オレ、田中太郎。26歳独身。8度目の大学受験を迎える未来のKOボーイさ。
親の薦めでこうしてまた試験会場に向かっているわけだが……俺は、受験よりも大事なものを見つけちまったんでね、どうにも身が入らない。
それは何かって?
……わかるだろ、コレさ。ああ違う違う、女じゃないって…まあ、なんだ、そういうことさ。
自分自身の性癖に気付いたのは高校生の時さ。
鏡を見てふと気付いたのさ、女なんかより、オレのこの肉体美のほうがすばらしいんじゃないか、ってね。
そんな風に同じ男の体に興味を持ったオレは、ある日公園の……いや、これはまた別の機会に話す事にしよう。
今はちょっと取り込み中なんでね。
しかし、オレもとんだヘマをやっちまったもんだ。
いくら受かる気がないからって、寝坊して遅刻なんて俺のなかの漢が許すわけねえだろ、クソッ
こうして走ってると頭の中が妙な咆哮に冴えちまってる。
ああ、昔読んだアネキの少女漫画の内容なんて思い出してどうするんだよ。
フ……角をまがったらトーストを咥えたヒロインとぶつかる、なんてハレー彗星の周期並みだって起こってたまるかよ。
だいたい、オレはスカートの下より……そう、そこ行くサラリーマンのネクタイを抜いて 純白のポタンを引きちぎってしまいたいのさ……
おっと!?

 (SE_01:ドンッ☆)

ってえ……どこ見て歩いてるんだよ!
なんて言いつつも、オレがそこ行く50過ぎほどの旨そうなオッサンに見とれてたからだ、というのはわかってる。
だが、ぶつかった相手は女だったんだ、しかもオレが嫌いな巨乳だ。優しくしてやる必要なんてない。

……あ? ちょ、おい、なんだよその笑顔は。怖いだろ。
なんでこの女、満面の笑みでこっちに向かってくるんだ? お、おい待て、近づくな! なんだよ、殴る気か!?
ヒッ!!

……い、今耳に指がかすって……女のネイルアートされた長い爪が優しく、時にカリッと音を立てて、俺の耳を、顎を、まぶたを撫でさする。
な、なんのつもりだ、てめえ! ……は? 「私にケンカを売るとはいい度胸ね」? 知るか!
第一これ 嫌がらせなのかよ!? 俺はな、お前みたいな巨乳女は……アッ!?
ちょ、やめろよ、いつの間に脇を……ど、どうなってるんだ? オレたしかにくすぐったがりだけど、今の声……
や、やめろ、苦しい……あと一歩で笑いに変えられるのに、微妙な加減で脇をハイヒールで撫でこすられる、あ、ああ……ッ!!
どうしたんだ、オレ、今までこんなこと……こんな、女に感じさせられるなんて……
だいたい化粧の匂いは好みじゃないんだ……気を持ち直せ、こんな女なんて突き放せばいいじゃないか……
思い出せ、お前には立ち向かえる筋、肉、が……震えて、動かない……どうして……!!
や、やめてくれ、俺が悪かった、許してくれ!! お願いだ、なんでもする……これ以上は おかしく、なりそ……アッー!!


…………女は、最後に一撃を首筋に食らわせ、俺を開放した
俺はといえば、ヘタリと地面に倒れふしたまま、感じた刺激に身を震わせていた。
終わった……オレは、その時そう信じていたんだ。
だが、女は言った。

「さあ、お楽しみはこれからよ。これから変態の集まるスレに行きましょう。
 あなたも魑魅魍魎の仲間にいれてあげるわ……文句?あるならまとめて声劇スレにいらっしゃい」…と。

俺の恐怖と苦悩と、そして震え上がるほどの背徳という快感の日々は、これから、はじまるのだった……

END


お題:1人・いわゆるガチホモ・卑猥

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最終更新:2010年10月21日 11:29