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探偵学園L


製作者:wikiの人◆SlKc0xXkyI
登場人物
  先生……売れないメイ探偵。趣味は一人カラオケ。
  藤枝……男子生徒。
  香山……女子生徒。
  草壁……用務員のおじさん。
  山田……犯人だよ。

  その他……まあ適当に。一人複数役でどうぞ。

先生のモノローグ

「この探偵学園Lは、その名の通り探偵を養成するための学校だ。
 Lというのはラージサイズの事で、学園の規模を表している。
 他にもSとMの姉妹校があったりするのだが、まあどうでもいい話だ。
 問題はこの日、この学園で起こった事件だ。
 それはあまりにも単純明快であり、同時に複雑怪奇でもあったのだ」


先生「……被害者は用務員の草壁さんか。
   背後から後頭部を強打され、昏倒している間に首を噛まれて出血。
   まるで吸血鬼のようだな……」
香山「先生? 吸血鬼なんて、そんなの本当にいるわけないじゃないですか」
先生「分かっている。あくまでそう感じた、というだけの話だ。
   ところで第一発見者は香山、お前だったな。報告を頼む」
香山「はい。草壁さんは掃除をしようと、ロッカーを開けたところで殴られました。
   突然で、しかも背後からだったので、犯人の姿は見ていないそうです。
   現場の廊下は袋小路で、目撃者もいませんでした」
先生「……だそうだが、草壁さん。間違いはないですね?」
草壁「え、ええ……その子の話で合っています。
   わしもその、恥ずかしい事にあまり憶えておりませんで……」
先生「いえ、大丈夫です。校門などは監視カメラがあるので、外部犯ならすぐに判明します。
   内部の者の犯行だとしても、犯行時刻は授業中。絞り込むのは容易いでしょう」
藤枝「先生ー。推理とかはしないんですか?」
先生「そんなものはミステリー小説に任せておけ。
   現実の探偵というものは、非常に地味で辛いといつも言ってるだろうが」
藤枝「それじゃあどうして、この事件を警察に届けないんですか?」
先生「……藤枝? お前はいい奴だが、たまに地雷を踏むな?」
藤枝「な、何か言っちゃいけない事でもありました?」
先生「具体的に言うと、警察に届けないのは大人の事情だ。
   これで妙な風聞が立ってみろ、色々と運営に問題が出るんだ」
香山「……そんな理由で、あまり騒ぐなー、とか言ってたんですね」
先生「汚いようだが大切な事だ。
   ついでに言っておくと、――たまには推理がしたかった」
藤枝「うわー大人って汚いやー」
香山「これ大人扱いしていいのかなぁ……」
先生「法的には大人だ、何も問題はない。
   お前達も覚えておくといい。探偵の仕事は、時に汚いものだとな」
藤枝「じゃあ先生。今までにやらかした、一番汚い事ってなんですか?」
先生「殺人事件の、どうしても見つからない凶器の捏造だな」
香山「それすっごく犯罪じゃないですか!?」
先生「何を言う、あいつが犯人で間違いないと俺の推理が示していた。
   しかし困った事に状況証拠ばかりで、物証がなかったのだ。
   民間人の俺には権力がないのだから、取れる手段は凶器の捏造だけだった。
   確かに犯罪かもしれないが、今でも間違ってはいなかったと信じたい」
香山「なんで最後微妙に弱気なんですか!?」
藤枝「先生ってさ、汚いどころかもう、心と思想が汚物だよね……」
先生「お前達なぁ……」
草壁「あ、あのー……ところで、わしの事件の方は……?」
先生「吸血鬼が犯人。それでいいでしょう」
草壁「何故そうなるんですか!」
先生「なんか首噛まれてるし、それでいいじゃないですか。
   正直な話、推理する必要のない事件なんてつまらないんですよ」
香山「ダメな大人の見本がいる……」
先生「事件がつまらない方が悪いのだ。やれやれ、密室殺人でも起こらないものか」
藤枝「先生の場合、被害者になりそうな気が」
先生「あぁん? お前が被害者になってみるか?
   高度なトリックを用意し、他殺と見せかけた自殺で被害者ならぬ加害者がオススメだ」
藤枝「どうして俺が!? っていうか、まずこの事件をどうにかしましょうよ!」
先生「だーかーらー、吸血鬼が犯人だって言ってるだろー?」

山田「――何故それを見抜いた、人間」

先生「は? お前は……山田か。ラーメン屋のバイトはいいのか?」
山田「はぐらかすな人間。
   私が吸血鬼であるという事を、どうやって見抜いたのだ」
先生「……その前に確認するが、医者は必要か?」
山田「はぐらかすなと言っている!」
香山「あのね? 先生に怒る気持ちは分かるけど、吸血鬼ネタは面白くないよ」
山田「冗談ではない!」
藤枝「……あー、最近暑かったしなぁ」
先生「脳がやられたのか……」
山田「な、なんだその憐れむような目は……!?
   やめろ、そんな目で私を見るな、憐れまれる覚えなどない!」
先生「いいから今日は帰って休むんだ。な?
   先生、お前の心の健康がとっても心配なんだよ」
山田「だから私の質問に――お、おい、気安く触るな!
   くっ、離せ人間! やめろ、私をどこへ連れて行く気だ!?」
先生「ほいパス。藤枝、香山。悪いがこいつを病院に頼む」
香山「えー? 私もこれからバイトあるんですけど」
藤枝「じゃあ俺が連れて行くよ。どうせ帰り道の途中だし、病院」
山田「離せ藤枝! 夜の貴族たる私にこのようなまねをして、タダで済むと思うな!?」
藤枝「はいはい、それじゃあ病院へ行きましょうねお貴族様。
   ところで先生、お駄賃とかって出ます?」
先生「出るわけないだろ。
   クラスメイトがあっち系の意味でピンチなんだから、無償で働け」
藤枝「分かりましたよ。……まったく、先生はケチなんだから」
山田「こら、離せ! やめろ、病院なんかに連れて行くなー!?」
先生「やれやれ……どうしてこう、夏になると人はおかしくなるのか」
香山「ホントですねー。あ、先生、ケータイ鳴ってますよ?」

効果音 着信音

先生「お、誰からだ?」
電話「もしもし、私メリーさん。今、学園の前にいるの」
先生「見学希望者は事務室へどうぞ」

効果音 電話を切る音

先生「妙な間違い電話だ。どこで俺の番号が洩れたんだ?」
香山「先生! あそこに変なお爺さんが!」
先生「あぁ? おい爺さん、そこで何やってんだ」
老人「わしは誰じゃ?」
先生「……徘徊老人か。警備員め、侵入を許しやがって。
   給料いくらだ? サボってるんじゃないぞ、まったく」
香山「じゃあ私、このお爺さんを警察まで送ってきます」
先生「ああ、よろしく頼んだ。
   ……やれやれ。どうしてこう、くだらない事件ばかりなんだ。
   たまにはもっと、非日常的な事件でも起きないものか」