2010年4月17日
どこかの出版社で邦訳してくれないかなあと個人的に思っている作品のタイトルをただ並べていくコーナー。
(長編・短編とも、現在入手可能なもの、または公式サイト上で読めるものを挙げる)
1.長編
台湾推理作家協会所属の推理作家による2作品を挙げる。(両方未読)
(1)『冰鏡莊殺人事件』(氷鏡荘殺人事件) 林斯諺(りん しげん、リン スーイェン)
第1回(2009年)島田荘司推理小説賞で最終候補に残った3作のうちの1つ。受賞作『虚擬街頭漂流記』は台湾・中国・日本・タイで刊行されるが、最終候補作は台湾と中国以外での刊行予定はない。
作者の林斯諺は1983年生まれ。作品の講評は、『オール讀物』2009年11月号掲載の島田荘司「いま、アジアのミステリーに何が起きているのか」で読むことができる。
(2)『鎧甲館事件』 冷言(れいげん、レンユエン)
島崎博推薦作品。作者の冷言は1979年生まれ。
2.中短編
すでに長編の邦訳が出ている寵物先生と、上でも紹介した林斯諺の作品を挙げる(既読)。
(1) 寵物先生(ミスターペッツ)
(2) 林斯諺(りんしげん、リンスーイェン)
女性を誘拐してその涙を集める犯人と、それを追う女性刑事(主人公)・男性刑事(補佐役)のコンビ、という配役で進むストーリーだが、台湾推理作家協会所属の作家ということでただのサスペンスに終わるはずがなく、通常なら不可能に思えるあるトリックを、仕掛けを二重にすることで可能にさせるという本格推理の技巧が冴える作品になっている。
キャラクターもストーリーも非常に良く、勝手に全訳して日本のどこかの出版社に送りつけようかと思ったほどの作品。
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最終更新:2011年06月22日 19:49