作者:Elika


あれ、どうしたんですか?
図書室は今日はおやすみですけど……え?
や、あの、図書委員の仕事で。はい。資料室の整理と、希望図書の選定を。
そんな、やめてくださいよ。普通に仕事してるだけです。
……ぁ、ありがとうございます……。

いえっ!そんな、とんでもないです!!
先輩のお手を煩わせるようなものでもないですし!
二人っきりで資料室なんて……そんな……ドキドキしすぎて……へぁっ?!
いいいいいいい今の、きっ、きき聞こえて?!
──はぁーーー……よかった……いいいいいえ、なんでもっ!
なんでもっ、ないです!
ほんと、お気持ちだけで十分ですから!

そっそれより、なにか御用があって来て下さったのでは?
あ、はい、返却ですね!
いいですよ、1冊だけですし。やっときます。

あ……この本、読んで下さったんですか?
どうでした?
……ですよね!そう思いますよね!!
先輩が好きそうだなって、思ってたんです!
あっ──いえ、その……わ、ちょっっ!!
か、返してください!メガネ!!なにも見えな────!!!!!!

…………ぁ。
────……っっ?!
な…………な、なんで……っ!?
あ、メガネ──あり、がとう……ござい、ます……。

あぁ、これでやっと先輩が見え……っ?
あのーーー……もしかして、照れてま、す?
だだ、だって先輩からしたんじゃないですか!!
ええええええっっ!?そんな、屁理屈ですよ!
そりゃ、この本は恋愛の話でしたけど……あの……自分で、よかったんですか?

……自分は、嬉しかった、です、もう一度、その……いえ!
あ、その、だから……メガネないと、見えませんし……。

あ────……。

やっぱり、メガネないほうが……恥ずかしく、なくて、いい、ですね。
わ、も、もういいですから!!
ししし仕事、仕事もありますし!
ま、また先輩の好きそうな本、仕入れておきますから!じゃあっ!!!

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最終更新:2010年10月21日 21:11