akiharu国には女性キャラが少ない。少数精鋭なんじゃーと言う言葉通り美女美少女ぞろいではあるが。
阪明日見はその中でも数少ない美小女である。そんな彼女は今パン焼き釜の前で時折時計を確認しながら薄い本を読んでいた。
ちなみにタイトルは「ペットの躾け方〔大型犬編〕」である。合掌。

何故彼女がパン焼き釜を見張っているのかと言うと、サンドイッチを作るためである。何故サンドイッチを作るのかと言うと、コガにお礼をするためである。何故コガにお礼をするのかと言うと、前回みんなで小笠原に遊びに行ったときに海でおぼれた東西天狐を助けてくれたからである。
最初に天狐に頼まれたときには少し考えたが、一緒に小笠原に付いていけるのはコガにもふもふしたい彼女にしても悪い取引ではなかった。ちなみにもふもふを狙っているのは東西もであるが、あっちは結城火焔ちゃんにぞっこんだから今回は隙だらけなのである。

ちなみにその東西は今ジャングルに入ってバナナワニを狩っている。コガが甘いもの好きだという情報を元に「甘い・・・バナナワニか!」と他のお菓子とかには目もくれずに決定した。


それにしても最近の天狐さんは変わったな、と阪はひとりごちる。
以前は仕事を失敗するわ戦闘に出たら大暴れするわソックスを狩るわソックスを狩るわソックスを狩るわとろくなことが無かったが、ちょうどみんなで小笠原に遊びに言った頃から妙に落ち着いたのである。
仕事のミスは減ったし役立たずなのを自覚してからは戦闘に出ずに後ろで応援するようになったし何よりあれほど暴れまわっていたソックスハントをぱったりと止めてしまい、今では風紀委員会の一員として公共の場にも出かけてハンターをいじめているほどだ。

原因ははっきりしている。火焔ちゃんに会ったからだ。

あれからと言うものの日に一度はどこかで火焔ちゃんの名前を叫ぶようになったらしいのだが、どうもそこにエネルギーをつぎ込んでいるらしい。バカなのは相変わらずだった
が、風紀委員として彼と戦うことは無くなった。
たぶん天狐さんは目の前にご褒美がないと頑張れないけど、あればものすごく頑張れるタイプなんだろう、と分析。アクセルとブレーキが壊れた車みたいなヒトだ。
それに私にはあんな恥ずかしいまねは到底できない。日向に会えたらきっとそれだけでぐるぐるになってしまうに決まってる。
「くそ、日向早くかえってきて・・・日向のためにマイルいっぱい貯めてるんだよ。天狐さんめ、帰ってきたら一回専用機で轢いてやる。」


阪明日見がなにやら危ない言葉をつぶやいているその頃。
「火焔ちゃんのためならーコガのためならーエンヤゴルァー!!」
東西 天狐は何も知らずにバナナワニと格闘していた。
「火焔ちゃんの可愛さは世界一ィィィィィィィィィィィ!!!!!!」
周りの動物たちが迷惑そうに逃げ出した。






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てれれってれれれ てれれってれれれ てれれってれれれら テッタンテットン

「東西 天狐とー」
「阪明日見の3分クッキングー」

ぱちぱちぱちぱちぱち

「それではーろくに料理も出来ないくせにプレゼントに料理を選んだポルカミゼーリアな天狐さんのためにー私が誰でも3分で気軽に作れてしまうお手軽でおいしくてその上ヘルシーなサンドイッチの作り方を紹介しまーす」
「阪さん、その前に何でさっき俺があなたに轢き殺されかけたのかと、あのこげパンの山について納得のいく説明を頂きたいのですが」
「材料はこちらー」
「完璧にスルーですかそーですか」

薄切りの食パン二斤 狩りたてのバナナワニ(バナナで代用可) 蜂蜜 タマネギ レモン果汁 塩 フルーツオイル

「それではまずーサンドイッチに使うパンからー。さてー天狐さーん。秋の味覚といえばなんでしょー?」
「・・・・・・」

メゴスっメゴスっメゴゴス

「はい、ではもう一度聞きますよー?秋の味覚といえばなんでしょー?」
「く、かふっごふっ、・・・え、ええと、やっぱり秋刀魚とか、きのことかじゃ、ないでしょうか?」
「はー・・・そんなものしか思いつけないなんて・・・ポルカミゼーリア」
「・・・すいません」
「秋の味覚と言えばおいもー。と言うわけで最近天狐さんがはまっているサツマイモを練りこんだ食パンを使いますー」
「ああ、あれですか。一斤298円の」
「まずー耳を切り落とします」
「・・・なんで俺のほうを向くんですか。何で俺の顔の横あたりを見るんですか」
「この耳は油で揚げて薄くシナモンを振っておきましょー。箸休めですね」
「なるほど。捨てるのはもったいないですものね」
「軽くトースト、そうですね30秒から1分程度で十分ですー」
「あまりやりすぎないのがポイントですー」
「たまねぎはスライスしたら一旦冷凍ー。でそのあとこれもあめ色になるくらいまでさっと炒めます。」
「こうすることでタマネギが甘くなるらしいです。・・・よく判りませんでしたが」
「次にーバナナワニは薄く塩を振ってソテー。こちらは表面があめ色になればOKですー」
「フルーツオイルは焼きあがってから少しだけ落とすのも良いですよ」
「後は蜂蜜、レモン、フルーツオイルを混ぜたドレッシングソースを塗りながらお好みでパンにはさむだけですー」
「わー、もうできちゃった・・・1分?!あれ!?誰か時を止めた!?WRYYYYEEEEEEEEEEEE」
「とってもお手軽なのでー皆さんもぜひ作ってみてくださいねー。バナナワニはakiharu国のジャングルで狩ることができますー。評価値は9。湿地、沼ではプラス3修正かかるので逆に食べられないように」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

ずどがーん きゅいんきゅいんきゅいーん ばるばるばるばる すてぽてちーん

「ではまた半年後くらいにこのチャンネルでー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

へんじがない。ただのしかばねのようだ。

ギャフン。

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最終更新:2007年10月08日 21:54