あしおと
作者:ホッケ
【あしおと】
「…どこだよ、ここ」
気がつけば目の前には、大きなお屋敷
…いや、廃墟といった方がしっくりくる
いかにも何か出そうな感じだ
できることなら、今すぐここから逃げ出したい
だが、体が動かない。
それどころか、屋敷の方へ歩み寄ろうとしている自分がいる
まるで何かに引き寄せられるように…
行っちゃだめだ…やめろ!行くな。行くな!!
自らの気持ちとは裏腹に、錆たドアノブに手をかける。
SE:ドアを開ける
SE:懐中電灯のスイッチをいれる
「…なんで、俺、懐中電灯なんか持ってんだ…?」
SE:歩く足音
「…」
なんで俺はこの屋敷の中を進もうとしているんだ…
それ以前に、ここはいったいどこなんだ?
感じるのは恐怖。
頭の中の自分は、逃げろ!ここに居ちゃいけない!と叫び続けている
だが、足が勝手に動く。
進まなくちゃいけないそんな気がする。
「…どうすりゃいいんだよ…何も出てくるなよ…う、歌でも歌うかっ!アハ、あははは」
SE:遠くの方から聞こえてくる足音。
「…えっ、何…っ」
SE:足音。近づいてくる度にだんだん速度が速くなる。
「っう、うわあああああああ!!」
SE:主人公が逃げる足音
「っ、ハア ハア ハア……。な、なんなんだ…」
SE:ピチャン 上から液体が滴る
「うわっ、生ぬ…る… っ!?うああああああ!!く、く首っ!!」
SE:ゴトッ 首が落ちる
「うわあああああ!!!!」
SE:カランッ カラカラ… 懐中電灯が落ちて転がる
「あっ!ヤバイっ!!電気がっ!!…うっ、もういやだ…ほんとなんなんだよ…これ…やめてくれよ…」
SE:キィ… 遠くで扉が開く
「ひっ!!…っだ、誰だ…」
SE:どこからともなく、気味の悪い音楽、猫や赤ん坊の泣き声などが聞こえてくる。
「う、うあ゛ な、何なんだよっ
やめろ、やめてくれ!!あ、あ、うっうわあああああああ!!!!!」
SE:ガバッっと起き上がる
「…っ、はぁ、はぁ、はぁ…。ゆ、夢か…クソっ勘弁してくれよ…」
SE:遠くから足音が聞こえる
「!?えっ…」
SE:だんだん速度が速くなり足音が近づいてくる。
「う、う、うああああああああああ!!!!」
最終更新:2010年10月17日 13:04