作者:Elika


降りしきる雪の中で、君を見つけた。
そのとき気づいた、『雪は景色を飾る』。
ほら、よく見てみれば──イルミネーションは、雪があるから映える。

美しい絵画を「美しい」と感じるときに

『これが誰の手によって生み出されたものなのか』

なんてことはとうてい意味を持たないように、君が誰の手によって作り出された芸術なのかは興味ない。
ただ、そこにあって当然というように、まさに「君臨」している君に見惚れる。

確かに、そこにあって当然なのかもしれない。今はそういう季節だから。
けれども、やはりこれは特別で偶然の出会いなのだと感じる。
はかなく消える運命であっても。出会えたことに感謝しようと心から思える。

たまには、こうして雪の中を歩くのもいいのかもしれない。
どこかの誰かが何の気なしに作った君に、こうして出会えたのだから。
明日、また会えたならそのときは────。
そのときは、少し寂しい君の隣に、小さな相棒を作ってあげたい。
いずれ融けて消えてしまっても、悲しい思い出ばかりにならないように。
楽しい記憶が、残るように。

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最終更新:2010年10月22日 06:32