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『イケメンおうじのぼうけん』

ショウ 童話作家を夢見るちびっこ
リィネ ショウのきょうだい 目が見えない
トーノ 近所のお兄ちゃん
王子  童話の中からハハンハ~♪


ショウ01(「イケメンおうじのぼうけん」――ショウ=ドゥレミー
     むかしむかし、あるところに、超イケメンなおうじさまがすんでいました。
     しかし、かおはイケメンでしたが、せいかくはじつにわるく
     ちちぎみのおうのあくせいをひきつぐであろうと、うわさされていました)

トーノ01「……とさ、めでたし、めでたし」
ショウ02「わ! お、お兄ちゃんっ覗かないでよ!」
トーノ02「お前さー、夢がないよ。なによ、悪政って?小さい子供向けなんだろ、これ?」
ショウ03「うぅん……やっぱり、だめ、かなぁ?」
トーノ03「えっ…いやまあ、ダークメルヘンっての? 最近の流行りっぽいし、おもしろいんじゃねーかな?」
ショウ04「やっぱり消す」
トーノ04「ちょっと、待った待った。なんでよ、もったいないじゃんよ」
ショウ05「一時期の流行に流されちゃうのなんてダメだ、作家として失格だもん」
トーノ05「はあー。まーじめだなーショウは。いいじゃんよー、せっかく書いたのに、もったいないじゃん」
ショウ06「だって……」
トーノ06「将来の作家大先生が、イチ読者の言ったことに惑わされちゃっていいの?ん?」
ショウ07「うぅーん……やっぱり消す!」
トーノ07「えー!」
ショウ08「有限実行できない作家なんでクズだもん!表で焼いてくる!」

トーノ08「えー……オレ、そこまでショックなこと言ったのかぁ?」
ショウ09「トーノのお兄ちゃん、牛乳持ってきて!冷蔵庫から!」(顔を出して)
トーノ09「牛乳?」
ショウ10「燃やした火で沸かして飲むの!」(また戻る)
トーノ10「……ハイハイ。――あ、一枚原稿用紙忘れてら」
 (トーノが原稿用紙を拾い上げる)
トーノ11「イケメンおうじ…おー、主人公の設定かぁ……。あ、はしっこに絵も描いてある。
     ブフッ……かぼちゃパンツに白タイツの王子様かよ」
ショウ11「おにーちゃーん、まだー」
トーノ12「あー、はいはいー」
 (SE:原稿用紙を床に落とす、またはどこかに置く、しまう音)

[ガヤ](ショウ・トーノの落ち葉たきの声 外の喧騒)

 (SE:魔法的なSE)

王子01「……ん……ここは……なっ!?(起き上がる)ど、どこだここは!寝ている間になにが……」
 (リィネが部屋のドアが開け入ってくる)
リィネ01「そこにいるの、ショウちゃん?」
王子02「誰だ、貴様!」
リィネ02「わっ、ごめんなさい。――あれ、お客さま?」
王子03「客だと、話を逸らすな!ここはどこだ?ぼくを誘拐してどうするつもりだ」
リィネ03「ゆうかい……ごっこ?」
王子04「とぼけるな!」
リィネ04「ひゃっ!ご、ごめんなさい……」
王子05「ふん……どこのけがらわしいガキか知らぬが、謝るときくらい、人の目を見て話したらどうだ。
     先だってから妙にふらふらと……あ。 なんだ、貴様めしいか」
リィネ05「めし?」
王子06「ハッ、見張りにしても軟弱すぎるぞ……どこまでぼくを軽く見ている」
リィネ06「あの、きみ……」
王子07「なんだ」
リィネ07「きみ、も、もしかして、どっ、どどど……」
王子08「なんだ!口は回るんだろう、はっきり言え!」
リィネ08「ドロボーーーー!!うわあああーーー、ショウちゃーーーん!!ドロボーが家に入ってるーーーー!!」
王子09「なっ!だ、誰が!」
リィネ09「だれかぁーーーー!!」

[ガヤ](「どうしたー?」「なんだー?」「どろぼうって?」さわがしくなる外)

王子10「チッ……仲間に囲まれてはまずい、どけ、めしい!」(突き飛ばして)
リィネ10「ひゃっ!」
 (ミソラが窓から外に飛び出る。同時に、玄関が開く)
ショウ12「リィネ!」
トーノ13「どうしたー?」
リィネ11「ショウちゃん? ショウちゃんっ、もうドロボーいない?」
ショウ13「いないよ、僕とトーノのおにいちゃんとリィネだけ」
リィネ12「よかったぁー……」
トーノ14「うっわ、窓際の花瓶、割れちゃってるな……ショウ、これ掃除していいかー?」
ショウ14「あ――うん、手伝っ……ってダメーーーー!!」
リィネ13「ひゃっ」
トーノ15「っと?」
ショウ15「泥棒が入ったんだよ!素人はできるだけ現場をいじらず、このまま駐在さんに引き渡すべきだよ!!」
トーノ16「おーい、ショーウ、目が光ってるぞー?」
ショウ16「べっべつにそ、そんなこと、ないよ?
     近くで鑑識さんの働いてるさまを見られる機会なんて一生ないとかそそそそんなの、ぜ、ぜんぜんっ」
リィネ14「――あははっショウちゃん探偵さんのお話、好きだもんね」
ショウ17「リィネ、こわいことなかったか?なにかされなかった?」
リィネ14「うぅん。びっくりして、ショウちゃん呼んだら、すぐ逃げてったから」
ショウ18「そっか……」
トーノ17「ショウ、貴重品でなにかなくなったのがないかだけ、調べておいたほうがいいかもな」
リィネ15「あの……トーノさん、来てくれて、ありがとーございました!
     ぼくとショウちゃんだけじゃ、きっと……」
トーノ18「ショウ、オレ駐在所までひとっ走り言ってくるわ。
     隣りのおばちゃんにひとこと言っていくが、一応カギしめとけ」
ショウ19「あ、うん!お願いね、お兄ちゃん」
トーノ19「まかしとけよ。――じゃ」(外に出て)
リィネ16「……ショウちゃん」
ショウ20「ん?」
リィネ17「窓際のね、花瓶。割れちゃってる?」
ショウ21「あ、うん。割れちゃってる。せっかくリィンが面倒見てたのになぁ……」
リィネ18「中の、ヤマユリは?」
ショウ22「ヤマユリ……あ!ああああっ!そうだ、そうだよ!どこかうつさないとしおれる!
     リィネ、あき缶でいいかな、水入れたら大丈夫かな?」
リィネ19「うん、窓際に、ちっちゃいポンプある? それ差し込んでもらえば大丈夫」
ショウ23「よし、現場を壊さないよーに、花を……救出!!」
リィネ20「わー!」


ショウ24(ぼくのいばしょはここではない。そういって、イケメンおうじはたびにでたのです。
     とおいいこくへ、かれのことをだれもしるもののいない、とおいばしょへ)


俺達の冒険はこれからだ!――次回作に、ご期待ください