邪気眼的ななにか


作者:どらいも◆5osweXTmkM

【キャスト】
○篁 夏生 (たかむら なつお)主01~13
主人公。本人の人格とは別に7つの人格と、それぞれ7つの能力を持つ能力者。まだ覚醒していない。
○タカムラ 氷雨 (たかむら ひさめ) 主14~22
水属性の力を持つ主人公の別人格の一人。冷淡な性格。
○ミハエル・ヒュードリッヒ・イフテンシュタイン (男女どちらでも)
炎の加護を受けるドイツ人能力者。主人公の能力をおそれた”組織”が派遣した刺客。日本語上手

【内容】
登場人物それぞれ♂♀どちらでも可。主人公を♀がやる場合は、適宜台詞を読み替えてください。むしろ♀版聞いてみたい。
主人公の別人格は一人二役でやっても、それぞれ別のひとがやっても可


「邪気眼的ななにか」

[夜の繁華街。あえぎつつ走る主人公]
主01 「はぁ…はぁ…っぐっ…はぁ……はぁ……」
[なにかに躓き転倒する]
主02 「っつ……ぐはぁ……くっ…………ったく…なんなんだよ…いったい……。
つっ…痛てて……。見ず知らずのガイジンにイチャモンつけられるようなこと、何もしてねーぞって…っ痛って……」
[近づいてくる足音]
主03 「――はっ」
ミハエル01 「逃げ足だけは、一人前じゃないか」
主04 「ぐっ…な、何なんだ一体、てめぇは……」
ミハエル02 「ウサギ狩りは嫌いではないが、私もそろそろ飽きてきたな」
主05 「ちょ…冗談もいい加減にしろ。一体俺が何をしたってんだ!」
ミハエル03 「貴様に直接の恨みはないが、これも仕事だ。あきらめて大人しくあの世へ行くがいい」
[ナイフを引き抜くミハエル]
主06 「ぅはっ…こ、コイツ日本語通じてんのかよ?」
ミハエル04 「フッ…勿論通じてるさ……無駄なお喋りが嫌いなだけでね……。じゃあ、死んでもらうか」
[斬撃。砕けるアスファルト。かろうじてかわす主人公]
主07 「うぁっ! …ぐっ……はぁ、はぁ……。ま、まじかよ……」
ミハエル05 「この期(ご)に及んで、いまだ現(うつつ)の生に固執するか、タカムラナツオ。…哀れむべき者よ……」
主08 「っなっ、なんで俺のことを知って……」
ミハエル06 「仕事だからと言っただろう」
主09 「てめぇ、一体何者だ」
ミハエル07 「死にゆくものに名乗るほど虚しい事もないが、…よかろう、己の死の意味すら知らずに逝かせるのも心が痛む。
――私は聖バムテスク教会に仕えし十二宮(じゅうにぐう)騎士団の一人、ミハエル・ヒュードリッヒ・イフテンシュタイン。
教会の命ににより、現世に仇(あだ)なす禍根(かこん)の目たりえる咎人(とがびと)を粛正すべく参上した」
主10 「言ってる意味が、全然わかんねぇよ……」
ミハエル08 「君はまだ力に目覚めてはいないようだが。……気づかんかね? 己の内に宿る悪しき力の源流に」
主11 「――力?」
ミハエル09 「我々は、君の秘めたその力を畏れているんだよ。その力はこの世界に対して、いや、この次元にとって忌むべき存在。
(強い口調で)されば! 討つは我が使命!!」
[巻き起こる強風]
主12 「っなっ!! ――うっ――ぐぁっ!!」
ミハエル10 [以下呪文詠唱。上産業はブツブツ唱えて、最後の一行は叫ぶなり淡々と唱えるなりお好きに]
「いにしえより天地(あめつち)の間(はざま)に封じられし火焔の王……
その息は天を焦がす煉獄の炎…… その声は大地を焼き尽くす灼熱の波……
万物を討滅するつるぎとなりて我が手にその身を顕現せよ……
受けてみよ…ディアボリックフレア!!!」
主13 「っぅわぁぁぁぁぁぁああ!!!」
[大爆発。轟音。その後やがて収まっていく]
ミハエル11 「フフッ……。少々派手にやりすぎたようだ。我が火焔の津波で骨まで蒸発したか……」
[踵を返して歩き去ろうとするミハエル]

主14 「――イフテンシュタインとか言いましたよね」
ミハエル12 「――むっ」
主15 「相手を確実に仕留めたことを確認もせず、そう急いで帰ることも無いのでは?」
ミハエル13 「貴様っ――!? ん?……貴様タカムラナツオではないな……?」
主16 「ええ……。彼には少しだけ休んでもらっています。――はじめまして。私はタカムラ氷雨。」
ミハエル14 「くっ…不覚にも今の魔力で覚醒させてしまったか……」
主17 「ええ。私も今起きたばかりで状況が読めないのですが、貴方の放つその殺気だけである程度の現状は理解できます。
貴方には悪いのですが、あいにく私はまだ消えるわけにはいきませんので」
ミハエル15 「ならば、消し炭になるまで焼き尽くすのみ!! 食らえ!! ディアボリックフレア!!!」
[大音響。突如氷の張る音。収束。]
ミハエル16 「――なっっ!! 私の炎が!?」
主18 「ふふっ――。この力も意外に使えるものですね」
ミハエル17 「くっ!? ――よりによって水の加護を受けた能力者とは!! ここは分が悪い…一度退くか」
主19 「そう急がずとも……可能でしたら、もう少しだけ私の相手をしてはもらえませんか?」
[とどろく轟音]
ミハエル18 「なはっ――!? こ…、これが奴の秘める力…なのか……」
主20 「実に、面白い力です……」
[パリパリと電気が流れる音]
ミハエル19 「なっ!? なにをするつもりだ?」
主21 「水分子を急速に運動させるとプラズマが発生するんです。電子レンジの逆ですね。
勿論自然界では起こりませんし、もしそんなことがあっても個々のエネルギー量は軽微なものです
しかし、こうやってスチーム状にした水を高温高圧下で瞬間的な運動量を上げてやれば……」
[パリパリと電気が流れる音が更に増す]
ミハエル20 「でっ、出鱈目なっ!! こんなこと黒魔術でさえ……」
[爆発音]
ミハエル21 「ぅぁぁああああああああ!!!」

[やがてあたりに静寂が戻る。鳴り響くパトカーのサイレン]
主22 「――っふぅ、…に、逃がしてしまったよう、ですね……。
わ、私も…すこし、…疲れました。 また、少しの間…、眠らせてください」
[その場にどさりと崩れ落ちる]


【コメント】

出展・作者の黒歴史的メモより台本に書き直し