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美少女戦士プリティ☆キャット~セクシー怪人マイアの逆襲!~

セクシー怪人マイア♀:おばさん?お姉さんとおよび!的年齢の怪人
オペラ系怪人ファントマ♂:スケベ的オヤジ発言怪人 マイアとは同期
ロリータ怪人ツェペリ♂:中堅の怪人 マイアの先輩
首領♂:ボス!ゴッドファーザー! ダジャレ好き
研究員♂:がんばれ若造!
ナレーター:熱く静かに清らかに
(戦闘員:※キャスト全員で高らかに)


(SE:鏡をたたきつける)
マ01「ああもう、腹立たしいッ!」
フ01「どうした、セクシー怪人マイアよ。ずいぶんと荒れているようだな」
マ02「どうしたもこうしたもないよ、オペラ系怪人ファントマ。
   あの腹立たしい正義の味方、プリティ☆キャットのことさ。
   いつもいつも私の顔ばかり狙ってパンチだのキックだの……小娘め、人の顔だと思って……」
フ02「プリティ☆キャット……ふうん、お前の担当地区に登場するという、本名も素顔も知らぬ正義の味方か。
   いつも覆面で現れ、その覆面にはなぜか猫耳が搭載されいているというかわいこちゃんだな……
   マイア、お前、ちょっと役得だなあ」
マ03「なんでそうなるんだい!」
フ03「いや、プリティ☆キャットの制服、ミニスカートらしいじゃない。
   それで顔に向かってキックって……ちょっとアングル的にいい眺め、」
マ04「だまらっしゃい、このオヤジ怪人がッ!! あたしゃ小娘のパンツの色形なんざ微塵も興味ないんだよ!
(以下、ブツブツと独り言風に)
   だいたい、なんなんだい、人の顔見るたびにオバサンオバサンって……どうせあんたもすぐに通る道だというのに
   セクハラここに極めりだ、あたしだって別に、好きでこの年まで、好きでこの年までねえ……!」
フ04「おーい、マイアー。マーイアー……聞こえてねえな。
   ……やれやれ。首領様から新しい怪人が入ったと伝えるように云われて来たんだが……ま、後でいいか」

 (SE:終業のチャイム)
ナ01「そして、退社時刻の鐘がなる。
   秘密結社『悪どいこと?大好きです!』は 世界規模の秘密結社の日本地方支部・北関東支店だ。
   約200人の怪人が、自分の持ち回り担当地区での
   破壊活動・破壊工作、その他ゴミ捨て、清掃等の福祉ボランティア業務などを行っている。
   午前9時から午後5時の業務を勤め、昨今は残業はない。これも景気経済のためのものであるが……
   レザーに包まれたセクシー怪人のコスチュームから、出勤用の背広姿に着替え、怪人マイアは ほう、と息をついた。
   ふとふりかえり、だいぶ古ぼけた支店を見やる。
   かつての栄光を思い出し、彼女はまたため息をつき、疲れたように歩きだした」

マ05「昔は、こんなはずじゃなかったのにねぇ……
   あたしはイロハもしらないようなザコ戦闘員の一人で、マネージャーじみた仕事しかできなかったけど」

マ06「ロリータ怪人ツェペリさん、お疲れ様です☆」
ツ01「おおっ、マイアちゃん。今日はヤツらも手ごわくてねぇ……てこずったよ」
マ07「そうなんですかぁ、大変でしたねぇー。あ、タオル、どうぞ!」
ツ02「ありがとう。いいねえ、マイアちゃんみたいなかわいい子に出迎えてもらうと!
   明日もまた、元気にビルを破壊しよう!って気が沸いてくるよ」
マ08「もう、やっだぁー、ロリータ怪人ツェペリさんったらっ!」
ツ03「ハッハッハァ!」

マ09「……あの頃は、怪人たちも英気に溢れていて、あたしもいつか、あんな風に強くなって……なんて、思ってたのに」

ツ04「首領、どういうことですか!」
首01「だから、リストラだよ……ロリータ怪人ツェペリ」
ツ05「どうしてです!? 昨今のテレビ番組の放映もあいまって、正義の味方は全盛期、1年ごとに新しい者たちが追加されてくるのですよ
   そんな時にどうして経験のある怪人から首を切ろうっていうんです!」
首02「……それだよ。まさしく、それだ」
ツ06「は……?」
首03「つまりだね、テレビ放送されるようになったせい、とでもいうかな……
   あれのおかげで、うちの結社にもマスコミから取材料・礼金が振り込まれる……結構なことだ、まことに結構」
ツ07「ならば、」
首04「しかしだ。そのテレビの視聴者に踊らされるのもまた、悪しきさだめよ。
   つまりだ……同じ怪人が戦っているさまを見せられても、おもしろくもなんともない! こう来たわけさ」
ツ08「そんな! ならば、我々にどうしろというのです!!」
首05「ああ……まあ、1シーズンが終わるまで、一旦戦闘員の配置についてもらうことになるかな。
   ああ、戦闘員といっても、きちんとヤられるんだよ。戦闘員がヒーロー倒しちゃ、シャレになんないからね」
ツ09「そんな……首領、お考え直しを!!」
首06「うるさい! これは決まったことだ、さっさと配備につくがいい!!
   そうそう、お前の後任ね、戦闘員にイケメンの若いコいたでしょ、あのコ推してやるからね」
ツ10「な……あいつはまだ未熟です、戦闘なんて出たら……ましてや巨大化などに耐えられる体では」
首07「いいんだよ、彼が担当するのは第2話だから」
ツ11「それは! つまり、あいつを……」
首08「わかったね、きみにだけ時間割いているわけにもいかないの。ほれ、秘書。ロリータ怪人くんを退室させちゃって」
ツ12「首領、お待ちください……首領、首領ーーーーッ!!」

マ10「……それから。この組織はどんどん変わっていった。
   若い戦闘員からどんどんと取り上げられていき、若い者たちは古株を見下すようになり、
   古株たちは不信を抱き、早期退職・寿退社の嵐……
   そこであたしも見限ればよかったのにね。こんな……実家の父さんに見せられないような格好で、
   手抜きの勝負をしてやってるのもわからないような見せパン小娘と戦うことが日常なんて……はぁぁ~……」

ナ02「そして、セクシー怪人マイアはまた深くため息をつき 横断歩道で足を止めた。
   隣接する科学研究施設の運搬車が通る関係上、敷地内に簡易的な道路諸々が整備されている。
   横断歩道前、信号のポールに付属された、歩行者用横断ボタンを押そうと伸びた手が、ふと、止まる。
   ガタガタと音を立て、結社のイメージカラーである黄色にコーディネートをされた大型車がさしかかる」

マ11「なんだか……もう、疲れちまったねぇ……」

ナ03「何気なく、ふらふらと、マイアは横断歩道に足を踏み出そうとした、その時だった」

研01「危ない!!」

 (SE:トラックが通過する)

研02「はぁ~……びっくりした。大丈夫ですか?」

ナ04「マイアの目の前には、しっかりとした大人の男性の腕が伸びており、マイアの双肩を抱きとめていた。
   その腕にまとわれているのは白衣であり
   彼女の命をすんでで救ったその人物が、研究所勤務のものだとすぐに見当がつく。
   セクシー怪人マイアは、少しテンポをおいて、力が抜けたように座り込んだ」

研03「わっ! あ、あの、平気ですか? さっきも、ふらつかれていたから……救護の車呼びましょうか?」
マ12「……うるさい」
研04「へ?」
マ13「うるさいっつってんのよ、なにさ、なれなれしく人の肌触っておいて!!
   恩着せがましくいつまでも居るんじゃないよっ!! あっちおいき!!」
研05「す、すいません。それじゃ、僕は戻りますので……あの、本当に大丈夫で」
マ14「あんた、殴られたいのかい!!」
研06「すっ、すみません!!」

ナ05「研究者らしき人物は、白衣を翻しながら慌てて研究所連へとかけていく
   じっとにらむように見送っていたマイアは、彼の姿が見えなくなると、そのまま、コロリと歩道のアスファルトに寝転んだ」

マ15「ふふっ……なんだい、バカみたいじゃないのさ。あーはははははははは!!!」

ナ06「ひとしきり笑って、彼女は立ち上がり、背広の汚れを払って、今度こそ横断歩道を渡っていった
   夏も中盤の気候はギラギラと地面を照らし、彼女が寝転んでいた場所に落ちた水分も、すぐに乾かし 何も残さなかった」

ナ07「――それから」

研07「あ……こんにちはっ!」

ナ08「その若い研究員は、マイアを見かけるたびに話しかけてくるようになった。
   マイアは前と同じように知らぬふりを決め込んでいるのだが、青年はしつこいともとれる従順さで、マイアが怒鳴って逃げかえるまでついてくる」

研08「あの、研究所ではお顔見かけませんけど、もしかして戦闘員なんですか?
   あ、いえ別にあの、探ってるわけじゃないんです! 違うんです!
   ただ、今日は日差しが強いから……出撃されるんでしたら、帽子とか、あと水分補給とか気をつけたほうがいいかなって……ああ、すみません!!」

ナ09「あきらめない彼にほだされるような形で、マイアが二言三言言葉を交わすことも増えてきたころだった」

マ16「ふんふふ~ん♪」
フ05「……なんだ、ご機嫌さんだなぁ、マイア」
マ17「ファントマかい。いやだねぇ、出撃前で化粧直してるんだ、喋らせないでおくれよ」
フ06「へっ、珍しい。いつも出撃前はさんざゴネて戦闘員をムチでピシパシやるってお前が?
   なんかいいことでもあったのか? ん? お兄さんに話してみろって」
マ18「なにがお兄さんだい、うるさいオヤジだねぇ。あたしに何か用でもあるのかい?」
フ07「ああ、この前 伝え遅れてたんだがな。お前さんの作戦部隊に、新しい怪人を入れるので頼む、との通達だ」
マ19「なんだい、ずいぶん遅い伝令だねぇ。ふぅん、来るとは聞いてたけど、人となりまではわからなかったからねえ。
   新入りは、どういうヤツなんだい?」
フ08「名はイケ麺怪人カメレオン。
   今お前さんが戦っている美少女戦士プリティ☆キャットはジャニーズ好きらしいからな。
   ま、そういうわけで、敵だけど恋しちゃってどうしよう! ってな役柄なんだろ。っかぁー、役得だぁねぇ……」
マ20「はぁん……たしかに今は若い新入りが不足してるからねぇ……しかし、イケ麺怪人とは、また」
フ09「がははは! お前さんのセクシー怪人ってのもどっこいどっこいだろうが!」
マ21「うるさいねえ、あたしがつけたわけじゃないよ。
   あんたのオペラ系怪人ってのに、どうにもセンスの足りなさは勝てないよ。
   超音波系能力があるからオペラ系とかねぇ、ハハン?」
フ10「それを言っちゃあお終いよ。我らが首領様のハイでナウなギャグセンスは皆知るところさ。
   お飾りの閑職よ、それくらいの権限がなければつまらんってことよ」
マ22「ふぅん、で、こいつもイケ麺になっちまったと。名は体っていうけど、かわいそうなこった
   んで? その顔だけのを率いろと。ああ、イヤだイヤだ」
フ11「ま、ま。そういうなって。
   それにこいつの場合、”カメレオン”って能力があることだし、そうそう使えないわけじゃなさそうだぜ?」
マ23「……うん?」


研09「あっ!! マイアさーーん!!」

ナ10「午後の日差しが刺す研究連の休憩所
   白衣を翻してこちらにかけてくる青年を見つけ、セクシー怪人マイアはベンチに組んでいた足を戻し、彼の座るスペースを空けた。
   研究員の青年は、いつもと代わらぬ従順さで、コロコロと笑って話しかける」

研10「いやあ、マイアさんから呼んでくれるなんて嬉しいなぁ……
   あっ、お姉さん、マイアさんって言うんですね、いい名前! ぼく、好きです」
マ24「……なんだい、あたしの名前知らなかったのかい」
研11「あ、あはは……だって僕から話しかけてもガン無視だったじゃないですか。
   聞く機会も……あ、でも驚きました、マイアさんがいきなり研究連に電話くれて、『会いたい』だなんて!
   あ、別に忙しくはなかったから大丈夫です、今ちょうど仕事の引継ぎも終わってなんとかラクに、」
マ25「ハン……新しい上司の顔も知らないなんて、お笑い草だねぇ、イケ麺怪人カメレオン?」

ナ11「ビクリ、と彼の肩が震えたのを見てとって、セクシー怪人マイアは背広を脱ぎ捨てた。
   下に着込んだレザーのコスチューム、ゴツいブーツ、いつの間にか装着した装飾的なマスク。
   彼女は悪の女幹部の威厳をにじませた姿で、彼の顎下を赤くマニュキュアが塗られた爪でひとなでした」

マ26「フン……妙につきまとうと思ったら、これだよ。
   まったく情けないねぇ、研究所出の戦闘員はこんなヒヨっこばっかりだからイヤさ。
   あたしに取り入って、うまく出撃させないようにしてもらおうってんだろう?
   ハッ……情けない。結社も地に落ちたもんだねぇ」
研12「ち、違います!! たしかに、知ってました、あなたのこと。それは認めます。
   でも僕は、断じてそんなつもりじゃ、」
マ27「お黙り! どんな理由があろうとも、あたしに恥をかかそうとした奴を放っておくほど、あたしは甘くないよ」
研13「マイアさん! 聞いてください!」
マ28「楽しかったかい? 年増女が自分にふりむくようにしむけるのは
   イケ麺怪人さん、顔”だけ”の戦闘員さん。あたしはあんたみたいなのが前から気に喰わなかった。
   ――後学に、あたしの先輩の話をしてやろう」

マ29「ある日、鍛錬も足りないヒヨっこを前線に出さなきゃならなくなったその先輩は部隊長でね。
   部下の信認も篤かったよ。だから、まあ部下はね、泣きついたのさ。『死にたくない!』とね。
   どうなったと思う? ええ!! 答えてごらんよ!!
   ……知っているだろう? この結社の大転換になった戦いさ。
   部隊長はね、最後まで部下をかばったさ。そして、首領様はついに折れて、こう賜られた」

首09「そんなに言うんなら、キミ、スタント役やる? ヤられるとこだけ、キミがやってさ。
   ああ、大丈夫大丈夫! 向こうとも話つけてるから。なぁに、軽く怪我する程度!怪我する程度よ、チミィ?」

マ30「……そう、軽ーい怪我だった。死に比べれば、軽いわね、足がちょっとなくなったくらいなんてね!!
   ハッ……あの頃から結社はずっとこんな調子さ。
   あたしが愛した結社の姿は、皆が親しくむつまじく、ヒーローに向かっていった結社なんてもうどこにもない!!」

ナ12「セクシー怪人マイアは、まるで炎をもふくような怒りを込めた眼で、青年をギロリとねめつけた」

マ31「……でも、自分には関係ない。そういう顔、しているね? 関係ないだろうさ、関係ないだろうねえ。
   でも、あたしは今腹が立っている、とーっても腹が立っているのさ。
   あんたの頭をネジり倒して、背中の皮を思い切りはがしてやったら、少しは虫が治まるかもしれない、
   そんなことを考えるくらいにねぇ? ホホ……オーーーーホホホホホホホホッ!!!」

ナ13「マイアの笑いが回廊に響く。怒りと、悲しみとが交じり合ったその笑いの中、研究員の彼は口を開いた」

研14「いえ、関係あります。僕の父が犯したことですから」
マ32「……は?」
研15「……あの時、マイアさんの部隊の戦闘員だった、素足怪人ジュンイチ。
   あれは、僕の父です。だから、僕に関係あります」

ナ14「青年はしっかりとした目でマイアを見据え、視線をそらすことなく、語った」

研16「……あの時です。母のお腹には、僕がいました。
   恥ずかしい話ですが、当時、父と母は、まだ結婚していなくて……
   未婚の母にしたくなかったのでしょう、父は死を恐れました。
   そして、父、素足怪人ジュンイチは、部隊長のロリータ怪人ツェペリさんに……」
マ33「な……」
研17「だから……無関係じゃないんです」

ナ15「セクシー怪人マイアは、言葉にならず、ベンチに倒れるように腰掛け、疲れた息を吐いた。
   青年は、とめどなく語り続ける」

研18「父は、結局耐え切れなくなって……今は所在もわかりません。
   母は、生まれたばかりの僕を研究所に預けて……多分、色々な実験の対象ってことだったんだと思いますけど、
   なんとか生きてきて。僕、ずっとここで育ちました。
   昔、父がいた頃のことは知りません、マイアさんが好きだった結社を、僕は知りません。
   でも、やっぱりここ、息がし辛くて、好きじゃなかった。勝手なんですけどね、育ててもらったのに」
マ34「……で? 父親と同じ轍を踏もうとした、ってのかい?」
研19「……マイアさん、5年前くらいに幹部になったよね」
マ35「だから……ああ、そんなことまで調べてかい」
研20「違うよ。見てたんだ、就任式……ずっと見てた」
 (一旦 言葉を切って)
研21「ね、一目ぼれって嫌い? マイアさん」
マ36「……嫌いだぁねぇ」
研22「どうして、って聞いてもいい?」
マ37「外面のいいところだけ見てちゃ、長続きしないよ。
   若いうちだけさ、そんなので上手くいくのは」
研23「そうかな……」
マ38「そうさ……」
研24「……そっか」

ナ16「青年は、ベンチから立ち上がり、ぐっと伸びをした。
   背中を向けたまま、眼のあたりを白衣のすそでぬぐう動作をすると」

研25「でも、やっぱり好きだからしょうがない!」

ナ17「そう言って、青年はふり返った。赤く染まった鼻の頭、曇ったメガネをマイアはちらりと一瞥し、また顔を伏せた」

研26「信じてくれなかったらいいんです。
   ……僕が生きて帰ってこれたら、とか、そういうのもナシです。言ったら、気にしちゃうだろうし。
   あ、でも『今度の戦闘で勝ったらデートしてください!』とか言ってみたかったなぁ、ちょっと張り切れたかも」
マ39「……あたしゃね、そういうシュミじゃないんだよ」
研27「あ……あー、それもご存知でしたか。そりゃそうですよね」
マ40「イケ麺怪人カメレオン……どんな相手の好みの姿にもなれる怪人、だそうだね?
   見た目だけじゃなく……なにもかも」
研28「ええ。今のこの姿も、プリティ☆キャットちゃんの好みの俳優に似せてまして。
   あはは……いや、ごまかしはなしですよね。
   5年前、あなたに思いっきり怒鳴られました。『小娘が、廊下を走りまわるんじゃないよ、危ないだろ!!』って」
マ41「……足も引っ掛けたよ」
研29「はは、覚えてらっしゃいましたか、ちょっと嬉しいなぁ……いや、すみません、あの節は。今より若造で。
   ……で、まあ。昔から、どうにも……マゾだったようで」
マ42「女好き、ってのもかい?」
研30「あ……あー、それは……どうなんだろうなあ」
マ43「なんだい、歯切れ悪いね。まさか、あなただけトクベツ、とか気色悪いこと抜かすんじゃないだろうね?」
研31「あ、いえ。ま、その……僕、初恋だったもので。
   それから、なんにも、そういう風にですね、なったことがないもので。自分でもよくわかってないんです」
マ44「ハッ……どっちにしろ、あたしゃ若いのは嫌いなんだよ。話は終わりだ、どっか行きな」
研32「連れないなぁ……あ、嘘です嘘です。
   えっと、最後に……ひとつだけ、その、これ、言い残すみたいで嫌なんですけど……」
マ45「なんだい、うっとうしいねえ―――わ!?」

研33「……最後に会いたかった。話が、したかった」

ナ18「彼は……いや。彼女は、マイアを抱きしめ、頬に自分の頬を当てて、すりよるようなしぐさをして、すぐに離れた」

研34「やった! ファーストハグ・ゲット!」
マ46「な……なんだいファーストハグって!? だいたい あたしゃね、それぐらいとっくに……」
研35「じゃ、おねーさま、僕、出撃の準備がありますので失礼しますー!!」
マ47「こ、これ!! お待……たなくていい! さっさとお行き!!」

ナ19「イケ麺怪人カメレオンは、足早に研究所の白い廊下をかけていった。
   その白衣が遠くに消える頃、セクシー怪人マイアは静かにつぶやいた」

マ48「そんなもの……あの信号の前で、とっくに奪ってやってるじゃないか」


ナ20「そして 数週間後。イケ麺怪人カメレオンは出撃し、そして……」

マ49「で!? なんでアンタがレギュラーになってるんだい!!」
研36「えーっ、ヒドイなぁおねえさま、僕が活躍した回、見てらっしゃらないんですか?
   プリティ☆キャットと恋に落ちる……っていう展開よりも
   一緒に戦闘する美少女、たまに青年! っていうほうがウケただけでして。
   裏切っちゃったんで、それは申し訳ないって思ってますけど、経理のほうから結社にギャランティーは……」
マ50「そういうことを聞いてんじゃないってんだよ!!
   だいたい秘密結社に通話してくるヒーローの味方がどこにいるんだい!?」
研37「えー、結社の所在地とかはちゃーんとごまかしてますよー、流石にそれはないかなーって思うんでー
   でも、おねえさまが心配してるんじゃないかなーって思いまして」
マ51「するか!! あたしゃ小娘と分別をわきまえない若造がこの世で一番大っ嫌いなんだよ!!
   今度かけてきたら、逆探知してそっちの本拠地に乗り込んでやるからね、覚悟おしっ!!」
 (SE:電話を切るガッチャン!!)

フ12「荒れてるねえ、お前さん」
マ52「お黙り! ったく、どいつもこいつも……こんなアホばかりに結社をまかせられるかい!
   戦闘員! あんたら、定年までしっかり勤め抜いてしごいてやるからねっ!!」
戦01「イーッ!!」

フ13「……やれやれ。
   しかし、元気に暴れまわるたびに、セクシーな胸元が覗き放題、ってのも役得に入りますかねえ?」


お題:猫・ガチ百合・信号