Alan Siaroff, Democratic Breakdown and Democratic Stability:A Comparison of Interwar Estonia and Finland, Canadian Journal of Political Science, 32/1, 1999.
政治文化、エリートが民主主義の正統性を身体化していること、安定した政党システム、民主主義への漸次的な移行、制度、の5つの要素の絡み合いから民主主義の崩壊を説明できるという、ダール等の政治理論を実証しようとしたもの。しかしそれが目的なら、途中の歴史的流れに関する記述は不要で、むしろ、上記5つの要素のそれぞれの中身に踏み込んだ実証が必要ではないか。なぜ、ストールベリが民主主義を強く信奉し、パッツが口では民主主義が重要といいながら、それを逸脱する体制を作ったのか。歴史的過程の記述は走した疑問に答えるものになっているのか。研究史の概説として読むなら価値あり(^-^)。

参考ファイル一覧
現在、教育省機関紙"Eest Kool"(1935-1940)と"Nõukogude Kool”(一部)の詳しい目次一覧を見ることができます。
最終更新:2014年04月30日 07:32
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