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ファンタジー風掛け合い「セントエルモの出稼ぎ男」

主・主人公
ア・アリエネゼ嬢
ジ・ジョー=チョウ
先・ムスタース先生
男・男子生徒
女・女子生徒
A・生徒A
B・生徒B
教・教官
放・学園の放送アナウンス
エ・鬼火エルモ
魔・魔人クック
烏・大烏ルーク
S・雷巨人エスティ(※ナシでも可)
蛇・土蛇ハーデ(※ナシでも可)


0:入学試験

 ―入学試験会場、青ブロック

ジ01「たァッ!!」(剣撃)
男01「うわあああっ!!」

放01『青ブロック、優勝者が決定しました。
  これにて、組み分け試験の完了をお知らせします。
  生徒の皆さんは、入学式会場に…』

男02「ハー、ハー…畜生ッ」
ジ02「……」(剣を納める)

ジ03(…何だ? 風上から 焦げ臭い匂いがする…。
  炎魔法でも使ったのだろうか…)

放02『繰り返します。
  組み分け試験を完了した生徒は、担当教官の指示に従い、
  速やかに式典会場へ…』


1:入学式会場

 ―入学式会場、受付

主01「す、すみません遅れました!!まだ、受付…」
先01「はい、落ち着いて、大丈夫ですよ。
  えー、入学証書の提示をお願いします」
主02「はー、はー…はい………」
先02「うん…はい。結構です。手持ちの精霊は…火の鳥ですね。
  試験時に、担当教官からIDカードを受け取ったと思いますが、
  式の席がですね、その番号順に並ぶようになってますので、
  貼ってある番号札とカードを確認して…」
主03「あ!! あの、それが…」
先03「はい?」

放03『まもなく、第76回、入学式を執り行います』

先04「始まったな。じゃあキミ、自分のブロックの席に着いて」
主04「は、はい!」

(席に向かう)

エ01「フフ~ン、重役出勤じゃな~い?」
主05「ちょっと、うるさいよ…」
エ02「ちょっとぉ、こんな後ろに座るの?空いてるんだから前のほう行けばいいじゃない」
主06「だからうるさいって言ってるだろ!」

放04『会場内での私語はおつつしみください』

エ03「あ~あ~怒られちゃった」
主07「誰のせいだよ…」

放05『それでは、初めに学園長の挨拶がございます』

先05「えー、皆さん、おはようございます」

主08(あ、受付の…)

先06「何人かの新入生の皆さんとは、さきほどお会いしましたね。
  改めまして、学園長のムスタースです。
  以外に若いので驚かれた方もいらっしゃるでしょうか。
  皆さんの前で申し上げておきます。
  能力と年齢は必ずしも比例しない。
  そして、『正義は力である』、ということ。
  こういった事を言って、勘違いされても困るのですが…
  力は正義というのは、魔力であったり武力であったりで
  物事を解決することを示唆しているわけではありません。
  ですが、能力のないものが掲げる正義に、ついてくる者はいるでしょうか?
  正義を行うために、必要なものは力。
  それは能力であったり、財力であったり、人を引き付ける魅力であったり…色々です。
  諸君らは若い。まだ力も弱い。
  ですが、その能力を伸ばすことで、皆さんの正義を、
  皆さんが心に秘めた夢であったり、目標であったりを叶える力を深めるために、
  この学園は存在します。
  入学おめでとう、諸君。私たちはキミ達を歓迎します。
  以上。」

放06『ありがとうございました。』

 (拍手)

主09「すごい…!」
エ04「フン。簡潔に、ようこそ、金づるの皆さん!…って言えばいいのに」
主10「キミね…」

放07『新入証書授与。
  代表で、優秀合格者の……』

エ05「…で、この後は何があるの?」
主11「実地試験だって。」
エ06「エ?さっきやってたんじゃないの?」
主12「耐久力を見るために重ねてやるんだって。
  で、さっきは個人で闘ってたでしょ。
  今回は3人以内の班を組んで、団体戦なんだって」

放08『――それでは以上で閉会となります。
  各自、グループを決め、お手元のパンフレットに記載された
  試験会場に向かってください』

主13「強い人と組めればいいんだけど…」
エ07「難しいんじゃない」
主14「…なんでさ?」
エ08「そりゃ、み~んな、『強い人と組みたい』からヨ」

男03「あ?組むの?お前レベルいくつ?」

女01「え?やだうそ低…… あ なんでもないです。」

男04「レベルが近い奴と組んだほうがいいらしいぜ?
  同じレベルの奴が見つかればいいな(笑)」

女02「ごめんなさい、友達と組もうって思ってたので…それじゃ」

エ09「ね?」
主15「…くそう」



主16「う~、もうほとんど人残ってないじゃないか…」
ア01「あの…新入生の方ですか?」
主17「は、はい!そうです」
ア02「入学式は、もう終わってしまいましたか?」
主18「はい、さっき…」
ア03「あら…また遅刻してしまいましたのね…」
主19「えっと…キミは…?」
ア04「あら、申し訳ございません。
  私(わたくし)、アリエと申します。
  あなたと同じく、今年度の新入生ですわ。
  これからどうぞ、よろしくお付き合いくださいませ」
主20「こ、これはご丁寧に…」
ア05「もしかして、班分けももう終わってしまいましたかしら」
主21「あ、え!はい、だいたい決まっちゃったみたいです」
ア06「…あなたも、どなたかと組んでいらっしゃるの?」
主22「え?その、僕はまだ…」
ア07「でしたら、ご一緒させていただいてもよろしいかしら」
主23「あ、はい。……えっ?
  あ、あの、僕でよろしいんでしょうか」
ア08「ええ。渡りに船とはこの事ですわ。
  流石に一人で試験に臨むのは大変でしょう」
主24「えーっと…」
エ10「えり好みする立場でもないでしょーに」
主25「…うるさい」
ア09「まあ! あなたの精霊、会話ができるのですね」
主26「ま、まあね」
ア10「高レベルな精霊なのですね。頼もしいですわ」
主27「う…うん…」
エ11「ウフフ…」



2:団体試験

二次試験会場、森林―

ア11「どういった試験なのか、説明はございましたか?」
主28「う、うん。えーっと、たしかね…」

放09『所定時間内に、実力を競いあってください。
  なお、皆さんの行動は、学園の守護精霊によって観察されております。
  行動が難しくなった場合、緊急時は、すぐに周りに光信号を打ち上げ、
  救護を要請してください。』

ア12「…なるほど。でしたら、私たちがどう活躍したいのか、
  先に考えなくてはなりませんのね?」
主29「…え?」
ア13「戦闘に限らず、全てを観察するということは、
  団体でのチームワークであったり、決断力であったり、
  また、相手の実力を推し量り闘いを回避すること、
  全てが判定材料になっているということでしょう?
  試験会場がこんなに広い森林ということも、
  優勝者を出すことだけが目的ではないことはたしかですわ
  学園側は、私たちの適正を判断したいのでしょうね」
主30「な、なるほど…すごいね…」
ア14「ですから、私たちも行動を考えなければ。
  優秀者を目指すのは…流石に二人では厳しいでしょうけれど、
  高いパフォーマンスをすれば、その分評価は高くなると思うのです」
主31「あ!あのね、アリエ…言いそびれちゃったんだけど……」
ア15「はい」
主32「…僕、その、レベルが……こ、これで……」
ア16「IDカード…失礼しますわね。……レベル、ゼロ? まあ。」
主33「…ご、ごめんね…」
ア17「あ、いいえ、謝らないでください。
  ちょっと驚いてしまったのです。
  これ、間違いではございませんのね?
  一以下の数値なんて、私、初めて見ましたわ…」
主34「だから、戦闘は、ちょっと…」
ア18「そうですわね。
  では、優勝は狙わず、レベル中程度の生徒に勝利していく方向で考えましょう」
主35「レベル中程度…だとどのくらい?」
ア19「そうですわね、んー……私のレベルが」

男05『…押し潰せ、ハーディー!!』
蛇01『キィィィィィッ!!』
男06『よし!また一組…!』

ア20「…近くにどなたかいらっしゃるようですね」
主36「に、逃げようか」
エ12「お二人サン、来るわヨ」
主37「え?」

蛇02『キシャアアアアアアアッ!!!』
(打撃攻撃)

主38「うわあああ!!な、なに、なに!?」
男07「ふっ、ここにも一匹いたか。」
ア21「…いきなり攻撃だなんて。
  マナーに反するのではありませんか?」
男08「おいおい、今のなんて挨拶代りだろう?
  …ん?お前…」
主39「あ!会場の…」
ア22「お知り合いですか?」
主40「違うけど…」
男09「はっはっは!お前にも相手が見つかったのか。
  よかったじゃないか」
主41「…うう」

ア23『雷撃!!!』(魔法攻撃)

主42(魔法だ…!)
男10「はは!どこに向かって…。」
女03『きゃあああああ!!』
男11「!? お前…ッ!!」

ア24「そっちが先に始めたのでしょう。
  …簡単に姿を見せるということは、伏兵がいるということです!」
男12「くそっ…ハーディー!」
ア25「走りましょう!」
主43「う、うん!」

男13「逃すか!!」

(足場が崩れる)
主44「うわあああああ!! じ、地面が消えた…!」
ア26「土の精霊の魔法…ですわね」

男14「はははは!大人しく食らえ!!」

ア27「すみません、ちょっと後ろに下がってていただけますか?」
主45「え?うん…」
ア28「ありがとうございます。…私の精霊、攻撃範囲が広くって」

蛇03『キシャアアアアアアアッ!!!』

ア29「具現せよ、雷の巨人!!」

S01『オオオオオォォォォォオオオオーーーーーー……』

主46「お、大きい…!」
男15「こんなのは大きさだけだ! 雷が、土蛇に叶うか!
  ハーディー!!」

ア30「残念ですわ。…仲間の精霊くらい、把握しておいたほうがいいと思います」
男16「何…?」
ア31「さきほど倒した方の精霊…水霊でしたわね」
男17「お前…!」
ア32「落とせ、大槌!!!」

S02『オオオオオオオオオオオオオオオオォォォーーーーーー』
(雷攻撃)

男18「ぐあああああああ!!!!」


主47(水霊の構成成分は水――
  魔法を使った跡には、水たまりが残る。
  アリエはそれを用いるため、わざと逃げ、
  相手を誘導したのだ。 ―と、後から聞いた)


ア33「勝ちましたわね」
主48「うん……ごめん。僕…役に立たなくて…」
ア34「…もし私が一人でしたら、きっと多くの生徒に狙われた事でしょう。
  団体選で一人で闘うなど、格好の餌食ですわ。
  あなたが私と組んでくださった事は、意味あることです。
  どうかそんな事をおっしゃらないでください。」
主49「アリエ…ありがとう」
エ13「…遠まわしに戦力外通告されてんじゃない」
主50「う…」
ア35「さあ!この調子で行きましょう!」




男19『癒えろ、傷よ…』
(回復魔法)

男20「傷は…浅いな。大がかりだが、そう魔力が強いわけでもないのか。
  あの女子は…畜生、あのまま逃げやがったな…。
  …!」

男21「よう。また会ったな…一人か?」
ジ04「ああ。多いと邪魔になる」
男22「流石優勝者様は言うことが違う。
  …決着といこうぜ」
ジ05「……何?」 (何の決着?初対面じゃないの?の意味で)
男23「ハーディ、絞めつけろ!!」

蛇04『キシャアアアアア!!!』

ジ06「ふっ!!」(跳躍)
男24「お前の攻撃は、前に見させてもらったんだよ!!」(振り被る)
ジ07「…ぐっ」(受け止め)
男25「だが、”魔法”はまだ見ていない……
  ここまで追い詰められて、出さないってこともないだろう?」
  お前、精霊が出せないんじゃないのか?」
男26「ハーディ、叩きつけ……うっ」

(喉元に剣を突き付ける)

ジ08「なぜ出さないか?と言ったな。」
男27「お、前…ッ!」
ジ09「…精霊をもちいなくとも勝利できるからだ」

放10『――時間となりました。
  これを持ちまして、第二次試験、模擬実戦を終了致します。
  生徒の皆さんは、持ち物を確認し、指定された生徒寮に向かって下さい』

ジ10「競う気ならば、力も鍛えたほうがいい。
  …精霊頼りの戦略は弱い」
男28「畜生…ッ!!」


(数歩歩いて)

烏01「…精霊に頼れもしないくせに
  大きなことを言うわねェ」
ジ11「…うるさい」


3:生徒寮

―廊下

主51「えーと…ここから左に入ると男子寮で」
ア36「右が女子寮ですわね。
  部屋割りなどは、着いた順などで決めるのでしょうか?」
主52「うーん…どうなんだろうね?」

ジ12「アリエネゼ嬢か?」
ア37「はい。あなたは…」
ジ13「今日、式典に参加されなかったろう。
  寮室の鍵を渡せなかったので、
  教官室に寄ってほしいそうだ」
ア38「まあ。ご伝言に来てくださいましたのね。
  わざわざありがとうございます」
主53「…じゃあ、僕はこれで…」
ア39「ええ、おやすみなさいませ、よい夢を」
ジ14「キミ……赤ブロックの参加者か?」
主54「え? はい…」
ジ15「そうか。手間が省けた。
  念のため、保険部に顔を出してほしいそうだ」
主55「え…あ、僕が…?」
ジ16「そう伝えられた」
主56「そう…ありがとう。それじゃおやすみ、アリエ」

ア40「あの…彼、どこかケガをされましたの?」
ジ17「…入学試験中、彼の参加していたブロックで、
  爆破事故があったらしい。」
ア41「まあ、爆破…! それでどうなりましたの?」
ジ18「爆破の中心地は、試験会場の傍だったそうだ。
  …彼のように無事な者は少ない」
ア42「まあ、そんなことがあっただなんて…
  きっとショックだったでしょうね……」



―男子寮

(手紙)

主57”…姉上様、お元気ですか。
  僕は、学園へ到着しました。
  無事試験を終え、この手紙を書いています。
  ここへ来てから、沢山の事がありました。
  姉さん。僕は、姉さんにだけは、なんでもすべて、
  本当の事を話したいのです。
  今日、僕の心にだけあるには、大きすぎる事がありました。
  姉さん。どうか、お願いします。姉さんに甘えさせてください。
  全てをお伝えさせてください。”


―入学試験会場、赤ブロック

地鳴りが響く

魔01『グォォォォォォォォ!!!』

A01「な、何だ今の…?」
教01「皆さーん、聞いてくださーい。
  赤ブロックの試験会場ですが、昨日の雨により使用できなくなってしまいました。
  臨時で、白ブロックの会場に移る事となりまーす。
  列に並び、離れずについてきて下さーい」
A02「先生!今の音ってなんですか?」
B01「なんか叫び声みたいな…」
教02「大丈夫ですよ。
  この付近は、地精(ちせい)が発生しやすい場所なので、
  こういった事は珍しくありません。
  音こそ大きいですが、具現化することはめったにない弱い霊ですので、
  どうぞ、安心してください。
  それでは、皆さん、引率の教官の指示に従い…」

A03「おい、お前!列から離れるなって言われたろ!」
B02「どこ行くんだよ!! おい!!」

教03「静かに!皆さん、落ち着いて。落ち着いて、並んでください。」
A04「うわあああああああああああああああああ!!!!」
教04「…!?」

魔02「グオオオオオオ!!!」

教05(炎の魔人…! 間に合わなかったか…)
教06「皆、逃げるんだ!! 早く…!!」

魔03「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
(炎攻撃)

教07「うわあああああああ!!!」
A05「わあああああ!!」
B03「おかーさーーーーん!!」



魔04「…グフッ。ゲホッ……く。起きぬけは力が制御できぬな。
  ふうむ…周りの人間を焼いてしもうたか。
  面倒だが、騒ぎになる前に、身を隠さねばなるまい。
  ……む?」
主58「…ひっ…」
魔05「…おい、主。生き残りか」
主59「……」
魔06「奴らと離れていたのか。
  奴らが焼かれる間、隠れていたのか。
  ククク、卑怯だな。」
主60「僕…は…」
魔07「卑下するな。主はそれで生き残れたのだろう。 
  ククク、吾輩は卑怯者が好きだ。強欲な男が大好きだ。
  なあ、主よ――」


―入学式会場、受付

主61「あの、その、実は赤ブロックで事故があった、みたいで…
  まだIDカードをもらってないんです」
先07「ああ…なるほど。大変でしたね。
  あとで教務部に再発行してもらうよう言いましょう。
  番号がだいぶ繰り上げになるでしょうから…」
主62「繰り上げ…?」
先08「ああ…重傷の生徒も多かったのでね…」



魔08『―我らは共犯者だ…そうだろう?』
エ14『―我らは共犯者だ…そうだろう?』



主63”姉上様。僕はまだ…姉さんの元へ帰れますか?”