第9回災害救助犬神奈川主催IRO試験(広域) リポート


2012年10月21日(日)、災害救助犬神奈川主催によるIRO広域試験を開催しました。
↑↑(天候にも恵まれ、なごやかな本部テント。富士山もきれいでした。)

会  場:静岡県 朝霧高原
審査員:澤田和裕(IRO公認審査員)
実施日時:2012年10月21日(日)   
受験頭数:救助犬広域捜索試験A(RH-FL A)3頭 / 救助犬広域捜索試験B(RH-FL B)3頭

・試験結果
[救助犬広域捜索試験A(RH-FL A)
犬名 捜索(200点) 服従・熟練(100点) 総合得点(300点) 所属
若月/椋 ♂ 196 96 292(合格) 神奈川
内芝/レト ♀ 140 79 222(合格) OPDES
勝野/ドーン ♀ 177 91 268(合格) 神奈川

[救助犬広域捜索試験B(RH-FL B)]
犬名 捜索(200点) 服従・熟練(100点) 総合得点(300点) 所属
大谷/ブリス ♂ 189 93 282(合格☆) 神奈川
今村/ガンボア ♂ 184 97 281(合格☆) OPDES
内芝/アプリル ♀ 124 21 145 OPDES

注)合否について
IROの国際救助犬試験は、各課目それぞれ70%以上の得点で合格となります。ただし、総合得点で210点/300点を獲得しても、合格点に達しない課目があれば合格にはなりません。

・2013年IRO世界大会出場権
当試験B段階において合計270点以上を獲得し合格した2ペアが、2013年9月開催予定のIRO世界大会(開催地:オランダ王国)広域捜索部門の出場権を得ました。(上記試験結果総合得点欄☆マーク参照)

↑↑(B段階試験では、作業開始前に捜索エリアの地図から捜索プランを申告します)
↑↑(樹木とブッシュによるカバー率がとても高い捜索エリア。世界大会以上の難易度となりました)
↑↑(小さな犬も、意欲的にブッシュに向かって行きます)
↑↑(犬の姿が視認できない暗い森で、犬の着けている鈴の音に耳をすませて状況を判断するハンドラー)
↑↑(エリア内の最も大きな段差の下で仮想遭難者を発見した犬とハンドラー)
↑↑(服従・熟練作業は富士山に見守られながら。遠隔で指示された方向に走る犬)
↑↑(「動く橋」に飛び乗った犬が、足元の不安定な中、落ち着いてハンドラーの指示を待っています)

・総評
本年1月より施行されたIRO新規定でB段階試験の捜索エリアの条件が大きく変わりました。
そのため今試験では従来と異なるエリアに試験会場を設定することができました。
今試験会場は、地形、植生などから、ヨーロッパで開催される国際大会、世界大会以上に高い難易度、要求度のエリアです。
それだけに、IRO試験本来の要求度が明快に提示された、充実した試験内容となりました。
その中で、多くの参加ハンドラーと犬たちが、しっかりとした成長ぶりを見せてくれたことを、頼もしく感じます。

新しいB段階試験では、より広大になった捜索エリアをいかに効率よくカバーするかが要求され、ハンドラーの捜索プランとその実行能力が評価の中でより大きな割合を占めるようになりました。
そして実際に試験を実施してみると、読むだけではわからなかったこの新しい規定のおもしろさ、難しさが、体感できました。

また、この新しい規定によって、今試験から、限りなく実働に近い捜索スタイルでの作業を要求すること、評価することができるようになったことも確認でき、我々にとって大きな収穫となりました。

実働救助犬の育成者である我々自身が、実働犬とそのハンドラーの訓練達成度を見きわめるツールとして、これまで以上に有効、適切で利用価値の高いものとなってくれたと感じます。
この新しいIROの試験を、実働犬を育成する上で今後も生かしていきたいと考えます。(災害救助犬神奈川/勝野英樹)










最終更新:2013年04月02日 16:32