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マイコー

女「マイコー、マイコー、どこ行くの
  マイコー、マイコー、箱の中
  知らない車に乗せられて、ゴトゴトゴトゴト揺られてく
  マイコー、マイコー、箱の中」

【回想/夢の中】
A「幽霊なんて存在しない」
B「見た人がいても?」
A「存在するとすれば、それは人の心の内にある。
  実際に、魂が姿を変えてうろつくなんて現象はありえない。非科学的だ」
B「…でも、宇宙人は信じてるんだろ」
A「宇宙人は科学的に立証されている。米国ではアブダクションに単を発する例を……」

【海上/クルーザー】
A「発する、連邦、KGBが……」
B「絶景かな、絶景かな! 海を越えれば、そこは島であった……ほら、見ろよ、いい長めだぞ」
A「……んぅ」
B「なんだ寝てんのかよ」
A「あ? なんだ夢か……懐かしいな」
B「こいつ寝ぼけてやがる」
A「……今、誰か、歌ってなかったか」
B「誰もいないぞ?」
A「女の声が聞こえた気がしたんだが」
B「お、おいおいおい、やめろよ、セイレーンとか、そういう怪奇現象の類はお断り」
A「…気のせいか」
B「そ、そそそそ、そう、気のせいだよ、気のせい、気のせい」
A「あぁ……あの島か」
B「綺麗だろー」
A「気が重いな」
B「…苦労おかけしますね、どーも」

【島/屋敷/応接間】
C「こちらでお待ち下さいませ。奥様はすぐにいらっしゃいます」

(時間経過)

A・B「遅い」
B「この家は客人をいつまで待たせる気だ?」
C『奥様、いけません!!』(廊下から)
A「…なんだ?」

【屋敷/廊下】
C「奥様、それは座るものではございません、さあ、お立ちになって。ジョージアからウィンクェスト家の……奥様、奥様!!」
女「(かん高く笑う声)」
(かけ去る足音)
B「リーズ……? リズ! どうして?待ってくれ!!」

A「奥様は……」
C「当家の女主人は、気を病んでしまわれたのでございます。……今日は日がようございますから、花園に行かれたのでございましょう」
A「追いかけても、構いませんか」
C「ええ……この老体では、もう。奥様は、遊び相手を喜ぶでしょう。決して、驚かせないで下さいませ」

【島/埠頭】
B「リズ!そっちは危ない!!」
女「……がけ」
B「そう、崖!危ないから」
女「マイコー…マイコーがいない、いない、いない」
B「リズ……」
女「マイコー、マイコー、どこ行くの
  マイコー、マイコー、箱の中
  知らない車に乗せられて、ゴトゴトゴトゴト揺られてく
  マイコー、マイコー、箱の中」
B「リズ、俺は」
A「マイコー、マイコー、箱の中
  花をたくさん敷き詰めて
  マイコー、マイコー、眠ってる」
女「ねむってる?」
A「そう、冬眠のクマのよう。グースカグースカ。マイクは居眠りだったから」
女「グースカ、グースカ、眠ってる
  マイコー、マイコー、いつ起きる?
  一緒に遊ぼう、いとしいマイコー」
A「……マイコー、マイコー、箱の中
  さなぎになって眠ってる」
女「さなぎは蝶になるさなぎ?」
A「……エリザベス・テイラー様。ウィンクェスト家三男、マイクロフト氏の名により、貴方様に……亡骸をお渡しいたします」
女「ん?」
A「……マイコーから、プレゼントです」
女「プレゼント」
A「あなたさまは、彼の第一等相続人となり、彼の財産の管理権を」
女「マイコー、マイコー、箱の中
  さなぎになって眠ってる。グースカグースカ。マイクは居眠りだったから」
A「……あなたさまの道行に光が照らすよう、我が弁護士会は助力致します」

【島/波止場】
C「お帰りにお気をつけて」
A「ええ。奥様にもお気をつけください。この時期、海はよくあれます。万一があっては……」
C「ええ、ですが、主人は私以外をつけようとは致しません」
A「そんな……」
C「どうぞお助け下さいませ。もうお縋り出来る方は、どこにもいらっしゃらないのです」

【島/埠頭】
女「マイコー、マイコー、箱の中
  お船に乗ってドンブラコ 帰ってきても箱の中
  マイコー、マイコー、起きないの」
B「……起きないんだ。もう起きない」
女「マイコー、マイコーおねぼうさん
  グースカグースカ眠ってる」
女「…もうどこにも行かないの?」
B「眠ったマイコー、動けない
  君のそばにずっといる」
女「マイコー、マイコー、箱の中
  箱の中……」