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送水ポンプ圧力

最終更新:

akechi

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送水ポンプ圧力

ポンプを扱う上で、どの程度の圧力で送水するべきかの判断が必要となります。
ポンプの送水圧からホースや高さによる損失を差し引いた圧力が、筒先で送水している水圧になります。
※あくまで単純計算ですので、ホースの状況や中継の状況、有圧水利かどうかによって変動します。

筒先(ノズル)での必要圧力

ノズル圧が低ければ、水量が少なく火点まで届きません。
また、ノズル圧が高ければ筒先員が振られ危険を生じることがあります。
「ノズル圧は約3.0kg/cm2が限界」とされています。

ホースの損失

ホースをたくさん繋げれば摩擦により損失が生じます。
65mmホースでは「1本あたり、約0.2kg/cm2」が損失されます。

高さの損失

ポンプより筒先が高い位置にある場合はより高い圧力が必要となります。
「1mにつき0.1kg/cm2」が必要とされます。

計算

ノズル圧からポンプ圧を計算する場合:ポンプ圧-ホース損失-高さ損失
ポンプ圧からノズル圧を計算する場合:ノズル圧+ホース損失+高さ損失

現場で使えるように高さとホース長、高さと勾配から減衰圧の計算をエクセルでテスト作成

例1:操法でのノズル圧を知りたい

  • ポンプ圧:4.0kg/cm2
  • ホース損失:3本×0.2kg/cm2=0.6kg/cm2
  • 高さ損失:なし
【計算】筒先は(4.0-0.6=)3.4kg/cm2で送水している
※ノズル圧は限界より少し高めであるので、4.0kg/cm2以下という基準は危険回避のための数値とも言える

例2:山地の為、ポンプ3台(ホース9本)で10m上まで送水、操法と同程度の水量を確保したい

  • ノズル圧:3.4kg/cm2
  • ホース損失:9本×0.2kg/cm2=1.8kg/cm2
  • 高さ損失:10m×0.1kg/cm2=1.0kg/cm2
【計算】ポンプは(3.4+1.8+1.0=)6.2kg/cm2で送水する必要がある
※火点や経路が目視できない場合は、最初は弱めに送水する必要があるが、3.0kg/cm2で送水するとノズル圧が0.2kg/cm2しかなく、ほとんど水が出ない状況になる。
※山林火災の場合、筒先を一時的に閉じて移動や放水を繰り返したり、ホースをさらにつけて登ることも想定される。その際にポンプをアイドリングまで落とすと水が逆流するため、ノズル圧をゼロにする程度の圧力をかけ続けるほうが迅速な消火に繋がる

参考URL

TOHATSU | 消防ポンプの話 (5)-放水時のポンプ圧力設定-
http://www.tohatsu.co.jp/bousai/contents/support/book_p5.html

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