ハルヒと親父 @ wiki

親父の英会話 Lesson 1

最終更新:

haruhioyaji

- view
管理者のみ編集可
オヤジ
英会話だあ、キョン? お前も特訓でそこそこ読み書きできるようになったろ。あとはカンとフィーリングと根性だ。あと、ハルヒにまかせとけば、ずっと喋ってるぞ。
キョン
いや、向こうへ行くのに、それじゃあんまりかと思って。

極小の英会話

オヤジ
まあ、あんまりだけどな。うーん、いいか、キョン。極端な話、無人島では言葉はいらん。逆に言えば、どうしても言葉が必要になるのは、つまるところ自分一人ではダメで、誰か(がちゃんと存在して、そいつ)に何か頼みたいときだ。だから、英語圏のガキはまず最初に「Please」と「Thank you」を学ぶ。
何か欲しい時は、指差して「This one, please.(これ、ほしい)」だ。これさえ知っときゃ、最低限なんとかなる。現にパック旅行できてる連中なんか、プリーズとハウマッチしか言わん。あとは金にモノをいわせるんだ。
キョン
極論ですが、なるほど。
オヤジ
「Please」の次に必要なコトバが「Thank you(ありがと)」だ。ほしい、ほしい、ほしい、ではいつまでたってもだだっ子だ。人の世を生きるには、いくらか礼儀というものが必要だ。でないと、次から助けてくれないかもしれないからだ。プリーズで何かしてもらった後には、いくらお金を払ったとしても、ちゃんと「Thank you.」ということで、ガキは人間への階段を一歩上がる訳だ。それから、もうひとつ。
キョン
はい。
オヤジ
「Please」を使おうにも、相手がこちらを向いてくれないかもしれない。だから、こちらを向いてもらうための、呼び掛けの言葉がある。「Hallo.(こんにちは)」がそうだ。こうして相手の視線をこっちに向けさせてはじめて、「Please」の出番になる。
まとめると
Hello.(で呼び止めて)
Please...(で頼み込んで)
Thank you.(でお礼を言って別れる)
が極小の英会話だ。
ここまでは、いいな?
キョン
はい。

人間未満に人間味を加えていく 「Can I 〜?」

オヤジ
人間未満の域まで戻ったから、これから少しずつ、人間味を足していく。たとえば「This one, please.(これ、ほしい)」がガキのコトバだとすると、大人はなんて言うか、イギリスあたりだと「Can I have this one?」と疑問形で要求する。とりあえず「Please」で済みそうなところは全部「Can I have 〜?」に置き換えろ。これだけで随分、人間としての扱いが変わる。後で触れるが、応用範囲も広がる。「Hello.」はイギリスだと「Excuse me」だ、これで相手をこっちに向けさせる。「Thank you.」は「I appreciate it.」とまで言わなくてもいいだろう。本当に感謝の気持ちが大きいなら「Thank you a lot.」とでもしとけば良い。
人並みに最低限の英語をまとめると、次の3つになる
Excuse me.(で呼び止めて)
Can I have〜?(で頼み込んで)
Thank you.(でお礼を言って別れる)
キョン
なるほど。「Can I have〜?」が効いてますね。
オヤジ
さっきもいったが、この「Can I 〜?(わたしは〜できますか)」は応用範囲が広い。大抵の頼み事や助けが欲しいことは、これを使えば表現できる。たとえば、
この本をくれ。 Can I have this book?
電話番号おしえて Can I get your (telephone) number?
ハンバーガー三つとコーラを下さい Can I have three hamburgers and a coke, please?
ストレートのバーボンをダブルで Can I have a double bourbon? No water.
ステージ近くの席はとれますか? Can I have a table near the stage, please?
何か薬はありませんか?;飛行機の中などで Can I have some medicine?
あれと同じものをもらえますか? Can I have the same dish as that?
(となりの人のおいしそうな料理を指差して。メニューが読めないときに)
お名前は教えていただけますか Can I have your name, please?
朝食は何時ですか? What time can I have breakfast?
パック旅行程度なら、この程度で何とかなりそうな気がして来ないか?

依頼では「欲望の対象」でアタマがいっぱい

オヤジ
頼み事の場合、俺たちのアタマにあるのは、欲望の対象=「この本」とか「女の子の電話番号」とか「おいしそうな料理」だろ?
キョン
そうですね。
オヤジ
日本人にとってプリーズが使いやすいのは、アタマの中にあるものをまずコトバに出して、そのあととにかく「プリーズ」つけとけばいいからだ。まともな英語を話そうと、えーと主語がなにで、目的語が……とやってると日が暮れる。
キョン
そうなんです。
オヤジ
かといって、「この本」とか「女の子の電話番号」とか「おいしそうな料理」を先にコトバにしてしまうと、こいつらを主語にするのは結構めんどうだ(真っ当な文って思い込みを外せば、「Your telephone number, I want to know that. 君の電話番号、おれはそれが知りたい」とやっちまうのはアリだけどな)。だからとにかくプリーズの替わりに「Can I have〜?」としとくと、主語を考える手間が省ける。欲してるのが誰かといえば自分だってのは、あたりまえだからだ。

Can I get 〜?もつかえる

キョン
さっき見逃してたんですが、「電話番号おしえて」は「Can I get your (telephone) number?」なんですね。「Can I have your (telephone) number?」じゃなくて
オヤジ
ああ。だってhaveだとその娘の電話回線ごと貰っちゃうみたいだろ?
キョン
ああ、そうか。名前は「Can I have your name, please?」でもいいんですね。
オヤジ
名前を譲り受けたりする訳にはいかんからな。haveとgetの違いはいろいろ面白いが、たとえば、飛行機の中などと「なんかクスリあるか/もらえるか? Can I have some medicine?」だが、薬局に行ったりすると
処方せんなしで買える痛み止めはありませんか? Can I get any painkillers without a prescription?
(painkillers=「痛み殺し」で「痛み止め」の意味)
という。haveが「自分の領域に何かがある」最終的な状態を示すなら、getは「何かを自分のところに引きつける」行為やプロセスを指してるからかもしれんな。飛行機だと必ずクスリを用意しているし、ほとんど貰えるのが当たり前だが、処方箋なしで痛み止めが変えるかどうかはもっと不確定だ。女の子の電話番号が聞けるかどうかもな。
オヤジ
ついでにちょっとCan I get〜?で使えそうな表現を見ておくか。
空き部屋はありますか? Can I get a room for tonight?
(予約なしで宿に泊まるときなど;泊まれるかどうか不確定)
少しまけてもらえませんか? Can I get a little discount?
この不確定な感じを使って「行き方」なんかを尋ねるにもよく使うぞ。
京都駅へはどう行けばいいのでしょうか How can I get to Kyoto Station?
「どこへ行けばいいのか?」わからないときも、「そこで何をしたいのか」をはっきりさせた方が、教える方も教えやすい。
切手はどこで売ってますか? Where can I get stamps?
ヒルトンホテルへ行くリムジンバスはどこで乗れますか? Where can I get the limousine for Hilton Hotel?
両替所はどこですか? Where can I change money?
遊覧船の乗り場はどこですか? Where can I board the boat?
搭乗手続きはどこでするのですか? Where can I check in?
それはどこで買えますか?Where can I buy it?
レンタカーはどこで借りられますか? Where can I rent a car?
タクシーはどこで拾えますか? Where can I catch a taxi?
メシ ドコカ タノム Where can I get a dinner date with her?
(『電車男』)
いつ取りにきたらいいですか? When can I pick them up?
(クリーニングや写真の現像を頼んだときに)

オヤジ
これはよくある小話だが、若い音楽家が街で尋ねた。
How can I get to Carnegie Hall?
カーネギホールへはどういけば?)
街のおやじの答えはこうだ。
Practice, Practice, Practice.(プラクティス、プラクティス、プラクティス)
練習あるのみ、だとさ。


































記事メニュー
目安箱バナー