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柿という果物   作詞/455スレ346

柿という果物が好きではない
清涼感もなく舌に吸い付くかのような淫媚な甘さ
春先の芽吹きにも似て生暖かく澱む香り
木端を割るかのような若い果実の感触
指間をしどけなく伝う熟柿の感触
表面の黒い斑点
ゲル状の種周り
半透明の光沢に
無数の茶けた筋
脆い枝先に垂れ下がる実は
軒に吊るされて縮こまる実は
木枯らしの風にも
明け方の霜にも
屈せずただそこにあり
いたずらに照りつける夕映えのように
ふくらんだ赤色の巨星のように
辺りに染み込む暗い闇間を
傾いで転げる独楽のゆくえを
じっと待っているのだ
それだから
柿という果物が好きではないのだ