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雪女


作者:118 ◆fkrTovHYGs


BGM:オルゴールがいいなっ


買出しに行った帰り道。私は学校帰りの小学生達を目にした。男の子三人、女の子二人のグループだ。その内の一人が道路脇の雪を手のひらに取った。それを合図かのように道で雪合戦が始まった。私は初め少し離れた所からその光景を見ていたが、やがてそれは私のすぐ近くまで来た。前の女の子が避けた雪玉が私の買い物袋に命中した。
 「あ、ゴメンなさい」
 雪玉を投げた男の子がすぐに気づいてそういった。女の子も私が後ろにいた事に気づき、頭を下げた。
 「危ないから、人がいる所や車が通る所では気をつけてね」
私がそう言うと他の子たちも返事をして頭を下げ、私から離れていった。
 「何やっているのー」
 「お前が避けるから」
 「だって、当たりたくなかったんだもん」
と遠くで揉めている中、一人は雪に向かって投げ損ねた雪玉に向かって息を吹きかけていた。
 雪玉は彼の出す炎によってどんどん溶かされていった。そして、やがて水になった。私はそれを見て小さい頃の事を思い出した。
 「ねぇ、どうして窓にフーってすると白くなるの?」
窓に息を吹きかけると真っ白になる事を不思議に思った私はこう母親に尋ねたことがあった。そんな私に母はこう答えた。
 「それはね。ほら、こうやってフーっとすると冷たいでしょう?だから白くなるの」
 「じゃあ、、わたしは雪女だね」
 母が冗談で言ったこの言葉を、私はそう言って暫く信じていた事があった。あの頃、私は窓を凍りつかせる雪女だった。
 何時からだろう…今こうしてはいているものが、ただの暖かい息になってしまったのは。もう私には窓を凍りつかせる事は出来ない。今日、帰ったら聞いてみようと思う。
 「母さんは、何時まで雪女だったの?」

【あとがき】
ふぅ~ってすると冷たいのに、はぁーっとするとあったかいよね。この作品は久しぶりに児童館に遊びに行ったときに、子供の言った一言から生まれた作品です。というより、もうその一言まんまですね。子供は、本当に一言に小説並みの物語を詰めるから困る。