A「おーよしよしよし。
  ミーちゃん可愛い、プリチー、超プリチー、愛してるー。んーw」
B「お前気持ち悪い」
A「ありゃまー、飼い主さんはひどいでつねー?
  こんな可愛いミーちゃんにねー?おーよしよし」
B「…お前そんなにネコ好きなら自分で飼えば?」
A「あー無理無理。
  ボクんちねー、金魚も変えないんですよー、ミーちゃーん。
  かわいそうでちょー?なぐさめてー?」
B「…ミー、来い」
A「あ!ミ、ミーちゅわあああん!
  お…横暴!横暴!飼い主の横暴!占有!」
B「特権と言え」
A「ミーチャン、カンバーーーク!!
  うう…あんなに愛し合ったのに!!
  こんな冷血男より俺のほうが愛してるのに!」
B「俺のほうが愛しているさ。な?」
A「嘘だ!」
B「本当だよ。一緒に心中までするところだった。な、ミー?」
A「…嘘だあ」

B「3年前だったかな。よく死にたくなった時期があった」
A「3年前ってーと…中学生じゃん」
B「多感な時期だったんだよ。そういうもんだろ?」
A「どうだったかな…」

B「…雪が降ってた。その日は、家に俺一人だった。
  ひどく落ち込んで、夜になっても暖房もつけないで寝っ転がってた」
A「…寒くね?」
B「寒かったな。足の指がしもやけになって…今も跡があるぜ。
  たぶん氷点下だったんだろうな。
  このままずっと寝転がってたら、死ねるなって思った」
A「…ミーちゃんも一緒だったんだよな?」
B「ああ」
A「で……ミーちゃんが、止めてくれて思いとどまった……とか?」
B「言ったろ。……心中するところだったって。
  ミーは、一緒に死んでくれる気だったんだよ」
A「……はぁ?」
B「こいつは、壁の隅で、俺に背中を向けてじっと座ってた。
  知ってるか? 猫が誰もいないほうを見て座ってるのは、
  そいつに背中を預けてるっていうポーズなんだ。
  こいつが、じっと座って、寒さに耐えてるんだ。
  ああ、こいつは俺のことをわかって、
  それで、一緒に死んでくれようとしてるんだと思った。
  変な話、止められるより、ぐっと来たな」
A「…それで?」
B「見ての通り。馬鹿な考えは起こしてねーよ。
  ミーに死んでもらうわけにはいかねーし。
  こいつには、俺がいないとだめだから」
A「うわっ……なぜだろう、気持ち悪い、とっても気持ち悪い」
B「お前が言うな」
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最終更新:2010年10月20日 02:22