作者:Elika


瞳を閉じれば闇に閉ざされ、日常という名の光は霧散する。
眠りに落ちる前のその一時を、視覚が「おまえは孤独だ」と無言のうちに告げる。

こんなにも誰かを求めているのに。
こんなにも私は疲れているのに。
光を知った瞳では、上手に眠れない。

私は無意識に手を伸ばし、ぎゅ、っと布団を抱きしめる。
押し戻されることはなく、きつく抱きしめ返されることもない。

ああ、やはり私は孤独なのだと、自らの腕の戒めからそれを解放する。
私の輪郭と温もりをほんの少しだけ残して、私はベッドから起き上がる。

今夜も、また眠れない。
いたずらに過ぎていく時間ですら、私を責める足音になる。

孤独な眠りはゆるやかに、私のすべてを締め付ける。
渇いたのどは水で潤し、わずかな温もりすら失われた眠りの巣に、再び戻る。
誰がこの心の渇きを潤してくれるのだろうか。
眠りに落ちるその瞬間に、私は誰の名前を呼ぶのだろうか。

誰かの名前を、呼ぶのだろうか?

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最終更新:2010年10月21日 17:37