あるスパイの肉声


ん、聞こえてるのか? もしもし、もしもーし……って電話じゃねぇっての
あー……ォホンッ。俺は今、例の場所に潜入している。それで、少しばかり危ない橋を渡っている。
こうして音声を電波に飛ばしてみたが、もし運良く拾った奴がいたなら、先人の知恵と役立ててくれ。
ま、俺もみすみすトチる気はないがね、ゲン担ぎと保険だ。
んー……ホントにこれで合ってんのか? ま、いーや。
む、ヤッベッ!!

……ハー、行ったか。今、回廊越しにすれ違ったのは巨体の男だ。総数は4。一人は女だが、これもまた巨大だ。
こいつらは侵入者に容赦なんかしやしない、よく注意しとけ
ふん……ふんふん? 匂う、匂うぜ、この部屋の床にある……よしッ! 勘は外れてねぇ!
まさか、床に転がっているとはな……これさえあれば、ウチのガキどもも……ウッ? ウウッ!!
な、なんだこりゃ、顔が、頭が!! ちくしょう、罠か? 罠だ!! 足が、もがけばもがくほど離れね……だ、誰か……
地鳴り? 違う、足音だ……あの男が来る……!
や、やめろ、俺なんか食っても腹の足しにならないだろ、食えないんだよ、や、やめろ、いやだ、やめろおおおおおーーー!!

「母さーん! ネズミ捕りに1匹引っかかってたー!!」

お題:単独突入・ずんどこべろんちょ・先立つ
+ タグ編集
  • タグ:
  • 朗読
  • 完成有
  • 掛け合い
  • 2人
  • 戦場

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2010年10月19日 17:13