おめでとう敬老の日

A:黒魔術師のおジジ
B:白魔封士のおじい


A_01「くっくっく……トカゲの尾、イモリの唾液、毒ガマの油、大豆から抽出したイソフラボン……完璧だ。
   これで、私は永遠の命を手に入れる。そして、世界征服の野望をこの手で果たすのだ!」
B_01「待てーーい!!」
A_02「な……何奴!」
B_02「見つけたぞい……クロ。そんな腐った野望は今すぐ捨て、わしらの軍門に下るんじゃ!」
A_03「シロか……ふん、その名の通り、老け込んだな、髪も……そして、死に装束までまとったか」
B_03「死に装束か。ならばお前さんのそれは死神かぇ?
   ハン、その心までドス黒い欲望に満ち……暗黒の魔力がその身にあふれておる。
   なげかわしいのぉ……その一と名高かった、魔法使いが」
A_04「ええい、黙れ!
   いつの昔話をされようと、私はもう五十年もの間、抗ってきたのだ
   貴様ら、愚図どものために、私の野望は何度邪魔されたことか!」
B_04「何度……はて、何度じゃったかの」
A_05「ええい、味なふりを!! 何度、何度って……くっ、回数に換算できる憎しみではない!!」
B_05「不老不死じゃと? 秘法も秘法、邪法に手を染めおって!
   第一、クロ! お前さん、今年で……ええと……結構な年になるじゃろうが!
   今更、不老不死になったって意味はないわい!
   腰が曲がって歯が抜けかけたダァクへェローなんて、しまらんぞぃ、考えなおせ!」
A_06「黙れ! 貴様がいつもいつも邪魔だてするから! 私だって……できるならもっと早いうちに……」
B_06「だいたいなんじゃ、その若者しゃべりは! ッカー、嘆かわしい、毒されおって!
   ワシらが若い頃はじゃな…」
A_07「貴様、2つしか……いや、3つしか年は変わらんだろうが! だいたい、貴様もなんだ?
   いまどき、現実に冒険小説のジジイのようなしゃべり方の老人が存在するか!!」
B_07「ヘッ、こうすると女子どもの受けがいいんじゃ! 口調だけロリジジイにはわかるまい」
A_08「誰が痔だ!」
B_08「ああ? なんじゃて?
   ともかく、クロ。そんな腐った野望は今すぐ捨て、わしらの軍門に下るんじゃ!」
A_09「さっきも聞いた気がするがな! 貴様の軍門などどこにある?
   貴様が勇者専属の魔法使いだったのはもう何十年昔の話だ?
   とっくに隠居の年齢を過ぎて、何の権限があって仮にも一般人を付回すのだ、このスカート!!」
B_09「ああ? なんじゃて? スコットランド? ともかくも、そんな腐った野望は今すぐ捨て……」
A_10「ええい、黙……フガッ! フゴッ、フガガガッ、フンゴガー!」(訳:うわっ、入れ、入れ歯が…入れ歯ー!)
B_10「お? なんじゃ、クロ。妙に白い歯と思うたら、総入れ歯かぇ?
   だからワシはいつも言っておったじゃろ、寝る前だけでなく、間食の合間にも欠かさず茶で……」
A_11「フゴガゴ! フゴッガガガゴゴゴガゴガゴ! ガッガガー!」(訳:うるさい! お前にかまってる暇はないんだ! 帰れ!)
B_11「だいたいのぉ、お前さん、若作りがすぎるぞい。その黒髪は染めたのか?
   ヘッ、妙に照り光りおって……む? ひょいっと!」
A_12「ガガーーーーー!!」(訳:あーーー!)
B_12「なんじゃー、お前さん、カモジズラの世話になってたのかい! ほほーう、どうじゃ? 付け心地は……」(※カモジズラ:カモフラージュ用ウィッグ)
A_13「ガゲゲッガーガーーーー!!」(訳:返せーーー!)
B_13「ほっほーい、返してほしけりゃここまで走ってくるがよい! ホッホッホー!」
A_14「ガッゴガ…ガッガガッガーーーー!!」(訳:この野郎…寿命が尽きる前に…殺す!!)
B_14「ほーっほっほっほっほーー!!」

終!
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最終更新:2010年10月21日 13:49