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土井さんはそんなこと言わない


作者:wikiの人◆SlKc0xXkyI



登場人物
   川上……たぶん普通の男。
   矢野……古代の魔法王国の騎士の生まれ変わり、という設定の持ち主。女。
   土井……委員長。男女どちらでも可。
   東尾……川上の友人。



【シーン1】


川上01「――人生というものは、唐突に流れを変える。
    そんな事もあるのだと、俺は深く実感していた」


矢野01「先輩、好きです! 付き合ってください!」
川上02「えーと……先輩さーん?」
矢野02「川上先輩の他に、誰がいるんですか!」
川上03「あー、いや、その……矢野さん? なんで俺なの?」
矢野03「そ、それは先輩が、その……うっ!」
川上04「矢野さんっ? どうしたの?」
矢野04「な、なんでも……くっ、静まれ、静まれ……!」
川上05「大丈夫? 気分が悪いなら保健室に……」
矢野05「へ、平気です! ……先輩、返事はまた今度でいいですから!」


効果音―足音(走り去る感じ)


川上06「あ、ちょっと矢野さん!?」
東尾01「話は聞かせてもらったぜ川上!」
川上07「ひ、東尾!? いつから話を聞いてたんだ!」
東尾02「なぁに、ちょっとそこの物陰で哲学していただけだ、最初からここにいたよ」
川上08「それは立派な変態だと思うけどいかがでしょう」
東尾03「瑣末な事さ。メタな話をすると、この作者の世界住人はスタンダードが変態だしな」
川上09「なんの話だ……?」
東尾04「ふっ、この眼を持たぬ者には分からぬ話さ。
    それよりも川上。お前、あの子と付き合うのか?」
川上10「いや、どうしようかなって……」
東尾05「やーめとけ、悪いことは言わねぇ。あの子はちょっと普通じゃないからな」
川上11「何か知ってるのか?」
東尾06「彼女は矢野誠――顔、スタイル、勉強、スポーツ、どれもがトップクラス。
    まさにパーフェクト超人だが、何故か奇妙な噂がある。
    腕に包帯を巻いていたかと思うと、突然、その腕を掴んで苦しみだしたりするとかな」
川上12「大変だな。何か病気や怪我でもあるのか……」
東尾07「お前のピュアさは保護指定を受けてもいいと思うぜ?」
川上13「よく分からないけど、つまり悪い子じゃないんだな?」
東尾08「……まあ、一応」
川上14「そっか……とりあえず、前向きに考えとくかな」
東尾09「ま、お前がそう言うなら好きにしろ。
    ただし、土井さんにだけは注意しとけよ?」
川上15「土井さんって、委員長だろ? なんで気にする必要があるんだ?」
東尾10「ふっ、この眼を持たぬ者には分からぬ話よ」
川上16「だからそれは、なんの話だっての……」



【シーン2】


川上17「少し混乱したまま、俺は家路を急いでいた。
    日が沈んだ街は暗く、まるで何かが闇に潜んでいそうだったから――――」


土井01「あれ、川上くん。今帰り?」
川上18「土井さんこそ、こんな時間まで何やってるの」
土井02「うーん……ちょっと、後ろ見てくれる?」
川上19「後ろ? って……うわあぁぁぁあ!? なんだこれ!?」
土井03「戦闘型自動人形、サイクロプス。魔界から取り寄せた最新型だよ」
川上20「いやちょっと待て!? 何かおかしい、何か話が違う!
    俺はこの作品がラブストーリーだと聞いたのに、全然ラブじゃない!
    常識とかどこやったー!?」
土井04「何を言ってるのかな? まあいいや――サイクロプス、拘束して」
川上21「うわ、ちょっと!? 離して離して! 話し合えばきっと分かるから!」
土井05「これで王家の血は手に入ったね……ふふ、いよいよ魔界との扉が開放される日も近い」
川上22「何言ってるの!? 土井さんはそんな事言わない!
    クラスの委員長としての常識人役が、土井さんのポジションじゃないかー!?」
土井06「静かにしなよ川上くん――いや、それともバルキスの末裔と呼んだ方がいいかな?」
川上23「そっちこそ静かになれ!?」
矢野06「――そこまでです、土井さん! 先輩を放しなさい!」
川上24「矢野さん!?」
土井07「ちっ、もう嗅ぎ付けたのか、守護騎士め。
    だけど剣を持たない守護騎士に、このサイクロプスを倒せるかな?」
矢野07「倒します……倒してみせます!
    先輩を、私の大切な人を守るためなら、この命に代えてでも!」
土井08「ふっ、やれるものならやってみるがいい!
    もちろん、相手はサイクロプスだけじゃないけど、ね」
矢野08「土井さん……いいえ、魔道士ドーイ。アナタがその力を振るう気なのですか……!」
土井09「本気は出さないよ? 本気を出したら、この街が蒸発してしまうからね」
矢野09「……忘れはしません。魔法王国を消し飛ばした、アナタの力は……!!」
土井10「転生してまでご苦労さま。だけどやっぱり、またここで死ぬ事になるさ」
矢野10「ならば、刺し違えてでも!!」
川上25「っていうか、俺を無視して話を進めるなー!?
    なんだよお前ら、なんの話をしてるんだよ! 分かるように説明しろ!」
矢野11「先輩……生きて帰れたら、付き合ってくれますか……?」
川上26「聞けよ!? 俺の話!」
矢野12「……すみません。ダメですよね、こんなの。
    仕えるべき主君に、恋慕の情を持つだなんて……!!」
土井11「あっはっは! 報われない恋もあったものだね?」
矢野13「黙りなさい! 私は……私は、先輩を見ていられるだけでいい!」
川上27「うっ……なんだこの感情……まさか、これが恋……!?」
土井12「さあ、かかって来い守護騎士! 消し炭にしてあげるよ!」
矢野14「そうはいきません……!」
土井13「愚かな――紅蓮に抱かれて果てろ。クリムゾン・フィアー!」


効果音―なんか炎っぽい音か、爆発系の音。


矢野15「くっ、なんて魔力……! これじゃあ耐えるのも――!?」
川上28「矢野さぁぁぁぁぁぁん!?」


効果音―なんか吹雪っぽいの。


土井14「な、なんだこの力は!?」
矢野16「炎が……消える!?」
川上29「あ、あれ……俺、何を……?」
土井15「そうか、感情の昂りが潜在能力を目覚めさせたのか……!」
矢野17「聞いた事がある……バルキスの末裔だけが使える力。
    あらゆる存在を凍結させる秘術、エターナルフォースブリザード!」
土井16「くそっ、話が違う! ここは引き上げるぞ、サイクロプス!」
川上30「に、逃げて行く……?」
矢野18「やった! やりましたね、先輩!」
川上31「ああ……そう、みたいだな」
矢野19「でも、これで……先輩まで、巻き込んじゃいましたね。
    できれば先輩には、何も知らずに生きて欲しかったんですけど……」
川上32「……いや、よく分からないけど、狙われるのは俺なんだろう?
    それなら俺が頑張らなきゃダメだよ。
    何より――こんなかわいい恋人に、守られてばっかりは嫌だよ」
矢野20「え……せ、先輩!?」
川上33「付き合おう、矢野さん。
    よく分からないけど、君と一緒だとドキドキするんだ。
    たぶん、これが……恋ってやつなんだと思う!」



東尾11「……人はそれを、恐怖と呼ぶのであった」



終わり



【あとがき】
 安価シナリオです。
 テーマ:邪気眼
 ジャンル:ほのぼのラブストーリー
 タイトル:土井さんはそんなこと言わない


 ぶっちゃけカオス。だがそれがいい。
 本気で私は何をやってるんだろう、とか思ったけど気にしないでください。