作者:Elika


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A:男子高校生。優しい性格と軽い口調
B:女子高校生。ひねくれた性格と重々しい口調


A「どう?思い出せた?」
B「んー……まだ」
A「はぁ……まぁ、気長に待つさ。あせったってうまくいかないもんだからな」
B「……すまない」
A「まぁ、そう気に病むなよ。こうやって話してる内に、思い出せるかもしれないんだからさ」
B「そもそも、私がこんなことをしたからいけないんだよな……」
A「まぁ、ノッた俺も俺だけどな」
B「……たった4ケタなんだがな」
A「組み合わせ、10の4乗だからな」
B「ナンバーロックの番号を忘れるなんて……」
A「だ、だから気にするなって、な、な?!」
B「…………この状況も悪くない、といったら、怒るか?」
A「んぁ?何?ごめん、ちょっと聞こえなかった」
B「っ!!……こうして、鎖でつながれたままの状況も、さほど悪くない、といったら」
A「あーーーー、うん、まぁ、ちょっと不便だけど、滅多にないしな、楽しいっちゃ楽しいわな」
B「……同じ、だ」
A「あ……っそ、そぅ……はは、なんか、意外だな。おまえが、そんなこと言うのって」
B「おかしいかっ?!」
A「うぉう!?い、いやおかしいとかそういうんじゃなく、だなぁ、そのー……」
B「チェーンロックでお前を拘束して遊ぶだけだったはずなんだが……」
A「うん、まずその発想がそこらの女子との違いだよな」
B「どうせ、いつも浮いている」
A「いや、個性的でいいーんじゃないかなー、あははー……」
B「むっ……なんかムカついた」
A「いやいやいやいや、ごめん、そういうつもりじゃなくて!」
B「なにをどう間違ったら、自分の腕も一緒に拘束できるんだ……」
A「そりゃ、俺がお前の手を離さなかっただけで」
B「離せよ」
A「だってあの時お前の手離してたら、お前階段転げ落ちてただろ?!」
B「そのくらい日常茶飯事だ」
A「そんなもん日常的に経験するなよ!!」
B「……うん」
A「──で、結局一緒に転げ落ちて、その拍子にこうして二人仲良く階段の手すりにがっつり拘束されてしまった、と」
B「……ほんとうにすまなかった」
A「はぁ……誰か来たところで、ナンバーロックの番号はわからないだろうしなぁ」
B「そもそも誰かにこの状況を見られた場合、どう説明しても誤解を生じそうだ」
A「そればっかりはどうもなぁ……いてて」
B「あ……ど、どこか痛むのか?」
A「いや、落ちた時こめかみぶつけたみたいで」
B「あぁ……血、出てる……痛いだろう……ほんとに……ごめん、なさ、い……っ」
A「う、あああああおい泣くな、泣くなって!!な!かすり傷、ほーんのかすり傷だから!!」
B「でもっ、えぅ、わた、私のせいでっ!」
A「っだーもぉ、泣くなってーの!」
B「あぅっ!?」
A「ほら……デコピンしたから、おあいこだ!」
B「な、なにがどうおあいこなんだ……っていうか痛いぞ、割と。マジで痛いぞ」
A「だから、な、おあいこ。痛いのおんなじ」
B「おんなじ……」
A「泣いたりにやけたり、忙しいやつだな……」
B「……別ににやにやなんてしてな、あ」
A「ん?」
B「思い出した」
A「おお、思い出したか!!!」
B「しかし……私は、眠たい……」
A「え?!ちょ、おい、まて、待てって!!」
B「てきとーに……起こして、くれ……」
A「うぉぉおい?!せめてこれはずしてから寝ろって……っ?」
B「すぅーーー……すぅーーー……」
A「はぁ……無防備すぎだろ……生殺しかってーの……」
B「……んぅー……」
A「……肩ぐらい、貸してやるか……」
B「…………おんなじぃ…………ふふ…………」
A「……。ふぁぁぁあ~……なんか、俺も眠みぃやー……」

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最終更新:2010年10月26日 10:07