作者:Elika


俺、子供の頃すごく暗かったんだよ。
本人としては、暗いんじゃなくておとなしいつもりだったんだけど……。
多分、他のクラスメイトからしてみたら、暗かったんだろうな。
休み時間とかずっと本読んでたし、お昼休みや放課後はずっと、図書室にいた。
本が好きでさ、なんでも読んだよ。おかげでメガネっ子。
メガネが顔の一部なら、おまえは俺の一部だな。そんくらい、すっげぇ大事。

俺も、明るくなりたいって思ったりしたよ。
笑う練習とかしたらよかったのかもしれないけど、そんなのは恥ずかしすぎた。
鏡の前に立つとさ、暗い顔した奴が無表情でこっちみてるの。
髪の毛まで真っ黒で、本当に根暗なんじゃないかな、って思った。
明るくなりたかったんだ。変わりたかった。強く願って努力もした。
その結果がこれ。

でも、実際ここまで明るくなるとさ、逆に違和感っていうかやっぱり恥ずかしいんだよ。
だから、お前が俺と一緒になってくれて、また元の自分に戻れて、すごく嬉しい。
これからも、ずっとそばで、俺の明るさを……頭頂部の輝きを、隠してほしい。
大切にするから、ずっと一緒にいてください。

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最終更新:2010年10月21日 17:21