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アジアミステリリーグ / Asia Mystery League / 아시아 미스터리 리그 / 亞洲推理League / 亚洲推理League


このサイトは、ミステリ研究家の個人サイトです。
アジア各地のミステリ作家・ミステリ小説・ミステリ史の紹介と、日本ミステリの海外での刊行情報の掲載がメインのサイトです。

(2015年秋以降、更新頻度はあまり高くありません)

カウンタ: - (since 2010/11/01)



2020年8月30日


欧米における日本ミステリ(2023年~。随時更新)

 2013年以降2022年までの記録はこのトップページの下の方にいくつかに分けて載せてあります。なお、2018年半ばよりあまり調査に時間を割くことができず、不完全なリストになっています。

※下記の「発売日」はAmazonにデータとして記載されているものをそのまま示したものであり、必ずしも正確なものではありません。

  • 2023年
    • 2023年2月28日:【英訳】森博嗣『すべてがFになる』の英訳 The Perfect Insider (清涼院流水英訳)発売。
    • 2023年2月28日:【英訳】アメリカで佐藤究『テスカトリポカ』の英訳 Tezcatlipoca (Stephen Paul訳)発売。
    • 2023年3月30日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で綾辻行人『水車館の殺人』の英訳 The Mill House Murders (Ho-Ling Wong訳)発売。
    • 2023年5月2日:【英訳】アメリカで中村文則『その先の道に消える』の英訳 The Rope Artist (Sam Bett訳)発売。9冊目の英訳書。
    • 2023年5月2日:【英訳】アメリカで恩田陸『蜜蜂と遠雷』の英訳 Honeybees and Distant Thunder (Philip Gabriel訳)発売。(イギリス版もほぼ同時に発売)
    • 2023年6月20日:【英訳】アメリカで辻村深月『闇祓』の英訳 Yami-hara (??訳)発売。辻村作品の英訳書はこれで3冊目。
    • 2023年6月29日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で横溝正史『悪魔が来りて笛を吹く』の英訳 The Devil's Flute Murders (Jim Rion訳)発売。
    • 2023年7月13日:【英訳】イギリスの〈Penguin Modern Classics〉の一冊として江戸川乱歩『陰獣』の英訳 Beast in the Shadows (Ian Hughes訳)発売。(2006年に日本の黒田藩プレスから出た最初の英訳と同じ訳文が使われると思われる)
    • 2023年7月18日:【英訳】アメリカで米澤穂信『黒牢城』の英訳 The Samurai and the Prisoner (Giuseppe di Martino訳)発売。これが米澤作品の初の英訳書。
    • 2023年10月5日:【英訳】イギリスの〈Penguin Modern Classics〉の一冊として江戸川乱歩『黒蜥蜴』の英訳 The Black Lizard (Ian Hughes訳)発売。(2006年に日本の黒田藩プレスから出た最初の英訳と同じ訳文が使われると思われる)
    • 2023年10月12日:【英訳】イギリスで横山秀夫『ノースライト』の英訳 The North Light (Louise Heal Kawai訳)発売。
    • 2023年11月7日:【英訳】アメリカで伊坂幸太郎『AX』の英訳 The Mantis (Sam Malissa訳)発売。(イギリス版もほぼ同時に発売)
    • 2023年12月7日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で山田風太郎『明治断頭台』の英訳 The Meiji Guillotine Murders (??訳)発売。
  • 予定
    • 2023年12月12日:【英訳】アメリカで東野圭吾『祈りの幕が下りる時』の英訳 The Final Curtain (Giles Murray訳)発売予定。
  • 2024年以降
    • 2024年2月15日:【英訳】イギリスで松本清張『ゼロの焦点』の英訳 Point Zero (??訳)発売予定。
    • 2024年4月4日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で高木彬光『能面殺人事件』の英訳 The Noh Mask Murder (??訳)発売予定。
    • 2024年5月30日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で横溝正史『悪魔の手毬唄』の英訳 The Little Sparrow Murders (??訳)発売予定。
    • 2024年7月2日:【英訳】アメリカで王谷晶『ババヤガの夜』(2021年日本推理作家協会賞候補作)の英訳 The Night of Baba Yaga (Sam Bett訳)がSoho Pressより発売予定。(Sohoは松本清張や高木彬光、中村文則の英訳書を刊行している出版社)
    • 2024年10月3日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で綾辻行人『迷路館の殺人』の英訳 The Labyrinth House Murders (Ho-Ling Wong訳)発売予定。
    • 2024年11月7日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で鮎川哲也『黒い白鳥』の英訳 The Black Swan Mystery (??訳)発売予定。
    • 2025年春:【英訳】川上未映子『黄色い家』の英訳 Sisters in Yellow (David Boyd訳)発売予定。
    • 202X年X月X日:【英訳】森博嗣『冷たい密室と博士たち』の英訳 Doctors In the Isolated Room 発売予定。(分冊で発売後、一冊にまとめて発売)
    • 202X年X月X日:【英訳】泡坂妻夫『11枚のとらんぷ』英訳進行中?

  • 2022年
    • 2022年1月11日:【英訳】アメリカで中村文則『私の消滅』の英訳 My Annihilation (Sam Bett訳)発売。8冊目の英訳書。(同年12月、ペーパーバック版も発売)
    • 2022年6月30日:【英訳】イギリスの〈Penguin Modern Classics〉の一冊として松本清張『点と線』の英訳 Tokyo Express (Jesse Kirkwood訳)発売?(そして2023年3月に新装版発売?)
      • かつて『Points and Lines』(Makiko Yamamoto、Paul C. Blum訳)として英訳書が出ていたが、異なる訳者による新訳版。
    • 2022年7月26日:【英訳】アメリカで鈴木光司『光射す海』の英訳 The Shining Sea (Brian Bergstrom訳)発売。
    • 2022年8月8日:【英訳】SWERY(末弘秀孝)『ディア・アンビバレンス 口髭と〈魔女〉と吊られた遺体』(2021年)の英訳 Dear Ambivalence: The Mustachioed One, the Witches, and the Suspended Body (Dan Luffey訳)発売。
    • 2022年10月6日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で高木彬光『刺青殺人事件』の英訳 The Tattoo Murder (Deborah Boehm訳)発売。
      • 1998年にアメリカで The Tattoo Murder Case として発売された際と翻訳者は同じ。
    • 2022年10月?:【英訳】今村昌弘『魔眼の匣の殺人』の英訳 Death Within the Evil Eye (Ho-Ling Wong訳)発売。
    • 2022年11月15日:【英訳】アメリカで立東舎〈乙女の本棚〉、夢野久作・ホノジロトヲジ『瓶詰地獄』の英訳 Hell in a Bottle: Maiden's Bookshelf (??訳)発売。
    • 2022年12月13日:【英訳】アメリカで綾辻行人『Another 2001』の英訳 Another 2001 (Nicole Wilder訳)発売。
    • 2022年12月13日:【英訳】アメリカで東野圭吾『麒麟の翼』の英訳 A Death in Tokyo (Giles Murray訳)発売。


 短編の英訳については清涼院流水先生のThe BBBのサイトも参照のこと。


欧米における日本ミステリ(2016年~2022年)

 短編の英訳についてはThe BBBのサイトも参照のこと。

  • 2016年
    • 2016年1月:【英訳】中村文則『銃』の英訳"The Gun"発売。(2015年10月予定から延期)
    • 2016年2月:【英訳】東野圭吾『真夏の方程式』の英訳"A Midsummer's Equation"発売。(2015年10月予定から延期)
    • 2016年2月:【英訳】木内一裕『藁の楯』の英訳"Shield of Straw"発売。(日本で映画化されたが、そのハリウッド・リメイクが決定している)
    • 2016年3月:【英訳】横山秀夫『64(ロクヨン)』の英訳"Six Four"発売。(出版社サイト)(→5月、英国推理作家協会インターナショナル・ダガー賞ノミネート
    • 2016年3月:【英訳】森博嗣 英訳短編集『Seven Stories』発売。「小鳥の恩返し」「片方のピアス」「僕は秋子に借りがある」「虚空の黙禱者」「河童」「石塔の屋根飾り」「どちらかが魔女」の7短編を収録。
    • 2016年3月:【英訳】米国『EQMM』5月号(Special All Nations Issue)に大阪圭吉「寒の夜晴れ」の英訳"The Cold Night’s Clearing"掲載。(3月2X日発売)
    • 2016年4月:【フランス語訳】岸田るり子『密室の鎮魂歌(レクイエム)』のフランス語訳"Requiem à huis clos"発売。
    • 2016年4月:【ブルガリア語訳】岡本綺堂『半七捕物帳』のブルガリア語訳"Разследванията на Ханшичи"発売。
    • 2016年4月:【フランス語訳】綾辻行人『Another』のフランス語訳"Another"、2分冊の上巻発売。
    • 2016年4月:【フランス語訳】高野和明『13階段』のフランス語訳"Treize marches"発売。
    • 2016年4月:【イタリア語訳】東野圭吾『手紙』のイタリア語訳"La colpa"発売。
    • 2016年4月:【ドイツ語訳】東野圭吾『私が彼を殺した』のドイツ語訳"Ich habe ihn getötet"発売。
    • 2016年5月:【英訳】薬丸岳 短編集『刑事のまなざし』の英訳"A Cop's Eyes"発売。(収録短編「オムライス」は2007年の日本推理作家協会賞ノミネート作)
    • 2016年5月:【英訳】誉田哲也『ストロベリーナイト』の英訳"The Silent Dead"発売。イギリス版はこちら
    • 2016年5月:【スペイン語訳】高野和明『ジェノサイド』のスペイン語訳"Akili"発売。
    • 2016年5月:【英訳】有栖川有栖『孤島パズル』の英訳"The Moai Island Puzzle"発売(米国の小出版社「Locked Room International」より)。
    • 2016年5月:【英訳】綾辻行人『Another エピソードS』の英訳"Another Episode S / 0"発売。清原紘「Another 0」(漫画)も同時収録。
    • 2016年6月:【フランス語訳】綾辻行人『Another』のフランス語訳"Another"、2分冊の下巻発売。
    • 2016年6月:【英訳】松本清張『聞かなかった場所』の英訳"A Quiet Place"発売。(イギリスでは6月、アメリカでは8月発売)
    • 2016年6月:【英訳】宮部みゆき『模倣犯』の英訳"Puppet Master"のVol.4およびVol.5(最終巻)、発売。(電子書籍のみ)
    • 2016年6月:【イタリア語訳】桐野夏生『天使に見捨てられた夜』のイタリア語訳"La notte dimenticata dagli angeli"発売。
    • 2016年6月:【英訳】京極夏彦『巷説百物語』の英訳"The Wicked and the Damned: A Hundred Tales of Karma"のVol.4Vol.5Vol.6Vol.7(最終巻)、発売。(電子書籍のみ/収録短編7編を7分冊で刊行)
    • 2016年7月:【英訳】中村文則『王国』の英訳"The Kingdom"発売。
    • 2016年8月:【英訳】清水義範『迷宮』の英訳"Labyrinth"(Kindleのみ)、Shueisha English Editionより再発売。最初は2013年10月に北米Sony Reader Storeで発売されたが、Storeが2014年3月に閉鎖となり、それ以来約2年半、入手方法がない状態となっていた。英訳版『迷宮』特設サイト
    • 2016年8月:【英訳】高嶋哲夫『TSUNAMI』の英訳"Tsunami"(Kindleのみ)、Shueisha English Editionより発売。
    • 2016年8月:【英訳】森晶麿『黒猫の遊歩あるいは美学講義』の英訳"The Black Cat Takes a Stroll: The Edgar Allan Poe Lectures "発売。(第1回アガサ・クリスティー賞受賞作)
    • 2016年8月:【英訳】宮部みゆき『悲嘆の門』の英訳"The Gate of Sorrows"発売。(スリラー/ファンタジー)
    • 2016年8月:【英訳】中山七里『追憶の夜想曲』の英訳"Nocturne of Remembrance"発売。
    • 2016年9月:【フランス語訳】小林泰三『アリス殺し』のフランス語訳"Le meurtre d'Alice"発売。
    • 2016年9月:【ブルガリア語訳】島田荘司『占星術殺人事件』のブルガリア語訳"Зодиакалните убийства"発売。
    • 2016年10月:【フランス語訳】高木彬光『刺青殺人事件』のフランス語訳"Irezumi"発売。
    • 2016年10月:【フランス語訳】東野圭吾『夢幻花』のフランス語訳"La Fleur de l'Illusion"発売。
    • 2016年10月:【英訳】小池真理子『墓地を見おろす家』の英訳"The Graveyard Apartment"発売。(ホラー)
    • 2016年10月:【英訳】野沢尚『深紅』の英訳"Deep Red"発売。(8月予定から延期)
    • 2016年10月:【ブルガリア語訳】綾辻行人『十角館の殺人』のブルガリア語訳"Убийства в Декагона"発売。
    • 2016年11月:【英訳】アメリカで東野圭吾『白夜行』の英訳"Under the Midnight Sun"発売。(イギリスでは2015年10月に発売/イギリスでの英題は"Journey Under the Midnight Sun"。アメリカではタイトルが異なる)
    • 2016年11月:【ドイツ語訳】誉田哲也『ストロベリーナイト』のドイツ語訳"Blutroter Tod"発売。
  • 2017年
    • 2017年1月:【英訳】西尾維新『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』の英訳"Decapitation: Kubikiri Cycle: The Blue Savant and the Nonsense User"発売。(最初の英訳は2008年に刊行されたがその後品切れになっていた。別の出版社からの改訂・再刊[訳者は同じ])
    • 2017年2月:【フランス語訳】中村文則『去年の冬、きみと別れ』のフランス語訳"L'hiver dernier, je me suis séparé de toi"発売。
    • 2017年2月:【英訳】アメリカで横山秀夫『64(ロクヨン)』の英訳"Six Four"発売。
    • 2017年2月:【英訳】東野圭吾『ゲームの名は誘拐』の英訳"The Name of the Game is a Kidnapping"発売。(2016年10月から延期)
    • 2017年2月:【英訳】森博嗣『スカイ・クロラ』の英訳"The Sky Crawlers"発売(電子書籍のみ)。森博嗣の長編の英訳はこれが初。英訳者は清涼院流水。(2016年6月に「Prologue, Episode 1」、10月に「Episode 2, Episode 3」、2017年2月に「Episode 4, Episode 5, Epilogue」が電子出版されており、その合本)
    • 2017年3月:【フランス語訳】前川裕『クリーピー』のフランス語訳"Creepy"発売。
    • 2017年3月:【スペイン語訳】前川裕『クリーピー』のスペイン語訳"Creepy escalofrío"発売。
    • 2017年3月:【英訳】藤井太洋『オービタル・クラウド』(週刊文春ミステリーベスト10、第9位)の英訳"Orbital Cloud"発売。
    • 2017年3月:【ドイツ語訳】湊かなえ『告白』のドイツ語訳"Geständnisse"発売。
    • 2017年4月:【英訳】湊かなえ『贖罪』の英訳"Penance"発売。イギリス版はこちら
    • 2017年4月:【英訳】谷崎潤一郎『白昼鬼語』の英訳"Devils in Daylight"発売。
    • 2017年4月:【英訳】中村文則『土の中の子供』の英訳"The Boy in the Earth"発売。
    • 2017年5月:【オランダ語訳】横山秀夫『64』のオランダ語訳"Tokyo tapes nr. 6-4"発売。
    • 2017年5月:【英訳】大阪圭吉の英訳短編集『The Ginza Ghost』発売。
      • 12編収録。収録順に、「デパートの絞刑吏」「石塀幽霊」「とむらい機関車」「燈台鬼」「幽霊妻」「白妖」「寒の夜晴れ」「三狂人」「人間燈台」「坑鬼」「手紙を喰うポスト」「銀座幽霊」。
      • 収録作のうち、「寒の夜晴れ」は先に米国『EQMM』2016年5月号に訳載されている(訳者は同じ)。
    • 2017年6月:【イタリア語訳】横山秀夫『64』のイタリア語訳"Sei Quattro"発売。
    • 2017年7月:【英訳】筒井康隆の英訳短編集『Bullseye! Twenty Short Stories』発売。(英訳者のアンドリュー・ドライバー氏が筒井康隆のミステリ短編集『富豪刑事』から短編「富豪刑事の囮」を入れたがっているという話があったが[偽文士日碌 2016年7月8日]、この短編集には入っていない。今後に期待?)
    • 2017年7月:【英訳】誉田哲也『ソウルケイジ』の英訳"Soul Cage"発売。イギリス版はこちら
    • 2017年7月:【英訳】坂口安吾《明治開化 安吾捕物帖》シリーズ全20編のうち発表順の前半10編を収録した"Ango's Detective Casebook No. 1"発売。
    • 2017年8月:【イタリア語訳】島田荘司『占星術殺人事件』のイタリア語訳"Gli omicidi dello zodiaco"発売。
    • 2017年9月:【英訳】桜庭一樹『ほんとうの花を見せにきた』の英訳"A Small Charred Face"発売。(ファンタジー)
    • 2017年9月:【フランス語訳】横山秀夫『64』のフランス語訳"Six-quatre"発売。
    • 2017年9月:【ドイツ語訳】藤原伊織『テロリストのパラソル』のドイツ語訳"Der Sonnenschirm des Terroristen"発売。(同年、ドイツ語圏のミステリ評論家が選出する年間ミステリ・ベスト10で第10位にランクイン→Togetter
    • 2017年10月:【英訳】辻村深月『ハケンアニメ!』の英訳"Anime Supremacy!"発売。(初の英訳書)
    • 2017年10月:【フランス語訳】桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』のフランス語訳"La légende des Akakuchiba"発売。
    • 2017年10月:【英訳】米国『EQMM』2017年11月・12月号に島田荘司「疾走する死者」の英訳"The Running Dead"掲載。(10月2X日発売)
    • 2017年11月:【英訳】戸川昌子『大いなる幻影』の英訳"The Master Key"発売。(最初の英訳版は1984年に出ている。イギリスの古典ミステリ叢書「プーシキン・ヴァーティゴ」[Pushkin Vertigo]からの再刊)
    • 2017年11月:【ドイツ語訳】高野和明『13階段』のドイツ語訳"13 Stufen"発売。
    • 2017年12月:【英訳】鈴木光司『エス』(《リング》シリーズ第4長編)の英訳"S"発売。
  • 2018年
    • 2018年1月:【英訳】坂口安吾《明治開化 安吾捕物帖》シリーズ全20編のうち発表順の後半10編を収録した"Ango's Detective Casebook No. 2"発売。
    • 2018年1月:【英訳】谷崎潤一郎の未完の長編探偵小説『黒白』の英訳"In Black and White"発売。
    • 2018年2月:【英訳】竹内義和『パーフェクト・ブルー 完全変態』(のちに『パーフェクト・ブルー 1998』に改題)の英訳"Perfect Blue: Complete Metamorphosis"発売。(出版社による紹介ページで「psychological thriller novel」とされている)
    • 2018年2月:【英訳】横山秀夫『クライマーズ・ハイ』の英訳"Seventeen"発売。
    • 2018年2月:【英訳】森博嗣『ナ・バ・テア』の英訳"None But Air"発売(電子書籍のみ)。英訳者は清涼院流水。(『スカイ・クロラ』と同じように3回に分けて英訳・電子出版したものの合本)
    • 2018年3月:【フランス語訳】東野圭吾『赤い指』のフランス語訳"Les doigts rouges"発売。
    • 2018年3月:【ドイツ語訳】東野圭吾『白夜行』のドイツ語訳"Unter der Mitternachtssonne"発売。
    • 2018年3月:【ドイツ語訳】横山秀夫『64』のドイツ語訳"64"発売。
    • 2018年3月:【オランダ語訳】横山秀夫『クライマーズ・ハイ』のオランダ語訳"Japan airlines nr. 123"発売。
    • 2018年4月:【英訳】竹内義和『夢なら醒めて……』(のちに『PERFECT BLUE 夢なら醒めて』に改題)の英訳"Perfect Blue: Awaken from a Dream"発売。
    • 2018年4月:【英訳】西尾維新『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』の英訳"Strangulation: Kubishime Romanticist: No Longer Human - Hitoshiki Zerozaki"発売。(最初の英訳は2010年に刊行されたがその後品切れになっていた。別の出版社からの再刊[2008年→2017年の『クビキリサイクル』英訳版と同じであれば、訳者は同じで、訳文を改訂したものだと思われる])
    • 2018年4月:【英訳】戸川昌子『猟人日記』の英訳"The Lady Killer"発売。(最初の英訳版は1985年に出ている。イギリスの古典ミステリ叢書「プーシキン・ヴァーティゴ」[Pushkin Vertigo]からの再刊)
    • 2018年5月:【英訳】我孫子武丸『8の殺人』の英訳"The 8 Mansion Murders"発売。
    • 2018年5月:【英訳】野村胡堂《銭形平次捕物控》シリーズのうち発表順の最初の10編を収録した"The Golden Virgin"発売。
    • 2018年5月:【英訳】中村文則『教団X』の英訳"Cult X"発売。
    • 2018年5月:【英訳】秋吉理香子『暗黒女子』の英訳"The Dark Maidens"発売。
    • 2018年5月頃?:【英訳】日本SF英訳短編集『Speculative Japan 4』発売。(月村了衛の短編「火宅」[機龍警察シリーズ]などを収録。出版社による紹介ページは「こちら」)
    • 2018年5月:【フランス語訳】高野和明『ジェノサイド』のフランス語訳"Génocide(s)"発売。
    • 2018年6月:【英訳】中村文則の掌編「出口なし」の英訳"No Exit"、アンソロジー『Tiny Crimes: Very Short Tales of Mystery and Murder』に収録。
    • 2018年6月:【フランス語訳】高田侑『うなぎ鬼』のフランス語訳"Anguilles démoniaques"発売。
    • 2018年8月:【英訳】後藤均『グーテンベルクの黄昏』の英訳"Twilight of Gutenberg"発売。(Kindle版のみ)
  • 2018年(この行より下は、あまり調べることができておらず、不完全です
    • 2018年11月:【英訳】アメリカで横山秀夫『クライマーズ・ハイ』の英訳"Seventeen"発売。(イギリスでは2018年2月に発売済み)
    • 2018年11月:【英訳】東野圭吾『新参者』の英訳"Newcomer"発売。(2017年11月から延期)
  • 2019年
    • 2019年1月:【ドイツ語訳】桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』のドイツ語訳"Das Haus der roten Töchter"発売。
    • 2019年1月:【英訳】御影瑛路『殺人鬼探偵の捏造美学』の英訳"Masquerade and the Nameless Women"発売。(以前はAmazonに「The Serial Killer Detective」という英題で登録されていた)
    • 2019年1月:【英訳】島田荘司『斜め屋敷の犯罪』の英訳"Murder in the Crooked House"発売。〈イギリス版『占星術殺人事件』(2015年9月)の売れ行きがよく、『斜め屋敷の犯罪』の英訳も決定した〉(島田先生の関連ツイート
    • 2019年3月:【英訳】横山秀夫の短編集『陰の季節』の英訳"Prefecture D"発売。収録作は日本と同じ4作(陰の季節 Season of Shadows / 地の声 Cry of the Earth / 黒い線 Black Lines / 鞄 Briefcase)。
    • 2019年4月:【英訳】松岡圭祐『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』の英訳"Sherlock Holmes: A Scandal in Japan"発売。
    • 2019年12月:【英訳】横溝正史『本陣殺人事件』の英訳"The Honjin Murders"発売。
  • 2020年
    • 2020年1月:【英訳】恩田陸『ユージニア』の英訳"The Aosawa Murders"発売。(初の英訳書/2006年日本推理作家協会賞受賞作)
    • 2020年2月:【英訳】横溝正史『犬神家の一族』の英訳"The Inugami Curse"、イギリスの古典ミステリレーベル Pushkin Vertigo(プーシキン・ヴァーティゴ)より刊行。(過去に The Inugami Clan として刊行された英訳書の再刊)
    • 2020年6月:【英訳】平野啓一郎『ある男』の英訳"A Man"発売。
    • 2020年8月:【英訳】島田荘司『One Love Chigusa』発売。英語での先行発表作品。
    • 2020年12月:【英訳】綾辻行人『十角館の殺人』の英訳"The Decagon House Murders"、イギリス Pushkin社のレーベル《Pushkin Vertigo》より刊行。(英訳初刊は米LRI社、2015年)
    • 2020年12月:【英訳】東川篤哉『密室の鍵貸します』の英訳"Lending the Key to the Locked Room"発売。
  • 2021年
    • 2021年4月:【英訳】伊坂幸太郎『マリアビートル』の英訳"Bullet Train"発売。
    • 2021年4月:【英訳】辻村深月『かがみの孤城』の英訳"Lonely Castle in the Mirror"(Philip Gabriel訳)発売。(2018年日本推理作家協会賞候補作)
    • 2021年6月:【英訳】今村夏子『むらさきのスカートの女』の英訳"The Woman in the Purple Skirt"発売。(英国推理作家協会賞の選考委員がミステリ小説として挙げていたので、ここでも挙げておく)
    • 2021年8月?:【英訳】今村昌弘『屍人荘の殺人』の英訳"Death Among the Undead"(Ho-Ling Wong訳)発売。
    • 2021年11月?:【英訳】山口雅也『生ける屍の死』の英訳"Death of the Living Dead"(Ho-Ling Wong訳)発売。
    • 2021年12月:【英訳】東野圭吾『沈黙のパレード』の英訳"Silent Parade"(Giles Murray訳)発売。
  • 2022年(◆2022年6月更新)
    • 2022年4月:【英訳】伊坂幸太郎『グラスホッパー』の英訳"Three Assassins"(Sam Malissa訳)イギリスで発売。(アメリカ版は2022年8月発売)
    • 2022年6月:【英訳】恩田陸『木洩れ日に泳ぐ魚』の英訳"Fish Swimming in Dappled Sunlight"発売。
    • 2022年11月:【英訳】馳星周『少年と犬』(直木賞受賞)の英訳"The Boy and the Dog"発売。
  • 2023年以降
    • 2024年X月:【英訳】王谷晶『ババヤガの夜』(2021年日本推理作家協会賞候補作)の英訳がアメリカ、Soho Pressより発売予定。(Sohoは松本清張や高木彬光、中村文則の英訳書を刊行している出版社)
  • (以下、未確認)
    • 201X年X月:【英訳】日本の時代小説の英訳短編集『Samurai!』発売予定。(芦辺拓の短編「木乃伊とウニコール」[『殺しはエレキテル 曇斎先生事件帳』の1編]などを収録予定)
    • 201X年X月:【ポーランド語訳】桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』のポーランド語訳発売予定。
    • 201X年X月:【英訳】米国の小出版社「Locked Room International」より島田荘司『切り裂きジャック・百年の孤独』の英訳発売予定?(英訳原稿は完成済みとのこと)
    • 201X年X月:【フランス語訳】辻仁成『オキーフの恋人 オズワルドの追憶』の仏訳発売予定?(小学館文庫版[2013年7月]の解説で、2014年秋発売予定とされていた)
    • 201X年X月:【英訳】矢作俊彦『ロング・グッドバイ THE WRONG GOODBYE』の英訳発売予定??(日本語英訳者のアルフレッド・バーンバウム氏が2013年3月に発表したコラムのプロフィールのところに、現在英訳中とある[リンク])
    • Bento Books
      • 201X年X月:【英訳】皆川博子『開かせていただき光栄です』の英訳"The Case of the Curious Cadaver in the Dissectorium of Dr. Daniel Burton"発売予定。(2014年8月予定から延期)
      • 201X年X月:【英訳】中里友香『カンパニュラの銀翼』の英訳"Silver Wings of the Campanula"発売予定。(第2回アガサ・クリスティー賞受賞作)
      • 201X年X月:【英訳】三沢陽一『致死量未満の殺人』の英訳"Murder by Nonlethal Dose"発売予定。(第3回アガサ・クリスティー賞受賞作)
      • 201X年X月:【英訳】岡崎大五『黒い魎(みずは)』の英訳"Black Wave"発売予定。(Bento Books内書籍紹介ページ
  • 中止?
    • 201X年X月:【英訳】桐野夏生『IN』の英訳"In"発売予定。(以前はamazonで2015年5月発売予定とされていたが、発売日の表示がなくなった。中止?)


2015年12月14日記

風狂殺人倶楽部の同人誌『2016華文ミステリ最前線!』の通販開始

 ワセダミステリクラブの有志(OB・OG含む)が結成した風狂殺人倶楽部の同人誌『2016華文ミステリ最前線!』が、正確な日付は分かりませんが、東方書店にて購入可能になったようです(店頭販売および通販/リンク)。2015年11月23日の「文学フリマ東京」で頒布されたもの。副題は「現代中国・台湾ミステリビギナーズガイド2」。
 麻耶雄嵩作品や三津田信三作品の中国語訳者である張舟(ちょうしゅう)氏が日本語で寄稿した「現代中国〈未邦訳〉傑作ミステリガイド」や、2014年に中国のミステリ雑誌で短編新人賞を受賞してデビューした陸秋槎(りくしゅうさ)氏へのインタビューなど。(※なお、張舟氏も陸秋槎氏も日本在住)
 ほかに、『現代華文推理系列 第二集』や、普璞(ふはく)の短編「理解者の死」(阿井幸作訳/オンラインで公開中)のレビューなども。


2015年10月30日記

『現代華文推理系列 第二集』刊行

 稲村文吾さん( @inmrbng )が昨年10月の「第一集」刊行より約1年ぶりに、《現代華文推理系列》の第二集を刊行なさいました。中国語の短編ミステリ4編を翻訳・電子出版したものです。それぞれの短編は個別にも購入可能です。

『現代華文推理系列 第二集』(以下の4短編の合本)


 このうち、陳浩基(ちんこうき、サイモン・チェン)は2012年に長編『世界を売った男』が訳されています。あとの3人は初の邦訳。



2015年8月10日記

同人誌『現代中国・台湾ミステリビギナーズガイドブック』の印刷版、再頒布

※9月5日追記:東京・神保町の中国書籍専門書店、東方書店にて購入可能になりました。こちらのページ」から店舗での取り置き依頼および通信販売での購入ができます。

 ワセダミステリクラブの有志(OB・OG含む)が結成した風狂殺人倶楽部の同人誌『現代中国・台湾ミステリビギナーズガイドブック』〈印刷特別増補版〉が2015年8月14日、コミックマーケット88にて再頒布されます(東地区ペ29b)。電子書籍版は2014年末に発売になっており、印刷版は第20回文学フリマ東京(2015年5月4日)にて初めて頒布されました。この際には1時間半で完売したそうです。
 〈印刷特別増補版〉には、中国のミステリ作家・羅修(らしゅう)の短編「Wの喜劇」が翻訳収録されています。(電子書籍版には収録されていません)


2015年9月20日記

10月3日(土)、東京都港区の台湾文化センターにて島田荘司先生と台湾の本格ミステリ作家、寵物先生(ミスターペッツ)の対談イベント

※観覧無料、メールか電話にて要予約、定員50名。詳しくは台湾文化センターの「こちら」のページをどうぞ

 10月3日(土)の午後2時から、「台湾ミステリーの謎を解く――島田荘司推理小説賞の軌跡」と題した島田荘司先生と寵物先生(と書いて「ミスターペッツ」と読む)の対談イベントが東京都港区の台湾文化センターにて実施されます。対談が90分程度で、その後、Q&Aの時間も用意されているとのことです(通訳を務めるのは台湾文学、呉明益[ご めいえき]『歩道橋の魔術師』等の翻訳者である天野健太郎氏[@taiwan_about])。
 寵物先生(ミスターペッツ/「~先生」まで含めた四文字が筆名なので「寵物先生先生」と書くべき?)は1980年生まれの台湾の本格ミステリ作家で、台湾で実施されている長編本格ミステリ小説の公募賞、「島田荘司推理小説賞」の第1回(2009年)の受賞者。その受賞作である『虚擬街頭漂流記』(きょぎがいとうひょうりゅうき)は2010年に文藝春秋から邦訳出版されています。1ポイント差で『本格ミステリ・ベスト10』海外部門のベスト10入りを逃しましたが、本格ミステリの傑作です。

 島田荘司先生とミスターペッツ先生の5年前(2010年)の対談は文藝春秋のページで公開されています(リンク)。


2015年7月18日記

台湾の本格ミステリ賞、「島田荘司推理小説賞」の受賞作を邦訳出版するためのプロジェクトが始動

 2009年の第1回受賞作、寵物先生(ミスターペッツ)『虚擬街頭漂流記』と2011年の第2回受賞作、陳浩基(サイモン・チェン)『世界を売った男』が文藝春秋から邦訳出版されている台湾の島田荘司推理小説賞。2013年の第3回は2作同時受賞ということもあり邦訳がなかなか出ませんでしたが、このたび、賞の知名度を向上させるとともに、日本や中国語圏のファンから出資を募って邦訳出版を実現させるためのプロジェクトを文藝春秋がスタートさせました。ご興味のある方はぜひ下記のページをご覧になってみてください。支援の締切は2015年9月12日24時(9月13日0時)です。

※2015年9月7日、目標金額を達成。



2014年10月7日記

中国語ミステリ関連ニュース2つ

(1)中国の御手洗熊猫(みたらい ぱんだ)、台湾の林斯諺(りん しげん)の作品が初邦訳! 寵物先生(ミスターペッツ)、水天一色(すいてんいっしき)の作品も

 中国語ミステリ愛好家で、以前から未訳ミステリを読んでツイッターなどで感想を書いていた稲村文吾さん( @inmrbng )がこのたび、著者本人と連絡を取って許可を取り、中国語の短編ミステリ4編を翻訳・電子出版なさいました。ラインナップは以下の通りです(4編の合本である『現代華文推理系列 第一集』も出ています)。


 このうち、御手洗熊猫(みたらい ぱんだ)と林斯諺(りん しげん)は初の邦訳。あとの2人はそれぞれ、寵物先生(ミスターペッツ)は長編『虚擬街頭漂流記』、水天一色(すいてんいっしき)は長編『蝶の夢』が数年前に邦訳出版されており、どちらも本格ミステリファンに高い評価を受けました。
 私が初めて読んだ台湾ミステリは林斯諺(りん しげん)の作品、初めて読んだ中国ミステリは御手洗熊猫(みたらい ぱんだ)の作品なので、この2人の作品がついに邦訳されたというのは個人的にも非常に感慨深いことです。
 今回の邦訳4編について、稲村さんが当サイトに寄稿してくださいました。『中国語ミステリ邦訳・電子書籍化計画「現代華文推理系列」』をどうぞご覧ください。邦訳短編の冒頭部のサンプルなども読めるようになっています。

(2)ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」にて阿井幸作さんの連載「中国ミステリの煮込み」始まる

 以前からブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」で未訳の中国ミステリのレビューをしている阿井幸作さん( @ajing25 )が2014年8月より、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」にて中国のミステリ事情を紹介する連載「中国ミステリの煮込み」を始めています。
 先ほどのニュースと関連付けるならば、日本人でいち早く御手洗熊猫というミステリ作家を「発見」し、ブログで作品のレビューをしたのが阿井幸作さんでした(今から6年ほど前です)。この連載では第1回で程小青(てい しょうせい)、第2回で孫了紅(そん りょうこう)らが扱われています。2人とも20世紀前半、中国探偵小説草創期から活躍した作家です。阿井さんは中国の20世紀初頭の作品から現代の作品まで幅広く読んでいらっしゃるので、今後の連載も楽しみです。


欧米における日本ミステリ(2014年-2015年)

 短編の英訳についてはThe BBBのサイトも参照のこと。

  • 2014年
    • 2014年2月:【ドイツ語訳】東野圭吾『聖女の救済』のドイツ語訳"Heilige Mörderin"発売。
    • 2014年3月:【フランス語訳】島田雅彦『カオスの娘』のフランス語訳"La fille du chaos"発売。(「島田雅彦さん、ミステリー作品で新境地」)
    • 2014年4月:【英訳】シュウ・エジマ『クイックドロウ』の英訳"Quick Draw"発売。(とみさわ昭仁氏によるレビュー
    • 2014年5月:【フランス語訳】東野圭吾『真夏の方程式』のフランス語訳"L'équation de plein été"発売。
    • 2014年5月:【スペイン語訳】夢野久作『少女地獄』のスペイン語訳"El infierno de las chicas"発売。(出版社サイト
    • 2014年6月:【英訳】松浦寿輝『巴(ともえ)』の英訳"Triangle"発売。(日本で「形而上学的推理小説」という売り文句で発売された作品)
    • 2014年6月:【フランス語訳】乙一『暗いところで待ち合わせ』のフランス語訳"Rendez-vous dans le noir"発売。(フランス語訳は2009年に刊行されたがその後品切れになっていた。別の出版社からの再刊)
    • 2014年6月:【スペイン語訳】京極夏彦『姑獲鳥の夏』のスペイン語訳"El verano de la Ubume"発売。
    • 2014年7月:【ドイツ語訳】大沢在昌『毒猿 新宿鮫II』のドイツ語訳(2007年に別の出版社から刊行されたものの改題新装版)"Giftaffe"発売。
    • 2014年8月:【英訳】湊かなえ『告白』の英訳"Confessions"発売(アメリカ)。(イギリス版も同時発売)(出版社サイト
    • 2014年9月:【英訳】米国『EQMM』11月号に法月綸太郎「緑の扉は危険」の英訳"The Lure of the Green Door"掲載。また島田荘司先生のツイートによれば、「乱歩以降の日本の傑作本格短編を、次々にEQMM誌に掲載していこうというプロジェクト」が始まるとのこと2014年4月27日の島田先生のツイート)。
    • 2014年9月:【オランダ語訳】東野圭吾『真夏の方程式』のオランダ語訳"Afrekening in midzomer"発売。
    • 2014年9月:【スペイン語訳】松本清張『点と線』のスペイン語訳"El expreso de Tokio"発売。
    • 2014年9月:【スペイン語訳】中村文則『何もかも憂鬱な夜に』のスペイン語訳"En una noche de melancolia"発売。(ミステリ?)
    • 2014年10月:【英訳】東野圭吾『悪意』の英訳"Malice"発売。イギリス版アメリカ版。2015年2月のイギリス版
    • 2014年10月:【英訳】中村文則『去年の冬、きみと別れ』の英訳"Last Winter, We Parted"発売。
    • 2014年10月:【英訳】綾辻行人『Another』の英訳"Another"の紙版が発売。(電子書籍版は2013年に出ている)
    • 2014年11月:【英訳】江戸川乱歩の明智小五郎物の作品集"Edogawa Rampo: The Early Cases of Akechi Kogoro"発売。収録内容は短編「D坂の殺人事件」「黒手組」「幽霊」、長編『一寸法師』(出版社サイト)。
    • 2014年11月:【英訳】舞城王太郎『阿修羅ガール』の英訳"Asura Girl"発売。(非ミステリ)
    • 2014年12月:【英訳】高野和明『ジェノサイド』の英訳"Genocide of One"発売(アメリカ)。(イギリス版も同時発売)(出版社サイト)(イタリア語版もすでに出版契約が結ばれているらしい)
    • 2014年12月:【英訳】宮部みゆき『模倣犯』の英訳"Puppet Master"のVol. 1が発売。2014年12月から2016年春にかけて全5巻が電子出版される(紙版の出版予定はない)。
  • 2015年
    • 2015年1月:【ドイツ語訳】高野和明『ジェノサイド』のドイツ語訳"Extinction"発売。
    • 2015年1月:【フランス語訳】水上勉『雁の寺』のフランス語訳"Le Temple des oies sauvages"発売。(「以前に出ていたもの」の新装版)
    • 2015年1月:【イタリア語訳】桐野夏生『顔に降りかかる雨』のイタリア語訳"Pioggia sul viso"発売。江戸川乱歩賞受賞作。
    • 2015年2月:【英訳】佐藤友哉『デンデラ』の英訳"Dendera"発売。(非ミステリ)
    • 2015年2月:【フランス語訳】中村文則『銃』のフランス語訳"Revolver"発売。
    • 2015年2月:【英訳】後藤均『写本室(スクリプトリウム)の迷宮』の英訳"The Labyrinth of the Scriptorium"発売。(Kindle版のみ)
    • 2015年3月:【イタリア語訳】中村文則『掏摸(スリ)』のイタリア語訳"Tokyo noir"発売。
    • 2015年4月:【フランス語訳】江戸川乱歩『押絵と旅する男』(「虫」を併録)のフランス語訳"Mirage (suivi de Vermine)"発売。(以前に出ていたものの新装版だと思われる。訳者、出版社、ページ数も同じ)
    • 2015年4月:【英訳】桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』の英訳"Red Girls: The Legend of the Akakuchibas"発売。(2007年 日本推理作家協会賞受賞作)
    • 2015年4月:【英訳】沼田まほかる『ユリゴコロ』の英訳"Nan-Core"発売。(最初にamazonにデータが登録された際には2014年11月発売とされており、タイトルは『YuriGokoro』だった)
    • 2015年5月:【フランス語訳】江戸川乱歩『孤島の鬼』のフランス語訳"Le démon de l'île solitaire"発売。(訳者のミヤコ・スロコンブ氏はこの翻訳によりイマジネール大賞翻訳者部門にノミネート/関連Togetter
    • 2015年5月:【フランス語訳】伊坂幸太郎『死神の精度』のフランス語訳"La mort avec précision"発売。
    • 2015年5月:【フランス語訳】湊かなえ『告白』のフランス語訳"Les Assassins de la 5e B"発売。
    • 2015年5月:【フランス語訳】東野圭吾『白夜行』のフランス語訳"La Lumiere de la Nuit"発売。
    • 2015年5月:【イタリア語訳】浜尾四郎のイタリア語訳短編集"Il discepolo del demonio"(悪魔の弟子)発売。ほかに「彼が殺したか」、「黄昏の告白」、「正義」の計4編を収録。
    • 2015年5月:【英訳】宮部みゆき『模倣犯』の英訳"Puppet Master"のVol. 2が発売。2014年12月から2016年春にかけて全5巻が電子出版される(紙版の出版予定はない)。
    • 2015年5月:【ドイツ語訳】東野圭吾『悪意』のドイツ語訳"Böse Absichten"発売。
    • 2015年6月:【イタリア語訳】高野和明『ジェノサイド』のイタリア語訳"Il protocollo ombra"発売。
    • 2015年6月:【英訳】綾辻行人『十角館の殺人』の英訳"The Decagon House Murders"発売(米国の小出版社「Locked Room International」より)。
    • 2015年6月:【英訳】京極夏彦『巷説百物語』の英訳"The Wicked and the Damned: A Hundred Tales of Karma"のVol. 1(「小豆洗い」)Vol. 2(「白蔵主[はくぞうす]」)Vol. 3(「舞首[まいくび]」)が発売。(収録短編7編が7分冊で電子出版される予定)
    • 2015年6月:【スペイン語訳】横溝正史『獄門島』のスペイン語訳"GOKUMON-TO. La isla de las puertas del infierno "発売。
    • 2015年7月:【英訳】米国『EQMM』2015年8月号に島田荘司「発狂する重役」の英訳"The Executive Who Lost His Mind"掲載。
    • 2015年8月:【英訳】乙一『GOTH』の英訳『Goth』がHaikasoruから復刊。2008年に他社で英訳出版されたが、出版社がライトノベル業から撤退し『GOTH』も入手不能になっていた。新たに「森野は記念写真を撮りに行くの巻」の英訳も収録。
    • 2015年9月:【英訳】島田荘司『占星術殺人事件』の英訳"The Tokyo Zodiac Murders"発売。(英訳は2004年に日本の小出版社から刊行されたがその後品切れになっていた。今回はイギリスの出版社からの再刊。2014年8月にアメリカの小出版社「Locked Room International」から再刊される予定だったが、より大手の出版社、Pushkinから発売されることとなった。世界の名作ミステリの英訳を刊行する新レーベル「Pushkin Vertigo」の創刊ラインナップ4冊のうちの1冊)
    • 2015年9月:【ドイツ語訳】中村文則『掏摸(スリ)』のドイツ語訳"Der Dieb"発売。
    • 2015年10月:【英訳】東野圭吾『白夜行』の英訳"Journey Under the Midnight Sun"発売。(2013年12月予定→2014年5月予定→2015年10月予定と延期)
    • 2015年10月:【英訳】「日本の」または「日本に関する」犯罪ストーリーのアンソロジー"Hanzai Japan: Fantastical, Futuristic Stories of Crime From and About Japan"発売。全16編収録(日本作家6編、海外作家10編)。副題は「空想的で未来的な犯罪ストーリー」。日本からの収録作は宮内悠介「空蜘蛛」、平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」、林譲治「警視庁吸血犯罪捜査班」、藤野可織「逃げろ!」、篠田節子「幻の穀物危機」、桜坂洋「さいたまチェーンソー少女」。(関連Togetter
    • 2015年10月下旬:【英訳】米国『EQMM』2015年12月号に甲賀三郎「蜘蛛」の英訳"The Spider"掲載。
    • 2015年12月:【スペイン語訳】赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』のスペイン語訳"Los Misterios De La Gata Holmes"発売。
    • 2015年12月:【英訳】宮部みゆき『模倣犯』の英訳"Puppet Master"のVol. 3が発売。(2016年春までに5分冊で電子出版される予定)
    • 2015年12月:【オランダ語訳】高野和明『ジェノサイド』のオランダ語訳"Executie"発売。


2014年9月26日記

◆ニュース1◆ 非英語圏のミステリを対象とするオールタイムベスト選出アンケートを実施

 「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の協力も得て、Twitter上で「非英語圏ミステリ」のオールタイムベスト(ATB)を選出するアンケート企画を実施しました。フランス語圏のミステリを対象とする「フランスミステリベスト100」と、北欧やドイツ、イタリア、スペインなど非英仏語圏のミステリを対象とする「非英仏語圏ミステリベスト100」の2つに分けての実施です。両方ともちょうど同じ数、67名の方から投票いただきました。

  • フランスミステリベスト100
    • 1位 『ウサギ料理は殺しの味』ピエール・シニアック
    • 2位 『殺人交叉点』フレッド・カサック
    • 3位 『黄色い部屋の謎』ガストン・ルルー
    • 4位 『騙し絵』マルセル・F・ラントーム
    • 5位 『シンデレラの罠』セバスチアン・ジャプリゾ
  • 非英仏語圏ミステリベスト100
    • 1位 『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ(イタリア)
    • 2位 『犯罪』フェルディナント・フォン・シーラッハ(ドイツ)
    • 3位 『三秒間の死角』ルースルンド&ヘルストレム(スウェーデン)
    • 4位 《ミレニアム三部作》スティーグ・ラーソン(スウェーデン)
    • 5位 『笑う警官』シューヴァル&ヴァールー(スウェーデン)

 後者はもちろんアジアの作品も対象でした。アジアでの最高位は寵物先生(ミスターペッツ)『虚擬街頭漂流記』の23位でした。

◆ニュース2◆ 韓国推理小説の父、金来成(キム・ネソン)が新聞で紹介される

 2014年9月2日(火)付けの朝日新聞朝刊、文化面に「80年を経て日本語で出版/韓国「推理小説の父」の長編/日本に留学、江戸川乱歩らと親交」という記事が載りました(ブック・アサヒ・コムで全文読めます)。約80年前に日本語で執筆されながらも日本では出版されなかった長編探偵小説『思想の薔薇』についての記事で、『思想の薔薇』を韓国語版から「重訳」した祖田律男さんのコメントなども載っています。この記事の公式の韓国語訳は「こちら」で読めます。
 また、『ハヤカワミステリマガジン』2014年11月号でも松坂健氏がレビューページで『金来成探偵小説選』と『魔人』にほんのちょっと言及してくださっています。

◆ニュース3◆ 法月綸太郎の短編「緑の扉は危険」が米国『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』に英訳掲載される

 法月綸太郎の短編「緑の扉は危険」の英訳 The Lure of the Green Door が米国『EQMM』2014年11月号に掲載されました。英訳者は、英文レビューブログ「ボクの事件簿」のホーリンさんです。法月綸太郎の短編が米国『EQMM』に英訳掲載されるのは10年振り、2度目。最初に載ったのは2004年1月号の「都市伝説パズル」(An Urban Legend Puzzle)。これはその後英米のミステリアンソロジーに収録されたり、重訳でチェコ語やドイツ語に訳されたりしています。ちなみに法月綸太郎の英訳はこの短編2編のみです。米国『EQMM』に日本の作品が載るのは、2013年8月号の島田荘司「Pの密室」(The Locked House of Pythagoras)以来、1年3か月振りでした。
 ホーリンさんはブログで金来成(キム・ネソン)の『魔人』(論創海外ミステリ)のレビューも書いてくださっています(2014年8月26日エントリー)。ありがとうございます!

 なお、日本ミステリの英訳出版についてざっとまとめておくと、2014年8月には湊かなえ『告白』Confessions)の英訳が出版されており、10月には東野圭吾『悪意』Malice)、中村文則『去年の冬、きみと別れ』Last Winter, We Parted)、綾辻行人『Another』Another)の英訳が出版される予定です。(『Another』英訳版はすでに2013年に電子書籍として出版されていましたが、今回は紙版の発売です)

最近作成した主な記事

最近寄稿した記事


2014年7月19日記

論創海外ミステリ127 金来成(キム・ネソン)『魔人』近刊


 論創社《論創海外ミステリ》で2014年7月末に刊行される『魔人』は、江戸川乱歩に憧れ、乱歩のような作品が書きたいという理想を持っていた韓国人作家、金来成(キム・ネソン)が1939年に発表した長編探偵小説です。新聞連載ののち同年に単行本が刊行されベストセラーになりました。現在でも韓国では、この作品がこの作家の代表作だとみなされています。乱歩ファン、戦前国内探偵小説のファンには特にお勧めです。(ちなみに乱歩の作品でいうと、『魔人』は『暗黒星』や『地獄の道化師』、『幽鬼の塔』と同時期に書かれた作品ということになります)

 『魔人』(honto)は《論創海外ミステリ》第127巻として、アンドリュウ・ガーヴ『運河の追跡』、ジェイムズ・リー・バーク『太陽に向かえ』と同時発売です。訳者は『金来成探偵小説選』収録の長編『思想の薔薇』などの訳者でもある祖田律男氏です。

帯の文句
「江戸川乱歩の世界を彷彿とさせる怪奇と浪漫
 1930年代、魔都京城で開かれる華やかな仮装舞踏会 次々と起こる怪事件に探偵劉不亂が挑む
 韓国推理小説の父、金来成が放つ本格探偵長編」


2014年6月21日記(6月28日、少々加筆)

論創ミステリ叢書 第76巻『金来成探偵小説選』近刊


 論創社《論創ミステリ叢書》第76巻、『金来成(キムネソン)探偵小説選』(amazon)が2014年6月30日ごろに発売になります。【2014年6月28日追記:amazonでは6月27日から購入可能になりました】

  • 金来成が日本語で発表した小説や評論、随筆類をすべて収録
  • 日本語で執筆されたものの日本では発表されなかった幻の長編探偵小説『思想の薔薇』を韓国語版から翻訳収録(上の写真は1964年版の単行本)
  • 自身の日本語掌編「綺譚・恋文往来」を大幅に改稿加筆して短編化した韓国語作品「恋文綺譚」を翻訳収録
  • 探偵小説との出会い、読書遍歴、日本での学生生活や探偵作家としての処女作「楕円形の鏡」を執筆した経緯などが語られた随筆「探偵小説二十年史」を翻訳収録

 翻訳部分の訳者は金聖鍾(キム・ソンジョン)の長編ミステリ『最後の証人』(論創社、2009年)などの訳者である祖田律男氏です。私は解題(pp.387-424)を執筆しました(松川良宏名義)。

  • 解題の節題
    • 1 乱歩に私淑し、「韓国の乱歩」となった金来成
    • 2 探偵小説との出会いから作家デビューまで
    • 3 YDNペンサークルへの参加
    • 4 乱歩への憧れ
    • 5 探偵小説芸術論争
    • 6 朝鮮半島初の探偵小説専門作家として活躍
    • 7 戦後の江戸川乱歩との文通
    • 8 金来成の晩年とその後
    • 9 作品解題

 『金来成探偵小説選』(2014年6月)に続いて、7月25日頃には金来成(キム・ネソン)の長編探偵小説『魔人』honto)が同じ出版社の叢書《論創海外ミステリ》で刊行されます。翻訳者は同じく祖田律男氏です。『魔人』は1939年に新聞連載の形で発表され、同年に単行本がベストセラーとなった作品で、韓国では金来成の探偵作家としての代表作と見なされています。

 金来成が韓国語で発表した小説のうち、創作短編「霧魔」と翻案短編「深夜の恐怖」は当サイトで翻訳公開しています。


関連記事(ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」への寄稿)


2014年6月28日記

 最近は告知していませんでしたが、ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の連載「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると」の11月以降の分を以下にまとめておきます。



2014年2月6日記

中国のミステリ小説・SF小説で中国語を学ぶ

 NHKラジオ第2放送で毎週月曜~金曜に放送されている「レベルアップ中国語」の2月の放送分で、中国の作家・阿乙(あ おつ、アー・イー、1976- )の短編ミステリ「バレンタインデー爆破事件」(情人节爆炸案[情人節爆炸案]、2010年刊行の短編集『鳥,看見我了』所収)が扱われます。1998年2月14日に中国で実際に起きたバス爆破事件を下敷きにした作品だそうです。テキストは420円です(amazon)。
 放送は2月3日にすでに始まってしまっていますが、NHK語学番組公式サイト(http://www.nhk.or.jp/gogaku/)で会員登録(無料)をすれば、放送の翌週の1週間、番組を聴くことができます。また、テキストとは別売りで、番組を再構成したCDも販売されています(1580円、amazon)。
 テキストに掲載されているのは短編全体ではなく、冒頭から全体の三分の二ぐらいまでの部分です。また、省略されている箇所もあります。そのため、テキストに掲載された部分については日本語訳も付されていますが、テキストを買っても短編の全体の訳を読めるわけではありません。ただ、詳しいあらすじ紹介などもありますので、中国語学習に興味のない方でも中国のミステリに関心があればぜひチェックしてみてください。

 ラジオの放送は月~金の午前10:30~10:45、再放送は同日の午後10:45~11:00。ラジオ放送と同時刻に、NHKラジオの公式サイトでも同じものを聴くことができます(http://www3.nhk.or.jp/netradio/)。

 「レベルアップ中国語」の先月の放送分では中国のSF作家・劉慈欣(りゅう じきん、リウ・ツーシン、1963- 、Wikipedia)の長編SF『三体』が扱われました。テキストとCDは今でも手に入ります(amazonamazon)。この作品は本格的な世界進出が決まった最初の中国SFで、アメリカのSF作家のケン・リュウ(Wikipedia)による英訳が予定されているほか、テキストによれば日本語への翻訳も進められているそうです。韓国語訳は2013年9月に出版されています(韓国のオンライン書店)。

  • 劉慈欣作品 邦訳リスト
    • 短編「さまよえる地球」(阿部敦子訳、『S-Fマガジン』2008年9月号)
    • 短編「夢の海」(『虹の図書室』27号[第2巻第7号]、2010年)(※中国の児童文学を翻訳紹介する同人誌)(※現物未確認)
    • 長編抄訳『三体』(上原かおり訳、中国SF研究会『中国SF資料之九』、2010年8月、pp.34-69)(※中国のSF小説を翻訳紹介する同人誌)(※第1章~第4章の翻訳)

 「レベルアップ中国語」の2014年1月~3月の放送分は「中国文学~現代の息吹」(講師:千野拓政)と題されており、3月の放送分では中国の若手作家・韓寒(かん かん、ハン・ハン、1982- 、Wikipedia)の長編小説『1988』が扱われるそうです。韓寒は邦訳に『上海ビート』(平坂仁志訳、サンマーク出版、2002年7月)があります。


2013年12月21日記

ニュース1

 韓国語翻訳家の祖田律男さんがブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に全3回の「韓国ミステリ事情」を寄稿なさいました。


 「その1」では1920年代に少年向けの探偵小説を書いた方定煥(パン・ジョンファン)や、今から約90年前に発表され韓国最初の創作探偵小説とされる朴秉鎬(パク・ピョンホ)の『血の袈裟』(血袈裟)などが紹介されています。
 「その2」では、「韓国の江戸川乱歩」「韓国の松本清張」などと称されることもある金来成(キム・ネソン)と金聖鍾(キム・ソンジョン)が紹介されています。金来成(キム・ネソン)は1935年に日本の探偵雑誌でデビューし、その後朝鮮半島に戻って向こうで探偵作家・大衆文学作家として活躍した人物です。金聖鍾(キム・ソンジョン)は傑作長編ミステリ『最後の証人』が祖田さんにより邦訳されているので興味を持たれた方はぜひお読みになってみてください。
 「その3」では、21世紀の韓国の新たなミステリ作家たちが紹介されています。

 「その2」で告知されましたが、戦前の日本の探偵雑誌『ぷろふいる』で1935年にデビューした韓国人作家の金来成(キム・ネソン)が、その翌年に日本語で執筆した長編探偵小説『思想の薔薇』が、2014年に論創社の《論創ミステリ叢書》で刊行されます(『金来成探偵小説選』に収録)。もっとも日本語の原文は残っていないので、韓国語からの再翻訳という形になります。金来成(キム・ネソン)の探偵小説観はちょうどデビューのころに日本の探偵小説界をにぎわせていた「探偵小説芸術論争」に強い影響を受けており、日本語で書いた長編『思想の薔薇』は探偵小説としての魅力を失わずに、かつ純文学的な達成をなし遂げることを意図して書いたものだと金来成(キム・ネソン)は自序で語っています。
 また、同じく「その2」で告知されていますが、日本語で書かれた長編『思想の薔薇』だけでなく、金来成(キム・ネソン)が韓国語で執筆した探偵小説のうちの代表作である長編『魔人』(1939)も、2014年に論創社から翻訳刊行されます。こちらは《論創海外ミステリ》での刊行が予定されています。

ニュース2

 毎年「台湾ミステリー事情」が掲載されている『本格ミステリー・ワールド』の2014年版(『本格ミステリー・ワールド2014』)が12月17日に発売になりました。今年は陳國偉氏による「台湾ミステリー事情」のほかに、韓国の出版社・時空社(シゴンサ)の編集者であるパク・ユニ氏による「韓国ミステリー事情」も掲載されています。また例年通り、「黒蜘蛛クラブの挨拶」のページにも中国、台湾、韓国からの寄稿があります。執筆者はそれぞれ、河狸氏(ジャーナリスト)、張東君氏(台湾推理作家協会会員)、ユン・ヨンチョン氏(윤영천、編集者)。

ニュース3

 ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に「アメリカのミステリー賞と日本ミステリー」を寄稿しました(12月19日)。連載「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると」の第10回です。


2013年11月14日記

 ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に「日本のミステリー小説の英訳状況」を寄稿しました。連載「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると」の第9回です。


2013年10月17日記

 今年の4月から、ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」で非英語圏のミステリ賞を紹介する「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると」という記事の連載をしています(松川良宏名義)。タイトルは、それ以前に掲載された「海外ミステリー賞あ・ら・かると」(2010年2月5日掲載、2013年2月28日再掲)からいただいたものです。


 10月掲載分は特別に、普段からブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」で中国ミステリ事情の紹介や中国ミステリの原書レビューをしていらっしゃる阿井幸作さんにお願いしました。阿井さんは『ミステリマガジン』にも何度か中国ミステリのレビューを寄稿していらっしゃいます(参照:『ミステリマガジン』洋書案内〈世界篇〉で紹介された本とその邦訳状況)。



最近作成した主な記事









欧米における日本ミステリ(2013年)

 2012年については「2012年に欧米で翻訳出版された日本の推理小説」に移動。

  • 2013年
    • 2012年12月?:【英訳】米国『EQMM』2013年2月号に永瀬隼介の短編「師匠」の英訳"Chief"掲載。
    • 2013年1月:【英訳】江戸川乱歩『パノラマ島綺譚』の英訳"Strange Tale of Panorama Island"発売。
    • 2013年1月:【英訳】高嶋哲夫『メルトダウン』の英訳"Fallout"発売。
    • 2013年1月:【フランス語訳】中村文則『掏摸(スリ)』のフランス語訳"Pickpocket"発売。
    • 2013年2月:【スペイン語訳】中村文則『掏摸(スリ)』のスペイン語訳"El Ladrón"発売。
    • 2013年2月:【英訳】石川智健『グレイメン』の英訳"Gray Men"発売。
    • 2013年3月:【ドイツ語訳】高橋克彦『写楽殺人事件』のドイツ語訳"Auf der Suche nach Sharaku"発売。
    • 2013年3月:【スペイン語訳】東野圭吾『聖女の救済』のスペイン語訳"La Salvación de una santa"発売。
    • 2013年3月:【英訳】綾辻行人『Another』の英訳"Another"(上巻のみ)、Kindleで発売。下巻は7月発売。電子書籍版の売り上げがよければ紙版も出るとのこと。
    • 2013年5月:【フランス語訳】東野圭吾『天空の蜂』のフランス語訳"La Prophétie de l'abeille"発売。
    • 2013年5月:【オランダ語訳】東野圭吾『聖女の救済』のオランダ語訳"Redding van een heilige"発売。
    • 2013年6月:【英訳】中村文則『悪と仮面のルール』の英訳"Evil and the Mask"発売。
    • 2013年6月:【英訳】米国『EQMM』8月号に島田荘司の中編「Pの密室」の英訳"The Locked House of Pythagoras"掲載。(かなり短縮されているとのこと)
    • 2013年7月:【英訳】綾辻行人『Another』の英訳"Another"(下巻)、Kindleで発売。
    • 2013年7月:【英訳】夢野久作「瓶詰地獄」の英訳"Hell in a Bottle"を収録した日本近代文学英訳アンソロジー"Three-Dimensional Reading: Stories of Time and Space in Japanese Modernist Fiction, 1911-1932"発売。(この作品は過去に日本人グループによる英訳あり
    • 2013年8月:【英訳】木内一裕『水の中の犬』の英訳"A Dog in Water"発売。
    • 2013年9月:【英訳】高橋克彦『写楽殺人事件』の英訳"The Case of the Sharaku Murders"発売。
    • 2013年9月:【英訳】西村京太郎のミステリ短編集『南神威島(みなみかむいとう)』の英訳"The Isle of South Kamui and Other Stories"発売。
    • 2013年9月:【イタリア語訳】東野圭吾『聖女の救済』のイタリア語訳"L'impeccabile"発売。
    • 2013年10月:【スペイン語訳】浜尾四郎『悪魔の弟子』(併録:彼が殺したか)のスペイン語訳"El discipulo del diablo"発売。
    • 2013年10月:【英訳】清水義範『迷宮』の英訳"Labyrinth"(Shueisha English Edition)、北米Sony Reader Storeで販売開始(31日)。英訳版『迷宮』特設サイト
    • 2013年11月:【英訳】宮部みゆきのホラー短編集『あやし』の英訳"Apparitions: Ghosts of Old Edo"発売。



インド・ミステリ、ヴィカース・スワループ『6人の容疑者』&波多野健「インド・ミステリ通史の試み――探偵小説の受容と変容、二重構造の発生」 (2012年8月)

 2010年9月に発売されたヴィカース・スワループ『6人の容疑者』(武田ランダムハウスジャパン、上下巻)の文庫版(RHブックス・プラス、上下巻)が2012年8月10日に発売になった。ヴィカース・スワループは英語で執筆するインド出身の作家で、ほかに映画『スラムドッグ$ミリオネア』の原作となった『ぼくと1ルピーの神様』(邦訳の著者名は「ヴィカス・スワラップ」表記)を発表している。現在、在大阪インド総領事館で総領事を務める。

 また、2012年8月10日、コミックマーケット82で探偵小説研究会の同人誌『CRITICA』第7号が販売された。現物は確認していないが、公式サイトの「CRITICA」第7号 目次によると、波多野健「インド・ミステリ通史の試み――探偵小説の受容と変容、二重構造の発生」が掲載されているとのこと。『CRITICA』のバックナンバーは通販で購入することができる。最新の第7号の通販の方法についても、近々公式サイトで告知される予定。
 探偵小説研究会の波多野健氏がインド・ミステリに言及したものとしては過去に、「インドの本格ミステリーの歴史と現在」(カルパナ・スワミナタン『第三面の殺人』[講談社、2010年]巻末)および「インド――ミステリ大国の予感――」(『ハヤカワミステリマガジン』2012年2月号【特集: アジア・ミステリへの招待】)がある。
 当サイトでは以前に、江戸川乱歩によるインドの探偵小説の探求史などをまとめた「インド推理小説探求・受容史」というページを作成した。



香港の本格ミステリ小説、陳浩基(サイモン・チェン)『世界を売った男』発売中!! (2012年6月)

 文藝春秋より2012年6月、香港の長編本格ミステリ小説、陳浩基(サイモン・チェン)『世界を売った男』が発売になった(文藝春秋 書籍紹介ページ)。原書は『遺忘・刑警』。2011年9月9日に授賞式が行われた第2回島田荘司推理小説賞の受賞作である。島田荘司推理小説賞は台湾の出版社が主催するもので、中国語で書かれた未発表の本格推理小説を世界中から募集。受賞作は台湾および中国で出版されるほか、日本語、タイ語、イタリア語、英語(マレーシア・シンガポール向け)にも翻訳される。実施は隔年である。

 『世界を売った男』のイタリア語版『Duplice delitto a Hong Kong』(出版社書籍紹介ページ)(イタリアamazon)は日本語版発売の3日前に発売になっている。著者名は陳浩基の広東語読みであるChan Ho Kei。

 第1回受賞作の邦訳、寵物先生(ミスターペッツ)『虚擬街頭漂流記』(きょぎがいとうひょうりゅうき)は2010年4月に文藝春秋より刊行されている。寵物先生(ミスターペッツ)の作品の邦訳にはほかに短編「彷徨えるマーク・ガッソン」(『ジャーロ』No.41、2011年3月)がある。

 第3回の実施もすでに告知されている。締め切りは2013年2月28日、受賞作の決定は2013年9月である。



雑誌『ナイトランド』第2号(2012年夏号)に未邦訳の中国ミステリのレビュー (2012年6月)

 ホラー&ファンタジー専門誌『ナイトランド』に連載されている立原透耶氏のエッセイ「Asian Horror Now」、第2号(2012年夏号)では中国の若手幻想小説家・推理作家の哥舒意(ゴー・シューイ)の幻想音楽ミステリが紹介されている。なお創刊号(2012年春号)では台湾の鍾霊(しょうれい、鍾靈)のライトノベル・ホラーシリーズが紹介されている。



『エラリー・クイーンの災難』(論創海外ミステリ)に中国の作品収録 (2012年5月)

 2012年5月25日発売のクイーン贋作集『エラリー・クイーンの災難』(飯城勇三編)に中国のミステリ作家、馬天(ばてん、マーティエン)の短編「日本鎧の謎」が収録された。馬天はすでに邦訳のある水天一色(すいてんいっしき)らとともに中国の本格ミステリ界を代表する作家の一人。主にミステリ雑誌『歳月・推理』やその姉妹誌『推理世界』で作品を発表している。敬愛するミステリ作家は、欧米ではエラリー・クイーン、日本では島田荘司、東野圭吾だという。ちなみに、ネット上で作品を発表していた時期には服部平次(フーブー・ピンツー、Fubu Pingci)という筆名を使っていた。服部平次(はっとり へいじ)は『名探偵コナン』の登場人物である。



『ハヤカワミステリマガジン』2012年7月号に未邦訳の中国ミステリのレビュー (2012年5月)

 『ハヤカワミステリマガジン』には、未邦訳の非英語圏ミステリのレビューを掲載する「洋書案内《世界篇》」というコーナーがある。2012年5月25日発売の2012年7月号(特集:アルセーヌ・ルパン&ルパン三世)の同コーナーは、中国のミステリ小説、呉昉(ご ほう)『冥海花(めいかいか)』(中国amazon)のレビュー。レビュー執筆者はブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」で中国のミステリ事情やSF小説事情、漫画・ライトノベル事情などを紹介している阿井幸作さん。なお、同コーナーに阿井幸作さんによるレビューが載るのは2度目。2012年3月号には、王稼駿(おう かしゅん)『明暗線(めいあんせん)』(中国amazon)のレビューが掲載されている。

 なお『冥海花(めいかいか)』については、『本格ミステリー・ワールド2012』(南雲堂、2011年12月)p.228にも少々言及がある。



その他の最近のニュース
  • アジアミステリの邦訳出版
    • 2011年12月:韓国の歴史ミステリ小説 イ・イナ『永遠なる帝国』(文芸社)発売。『ハヤカワミステリマガジン』の洋書案内コーナー(2010年10月号)で紹介された作品。『創元推理』20号(2000年10月)および『創元推理21』2001年夏号(2001年5月)に掲載された李建志「現代韓国ミステリの思想と行動」もこの作品を扱っている。
    • 2012年1月:トルコのノーベル賞作家オルハン・パムク『わたしの名は赤』[新訳](ハヤカワepi文庫)発売。広義のミステリであるらしい(※未読)。
  • アジアミステリ関連情報
    • 2012年1月:『ハヤカワミステリマガジン』2012年3月号に中国のミステリ小説、王稼駿(おう かしゅん)『明暗線(めいあんせん)』のレビュー掲載(レビュー執筆:阿井幸作)
    • 2012年2月;韓国のミステリ情報サイトで毎年恒例のミステリランキング発表。日本の作品のみを対象とする「日本ミステリを楽しむ」版ランキングでは島田荘司『奇想、天を動かす』が圧勝。すべての翻訳作品および韓国オリジナル作品を対象とする「ハウミステリ」版ランキングでもジョン・ハート『ラスト・チャイルド』やジョルジュ・シムノン『死んだギャレ氏』を下して島田荘司『奇想、天を動かす』が第一位となった。


『ハヤカワミステリマガジン』アジア・ミステリ特集号発売! (2011年12月)

 松川良宏名義で「東アジア推理小説の日本における受容史」を寄稿しました。

『ハヤカワミステリマガジン』2012年2月号 特集:アジア・ミステリへの招待 2011年12月24日発売
  • 資料と研究
    • 島田荘司「東洋特急(オリエントエクスプレス)「アジア本格リーグ」」
    • 松川良宏「東アジア推理小説の日本における受容史」
    • アジアミステリガイド(編集部)
  • アジア各国ミステリ事情
    • 台湾/張筱森(ちょう しょうしん)「二〇一一年台湾ミステリ事情」
    • 中国/阿井幸作「昨今の中国ミステリ事情について」
    • インド/波多野健「インド――ミステリ大国の予感――」
    • ミャンマー/高橋ゆり「ミャンマー・ミステリ事情 ドイルも知らなかった「ホームズ」熱帯事件録とその後」
  • 短編
    • インド/サニー・シン「待つ人」
    • タイ/ミトラン・ソマスンドゥルム「計算機」
    • 韓国/ソン・シウ「親友」
  • 特集ページ以外での関連記事
    • DVD REVIEW 朝鮮名探偵 韓国で話題の歴史ミステリ(小山正)

  • 日本経済新聞2012年1月17日朝刊、文化面のコラム「文化往来」で上記の『ハヤカワミステリマガジン』アジアミステリ特集号が取り上げられました。

『本格ミステリー・ワールド2012』南雲堂、2011年12月17日発売
  • 陳國偉「台湾ミステリー事情」
  • 「黒蜘蛛クラブの挨拶」 - 中国・台湾・韓国のミステリ事情についての寄稿あり(執筆者はそれぞれ、臧歆春[ジャーナリスト]、張東君[台湾推理作家協会会員]、ユン・ヨンチョン[윤영천、編集者])


最近の主な更新







『2011 本格ミステリ・ベスト10』、アジアミステリの順位は!? (2010年12月)



原書房『2011 本格ミステリ・ベスト10』 海外本格ミステリ・ランキング 12位 - 寵物先生(ミスターペッツ)『虚擬街頭漂流記』(きょぎがいとうひょうりゅうき)
原書房『2011 本格ミステリ・ベスト10』 海外本格ミステリ・ランキング 14位 - 水天一色(すいてんいっしき) 『蝶の夢 乱神館記』
  • (11位以下のランキングは載っていないので自分で集計しました)

 寵物先生(ミスターペッツ)『虚擬街頭漂流記』(きょぎがいとうひょうりゅうき)は台湾で実施された第1回(2009年)島田荘司推理小説賞を受賞した作品です。台湾では2009年9月に刊行。日本語版は文藝春秋から2010年4月に刊行されました。文藝春秋のサイト内に特設サイトがあります → 文藝春秋 寵物先生『虚擬街頭漂流記』特設サイト アジアの本格ミステリに興味がある方はまずこの作品からどうぞ! 傑作です。
 寵物先生の長編第2作は2012年に台湾で出版予定とのこと。邦訳の出版も期待したいところです。

 アジア本格リーグは講談社が2009年9月から2010年6月にかけて刊行した叢書で、アジア各地の推理小説6作品が刊行されました。「本格」と銘打たれているものの、必ずしも本格ミステリ作品ばかりというわけでもありません。全6巻の中では、2006年に中国で刊行された本格ミステリ長編、水天一色(すいてんいっしき)『蝶の夢』がお勧めです。(水天一色の作品だと、学生探偵・杜落寒(ドゥー・ルオハン)が活躍するシリーズの長編『盲人与狗』(盲人と狗)が本格ミステリとして最も優れていると言われていますが、残念ながら未訳です)


アジアミステリニュース in Japan 2009年~2011年

  • アジアミステリの邦訳出版
    • 2009年
      • 9月 講談社 〈アジア本格リーグ〉(全6巻)刊行開始。第1回配本は、台湾 藍霄(ランシャウ)錯誤配置』、タイ チャッタワーラック『二つの時計の謎』。
      • 11月 〈アジア本格リーグ〉 韓国 李垠(イ・ウン)美術館の鼠』、中国 水天一色(すいてんいっしき)蝶の夢 乱神館記』刊行。
    • 2010年
      • 3月 〈アジア本格リーグ〉 インドネシア S(エス)・マラ・Gd(ゲーデー)殺意の架け橋』刊行。
      • 4月 台湾の出版社が主催する第1回島田荘司推理小説賞の受賞作の邦訳 寵物先生(ミスターペッツ)虚擬街頭漂流記』(文藝春秋)刊行。
      • 6月 〈アジア本格リーグ〉 インド カルパナ・スワミナタン『第三面の殺人』刊行(アジア本格リーグ、全6巻完結)。
      • 9月 武田ランダムハウスジャパンより、インド ヴィカース・スワループ『6人の容疑者』(上下巻)刊行。
    • 2011年
  • 関連情報
    • 2010年 2月
      • 第10回本格ミステリ大賞(主催 本格ミステリ作家クラブ)で、出版企画〈島田荘司選 アジア本格リーグ〉が「評論・研究部門」の候補に(会員による投票は5月、受賞は逃す)。
    • 2010年11月25日
    • 2010年12月18日
      • 南雲堂『本格ミステリー・ワールド2011』発売。ミスターペッツがインタビューで次回作の予定などを語っているほか、「台湾ミステリー事情」も、執筆者が推理文学研究会の陳國偉(チェン・グオウェイ)に代わって例年通り掲載。昨年掲載されていた「中国ミステリー事情」のコーナーは今年は掲載されず。ほかに、イギリスの雑誌に掲載された「密室ミステリ」特集記事の全訳などもあり(日本の推理小説が、分量を割いて好意的に取り上げられている)。
    • 2010年12月19日

最終更新:2023年12月08日 18:01