作者:Elika
ハートブレイク
A「おい……おまえ、まさか……」
B「ああ、これか?──そういえば、おまえはこういうの苦手だったよな」
A「苦手とかそういう問題じゃない、おまえは男として、人として、俺の親友として恥ずかしくないのか!!」
B「もう、昨日までの俺とは決別したんだ。これは、その証────」
A「なぜだ!!なぜそんなバカなことを!!」
B「バカだと?!バカはおまえじゃないのか!!」
A「っ?!」
B「周りをよく見ろ、時代を捉えろ、見渡す限りのこの」
A「ふざけるのもいい加減にしろ!!なにが時代を捉えろだ、周りが見えてないのはおまえじゃないのか!?」
B「おまえはなにもわかっちゃいないよ……」
A「なん……だと……?」
B「この現代という時代に必要なものは、地位や名誉じゃない、すべてに平等に向けられる愛だ!!」
A「それで……その選択でおまえは、愛を語るつもりなのか?!」
B「全身で愛を表現している、この俺が愛そのものなんだよ!!」
A「バカげている……ふ……ふはははははは、バカげている、バカそのものだ!」
B「愛を知らないおまえには一生わからないだろうな」
A「それが愛だというのなら、俺は一生バカのままでもいい!
なにが悲しゅうて野郎がピンクのハート模様のシャツを着なければならんのだ!!」
B「しょうがないだろう、今年の流行はハート柄なんだから!!」
ニュースキャスター「今、巷の若者たちの間でブレイクしているのはズバリ、『ハート』!」
最終更新:2010年10月26日 11:56