作者:Elika


差し伸べた手は、彼女に届いた。
それでも彼女は、その手をするりとすり抜けた。

 「ごめんなさい、私……」

彼女の声が聞こえた気がした。
彼女がそっと、微笑んだ気がした。

そんなことが、あるわけないのに……。

あきらめきれずに俺はまた、腕を伸ばし始める。
ゆっくりと、自分の思い通りに動かない腕を……。
もどかしさすら、いとおしい。
おまえのためなら、いくらつぎ込んだってかまわない。
俺はおまえを、あきらめたりしない……!!

 「っだあ!クソっ!!また落ちやがった!!」
 「あーあ、おまえキャッチャーにいくらつぎ込む気だよ……いい加減あきらめれば?」
 「っるせーバカ!俺はどうしてもあのぬいぐるみが欲しいんだよ!!」

気がつけば 両替機との 往復で
 普通に買うより 高上がり、とか

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最終更新:2011年02月28日 23:24