2011年3月12日~15日 白河市土砂災害現場にて捜索協力



  • 日 時:2011年3月12日(土)~15日(火)
  • 出 動:ハンドラー4名、救助犬7頭、後方本部・支援2名
  • 場 所:福島県白河市葉ノ木平地区
  • 指 揮:白河消防
  • 捜索対象:13名(推定)


3月11日(金)14時46分に発生した「東北地方太平洋沖地震」において、福島県白河市葉ノ木平地区にて発生した土砂災害現場での行方不明者捜索協力を行いました。

■3月11日(金)
地震発生直後より被災状況等の情報を収集。
翌12日までに出動の可否を決定することとし、各ハンドラーは出動待機。

■3月12日(土)
午前8時 収集した情報を精査した結果、白河市葉ノ木平地区での土砂災害現場への出動を決定しました。

午後2時 相模原市橋本にて、ハンドラー3名救助犬6頭が集合。
午後7時 白河市に最も近い東北自動車道那須高原SA(福島第一原発より約90km)にて待機し、現地および福島県第1、第2原発の状況について情報収集を行いました。

■3月13日(日
午前7時 白河市役所災害対策本部着。本部の意向を確認の上、現場に入りました。
現場は福島第一原発より直線で約80kmとなります。

午前7時30分 現場指揮本部着。すでに当日早朝に到着し作業開始されていたJKCの救助犬グループとともに、白河消防の指揮下にて、警察、自衛隊、消防団等とともに捜索・救助活動に当たることとなりました。

午前7時40分 JKCと捜索エリアを分担し、当会も捜索作業を開始しました。
しかし、午前8時過ぎ、JKCは指揮本部の要請とのことで市内大信地区の土砂災害現場へ移動。

葉ノ木平地区現場は、当会が担当することとなりました。

午前8時25分 南側捜索エリアにて、堆積した倒壊家屋の北端部に投入した1頭目が明確に吠え、告知しました。
(告知の様子です。この家屋はトラック5000台分とも言われる土砂に押し流されており、この犬の位置で、本来の地面よりもおよそ7~8mの高さとなっていました)

2頭目も同じポイントにて明確に吠え、告知しました。
3頭目に投入した犬の表現からも、チームとして
「要救助者のいる可能性が高い」
と判断。

4頭目を投入し確認、他方向からも犬を入れてエリアを確認した上で、チームリーダーより、要救助者の取り残されていると思われるエリア、方向、安否の可能性等を現場指揮者へ報告しました。

その後は堆積した瓦礫や土砂の撤去の状況に応じて、逐次、救助犬による確認を繰り返しました。

午後5時 災害救助犬神奈川のハンドラー1名・救助犬1頭が現場にて合流。これより当会はハンドラー4名救助犬7頭にて作業を行いました。

午後6時、指揮本部の要請を受け、北側捜索エリアを捜索し、当会はこの日の作業を終了しました。

その後、大信地区での捜索・救助活動が終了したことから葉ノ木平地区に戻られたJKCが作業に当たられました。
また、重機による土砂と瓦礫の撤去作業は終夜続けられました。

■3月14日(月)
午前6時30分 捜索作業を開始。
この日は終日JKCと当会がチームごとに交代して作業に当たることとしました。

なお、午後からは、救助犬投入箇所が南北2箇所となったため、北側捜索エリアをJKCが、南側捜索エリアを当会が担当する形となりました。

どちらの捜索エリアも要救助者の救出は非常に困難な現場であり、建造物と土砂の撤去作業は大変時間のかかるものとなりました。
作業の進行にあわせ、逐次、救助犬による確認作業を繰り返しました。

午後5時過ぎ、南側捜索エリアにて、前日に当会の犬4頭の反応から「要救助者のいる可能性が高い」と判断しハンドラーが指し示した瓦礫堆積部分から、要救助者1名が発見、救出されました。
犬が告知をした位置からは、目測で2・5m程度の深さがありました。

この要救助者の方は、現場でのDMATの措置後、救急車により病院に搬送、病院にて死亡が確認されました。


この日は、指揮本部の要請により午後9時30分まで作業を継続しました。
また、重機による土砂と瓦礫の撤去作業は終夜続けられました。

■3月15日(火)
福島第一原発の状況に鑑み、災害救助犬神奈川本部の指示にて、予定より早い撤収を決定。
午前5時30分、現場指揮本部に報告の上、帰路につきました。
午後2時すぎ、全員無事帰着。


白河市の土砂災害においては、そのほかにも、当会作業中の3月13日に、葉ノ木平地区の推定13名の行方不明者のうち、重機および人力による掘削により2名が発見、救出されています。大信地区においても、1名の行方不明者が掘削により発見、救出されています。

いずれの要救助者も、病院に搬送後、死亡が確認されました。

しかし、当会の撤収時点で、葉ノ木平地区の行方不明者のうち10名が未発見のままでした。
現場では24時間体制での捜索・救助活動が継続されています。



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(3月17日午前5時現在 葉ノ木平地区行方不明者4名未発見)






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最終更新:2013年03月05日 09:31