暇人と魔法のお鍋 - 声劇つくっちゃおうぜ

作者：Elika

（SE：食器を洗う音）
男01「一人暮らしもめんどくせぇよなー実際。気楽でいいっちゃいいけど……」
見習い精霊01「そうだよねぇ、何言っても独り言になっちゃうしねぇ」
男02「そーそ、っておい！！」
見習い精霊02「はーい」
男03「おま……おまっ！どこからわいてでた！！」
見習い精霊03「えっとねぇ、お兄さんが洗ってるそのお鍋からー、にょきにょき♪って出てきたのー」
男04「そ、そっかーぁ、そうだよねぇーってんなわけねぇだろ！」
見習い精霊04「ほんとなのーっ！！」
男05「お鍋の精霊なのー、とでも言うつもりか？！あぁっ？！」
見習い精霊05「そうなのー」
男06「お帰りください」
見習い精霊06「だーめーなーのー！！お願いをかなえるまでは帰れないのー！！」
男07「アラジンと魔法のランプかよ……」
見習い精霊07「暇人と魔法のお鍋なのー」
男08「誰が暇人だ誰が！！」
見習い精霊08「じーーーーーーーー……」
男09「な……なんだよその『彼女もいなけりゃ友達もいない一人暮らしはヒマですね』みたいな視線は……」
見習い精霊09「自分で言ってりゃ世話ないのー♪」
男10「うぜぇえええええ！！！」
見習い精霊10「お願い３つかなえるのー、なにがいいー？」
男11「う……あーーー…っと、そうだな、とりあえずこの茶碗洗ってくれよ……」
見習い精霊11「お安い御用なのー！」
男12「ふぅ……なんだかなぁ……」
（SE：足音）
（遠くから）
見習い精霊12「わぁー！なのー！！」
（SE：どんがらがっしゃーん）
男13「な、なんだっ？！」
（SE：走る足音）
見習い精霊13「えへへ……失敗、しちゃったのー……」
男14「頼んだ俺がバカだったか……もういい、ちょっとどいてろ」
見習い精霊14「うううぅぅぅぅぅ……ごめんなさいなの……」
男15「いいってば、ほら……あ、おい」
見習い精霊15「ふぇ……？」
男16「ケガしてんぞ、お前」
見習い精霊16「あ、あぅ……え……？」
男17「動くなっつーの。よいしょ……」
（SE：救急箱的な何か）
見習い精霊17「ありがとう、なのぉ……」
男18「よし、っと──ん？……お、おいなに泣いてんだよ！！」
見習い精霊18「えっぐ、ひっく、ボク、見習い精霊だから、あぅ、いっつも、失敗してばっかりで」
男19「見習いとかあんのかよ……」
見習い精霊19「失敗ばっかりだから、なかなか、見習いから、えぐえぐ、ランクアップできなくて」
男20「あーーーー……わかるわ」
見習い精霊20「わかるのー……？」
男21「あのな、普通茶碗洗うのにトイレブラシは使わねぇだろ？！失敗っていうか根本的に間違ってるだろ！！」
見習い精霊21「ひどいのーーーー！！！こちとら真剣に悩んでるのーーーー！！！」
男22「あーはいはいわかりましたよ、っと。じゃあとりあえずおまえがランクアップ？できるようにするにはどうしたらいいわけよ」
見習い精霊22「えぅ、助けてくれるの……？」
男23「別に……これ以上家の中ひっかきまわされたくねぇだけだよ……」
見習い精霊23「えぇーと……なんて言うんだったっけ……」
男24「何がだよ」
見習い精霊24「思い出したのー！ツンデレなのー！」
男25「誰がツンデレだっつーの！！！」
見習い精霊25「ランクアップするには、お願いをかなえまくって、書類にサインもらうのー」
男26「書類……？」
（SE：紙をめくる音）
見習い精霊26「4,283年がんばって、なんとか99人の人にサインもらえたのー、あと一人なのー」
男27「俺が最後の一人ー……とかいうオチか……？」
見習い精霊27「オチなのー♪」
男28「うわーーー……お！そうか！」
見習い精霊28「ほぇ？」
男29「おい、願いかなえてくれよ！！」
見習い精霊29「がっ、がんばるのー！！」
男30「お前のランクアップが俺の願いだ！」
見習い精霊30「ええええ？！」
男31「これで一件落着だ！！」
見習い精霊31「りょ、了解したのー……」
（SE：レベルアップ効果音）
男32「お、見た目変わるのな」
ガチムチ精霊01「おう、バッチリだぜ兄貴！」
男33「そんな、声まで変わって？！」
ガチムチ精霊02「ガハハハハハハ、古いぜそのネタぁ！」
男34「ま、まあいいや、はい、これで終了、っと、さよならさよなら！」
ガチムチ精霊03「なーに水臭ぇ事言ってんだぁ？ランクアップしたら、100人目の奴を一生主にする、ってぇ決まりなんだからな！」
男35「……は？」
ガチムチ精霊04「おっと、言ってなかったか？」
男36「言ってない言ってないぜんぜん言ってない初耳初耳初耳！！！」
ガチムチ精霊05「まぁ、細かいことは気にするなよ、な！っつーわけでこれからもよろしくな、ア・ニ・キ！」
男37「そーゆーことは先に言ええええええええええええええええええい！」