『みんなの夢を守るため!』

A:女性。うさぴょん。学園のスーパーマドンナ。最近お腹まわりが気になる。
B:男性。ばいきんマスク。彼もきっとひとつの正義。
C:男性。あんぱんマント。みんなの夢を守る正義のヒーロー。
D:あおかびロボ255号。ばいきんマスクの発明品。「マァァァァァァァァ!!」


A01「あたしはうさぴょん。学園のスーパーマドンナよ。あたしが歩けばみんなが振り向く。あ
  たしが笑えばみんなが赤くなる。男の子も女の子も、泣いてる子も怒ってる子もいじめっ子
  もいじめられっ子も一人ぼっちの子もみんな、あたしなら笑顔にしてあげられる。だってあ
  たしはうさぴょんだから!だけど今日のうさぴょん、ちょっとだけぴーんち。明日は身体測
  定があるんだけど、この間少しだけおやつを食べ過ぎちゃったの。いつもよりお腹がふっく
  らしてる気がする。いつもよりほっぺたがぷっくりしてる気がする。ああ、どうしよう、も
  し体重が増えていたならスーパーマドンナ失格だわ!みんなにきっと笑われる。いいえ、も
  し笑われなかったとしてもあたしのプライドがそれを許さない。だってあたしはうさぴょん
  だから。いつだってうさぴょんなんだから!」
B01「へっへっへ。聞きましたよお嬢さん。身体測定、そりゃ大変。この46億年、地球がどれだ
  け速く回ろうと、古今東西、変わらない絶対的な真理がひとつ。そう、身体測定、それは乙
  女のクライシス!」
A02「ば、ばいきんマスク!懲りもせずまたイタズラしに来たのね。近寄らないで!あんぱんマ
  ントを呼ぶわよ。またいつものようにぶっ飛ばされるといいわ」
B02「そんな心無いことを言わないでくれよ。今日の俺様はお嬢さんの願いを叶えるために参上
  したのだから」
A03「ふん、嘘ばっかり」
B03「嘘なものか。この小瓶がその証拠。これは俺様が開発した最新のミラクルダイエット薬。
  これを一口飲めば30秒でドカンと痩せる。りんご3個分からゾウ1頭分まで好きなときに好き
  なだけ痩せられるぜ。お前はもう体重を気にしなくてもいいんだ。好きなときに食べて、好
  きなときに遊んでいいんだ。それでもお前はかわいいまま。どうだ、夢みたいだろう」
A04「う……。で、でも、きっと何か恐ろしい副作用があるんだわ。そうに決まってる!」
B04「さすがスーパーマドンナうさぴょんちゃんは賢いねぇ。確かに、この薬には多少の副作用
  があるさ。けどそれがどうした。それでも今、お嬢さんが必要としているこの時に、必要な
  この薬が、ここに今、あるのだが?」
A05「……本当に、今すぐ痩せられるの?」
B05「ああ、もちろんさ」
A06「もう、おやつを我慢しなくてもいいの?つらいダイエットエクササイズもしなくていい
  の?」
B06「もちろんさ。お嬢さんは今まで本当によく頑張ったからね」
A07「そう、なの……あたし」

C01「そこまでだ!」
B07「むっ。来たな、あんぱんマント!」
C02「天が呼ぶ地が呼ぶ僕が呼ぶ!愛と勇気が心を燃やす!女の子の悩みにつけ込む悪だくみ、
  ばいきんマスク、僕は君を許さない!」
B08「ふん、今日こそはコテンパンにしてやる。出でよ、俺様謹製今週のびっくりどっきりマッ
  シーン、あおかびロボ255号!」
D01「マァァァァァァァァ!!」
C03「あん、ぱん、ナッコゥ!」
D02「ガァァァァァァァァ!?」
B09「何ィ!?まさか、一撃だと!」
C04「これでおしまいだ!あん、ぱん」

A08「……やめてぇぇ!」
C05「えっ?」
B10「今だ、あおかびロケットパーンチ!」
D03「マァァァァァァァァ!!」
C06「しまった!うわああああ!」
A09「あんぱんマント!」
B11「へっへっへ。油断大敵だな、あんぱんマントォ」
A10「あんぱんマント、しっかりして!……っ、ごめんなさい、あたし、あたし」
C07「ぼ、僕のことは気にしないで、この位なんてことないからさ。正義の味方は、決してへこ
  たれないんだ」
B12「追撃のあおかびロケットパーンチ!まだまだ、パーンチ!パーンチ!パーンチ!」
D04「マァァァァァァァァ!!」
C08「ぐっ、うう、わああああ!」
A11「あんぱんマント!」
C09「け、怪我はない?……よかった。大丈夫、僕は負けないよ。この胸に愛と勇気が燃え続け
  る限り、正義の味方は、僕は、決して負けない!」
B13「まだ来るか、あんぱんマント!しかしその身体で何ができる。何が正義だ!何が愛だ!何
  が勇気だ!」
D05「マァァァァァァァァ!!」
C10「ぐぅぅっ」
B14「そこのお嬢さんは明日までに痩せなければならないそうだ。お前に何ができる?自分の顔
  をちぎって食べさせるしか能のないお前が、彼女の何を救えるのだ。俺様ならお嬢さんの願
  いを叶えてやれる。俺さまはダイエットに効く薬を持っている。いったいどちらが正しいん
  だ、どちらが正義だ、あんぱんマント!」
D06「マァァァァァァァァ!!」
C11「うわああああ!」
A12「あんぱんマント……ごめんなさい、ごめんなさい。でもあたしは、それでもあたしは」

(※SE:ぐぅぅぅぅ、と腹の虫の鳴く声)
A13「やだ、あたしったらこんな時に」
C12「は、はは、お腹が空いているのかい?ぐっ、それなら、僕の顔をお食べよ。……あ、ごめ
  んね、かびだらけで、これじゃ食べられないね」
A14「あんぱんマント……!ごめんなさい、でもいいの、あたし、ダイエットして……」
C13「そうなんだ。……でもね、今は君の身体にとって、すごく大切な時期なんだ。無理なダイ
  エットをして身体を壊してしまったら、もしかしたら一生残ってしまうかもしれない。君の
  未来の可能性を狭めてしまうかもしれない。君には、何か夢はあるかい?僕はその夢を、守
  りたい」
B15「未来だと?そんな不確かなもののために今を犠牲にしてもいいのか!未来の為なら目の前
  にある幸せを捨て去ってもいいというのか!『今日』をないがしろにして目指す『明日』と
  はいったいいつのことだ。太陽が沈み、また昇る度に遠ざかる、永遠に追いつけない『明
  日』に、いったい何の価値があるというのだ!」
D07「マァァァァァァァァ!!」
A15「あたしは……」
(※SE:ガシィィッ、とロケットパンチを受け止める音)
C14「だけど!未来の幸せを期待しないまま僕たちは前に進めない!『明日』からの光が差さな
  い『今日』の暗がりを歩むことはできない!『明日』のために『今日』があるんじゃない、
  『今日』を生きるために『明日』を守るんだ!」
A16「あたしは……!」
B16「きれいごとを、ほざくなぁぁぁぁぁ!」
D08「マァァァァァァァァ!!」
C15「ばいきんマスク、僕の胸に残るこの傷を、君は覚えているだろうか」
B17「覚えているとも。俺様とお前が初めて戦ったとき、俺さまがこの手でつけてやった傷だ。
  あれから俺様たちは何度戦っただろう。何百回か?何千回か?」
C16「僕も覚えていないよ。それだけ戦っても未だに決着がつかない。まるで誰かに仕組まれた
  出来レースみたいだ。だけど、それはきっと……」
B&C1『僕たちが(俺様たちが)どちらもお互いに正しいからだ!!』
B18「あんぱんマントォォォ!」
C17「ばいきんマスクゥゥゥ!」

A17「あたしはうさぴょん。学園のスーパーマドンナ。あたしはみんなを笑顔にしてあげられる。
  男の子も女の子も、泣いてる子も怒ってる子もいじめっ子もいじめられっ子も一人ぼっちの
  子も、正義の味方ももう一人の正義の味方も、昨日も、今日も、明日も、明後日も。あたし
  はずっとそうやって生きていたい。それがあたしの夢!だってあたしはうさぴょんだから。
  いつだってうさぴょんなんだから!!だからお願い、勝って!あんぱんマント!」
B19「あおかびロケットパーンチ!」
D09「マァァァァァァァァ!!」
C18「あん、ぱん、ナッコゥ!」
(※SE:一瞬の静寂の後ドカーンと派手に爆発するあおかびロボ。そしてその爆発に巻き込まれ
 吹っ飛ばされるばいきんマスク)
B20「お、覚えてろよー!」
A18「あんぱんマント!」
C19「勝ったよ。……君も明日の身体測定、頑張ってね」
A19「うん。あたし頑張る。もし残念な結果だとしてもくじけないで頑張る。だってあたしは学
  園のスーパーマドンナうさぴょんだから。いつだってうさぴょんなんだから」
C20「よかった。それじゃ、僕はそろそろ行くね。パン工場に戻って顔を取り替えたら、またパ
  トロールの続きだ」
A20「ありがとう、あんぱんマント!頑張れー、あんぱんマントー!!」
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最終更新:2011年03月09日 22:59