「だだだだだだ 大丈夫ですすす!不完全ながらこ、この時空でも、わ、私の力が有効化されるみたいですから!」
そういいながら、橘が手に持っているのは、ハンドボール大の光球だ。
あれが有効な事は去年に古泉が証明している。
今回の敵は巨大カマドウマではなく巨大ゴキブリだが、見た目にさしたる差は無いとは思われるので、
威力という一点において、それだけは問題ない‥‥だろう。多分。
「な、なんですか、その信用ならないと言いたげな目は!!」
なんか腰が引けてるぞ。足がガクガクしすぎだ。ちゃんと前に飛ぶのか。
「こここここれは武者震いなんです!!」
橘は過剰に必死だ。もしかしたら戦い慣れていないのかもしれない。急に不安になってきた。
そういいながら、橘が手に持っているのは、ハンドボール大の光球だ。
あれが有効な事は去年に古泉が証明している。
今回の敵は巨大カマドウマではなく巨大ゴキブリだが、見た目にさしたる差は無いとは思われるので、
威力という一点において、それだけは問題ない‥‥だろう。多分。
「な、なんですか、その信用ならないと言いたげな目は!!」
なんか腰が引けてるぞ。足がガクガクしすぎだ。ちゃんと前に飛ぶのか。
「こここここれは武者震いなんです!!」
橘は過剰に必死だ。もしかしたら戦い慣れていないのかもしれない。急に不安になってきた。
「大丈夫だ、キョン。橘さんはやれば出来る子だ。」
そして佐々木よ、おまえはいつのまに橘のお母さんになったんだ。
いいから右腕を放せ。いざというとき逃げられないじゃないか。
「‥‥それはできない。なぜなら、害虫は伝染病の媒介となったり、さらには皮膚を傷つけ、あまつさえ体内に
入り込んで内蔵を傷付けることすらある。そして何より繁殖力があり数が多い。今でこそ医療と技術が発達し
衛生上の問題がクリアしつつあるが、そうでない古代の人類のとっては、害虫は猛獣よりも遥かに厄介な存在
であったことは疑い得ない。現代でも人間が虫に嫌悪感を催すのは、人類の祖先が長い時間の戦いを経て獲得
した防衛本能だよ、キョン。
これは人間の遺伝子に組み込まれたトラウマと言っても差し支えはないと言えるだろう」
おまえは何が言いたいんだ。
「‥‥すまない、腰が抜けているんだ。」
‥‥そうかい。
そして佐々木よ、おまえはいつのまに橘のお母さんになったんだ。
いいから右腕を放せ。いざというとき逃げられないじゃないか。
「‥‥それはできない。なぜなら、害虫は伝染病の媒介となったり、さらには皮膚を傷つけ、あまつさえ体内に
入り込んで内蔵を傷付けることすらある。そして何より繁殖力があり数が多い。今でこそ医療と技術が発達し
衛生上の問題がクリアしつつあるが、そうでない古代の人類のとっては、害虫は猛獣よりも遥かに厄介な存在
であったことは疑い得ない。現代でも人間が虫に嫌悪感を催すのは、人類の祖先が長い時間の戦いを経て獲得
した防衛本能だよ、キョン。
これは人間の遺伝子に組み込まれたトラウマと言っても差し支えはないと言えるだろう」
おまえは何が言いたいんだ。
「‥‥すまない、腰が抜けているんだ。」
‥‥そうかい。
「ん‥‥!!もうっ!!二人とも何しにきたんですか!!いきますよ!!」
過剰なプレッシャー下でタイミングを逃し続けていた橘が、もう限界と言った口調でじれてきた。
別に指揮権は俺にはないはずだが、きっかげが欲しかったのだろう。しょうがないので、促す。
「早くやってしまえ。長門も古泉も居ないからこの状況についての解説はもう無い。さっさとやってくれ。」
ちなみに藤原も居ないが、癒しのない未来人に用はないので心底どうでもいい。
過剰なプレッシャー下でタイミングを逃し続けていた橘が、もう限界と言った口調でじれてきた。
別に指揮権は俺にはないはずだが、きっかげが欲しかったのだろう。しょうがないので、促す。
「早くやってしまえ。長門も古泉も居ないからこの状況についての解説はもう無い。さっさとやってくれ。」
ちなみに藤原も居ないが、癒しのない未来人に用はないので心底どうでもいい。
「で、では、い、いきます!!」
お父さんお母さん見てくれ、と言わんばかりに宣言し、巨大ゴキブリに駆け出す橘。
「ふ、‥‥ふんっ!!!!!!!!!!」
大地を踏みしめ、空高く跳躍する。古泉もそうだったかこの技は空中でないと出ない技なのか、そうなのか。
とにかく、宙に舞い上がった橘は普段より1オクターブは高い声で叫びつつ、光球を放った。
「ん”~~~~ももっふっっっっっ!!!!!!!!!!」
‥‥もう何も言うまい。この必殺技の正式名称が知りたいものだ。
周りの予想に反して、光球は巨大ゴキブリにちゃんと当った。高い破裂音がして、砂埃が舞い、
俺は一瞬目を閉じ顔を背けた。
お父さんお母さん見てくれ、と言わんばかりに宣言し、巨大ゴキブリに駆け出す橘。
「ふ、‥‥ふんっ!!!!!!!!!!」
大地を踏みしめ、空高く跳躍する。古泉もそうだったかこの技は空中でないと出ない技なのか、そうなのか。
とにかく、宙に舞い上がった橘は普段より1オクターブは高い声で叫びつつ、光球を放った。
「ん”~~~~ももっふっっっっっ!!!!!!!!!!」
‥‥もう何も言うまい。この必殺技の正式名称が知りたいものだ。
周りの予想に反して、光球は巨大ゴキブリにちゃんと当った。高い破裂音がして、砂埃が舞い、
俺は一瞬目を閉じ顔を背けた。
そして俺が再び目を開いたとき、そこに見えたのは身体の半分を失い、霧へと溶けていく巨大ゴキブリと、
その手前で地面につっぷした橘の姿だった。
反撃を受けたようには見えなかった。一瞬緊張が走ったが、
よく見ると橘の身体が小刻みに震えており、さらに耳が真っ赤だ。
その手前で地面につっぷした橘の姿だった。
反撃を受けたようには見えなかった。一瞬緊張が走ったが、
よく見ると橘の身体が小刻みに震えており、さらに耳が真っ赤だ。
どうやら、着地に失敗して顔から地面に突っ込んだようだった。
いっこうに起きあがる気配が無いのは痛みや疲労のせいではなく、恥ずかしいからだろう。
佐々木と目を合わせる。通じた。ああ、フォローは入れないでおこう。おそらく逆効果だ。
「――――空間―修正―――自動的―――」
いつから居たのかと問われれば実は最初から居た、九曜の言葉と同時にして空間が曲がりはじめた。
いっこうに起きあがる気配が無いのは痛みや疲労のせいではなく、恥ずかしいからだろう。
佐々木と目を合わせる。通じた。ああ、フォローは入れないでおこう。おそらく逆効果だ。
「――――空間―修正―――自動的―――」
いつから居たのかと問われれば実は最初から居た、九曜の言葉と同時にして空間が曲がりはじめた。
これで帰れる。やれやれ。