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作者:Elika


30!

市原 倫子:身長188cmの女子高校生。身長が高いことが悩みの種。
二宮 圭介:身長158cmの男子高校生。身長の低さが愛嬌。
三橋 由乃:倫子の友達。
四ツ谷 正太郎:圭介の友達。

由乃01「倫子おっはよー!」
倫子01「あー、由乃!おはよー!」
由乃02「うーん、今日も相変わらず背が高いねぇ~」
倫子02「なによそれー、わざとー?」
由乃03「あはは、ごめんごめーん、普通の挨拶だよー」
倫子03「はぁぁぁぁぁぁ~……。
    私だってさー、朝起きたら身長150cmでしたー!とかいうミラクルを期待しないわけじゃないわよー?」
由乃04「あっははははははは、そりゃー確かにミラクルだわー」

倫子04「私は市原倫子。ごくごく普通の女子高生──ただ一点をのぞいては」

由乃05「あ、ミニマム圭介おっはよ!」
圭介01「そうだよー、ミニマムだよー、あ、倫子おはよう!」
倫子05「出たなミニマム圭介!」
圭介02「相変わらずでっかいなー、倒れてこないでねー」
倫子06「わざとらしく見上げるなっ!私は高層ビルかなんかかっ?!」
圭介03「いーんや、東京タワーだねー」
倫子07「びっみょーにしょぼっ!?せめてエッフェル塔くらいにしときなさいよ!」
圭介04「倫子がエッフェル塔なら俺はなんだよー?」
倫子08「落とし穴かなんかじゃない?」
圭介05「えぐれてるえぐれてる!それ絶対えぐれてる!」
倫子09「ミニマムじゃん、なんなら蟻地獄でもいいよー?」
由乃06「うーん、2-Aのラブラブカッポーには朝からスキがないねぇ」
圭介06「だれが!」
倫子10「誰がよ!」
由乃07「ハモりまでラブラブだねー、じゃ、あたし教室行くから~♪」
圭介07「はいはい、由乃ちゃんまったねー」

倫子11「私は市原倫子。ごくごく普通の、身長188cmの女子高生」

(キャスト全員のタイトルコール)

学生A「うわっ、相変わらずでかっ……」
学生B「いいなぁ~、私も市原さんくらい大きくなりたいよー」
学生C「なんでバレー部入ってくれないんだろうな」
学生D「あんだけでかけりゃもう男だよ、男……」

倫子12「みんな好き勝手いって……私だって平均的な一般的なノーマルな身長で生まれてきたかったよ!」

正太郎01「おー圭介、相変わらずちっせーな!」
圭介08「でっしょー?かわいい?かわいい?」
正太郎02「おう、かわいいかわいい」
圭介09「やったー、じゃあおんぶしてくれー」
正太郎03「だーれが野郎なんかおぶるか!気色悪い!」
圭介10「なっ、しょーひどいよ!かわいいっていって俺の心をもてあそんだ!うわーん!」

倫子13「同じクラスの二宮圭介は、身長160cmに満たないちっちゃい男の子。
    私と圭介は、絶対に身長を交換するべきだと思う」

圭介11「倫子たーん、しょーが俺の心をもてあそんでポイ捨てするー」
倫子14「たんっていうな、たんって!ちょっとぉー四ツ谷君、この小動物回収してよー」
圭介12「うわぁ、倫子立つな立つな!軽い圧迫感を感じるー!」

倫子14「男の子なら、低身長をコンプレックスにしそうなのに……圭介はいつもこの調子。
    意に介さず我関せず、ゴーイングマイウェイ。
    多分、強いんだと思う。私なんかより、ずっと……」

正太郎04「はいはい、お席に戻りましょうねー、ったく……」
圭介13「わーい、おんぶだおんぶー!」
正太郎05「あ、そうだ市原。今日委員会だから、よろしくな」
倫子15「あ、そっか……四ツ谷君キャプテンだもんね」
正太郎06「おう、いつも悪りぃな」
倫子16「いいよいいよ、気にしないで。部活調子どう?」
正太郎07「もうすぐ大会あるから、みんな気合入ってんよ」
倫子17「そっか。がんばってね!委員会は私がなんとかしておくから」
正太郎08「大会終わったら埋め合わせはするから、頼むわ」
圭介14「むーーーーー……俺の倫子になにすんだよー!うりゃっ!」
正太郎09「わ、ちょ、おま、圭介っ、背中で暴れるな、っっと、落ちるぞお前!!」
倫子18「な……っ!誰が『俺の倫子』だっつーの!!」
圭介15「きゃーきゃー、しょーロボ、全速前進ー!マキシマム倫子から緊急離脱だー!」
正太郎10「い、市原まで、加勢すんな、って、うぉお?!」

倫子19「圭介は強い。私にはない強さを持ってる。
    それに惹かれる私は、圭介に対して他とは違う感情を持っているのはわかってる。
    でも、私はそれを恋愛感情だとは思いたくない。
    だって私と圭介じゃ、不釣合いにもほどがある────」

倫子20「うわー、さすがにこの時間じゃ誰もいないかぁ~……」
圭介16「いるよー」
倫子21「そっかーいるかーって、ぅおい!?」
圭介17「見下ろすなよー、気分悪いじゃないかー」
倫子21「──ボクー?どうしたのかなー?迷子かなー?」
圭介18「わざとらしくしゃがむなよー!余計胸クソ悪いっ!」
倫子22「ふぅ。圭介も今から?」
圭介19「そだよー。倫子は委員会?」
倫子23「うん、ちょっと遅くなっちゃった」
圭介20「大変だねー、っしょ、と」
倫子24「圭介はなんでこんな時間まで?」
圭介21「図書室で勉強しt」
倫子25「な・ん・で!こんな時間まで?」
圭介22「特に意味はないよー、友達とだべってたらこの時間」
倫子26「はーーーー……ま、いいけどさ」
圭介23「最近、日が落ちるのも早くなったなー」
倫子27「そだねーぇ。最近寒いし。……よ、っと」
圭介24「う……っしょ!」

倫子28「私の下駄箱は下のほう。圭介の下駄箱は上のほう。
    私はしゃがんで、圭介はうんと背伸びして。
    こんなところでも、私と圭介はちぐはぐで、滑稽だ」

圭介25「あ、倫子!」
倫子29「ん?なに?」
圭介26「一緒に帰ろうよー」
倫子30「は……っっ?!い、いいいいいよ、一人で帰れるから!」
圭介27「でもっ!!女の子が一人で夜道歩いちゃ危ないよー?」

倫子31「こんな背の高い私を、女の子って言ってくれた。
    それがうれしくて、同時にちょっと困った。
    一緒に帰ったら……並んで歩いたら、いやがおうにも歴然とする身長差。
    恥ずかしい、と思う私は異端なんだろうか」

圭介28「っでさー、しょーがまたいつもみたいに──倫子?」
倫子32「ふぇっ?!あ、え、ええと……何?」
圭介29「むー……聞いてないー……」
倫子33「…………。圭介は、さ」
圭介30「なにー?」
倫子34「私と帰るの、やじゃないの?」
圭介31「なんでー?」
倫子35「だって、30cmだよ?こんな、あからさまに身長差ある私みたいな大女と歩いて……」
圭介32「バッカだなー、倫子はー。これが現実だよー、受け入れなきゃ、現実を!」
倫子36「周りの目とか──恥ずかしくないの?」
圭介33「べっつにー?俺は俺、倫子は倫子、他は他!」
倫子37「──圭介は、なんでそんなんでいられるの?!」
圭介34「え、え?」
倫子38「知らないよ、バカ!ちび!ミニマム!!」

倫子39「泣き顔なんて見られたくなかった。よけい惨めになるだけだから。
    ひどい言葉を投げつけて、追いかけてこれないようにした。
    なのに────」

圭介35「待ってよー、待って倫子ー!!」
倫子40「はぁ、っはぁ、な、なんなのあのスピード!!」
圭介36「きゅいーーーーーーーん、けーすけダーーーーッシュ!」
倫子41「うわ、ちょっと、ちょっとちょっとちょっとぉおお!!?」
圭介37「倫子捕獲ーーーーぅっ!」
倫子42「こ、こら離せ離して!!」
圭介38「倫子足速いよー、足長いからかなー、ふひーーーー、つっかれたぁああああ!」
倫子43「な、なんで追いかけてくるのよ!」
圭介39「だって倫子泣いてたー……俺のせい」
倫子44「ちが……」
圭介40「俺だって、こんな身長やだよー?」
倫子45「へ……?」
圭介41「でも、気にして伸びるなら思う存分きにするけど、こればっかりはどーしょーもねーしー?」
倫子46「圭介は……やっぱり、強いなぁ……」
圭介42「倫子が、188cmでよかったーって思うよー?」
倫子47「っ?!」
圭介43「同じコンプレックスを抱えてて、俺だけが、倫子の気持ちわかるもんねー」
倫子48「え……?」
圭介44「それに、みーんなセットで呼んでくれるじゃん?ラブラブカップルーてさ?」
倫子49「う……」
圭介45「これって、倫子が188cmで、俺が158cmだからでしょ?ラッキーじゃん!
    困ることなんてなんにもないし、恥ずかしがることなんてどこにもなーい!」

倫子50「いやみなほどにさわやかに、圭介はにこにこしてる。
    ──そうか、私、だから圭介が好きなんだ」

圭介46「あのねあのねー、倫子。俺、倫子好きだよー?」
倫子51「へぁっ?!」
圭介47「友達としてーってのももちろんだけど、ちゃんと、一人の女の子として好きだよ?」
倫子52「え……え、っと?」
圭介48「だから、倫子の隣を歩く権利は、俺のー♪」
倫子53「え、でも、あの」
圭介49「さっき言ったように俺は恥ずかしくないしむしろこの30cmが嬉しいくらいなんだよ?」
倫子54「た……退路をふさがれた……」
圭介50「ねーねー、倫子はー?」
倫子55「あーーー……うー……」
圭介51「えーい、じゃあもう一押し!──俺と、付き合ってください!」

倫子56「座り込む私に、立ち上がる圭介。
    はじめて見上げた、圭介の顔」

圭介52「だめー?」
倫子57「だめ、じゃない……」
圭介53「じゃ、いーい?」
倫子58「いいもなにも……私だって、圭介が好きなんだから!!大好きなんだから!!」
圭介54「──や、やったぁあああああああああああああああ!!!」
倫子59「わぁあっ!な、なんで背中にはりつくの!?」
圭介55「嬉しいからおんぶしてー!」
倫子60「男として恥ずかしくないのかー!!」
圭介56「倫子だからいいのー」

倫子61「その日、帰り道。
    長く伸びた私たちの影が、手を繋いで歩いていた」

倫子62「あー、屋台でてる」
圭介57「え、どこどこ?」
倫子63「ほら、あっち。なんかあったかいものでも売ってるのかな?」
圭介58「うーーー……見えないー……」
倫子64「身長低いからだよ」
圭介59「目が悪いからだよー」
倫子65「身長でしょ?」
圭介60「目ー!」
倫子66「お前はヤギか」
圭介61「寝る前に数えてねー」
倫子67「それは羊!」
圭介62「そうだっけー?」
倫子68「そうだよ」

倫子69「この30cmのおかげ。
    そう思えたのは圭介のおかげ。
    ありのままでいい、と教えてくれた圭介に、今は素直に言える」

倫子70「圭介、好き」
圭介63「うん!」