消火の理論
消火の目的は「燃焼の三要素」、すなわち可燃物、酸素供給源及び点火源のうちいずれか一つを取り去ることにより、達成されると考えられています。火事は、こうした原理にのっとって消すというのが消防の基礎知識として必要となります。
最近では、連鎖反応という要素を加えた燃焼理論が考えられるようになり、この連鎖反応を断ち切ると働き(負触媒作用)が消火の手段に数えられるようになりましたが、フッ素等化合物による消化剤であるので、ここでは考慮しないこととします。
最近では、連鎖反応という要素を加えた燃焼理論が考えられるようになり、この連鎖反応を断ち切ると働き(負触媒作用)が消火の手段に数えられるようになりましたが、フッ素等化合物による消化剤であるので、ここでは考慮しないこととします。
(1)可燃物の除去(除去消火法)
燃焼の一要素である可燃物を取り去って消火する方法です。たとえば、以下のことがあげられます。
- ガスの栓を閉じる
- 山火事の発生している場所の周囲の木を伐採する
- 火災の発生している建築物の周囲の建築物を解体・撤去する
(2)酸素供給の遮断(窒息消火法)
燃焼の一要素である酸素の供給を断つことによって消火しようとする方法です。空気中の酸素量約21%を約14%~15%以下にすれば、一般に燃焼は継続しなくなります。逆に、酸素濃度が高くなれば、燃焼速度は速くなり、また燃焼温度は高くなる。 たとえば、以下のことがあげられます。
- ホースで水をかけ続けて、水浸しにすることで、空気を取り除く。
- 火に土砂をかけて酸素の供給を止めることなども考えられます。
- 火の根元をたたく
(3)物体の冷却(冷却消火法)
燃焼の一要素である熱源から熱を奪い、燃焼物を発火点(着火温度)以下に下げることによって消火する方法です。主に水をかけて消火する方法がこれにあたります。水は熱容量が大きく、蒸発時の蒸発熱も大きいので強い冷却作用があります。ただし、以下の場合は水に消火が不可能です。
- 禁水性物質(水と接触することにより発火する)
- 一部の油類(水より軽いため、水面の上に広がることにより火も広がる)
- 電気火災(水をまくことにより感電の危険性がある)
初期消火は炎が大きくならないうちに、火災の真正面から叩きます。ただし安全第一であって、燃焼物、状況、風、地形などを考慮して判断する必要があります。火災が大きくなりすぎたときは、側面から叩きます。