冬は眠る




作者:蟻 ◆vA0bquCiP2

【冬は眠る】


闇夜に舞う雪は、美しく儚い
揺れ動きながらどこからともなく
ひらひらと舞い降りてくる
空に上った水が凍って落ちてくる

ただそれだけのことなのだけど
ふと考えるのをやめると
それはまるでこの世のものではないかのように思えてくる

空も山も街も
この白い使者の下で
深い眠りについているようで

音も人も
すべてが遠ざかっていくようで
悲しみと孤独に嗚咽がこみ上げる

何もかも眠ったこの世界で
僕は今ここに一人


【あとがき】
最後の二行は孤独という感じではなく「今ここに自分はいる」というスタンスで読んで欲しいです。
四蓮は寂しげでいいと思いますが。

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最終更新:2010年10月17日 07:37