聞いたのに」
 母 「あらあら。話さないとはいってないでしょ。なんでそんなこと知りたがるのか教えて、って言っただけよ」
ハルヒ「……知りたいから、というのは理由にならないの?」
 母 「何故知りたいの?って聞いてるんだけど」
ハルヒ「……いじわる。……それくらい察してよ」
 母 「あら、察していいの?」
ハルヒ「!ダメ、やっぱダメ。察しないで!」
 母 「あ、そうそう。ハルが『茹でタコ』か『トマト』になったら、写メ撮っておくれ、ってお父さん言ってたわ」
ハルヒ「ま、何、撮ってんのよ!!」
 母 「そうだ、キョン君にも送ってharuhiフォルダに追加してもらお♪」
ハルヒ「だめ、やめなさい!大体なんでキョンのアドレス知ってんのよ!?」
 母 「だって、この前メアド交換したもの」
ハルヒ「それとharuhiフォルダって何よ!?」
 母 「交換したのは、メアドだけじゃない、ということかしら」
ハルヒ「(きょおおおおおん、覚えてなさいっ!!)」
 母 「あ、その顔もおさえときましょう」
ハルヒ「母さん、もうダメ。ギブアップ」





関連SS


記事メニュー
目安箱バナー