悪の組織、朝礼の時間

ボス「敬礼――!!」
戦闘員「イィーーーッ!!」
ボス「んむ。では、今日の朝礼をはじめる。まず、【組織訓示】!」

ボス「あくどいこと――?」
戦闘員「大好きデース!!」
ボス「あくどいこと――?」
戦闘員「大好きデース!!」
ボス「あくどいこと――!」
戦闘員「大ー好き――!!」

ボス「んむ、ヨロシイ」
せがれ「チッ…るせーな、朝っぱらから…」
ボス「我が息子よ…朝帰りか、いい立場だな。
   今は我が組織の訓示の最中、そんな格好で部下らに示しがつかぬ。
   直ぐ顔を洗って列に並ぶのだ」
せがれ「っせーよ、俺は絶対悪の怪人になんかならねーって言ってんだろ」
ボス「息子よ、待つのだ! 息子よ! ……あのバカが……」

戦闘員A「先輩、あの人ボスの息子さんなんですか?」
戦闘員B「ああ…お前、坊ちゃんにお会いするの初めてだったか」
戦闘員A「ボスのご子息なら、次期首領になるかもしれない人じゃないですか。
     それなのに怪人が嫌だなんて、なんだか贅沢な人ですねえ」
戦闘員B「昔、まだ小さかった頃は、怪人たちとも仲良くして、俺もよく遊んだものだったが…
     成長するにつれ、グレてしまってな…」


子せがれ「ゆくぞ、せいげきスレッガー! きょうがきさまの年貢の納めどきだ!
     だーく、すぷらっしゅ・ビーム!!!」
戦闘員B「ぐわあー、やーらーれーたー!」
子せがれ「がっはっはっはっはー! くちほどにもないわー!」


戦闘員A「そんなピュアな子がなんであそこまでグレちゃったんですか……」
戦闘員B「さあな…英雄の子には、英雄の子なりの苦しみがあるということかもしれん。
     俺達も、親の七光りと言われないよう、ぼっちゃんを厳しく育ててきた
     つもりだったが…」


子せがれ「トイレ、トイレ…」

(IN:WC)

子せがれ「ふー。すっきり…あ、あれ、紙が…」

子せがれ「わーん、紙がないよー! お、おとうさーん! だれかー! でられないよー!」


戦闘員B「ある時は 不屈の心と、恐怖に打ち勝つ心を育て…そして、またある時は…」


子せがれ「おっ、おとうさん…普通のかっこで来てって言ったでしょ」
ボス「何を言うか。我々悪の組織はこれが正装なり」
戦闘員「イィーーーーッ!!」
子せがれ「皆の前で はずかしいよ…」
先生「あのー、たかし君のお父さん」
ボス「ンム?」
先生「すみませんが、他の父兄の邪魔になりますので、もっと席をつめていただいても よろしいですか?」
ボス「なんだと。貴様、私に指図するというのか!」
先生「ひ、ひいいーーー!! たすけてーーー!!」
子せがれ「や、やめてよーーー!! もう帰ってーー!!」


戦闘員B「こうして人を憎む心と、決して慣れ合わぬ自我を育てた。
     それなのに、なぜ…ぼっちゃんは我々の心を分かってくれないのか…!」
戦闘員A「…転職しようかな…」
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最終更新:2010年11月24日 08:07