『曇りぞら』
A:女性。趣味は天体観測。片思い中。
B:男性。活発なタイプ。実は彼も片思い中。
A01「何してるんだろうな、俺たち」
B01「雲を見てる」
A02「はいはい、そーですね」
B02「意外。そんなに楽しみだったの?」
A03「……」
B03「ごめん。せっかく付き合ってくれたのに。ごめんね」
A04「違う違う。そりゃ正直言うと天体観測なんて全然わからないんだけどさ。せっかく誘ってくれたことだし、新しい趣味にも挑戦してみようかなって。だから、うん、楽しみだった。本当だって」
B04「……そっか。ごめんね」
A05「馬鹿。悪いのは天気予報だろ」
A&B「……」
B05「静かだね」
A&B「……」
A06「寒くないか?」
B06「ううん。ありがとう」
A&B「……」
B07「退屈だね」
A07「何してるんだろうな、俺たち」
B08「雲を見てます」
A08「馬鹿みたいだな」
B09「今、こうして空を眺めてるのって私たち以外にあと何人くらいいるのかな」
A09「そんな馬鹿何人もいてたまるか」
B10「そうだね」
A&B「……」
A10「雨、降ってきたな」
B11「仕方ない、帰ろっか」
A11「望遠鏡、持つよ」
B12「天体、望遠鏡」
A12「ありがとうは?」
B13「……ありがとう」
A13「うわっ本格的に降ってきやがった。急ごうぜ」
B14「……。ありがとう。勇気を振り絞った価値、あった」
A14「何やってんだ、あんまりぬれてブラが透けても知らねーぞ!」
B15「何言ってんだ、馬ー鹿!」
最終更新:2011年03月09日 22:18