『ヒーロー』

A:男性。みんなのヒーロー。無私の奇人。どこまでもまっすぐな人。
B:男性。面倒見のいい親友。無条件の理解者。対話によって道を引き出す人。


A01「俺決めた。俺、みんなを幸せにしたい」
B01「……そうか。頑張れ」
A02「俺思うんだよ。みんな幸せになりたいじゃん」
B02「なれるものならな」
A03「みんな泣きたくないじゃん」
B03「できるものならな」
A04「そう。そこには永久不変の願いがある。俺たちの明日をちょっとだけ良いものにする、た
  だ一つのコトワリだ。だから俺は、みんなを幸せにしたい」
B04「かっこいいな。だけどそれはヒーローのすることだ」
A05「そうだ。俺はヒーローになる。誰もが望むことを誰も叶えないのならば、すなわち俺が
  ヒーローだ。求めるならば応えよう、嘆くならば助けよう、ヒーローがいないのなら、今日
  から俺がヒーローになってやる。欲も打算もなく、ただみんなの幸せのために」
B05「具体的にはどうする?まさか闇雲に働いたところでどうなるものでもないってことは、お
  前自身もわかっているだろう」
A06「もちろんだ。だから俺はダジャレを極めたいと思う。ダジャレは偉大だ。みんなを笑顔に
  する。みんな笑っているときは、笑っていないときより幸せなものだろう。俺はダジャレを
  極めることによって、みんなを幸せにしよう」
B06「ずいぶん無邪気なことを考えるんだな。いや、いっそお前らしくていいか。……ところで
  さっそく1人、今すぐ幸せになりたいやつを知っているんだが、どうだ?そいつは俺の知り
  合いなんだが、あくまで俺の知り合いであって決して俺のことではないんだが、先週、3年
  つき合っていた彼女に振られてしまってな。どうもそいつ、生きる希望を失ったというか、
  笑い方を忘れてしまったようなんだ。どうかお前の力で助けてやってはくれないか」
A07「……わかった。まだまだ未熟な俺だが、せいいっぱい応えてみせる。それで、そいつはど
  こにいる」
B07「いきなり見ず知らずのヒーローが現れても、何かとやりにくいだろう。まずは俺がお前の
  実力をテストしてやるから、その結果が良ければ案内してやる」
A08「オーケー。じゃあ……布団が吹っ飛んだ!猫が寝ころんだ!馬が美味い!鹿が叱られた!
  シャベルが喋る!内臓が無いぞう!仏像がぶつぞう!ゾウが居るぞう!」
B08「……」
A09「アルミ缶の上にあるみかん!って、あれ、みかんどこいった?みかん見っかんねー!3日
  (ン)経っても見っかんねー!……ひょっとしてみかん隠したの、君か(ン)?」
B09「……はは。なんだよそれ、くだらねー。君か(ン)って、おい。あはは」
A10「で、テストしてみて、どうだった」
B10「とりあえず、お前がバカなのは良くわかった。……だけど、お前の気持ちの強さも良くわ
  かった。ヒーローとしては落第だが、ま、今後に期待ってことで。俺も手伝ってやるよ。正
  直、危なっかしくて放っとけないしな。……みんなの幸せのために」
A11「ああ。みんなの幸せのために!」