テレビを見るときは画面からゼロ距離でね。ちょっとでも離れちゃいやだよ。
 電気はつけないでね・・・明るいところじゃ恥ずかしいから。
 ねえ、ちゃんと見てる?私の光線、ちゃんと感じてる?
 この小さい光りのつぶのひとつひとつに、私はいるよ。
 私からの熱、伝わるでしょ?
 貴方が繋いでくれたコンセントから伝わる電磁波が、貴方を暖めてくれる。
 電子レンジじゃこんなことできないよ。
 貴方にこんなことできるのは私だけ。・・・嬉しい。
 ねえもっと近くに来て。もっと、もっと・・・貴方を感じさせてほしいんだ。
 もっともっともっと・・・

[SE:パトカーのサイレン]

警官「ガイシャはテレビの画面に頭を殴打し、そのまま画面を破壊、画面をつきやぶってコードで感電した模様です」
刑事「ご苦労様です。・・・どういうことですかね、ヤマさん」
山サン「さてね。位置からしても、滑って転んで頭をぶつけた・・・なんてことじゃあないな」
刑事「まさか、テレビの中の世界に入り込みたくなった、なーんて」
山サン「まさか・・・しかし、これもまた迷宮入りになりそうだな」
刑事「この一年で12人が、液晶画面に頭をつきやぶって死んでいる。うち10件がパソコン画面。テレビは二件目ですね。」
山サン「だが先月のガイシャのテレビは、チューナーつきパソコンの範疇にいれていい。純粋なテレビが凶器というのは、今回が初めてだな」
刑事「わけのわからない事件ですね・・・」

[SE:電気ノイズ]


お題 瞳 攻撃 テレビ
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最終更新:2010年10月20日 01:51